ダンジョンにボンゴレ十代目が行くのは間違っているだろうか 作:薔薇餓鬼
トラウマを思い出しベルとリューに心配されるツナ。
「何はともあれ仲間ができたのはいいことです。1人ダンジョンに潜り続けるのはいつか限界がくる」
「リューさんもしかして冒険者だったんですか?」
「はい。私は過去、冒険者を名乗っていました。それが何か?」
「Lv.の上昇……【ランクアップ】ってどうすればできるんですか?」
ベルはアイズがLv.6になったと聞い時からどうすれば【ランクアップ】すればいいか考えていた。今までは【
「偉業を成し遂げればいい」
「え……?」
「偉業を成し遂げるのです。人も、神さえも讃える功績を」
「つまり普通じゃありえないことを成し遂げるってこと?」
「己自身よりも強大な相手の打破……より上位の【
「じゃあ自分よりも弱い相手を倒しても【ランクアップ】はできないってこと?」
「そうなります」
「へー。【ランクアップ】するのって大変なことなんだね」
(いや……ツナはすでに偉業を成し遂げてるんじゃ……)
他人事のようなことは言っているものの、ツナは訓練であるもののアイズを圧倒したのは偉業なのではないかとベルは思ってしまっていた。しかし訓練である上にLv.がアイズの方が上であっても強さはツナの方が上である為、これが偉業になるのかまではわからなかった。
「Lv.上昇は心身の強化。器の進化と道義です。そして神々の恩恵は試練を越えた者にしか高位の資格は与えません」
「それじゃあアビリティっていうのは?」
「ええ。勿論、それまで築き上げてきた
さらにリューは続ける。アビリティは上からAからランクが段階以上あり、Dランク達することで【ランクアップ】の最低条件を満たすのだという。
「でも自分よりも強い
「それを埋め合わせるのが技であり、ここは一般的な見解を伝えておきましょう。パーティを組みます」
「パーティ?」
「はい。相手より劣位である自分たちを補完し合い、敵を打ち倒すのです。オラリオの冒険者たちはそれを繰り返して強くなってきた」
「要するに他の人と強力してより強い相手を倒せばいいってこと?」
「そうです。ただし【
(力を合わせる……ツナなら僕の力なんてなくても……)
リューはそうアドバイスするもベルはツナと協力しても足手まといにしかならないことを自覚していた。
(それにあの人だって……)
そしてアイズは1人で階層主を倒すという偉業を成し遂げた。ベルはアイズに追い付きたいという目標を持っているが、これだけの偉業を成し遂げることのできる人物に追い付くことができるのかという不安に駆られてしまっていた。
「ここからは老婆心になりますが、いいでしょうか?」
「あ、はい。どうぞ」
「クラネルさん。沢田さん。人の数だけ、それぞれの冒険の意味があります」
「どういうこと?」
「あなたたちが直面する冒険は一体どのようなものになるかわからない。ですがその冒険から、その冒険の意味から目を逸らさないで下さい」
「「?」」
元冒険者としてアドバイスするリュー。しかしツナとベルは意味がわからず疑問符を浮かべていた。
「あなたたちは冒険者だ」
「っ!?」
「?」
リューの言葉を聞いて意味がわかっていないがベルは何かを感じ取っていた。一方でツナはリューの言っている意味がわからず、再び疑問符を浮かべていた。
「あなたたちが望むものはおそらくですが、その先でしか手に入れることはできないと思います」
「は、はぁ……」
「いえ……あまり気にしないで下さい。私の勘はよく外れる」
伝えたいことだけ伝えるとリューたちは再び、皿洗いの作業に集中する。
その後、3人は時間をかけて皿洗いを終らせていく。皿洗いを終らせたツナとベルは豊穣の女主人を後にする。
「ベルさん、綱吉さん」
豊穣の女主人を後にしようとした矢先、シルが2人の元にやって来る。
「今日はごめんなさい……本当にありがとうございます」
「いや……最初はあんなこと言いましたけどシルさんにはお世話になっていますし……」
(それでも結構とばっちりだったけど……)
いくら弁当を作ってくれたお礼があるとはいえ、元を辿ればシルのせいなのでとばっちりとツナは感じていたが口には出さなかった。
「ベルさん」
「?」
「私は冒険者様でないですから何と言ったらわからないんですけど……」
「シルさん……?」
「冒険はしなくてもいいんじゃないんでしょうか」
先程の会話を聞いていたのか、シルは自分の思っていることを伝えた。
「無理なさらないで下さい。何だがそれだけは伝えたくて……」
「……」
ベルはリューとは反対の言葉を述べるシルに対して、なんとも言えない気持ちになってしまっていた。ベルは強くなりたいと思っている。だからこそ【ランクアップ】する為に格上の相手と戦わねばならないと知った。
だがシルはリューとは正反対の言葉を伝えた。そしてシルのこの言葉は何も間違ってはいない。格上の相手と戦うことは危険が伴う。そんな危ないことをしようとしている人に対してシルのような言葉を吐くのは何も間違ってはいない。むしろ普通のことである。
シルとリューの言葉は正反対であるが、どちらも間違っていない。だからこそベルはシルに対して何と言ったらいいかわからないでいた。
「沢田さんは大丈夫だと思いますけど、それでも無理なさらないで下さいね」
「え……!?」
なぜ自分だけベルと違って大丈夫なのかわからないでいた。
「ごめんなさい。変なこと言って。でも綱吉さんなら大丈夫だと思ったんです。勘ですけど」
「っ!?」
笑顔でそう言い放つシル。シルの言葉を聞いた途端、ツナは異様な感覚に襲われる。
(何? 嫌な感じじゃないけど……)
今まで感じたことのない感覚を超直感で感じた。ただツナにわかったのはシルが普通の人間ではないということだった。
「綱吉さん? どうかしました?」
「ご、ごめん……何でもない……」
ツナの様子がおかしいことに気づいたシル。ツナは何でもないと答えるも、この違和感のことが頭から離れなかった。
教会に戻ったツナとベル。
明日はついに遠征。ツナはステタイスの更新を行うこととなった。
(こ、これは……!?)
ツナの背中に浮かび上がった【
そしてヘスティアは更新されたステイタスを
沢田綱吉
Lv.1
力:Ⅰ0→F350
耐久:Ⅰ0→F300
器用:Ⅰ0→G200
敏捷:Ⅰ0→F330
魔力:Ⅰ0→Ⅰ0
《魔法》
【】
《スキル》
「ほ、本当なんですか神様……!? このステイタス……!?」
「ああ……はっきりいってどうかしてるとしか言いようがないよ……」
ベルとヘスティアはツナの更新されたステイタス見て驚愕してしまっていた。
「え……そんなに驚くことなの?」
「当たり前さ!! こんなの他の【ファミリア】に知られたら誰もが驚愕するよ!!」
ツナはこのステイタスの数値の上昇が凄いものだということがわからず、ヘスティアはツッコミを入れる。
「いくら何でもおかしくないですか神様……?」
「ヴァレン某君とも連日、戦って勝ち続けた訳だからね……」
「【ステイタス】って
「ああ。強化されるよ。実戦や特訓がどうこうよりも真っ当な【
「でもいくら何でもこれは普通じゃないですよね……!?」
「うーん……一応Lv.1で自分より上の冒険者倒したからこうなったんじゃないかな……?」
ツナのスキルのことは言えないのでヘスティアはわからないフリをして誤魔化すことにした。
「わからないことを考えても仕方ない。とにかく今日はもう寝よう。綱吉君は明日から遠征だしね」
ヘスティアの部屋
「まさかあそこまでとは……」
ツナのスキルである【
「しかも……」
ヘスティアはベッドに横になりながらツナの背中に書かれていたステイタスのことを思い出していた。
沢田綱吉
Lv.1
力:Ⅰ0→F350
耐久:Ⅰ0→F300
器用:Ⅰ0→G200
敏捷:Ⅰ0→F330
魔力:Ⅰ0→Ⅰ0
《魔法》
【】
《スキル》
【
・早熟する
・戦う度に強くなる
・相手が強ければ強いほど効果向上
【死ぬ気の零地点突破改】
・相手の魔力を吸収して自分の力に変換する
・不純物が混ざった魔力は吸収できない
・魔力を吸収し過ぎると自傷する
「この短期間で2つ目のスキルの発現……しかもまたレアスキル……勘弁してくれよ……」