ダンジョンにボンゴレ十代目が行くのは間違っているだろうか 作:薔薇餓鬼
ベルとの修行を終えて
だったが、
「ごめんなさーいベルさん、ツナさん!! 手伝ってもらっちゃって!!」
ツナとベルは現在、豊穣の女主人の厨房にて皿洗いをしていた。そんな2人に対してシルは掌を合わせながら謝罪の言葉を述べる。
「わざわざ連れて来られたんですよ!? 無理やり!?」
(そうなんだよなー……)
ベルのツッコミを聞いてツナは思い出す。ベルと共に教会に帰る途中でシルと出会った。そこからシルに無理やり連れられて皿洗いさせられてしまったのである。
「溜まってたお仕事を無断でさぼって休んでしまったら、ミアお母さんにお叱りを受けてしまって、雑用を一杯押し付けられてしまったんです!!」
「僕ら完全にとばっちりじゃないですかぁ!?」
(同情の余地が全くないんだけど!?)
やむ得ない事情ならまだともかく、完全にシルが悪い為、今こうして皿洗いさせられているのは理不尽以外の何物でもなかった。
「おら。とっとと働くニャ。白髪頭とツンツン頭」
「おミャアらはシルに売られたニャ。観念するニャ」
皿洗いするツナとベルに対して、茶髪のショートヘアの
茶髪の少女の名はアーニャ・
自分の業務もある為、シルたちはツナたちの元の持ち場に戻る。
「そういえばアイズさんLv.6になったらしいよ」
「え? そうなの?」
「うん。ほんの少し前に階層主を倒して……ああ。階層主っていうのは特定の階層に存在する強力な
「へー。そんなことがあったんだ。アイズってやっぱり凄いんだね」
洗う皿の量が多すぎる為、ベルはダンジョンから帰って来てからギルドに立ち寄った際に聞いた話をする。アイズがLv.6になったと知ってツナはアイズの凄さを改めて実感する。
(アイズさんは僕との修行を始めた日にはすでにLv.6だったったってこと。そしてアイズさんはLv.6になる為の階層主を1人で倒すという無茶をした。ツナ曰くアイズさんは対人との戦闘が苦手だって言ったけど、それでもアイズさんはツナには全く歯が立たなかった)
普通の人では考えられないようなことができるアイズでさえ、ツナには全く相手にならなかった。ツナはアイズのことを凄いと本心からそう思っているが、ベルからすれば一番凄いのはツナであった。
(それとツナはさっき僕が魔法の力を引き出せていないって言った……どういうことなんだ? 【ファイアボルト】の威力を上げる方法があるとか……?)
今まで自分に教えることはなく、戦いの中で学ばせるというスタイルだったツナが自分が強くなる為のヒントをくれた。あれからベルは思考を巡らせているが、答えが出ることはなかった。
「私も手伝いましょう」
するとツナとベルの背後から空色の瞳と薄緑色のショートボブヘアのエルフの女性が現れる。
彼女の中はリュー・リオン。シルたちと同じく豊穣の女主人の従業員である。冷静沈着でとても真面目な女性である。過去に行き倒れていた所をシルに助けられたことがあり、リューにとってシルは恩人であり大切な友人でもある。故にリューはシルの命を護ると決めている。
「すいません。シルがご迷惑をかけてしまって」
「い、いえ……いつもシルさんにはお世話になっているので」
皿洗いを始めながら謝罪の言葉を述べるリュー。皿洗いをやることになったものの、ベルはいつもシルから弁当をもらっているということを遠回しに言いつつ、気にしないでいいと答えた。
「あなたはクラネルさんと同じ【ファミリア】の方ということでよろしいでしょうか?」
「う、うん。沢田綱吉っていいます。最近、オラリオに来てベルのいる【ヘスティア・ファミリア】に入団したっていうか……」
「そうでしたか。私はリュー・リオンといいます。以後お見知りおきを」
(なんかこの人ちょっとラルに似てる……)
互いに自己紹介するツナとリュー。ツナはリューを見てボンゴレの門外顧問組織に所属しているラル・ミルチと雰囲気が似てると感じていた。
「私の顔に何かついていますか?」
ツナが自分のことを見つめてきたので、リューは何かあったにかと思っていた。
「あ、いや……なんかリューが俺の知り合いに雰囲気が似てたからつい……」
「そうでしたか」
「一体どんな人なの?」
「えっとね……」
ベルはリューと似てるいる人がいると聞いてベルは興味を抱く。ツナはラルのことを説明しようとする。
(お、思い出したくないことが……!?)
ラルについて話そうとした矢先、ツナは思い出してしまう。未来のラルの厳し過ぎる教育法を。
ラルは元イタリア海軍潜水特殊部隊COMSUBINの教官でありリボーン同じく超スパルタ。あまりのスパルタだった為、ツナの顔色が悪くなる。
「ちょっ!? ツナ大丈夫!? 顔色が悪くなってるよ!?」
「だ、大丈夫……ちょっとトラウマを思い出しただけだから……」
「それは大丈夫ではないのでは……?」
明らかに顔色悪いツナを心配するがツナは大丈夫と答える。ツナの返答を聞いてリューは大丈夫な要素がどこにもなかった為、心配しかなかった。
「まぁトラウマっていうか……修行が厳し過ぎるっていうか……弱音を吐いたり、理解できなかったり、結果を出さないと容赦なくぶん殴られるし……気絶したらしたで往復ビンタで無理やり起こされたし……」
「お、鬼過ぎる……」
「それは修行ではなく拷問なのでは……?」
自分たちの想像以上の人物だった為、ベルとリューは引いてしまっていた。
「まぁリボーンの修行に比べたらまだマシっていうか……」
「もういいから!! それ以上はいいから!!」
ラルの修行よりもリボーンの修行の方がスパルタで理不尽で死にかける程の修行。そのことを思い出してトラウマが再び再発しそうなツナを見てベルが慌てて制止する。
(本当に大丈夫なんでしょうか……?)
リューは会って間もないトラウマを思い出すツナを見てツナはこれからが心配になるのだった。
おまけ
「シルの料理を食べて平気なんですか!?」
「う、うん……味はアレだけど食べれないことはないっていうか……」
「そ、そんなバカな……あなたはシルの料理を軽減できるスキルを持っているんですか……!?」
「スキルはそもそも持ってないんけど……」
「あ、ありえない……私はシルの料理で死にかけたというのに……!?」
この後、この事実を知って豊穣の女主人の従業員はリューと同じ反応したという。