ダンジョンにボンゴレ十代目が行くのは間違っているだろうか 作:薔薇餓鬼
ナッツの力を借りてデッドリー・ホーネットとブラッディー・ハイヴを全滅させたツナ。
「やっと追い付いた!! って何かいる!!」
ようやくツナに追い付いたと思いきや、ツナの右肩に見たことのない生物が乗っていたことにティオナは驚きを隠せないでいた。
「こいつは俺の相棒のナッツだ」
「ガウ」
(可愛い……)
ツナがナッツのことを紹介する。アイズはナッツの愛くるしい見た目に心を奪われてしまっていた。
「大方、この辺りの
「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!!」
「どうした?」
「どうしたじゃないわよ!! そいつが相棒だって言ったけど今までどこにいたのよ!!」
「それに関しては秘密だ。俺の詮索に関わることになる」
「ちょっ!?」
ティオネにナッツが今までどこにいたのか聞かれるが、リングの中に居たとは言えない為、ツナは炎を噴射して一気にその場から消えた。
「ってもう!! 団長の所にいるし!!」
「やっと追い付いたのにー!!」
(クソが!! やっぱりほとんど見えねぇ!!)
(可愛かった……)
ツナがフィンたちのいる後方にいることに気づいて、ティオネとティオナは驚き、ベートは目の前にいてもなおツナの動きがほとんど見えなかった自分自身に苛立ちを覚える。
一方でアイズはナッツのことが忘れられずボーッとしてしまっていた。
「あらかた片付いたぞ」
「うぉ!?」
前方にいたはずのツナが突然、自分たちの元へと現れた為、椿は心臓が飛び出しそうになってしまっていた。
「そうか。それで君の肩に乗っているのは?」
「俺の相棒のナッツだ」
「わかった」
ツナがこれ以上の深掘りをするなと瞳で言っていると感じた為、フィンは何も聞かず一言だけ答える。
「なら先に進もう。悪いがこのことを団員たちに伝えてもらえるかい?」
「了解した」
フィンからの指示を受けてツナは前方を向き、両手を後方に向けると、再び炎を逆噴射させて一瞬にして元いた場所へと戻っていく。
「ツナ吉の奴は何をしたんだ……? 向こうにいたと思えば急にこっちに現れ、ここにいたと思ったらいつの間にか向こうにいたが……」
「炎を逆方向に噴射させた高速移動。それだけさ」
「原理はわかったが……いくら何でも速すぎではないか?」
「あの炎は燃焼力よりも推進力と破壊力に特化している。だからこそあのスピードで動くことができるのさ」
一度、ツナと戦いその身に炎を喰らったフィンは死ぬ気の炎の特性を理解していた。
ツナたちは24階層を出て25階層へと突入する。
「凄いな……」
25階層に入った瞬間、ツナはその光景に目を奪われてしまっていた。
なぜなら凄まじい轟音を立てる巨大な滝があり、階層内のあちこちに水が流れていたからである。
「ここは通称、水の
「あの滝を……!?」
普通の滝ですら生物が登るのは不可能に近い。だが
「ここに来る前に言ったが、この階層のいたる所に水が流れている。水の中に落ちてしまえば水中の
フィンはこの階層での注意点を教えると、水中の
のが目的ではなかったのか、そのまま水中に潜っていった。
「それよりも本当によかったのかい?
「問題ない。俺の炎は水の中でも消えない。絶対に安全ではないが水中でも動けるからな」
死ぬ気の炎は人の生命エネルギーを可視化した超圧縮エネルギー。故に水の中でも消えることはない上に、逆噴射すれば水中でも泳ぐよりも速く動くことができる。
「そうか。だが気をつけるのは水の中だけじゃない」
フィンは空中を人差し指で示した。フィンの示した先にツナは視線を向けると、人間の女性を想起させる上半身に、深い紅色の羽毛を生やした両腕の翼と猛禽類(得物を狩る為に進化を遂げた鳥類)に似た女面鳥体の
「深い赤色の羽毛の
上空にいる
「勿論、地上の
フィンは空中から地上へと視線を向ける。すると前方から大量の
「蟹が
今、向かって来る
普通の蟹は前に進もうとすると、足と関節が多いせいで横向きに移動するよりもスピードが遅くなる。故に蟹は横向きに移動するのである。
「あれはブルークラブ。左右どちらか片方のハサミが異常発達していて、発達したハサミを鉄槌の様に利用した打撃は岩を容易に砕く程の攻撃力を持っている。しかも身体を覆っている鋼殻も非常に強固だ。君なら大丈夫だと思うけど、一応弱点を教えておこうか?」
「問題ない。それに試したい技もあるしな」
「試したい技?」
するとツナは少し前に移動すると右膝を地面に両手を向ける。するとツナの額の炎がノッキングするかのような不規則で瞬く炎へと変わっていく。
「【死ぬ気の零地点突破
するとツナの両手から前方に向かって大量の氷が侵食していき、氷がブルークラブを飲み込んでいく。
死ぬ気の零地点突破
この技は凍らせたものを封じ込めることができる。死ぬ気の炎以外では解かすことはできず、普通の熱や光では溶けることはない。溶かすには死ぬ気の炎しかない。死ぬ気の炎のないこの世界ではまさしく脅威といえる技である。
「氷……!?」
「全く……本当に予想を超えてくれるね……」
炎だけでなく氷も使えると知ってリヴェリアとフィンは驚きを隠せないでいた。
(やっぱりだ。この技もパワーアップしてる)
(それに気のせいじゃなかったな……)
ツナは技がパワーアップしただけでなく他にも何かに気づいていた。ツナがこの技を使ったのはブルークラブの体長が低く、地上でしか動けそうになかった為、普通に戦うよりこの技を使った方がいいと判断した。そしてこの技を使ったことによってツナは何かに気づいたようであった。
「上空の敵を片付けて来る」
ツナは両手を地面の方へと向けると、炎を逆噴射させて空を飛んでハーピィとセイレーンを倒しに行く。
空を飛べる人材がいない以上、ハーピィとセイレーンが攻撃を仕掛けてきたところを倒すしかない。ならば空を飛べる自分があらかじめ倒しておけば、スムーズにこの階層を踏破できると考えたのである。
「と、飛んでおる……!? まさかそこまでできるのか!?」
ツナが当たり前のように上空を飛んでいることに椿は驚きを隠せないでいた。
「彼が上空の敵を蹴散らしてくれている。我々は地上と水中の
ツナの行動の意味を理解したフィンは団員たちに指示を与える。ツナがハーピィたちを相手しているお陰で、団員たちは空中を気にせず戦うことができていた。
その後。ツナたちは25階層から一気に27階層へと進んで行く。
(間近で見ると凄いな)
現在、ツナたちは27階層。
「ん?」
すると滝の中から黒い影がもの凄い勢いでツナに向かって行く。ツナは即座に右手を上空に向けると炎の壁を展開する。黒い影は炎の壁に激突した後に消滅する。
「燕?」
黒い影が炎の壁にぶつかる前にツナは確かに目にした。炎の壁にぶつかったのは緋色の2匹の燕であったことに。
「今のは
「確かに名に恥じない速さだな」
「しかも速いだけじゃない。奴らは自滅しようとお構い無しに特攻してくる。だがそれ故に強い。何が起きたかわからず死んでいくことも珍しくない」
フィンは
すると滝の周囲の壁から新たな
「
「モンスター・パーティー?」
「
「成る程な」
「何とかなりそうかい?」
「問題ない」
そう言うとツナは両手を地面に向けると炎を逆噴射させ上空へ飛ぶ。ツナは
「ナッツ。
ツナがそう呟いた瞬間、
ツナに直撃する。
「直撃!?」
「ツナ!!」
「「「「「「っ!?」」」」」」」
すると
そして時間差で上空から大量の水が降り注ぐ。そこには黒いマントを羽織ったツナがいた。
「