ダンジョンにボンゴレ十代目が行くのは間違っているだろうか   作:薔薇餓鬼

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標的(ターゲット)22 大空(ツナ)vs勇者(フィン)

 

 

 

 

 

 ついにツナとフィンとの戦いが始まる。

 

「燃えてる!! 頭燃えてる!!」

 

「た、大変です!! 早く消さないと!!」

 

「み、水よ!! 早く水を持って来て!!」

 

「は、はいっす!!」

 

 頭が燃えてるツナを見てティオナ、レフィーヤ、ティオネ、ラウルが驚きの声を上げる。他の団員たちもツナの姿を見て大慌てする者がほとんどであった。

 

「心配しなくていい。別にこの炎は彼を燃やすことはない。これが彼の戦闘スタイルらしい」

 

 慌てる団員たちに対してフィンが大丈夫だということを説明する。フィンの言葉を聞いて団員たちは完全に落ち着くことはなかったが、それでも衝撃を隠せないでいた。

 

「頭が燃えるってどないな戦闘スタイルやねん……」

 

「だが強いな」

 

「ああ。全く隙がない。フィンが認める理由もわかる」

 

 ロキはあまりに異質なツナの戦闘スタイルに驚きを隠せないでいた。一方でリヴェリアとガレスはツナの強さを動揺することなく見極めていた。

 

「気を取り直していこうか」

 

 フィンは槍を構え、再び戦闘態勢に入るとツナを見つめて隙を伺う。

 

(判明しているのは圧倒的な戦闘センスと、炎の逆噴射による高速移動と空中移動)

 

 フィンはツナを見つめながら現時点でわかっているツナの手札を頭の中で整理し、それに対する最善策を考える。

 

(対応するにはこれしかないか)

 

 フィンはツナに対する対抗策を思いつくと、真正面から一気に間合いに移動すると、両手でおもいっきり槍を薙ぎ払った。

 ツナは炎を逆噴射させ、その場から一瞬にして姿を消す。

 

(今だ!!)

 

「っ!?」

 

 フィンは薙ぎ払った勢いを利用して、そのまま背後に向かって槍を薙ぎ払った。すると背後に薙ぎ払った瞬間にツナがフィンの背後に現れる。ツナは驚きつつも、左腕でフィンの槍の先端を掴む。そしてそのままフィンを片手で投げ飛ばした。

 しかしフィンは投げ飛ばされる途中で両手を離し、ツナの頭上から右足の踵落としを放つ。それに対してツナはフィンの槍を頭上に掲げて防御態勢に入る。

 

「っ!?」

 

 だがフィンの踵落としは槍にぶつかることはなくフィンの右足は地面にめり込む。そこからフィンはツナの腹部に向かって左手で掌底を繰り出す。ツナは掌底が直撃する前にその場から飛び引くと、槍をフィンに向かって前方に投擲した。

 

(これは……)

 

 フィンは上半身をおもいっきり反らして、槍の一撃を躱す。そして槍を躱したと同時にフィンの背後に再びツナが現れた。ツナは槍を蹴り上げて上空に飛ばした。そしてツナはフィンの行動に違和感を覚える。

 

「はぁああああ!!」

 

 フィンはツナに向かって神速のラッシュを叩き込む。ツナは両手でフィンのラッシュを防いでいく。そして右足の膝蹴りを繰り出す。それに対してフィンは即座に飛び引いた。すると時間差でツナが蹴り飛ばした槍が落ちてくるも、動揺することなくフィンの方に向かって蹴り飛ばす。槍は縦方向に回転しながら飛んでいくも、フィンは動揺することなく右手で槍を受け止める。

 そこからツナとフィンの姿が消え、超高速バトルが始まる。そして戦う音だけが響き渡る。

 

「速すぎ全く見えてへん……!?」

 

「フィンは敏捷のステイタスをフル活用し、彼は炎を逆噴射させて機動力を上げている。並大抵の冒険者では目で捉えるのは不可能だろう」

 

 あまりにも速すぎる戦いにロキはついていけなかった。リヴェリアはどういう戦いが行われているのか見えていた。

 

「現にウチの団員も見えていない者がほとんどみたいじゃからのう」

 

 ガレスはツナとフィンの超高速との戦いを見ている団員たちに目をやる。ほとんどの団員が何が起こっているのかわからず、驚きの表情や困惑の表情を浮かべしまっていた。

 

「うーん? ちょっとしか見えなーい」

 

「団長とここまで戦えるなんて……一体、何者?」

 

(クソが!! 戦いについていけねぇ!!)

 

 ティオナ、ティオネ、ベートは完全ではないもののツナとフィンの戦いが見えていた。

 

「アイズさん……!?」

 

 レフィーヤは隣にいたアイズを見て驚いていた。なぜならアイズは歯をくいしばり、両手を握り潰すぐらいの勢いで拳を握っていたからである。

 

(悔しい……!!)

 

 アイズはこの戦いが見えていた。それ故に悔しかったのである。修行の際にフィンと戦っている時程の力を引き出させることができなかった自分自身の未熟さに。

 しばらくすると高速戦闘が終了し、ツナとフィンは再び止まった状態で対面する。

 

「嘘やろ……!? フィンと互角だと……!?」

 

 超高速戦闘が終わってもツナとフィン双方ともに一切ダメージを受けていなかった。ロキはこの事実に驚きを隠せないでいた。

 

「いや……」

 

「ああ……」

 

 リヴェリアとガレスは互角ではないことに気づいていた。互いにダメージを受けてはいないものの、フィンだけが明らかに余裕のない表情をしていることを。

 

「フィンは現時点でもてる力を全てぶつけてる……一方で彼はまだまだ余裕という感じだ。このまま戦えばいずれフィンは負ける……」

 

「何でや!? 何で駆け出しの冒険者にフィンが負けんねん!?」

 

「駆け出しの冒険者であるものか……明らかに数々の修羅場を乗り越えておる……それもオラリオの暗黒期と同等……いや下手をすればそれ以上の修羅場を……」

 

「暗黒期以上やと!?」

 

 ガレスが口にした暗黒期という言葉を聞いてロキは顔色を変える。

 暗黒期。7年前に起きた邪神を名乗る主神率いる過激派【ファミリア】が暗躍し、様々な犯罪活動を行い冒険者、一般人関係なしに多くの人の命が奪われた時代である。その中でも死の7日間と呼ばれる戦いが勃発。オラリオ史上、最も死者を出した戦いであり、バベルが崩落寸前にまで追い込まれる程の出来事。かつてない混沌が渦巻いた最悪の時代なのである。

 

「そんな出来事が他にあるとすれば三大冒険者依頼(クエスト)……やけどそれは15年前の出来事!! あいつはどう考えたって戦いに参加できるような歳やない!! もし仮に戦っとるんなら名前が知られてないはずがない!!」

 

 三大冒険者依頼(クエスト)。冒険者たちがいずれ討伐しなければいけない3体の怪物(モンスター)のことである。その名は陸の王者(ヘビーモス)海の覇王(リヴァイアサン)、隻眼の黒竜。遥か昔にダンジョンから地上に進出した怪物(モンスター)である。

 かつてオラリオ史上最強の【ファミリア】と呼ばれた【ゼウス・ファミリア】と【ヘラ・ファミリア】によって陸の王者(ヘビーモス)海の覇王(リヴァイアサン)は討伐される。しかし隻眼の黒竜だけは討伐に失敗。この戦いで両ファミリアは主力メンバーを失い、さらにはオラリオから追放されることとなった。

 

「それはワシもわからんが……しかしそうでなければあの強さや動きに説明がつかん……」

 

 ガレスの推測は間違ってはいない。ツナは今まで数々の修羅場を乗り越えてきたが、その中で一番の大きな戦いは未来での戦いであった。

 未来の世界では白蘭が率いる【ミルフィオーレ・ファミリー】によって未来の世界は白蘭によって世界征服される一歩手前の状態。世界最強のマフィアたる【ボンゴレファミリー】は壊滅状態、さらに【ボンゴレ】の関係者も次々に抹殺されるという始末。生き残った【ボンゴレ】のメンバーと【ボンゴレ】の同盟【ファミリー】は全世界の【ミルフィオーレ】に総攻撃を仕掛けるという世界規模の戦いを経験している。オラリオの暗黒期も地獄であったがこれは都市内での戦いであり世界の命運をかけた戦いとは全く規模が違う。

 しかも白蘭は平行世界(パラレルワールド)の知識を共有するという力を持っており、その力で8兆ある平行世界(パラレルワールド)を支配。ツナは自分たちの未来だけでなく他の平行世界(パラレルワールド)の命運もかけて戦っていたのである。

 

「偶然……じゃないな。だが反応できていた訳でもない。予測と今までの戦闘経験。それと何かあるんだろう?」

 

「ご明察。流石だね」

 

 ツナはフィンが自分の高速移動に反応できた方法を超直感で見抜いていた。ツナの言葉を聞いてフィンは感心する。

 

「僕の親指は何かが起ころうとすると疼くんだ。といっても疼いても何が起きるのかまでは僕自身にもわからない。だから足りない部分は君の言う通り予測と戦闘経験で補っている」

 

 フィンは自分の親指の秘密をツナに明かす。種明かししたところでどうすることもできないのでバラしても問題ないからである。

 

「だがそれは君も同じ。そうだろ?」

 

「ご明察。流石だな」

 

 戦って間もないもののフィンもツナと同じく気づいていた。ツナの持つ力の存在を。

 

(まるで自分の心を見透かされたかのようだった。おそらく人の見せる動きや感情を感じとることで僕の攻撃を先読みしてる。アイズの攻撃に対応できたのもその力か)

 

 フィンはツナの超直感の詳細に気づくと同時にツナが自分の上位互換の力を持っていることを確信した。

 

(親指の疼きに予測と今までの戦闘経験を駆使して彼の高速移動に対応してきたがはっきり言って付け焼き刃だ。このままこの戦法を続けても先に僕の方が力尽きる。負けるのは時間の問題だ)

 

 このまま今の戦法を続けても意味がないと判断したフィンは深呼吸し体の力を抜いた。

 

「まだ続けるか?」

 

「僕は一応この【ファミリア】団長だからね。部下が見てる前で格好悪いところを見せられなくてね。それに誰かさん程ではないが、僕も結構負けず嫌いなんだ」

 

 不利な状況に立たされてもなおフィンは諦める気は毛頭ない様子であった。

 

「沢田綱吉。先に警告しておく。今から僕は君を倒す為だけの狂戦士と成り果てる。加減はできない。それでも戦う覚悟はあるかい?」

 

「死ぬ気でこいと言ったはずだ。それに何がこようが俺は死ぬ気で戦うだけだ」

 

「そうか。ありがとう」

 

 フィンはツナに感謝の言葉を伝えると、フィンの中に迷いがなくなりフィンは槍を投げ捨てて、ゆっくりと目を瞑る。

 

あれ(・・)を使う気か!?」

 

「正気かフィン!?」

 

 フィンの行動を見てリヴェリアとガレスはフィンが何をしようとしているのかを察していた。

 

「【魔槍よ、血を捧げし我が額を穿て】」

 

 目を瞑ったままフィンは魔法を発動させる為に詠唱を始める。すると左手の親指に鮮血の色に染まる魔力が集結していく。すると魔力が槍の穂先のようになり、フィンはその親指を額に押し当てた。

 

「【ヘル・フィネガス】!!」

 

 フィンの魔力が体に注入される。すると瞳の色が紅の色に変貌する。

 【ヘル・フィネガス】は戦闘意欲が引き出され全能力が超高強化されることによって、冷静なフィンから瞬く間に誰もが戦慄する凶戦士と化す魔法である。強力な魔法であるがこの状態になったフィンは判断能力を失う。指揮官としての一面を持つフィンにとってこの魔法は指揮を捨てることと同義なのである。

 今のフィンは明日の遠征のことなど省みず、ツナを倒す為だけに狂戦士になっていた。

 

「おおおおおおおおおおおおお!!」

 

「っ!?」

 

 狂戦士と化したフィンは先程よりもさらに加速し、一気にツナの間合いに入ると右ストレートを繰り出した。ツナは咄嗟に両手をクロスさせて防御するも、勢いを打ち消せず吹き飛ばされてしまう。

 

(威力もスピードもさっきと桁違いだ!! まるで死茎隊と同じような感覚だ!!)

 

 ツナは未来の世界で戦った、死茎隊のことが頭に浮かんでいた。

 死茎隊とはアイリスという殺戮が生き甲斐の人物に騙され、理性もなく死をも恐れない殺人兵器に改造された人間たちのことである。

 するとツナの背後にフィンが一瞬の内に移動し、ツナに向かって再び右ストレート放った。ツナは即座に両手を下に向けると、炎を逆噴射させて上空へ移動。フィンの右ストレートは空を切る。

 

「飛んでる!! 飛んでるよ!! すごーい!!」

 

「嘘でしょ……」

 

「炎を逆噴射させて飛んでやがる……ふざけた野郎だぜ……」

 

 ツナが飛んでいることにティオナは目を輝かせ、ティオネとベートは驚きを隠せないでいた。ツナが飛んでいることに他の団員たちも驚いていた。

 

「あいつどないなっとんねん!! 飛べるやなんてズルすぎるやろ!!」

 

「まさか飛べるとは……」

 

「【万能者(ペルセウス)】以外にそのような奴がおるとはのう……」

 

 ロキはツナが飛べることに嫉妬にも近い感情を抱いていた。リヴェリアとガレスも他の団員程ではなかったが、驚きを隠せずにいた。

 

(速い!?)

 

 空中に移動して一安心したと思ったツナであったが、フィンが一瞬にしてツナの目の前に迫っていた。ツナは即座に上半身を反らしてフィンの突撃を躱すと同時に、フィンの右足を掴むと地面に向かって投げ飛ばした。フィンは空中で体勢を整えると、地面に上手く着地する。ツナは両手を上に上げた状態で炎を逆噴射させて、一気に地上にいるフィンに蹴りを放った。

 

「ああああああああああ!!」

 

「!?」

 

 フィンはツナの蹴りを額で受け止めた。フィンの予想外の行動にツナは目を見開いて驚く。そして両足を掴むとフィンは口を大きく開けると、ツナの右足に向かって頭突きを放つ。

 

X(イクス)カノン!!」

 

 ツナは頭突きが決まる前にフィンに向かってゼロ距離で炎の弾丸を放った。2人は爆煙に包まれる。

 

「ゼロ距離で撃つなんて普通やないであいつ!!」

 

「いや。正しい選択だ。フィンの攻撃をまともに喰らうよりはマシだ」

 

「肉を切らせて骨を断つ。やりよるわい」

 

 ロキはゼロ距離で容赦なく撃てるツナの判断力に驚愕する。リヴェリアとガレスはツナのことをむしろ評価していた。

 すると爆煙を晴れる。頭突きは回避できたがそれでもフィンはツナの足を離していなかった。【ヘル・フィネガス】の効果が発揮されてることもありアレンの時のように一発で倒すことは叶わなかった。

 

X (イクス)カノン!!」

 

 ツナは再びフィンに向かって炎の弾丸を放った。再び2人は爆煙に包まれる。

 

「2発目!! しかもまた容赦なく……!?」

 

「普通じゃないっす……!?」

 

「なんて方ですの……!?」

 

 再びゼロ距離の攻撃を放つツナに対してアキ、ラウル、アリシアは畏怖の念を覚えていた。2人だけでなくほとんどの団員たちも畏怖の念を覚えていた。

 再び爆煙が晴れる。しかしまだフィンはツナの足を離していなかった。

 

X(イクス)カノン!!」

 

 さらにツナは炎の弾丸を放った。またまた2人は爆煙に包まれる。ただし今回は爆煙の中から2人が吹き飛んだ。流石のフィンもツナの右足を掴んではいられなくなったのである。

 

「ゲッホ!! ゲッホ!!」

 

 流石に3発は無茶だったのか、ツナはおもいっきり咳き込んでいた。一方でフィンはX(イクス)カノンを3発喰らってもなお立っていた。しかしダメージはかなり与えていた。

 

(想像以上だな……これがオラリオ最強【ファミリア】の一角の担う団長の実力か……)

 

 ツナはX(イクス)カノンを3発喰らってもなお立っているフィンに驚きを隠せないでいた。

 

(なら……)

 

 ツナは炎を使わず走って真正面からフィンの元へ向かって行く。フィンもツナと同じく真正面に向かって行く。先程のダメージが響いたのかスピードはかなり落ちていた。

 

「っ!?」

 

 フィンが右ストレートを放とうとした瞬間、ツナは右手の掌を左方向に向け炎を逆噴射させて右方向に移動する。

 フィンは右方向に移動したツナを追おうと左方向に移動する。

 

(今だ!!)

 

 ツナはフィンが自分を追ってきたのを見計らって今度は左手の掌を右方向に向けて炎を逆噴射させ、今度は左方向に移動する。フィンはツナを追い掛ける為に今度は右方向に移動する。

 が、

 

「っ!?」

 

 ツナを追い掛けようとしたフィン。しかしフィンの体が後方に傾く。突然のことにフィンは驚きを隠せないでいた。

 今起こったのはアンクルブレイク。バスケットボールにおいて卓越したドリブルの技術を用いる選手が、相手の軸足が重心に乗った瞬間に切り返した時のみに起こる現象である。アンクルブレイクを行うためには、相手の逆をつくこと、相手の動きの予測と切り返すタイミングが大事になる。アンクルブレイクはプロ選手でも難しい技術であり、簡単にできることではない。

 しかし全てを見透かす力。超直感と死ぬ気の炎の中でも随一の機動力を持つ大空属性の炎を持つツナであれば相手の動きを予測し、大空の炎の機動力で相手を翻弄できる。アンクルブレイクができる条件は揃っている。

 ただし今回、アンクルブレイクが成功したのはフィンが暴走に近い状態になっており、冷静な判断力を失っていたからこそ成功したのである。

 

「ゴフッ!?」

 

 体勢を崩すフィンに向かってツナは渾身の右ストレートを放った。ツナの拳はフィンの腹部に直撃し、フィンは地面に倒れる。

 

「終わりだ」

 

 ツナは左手を握るとフィンの額に向かって左ストレートを放った。

 

「え……!?」

 

 かに思われたがツナはフィンの額に炎を纏った人差し指を押し当てていた。そして先程まで狂戦士と化し狂暴な目をしていたフィンの目が魔法を使う前の優しい瞳に戻っていた。突然の出来事にフィンは何が起こったのかわからず困惑してしまっていた。

 ツナはアイズの【エアリエル】を解除した時のように大空属性の特徴である調和の力でフィンの【ヘル・フィネガス】を強制解除。狂戦士となる前の冷静な判断力を持ったフィンに戻ったのである。

 

(魔法が切れた……いや強制解除された!?)

 

 自分の思考が巡っているということに気づいたフィン。そして自分の魔法が解除されたということを理解させられた。

 

「俺の炎は調和という特徴を持ってる。だから暴走状態のお前を暴走状態になる前の状態に戻した」

 

「調和……」

 

 ツナはフィンの魔法を強制解除させた方法を教える。ツナの炎の特徴を知ってフィンは納得すると同時にどこか清々しい表情になっていた。

 

「まだ続けるか?」

 

「いや。僕の負けだ」

 

 魔法(とっておき)を強制解除された以上、勝ち目がないと判断したフィンは潔く負けを認めたのだった。

 

 

 

 

 

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