ダンジョンにボンゴレ十代目が行くのは間違っているだろうか   作:薔薇餓鬼

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標的(ターゲット)34 深層(トゥルーデッドライン)

 

 

 

 

 

 

 

 マントにて閃燕(イグアス)の突撃を防いだツナ。

閃燕(イグアス)を液状化した後、ツナは空中からゆっくりと落下し地面へ着地する。

 

「サンキュー。ナッツ」

 

「ガウ」

 

 ツナがお礼の言葉を述べると羽織っていたマントが無くなり、ツナの右肩にナッツが乗る。

 ナッツは様々な要素に特化した武器に変化することができる。今のは防御主体のボンゴレⅠ世のマント(マンテッロ・ディ・ボンゴレプリーモ)。マントに触れたものを大空の炎の特性である調和によって周囲と調和させる。

 今回の場合は閃燕(イグアス)巨蒼の滝(グレートフォール)と調和させて閃燕(イグアス)の体を液体化したのである。

 

「え!? え!? 動物がマントになったんだけど!? どういうこと!?」

 

 ティオナはナッツがマントになったことに驚きの声を上げる。ティオナの言葉に同感したのか、団員たちは首を縦に振っていた。

 

「俺のスキルだ。詮索はなしだ」

 

「どういうスキルよ……」

 

 ナッツが実際にマントに変化できると知られれば流石に不味いので、ツナは自分のスキルだということにして誤魔化した。

 あまりにも変則的なスキルだと知って、ティオネはツッコミをいれざる得なかった。

 その後。27階層を踏破したツナたち。そこから一気に階層を踏破。下層にある安全階層(セーフティポイント)にて休息する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして次の日。下層を踏破したツナたちは37階層に辿り着いた。

 そこは白濁色の壁面と巨大な迷宮構造。天井は見えないくらい高い階層だった。白濁色の壁面の特徴から白宮殿(ホワイトパレス)と呼ばれている。それまでの階層とは天井の高さ、通路や広間の規模も比べ物にならないほど巨大な造りとなっていた。

 

「この37階層から深層のスタートラインになる。ここからは下層よりも厳しくなっていく。覚悟はできてるかい?」

 

「問題ない。それにこの遠征に行くと決めた時から覚悟はできてる」

 

「愚問だったね」

 

「それで? ここからはどうすればいい?」

 

「今まで通り君を先頭にして進んで行く。ただしどんどん先に進まず、僕たちとペースを合わせてくれ」

 

「了解した」

 

 フィンからここからの流れを聞いたツナ。そしてツナたちは37階層を進んでいく。

 

「何かくる」

 

 ツナは怪物(モンスター)の気配を感じ取る。するとツナたちの前。暗闇から羊の顔の形をした頭蓋骨に薄い皮を纏った怪物(モンスター)が現れる。

 この怪物(モンスター)の名はスカル・シープ。肉も皮も臓器もないのにも関わらず動くことのできる骸骨(スケルトン)系に分類される怪物(モンスター)である。

 するとスカル・シープの姿が一瞬にして消える。

 

(擬態したか……)

 

 ツナはスカル・シープが消えたのではなく周囲に紛れたしたのだと理解すると目を閉じてスカル・シープの気配を探る。

 ツナの推測は正しくスカル・シープは自身の皮を利用して周囲に擬態する。自身の姿が見えず戸惑っているところを強襲し冒険者の命を奪うのがスカル・シープの戦い方なのである。

 

「そこか」

 

 ツナは地面を蹴って左方向に移動すると右ストレートを放った。ツナの右ストレートによってスカル・シープの頭が砕け、スカル・シープは消滅する。

 今までツナは幻覚によって姿を消す相手とは戦っている。故に相手の視覚を惑わせてくる相手との戦いには慣れている。

 すると今度はツナの背後。そこからもスカル・シープが現れる。

 

(何だ?)

 

 ツナは後ろを振り向く。先程のスカル・シープとは違い、今度のスカル・シープは体が膨れ上がっていた。ツナはそのことに違和感を覚える。

 すると皮を突き破って骨の槍が伸び、ツナに一直線に向かって行く。

 

(自分の骨を伸ばせるのか)

 

 ツナは動揺することなく右手を上に向けて炎の壁を展開して伸びてくる骨の槍を右手で握って受け止めた。

 さらに今度は3体目のスカル・シープがツナの背後から特攻を仕掛けてくる。

 ツナは骨の槍から手を離すと真上にジャンプし、後方からのスカル・シープの特攻を躱す。そしてスカル・シープはツナの受け止めていた骨の槍が頭頂部に刺さって消滅する。

 

(これが深層か……)

 

 ツナはこれまでの怪物(モンスター)と違って深層の怪物(モンスター)は高い知性を有しているのだと理解する。

 そしてツナはスカル・シープに向かって右手の掌を向ける、

 

『っ!?』

 

 ツナが自分に右手の掌を向けたのを見た瞬間、スカル・シープは姿を消す。

 

(逃げたか)

 

 スカル・シープの気配を探るも周囲にいないことをツナは理解する。そしてこれがツナの狙いでもあった。

 他の仲間がやられ自分たちの攻撃が一切通じない。そんな状況で右手の掌をスカル・シープに向けることで何かしてくると思わせることでスカル・シープの脳裏に逃走するという選択肢を思いつかせた。ツナはスカル・シープの知性が高いという特性を逆手に取ったのである。

 

「懸命な判断だ。気づいての通り深層の怪物(モンスター)は強さだけでなく知性が高い。全ての敵と戦っていては消耗するだけだ」

 

「確かにな。お前が固まって動けと言った理由が今のでよくわかった」

 

 今まで自分の好きなように動いてもいいと言ったフィンが、深層に入ってから方針を変えた理由をツナは理解する。

 そしてツナたちは37階層を進んで行く。

 

(今までとは段違いだな……)

 

 怪物(モンスター)の出現頻度も現れる数も今までとは段違いであることをツナは理解する。だがそれでも

ツナはなんなく怪物(モンスター)に対応する。

 

(流石に苦戦する者も現れたな……)

 

 ツナは他の団員に目を向ける。幹部陣は適応できていたが、若い団員は深層に入ってから怪物(モンスター)に苦戦する者が現れた。それだけ深層の怪物(モンスター)が今までと桁違いの強さなのだとツナは理解する。

 

「はぁ……はぁ……」

 

 ツナの後方。1人の男の団員がスカル・シープに苦戦しているのか肩で息をしていた。そしてスカル・シープの姿が見えない為、恐怖と焦りを見せていた。

 そしてスカル・シープが背後から襲いかかるも男の団員は気づくことができないでいた。

 

「え!?」

 

 男が気配を感じ取り、後ろを振り向いた。そこにはスカル・シープの顔面を右手で鷲掴みしているツナがいた。

 ツナはそのままスカル・シープの頭を握り潰して消滅させた。

 

「大丈夫か?」

 

「あ、ありがとうございます……」

 

 自分の危機に助けてくれたと知って男は涙目になりながらツナに感謝の言葉を述べた。

 

「落ち着け。奴は姿が見えないだけで完全に消えた訳じゃない。確実に得物を仕留める為に周囲を移動している。だから視覚だけに頼らず、周囲の気配を察知することに集中するんだ」

 

「は、はい……」

 

 ツナは男にスカル・シープとの戦い方を教える。すると再び前方にスカル・シープが現れる。

 

「来たな」

 

「俺に戦わせて下さい!!」

 

 ツナはスカル・シープを倒そうとするも男の言葉を聞いて踏み止まる。

 

「わかった」

 

 男の覚悟を見てツナは男に戦わせることを決意する。

 

「何かあったら俺が助ける。死ぬ気でやってみろ」

 

「はい!!」

 

 ツナの言葉を聞いて男は刀を構え、戦闘体勢に入る。そしてスカル・シープの姿が消える。

 

(周囲の気配……)

 

 男は眼球を動かすだけでなく、周囲の気配を察知することに神経を集中させる。

 

(右!!)

 

 男は右方向に気配を察知し右方向に向かって刺突を繰り出した男の刀はスカル・シープの頭を貫いており、時間差でスカル・シープは消滅する。

 

「や、やった……」

 

 自分の力でスカル・シープを倒したと理解して男は笑みを浮かべる。

 その時だった。

 

「危ない!!」

 

 ツナたちの天井に亀裂が入る。ツナは即座に右手首を掴み、その場から離脱する。

 すると天井が崩壊し、超大型の蛇型の深い青色の怪物(モンスター)が現れ、ツナたちのいた場所へ落下する。

 

「あ、ありがとうございます……大蛇の井戸(ワーム・ウェール)!?」

 

 助けてくれたツナにお礼を言った男であったが、すぐに目の前の超大型の蛇型の怪物(モンスター)衝撃受ける。

 

「ワーム・ウェール?」

 

凶兆(ラムトン)の異名を持つ希少種の怪物(モンスター)で……地中を潜行し階層間を移動する習性を持つ怪物(モンスター)なんです……」

 

 男が説明すると大蛇の井戸(ワーム・ウェール)は宙へと飛ぶ。そして弾丸のように回転しながら落下してくる。

 

「大した威力だ」

 

(う、受け止めてる!?)

 

 だがツナは右手を上に向け、左手を下に向けて炎を逆噴射させた状態で大蛇の井戸(ワーム・ウェール)の特攻を受け止めていた。

 この光景に男は腰を抜かし、涙目になりながら衝撃を受けていた。

 するとツナが受け止めたことによって大蛇の井戸(ワーム・ウェール)の回転が止まる。自分の攻撃が効かないと知った大蛇の井戸(ワーム・ウェール)はツナを喰らおうと、口を大きく開ける。

 

「【X(イクス)カノン】」

 

『ギシャァアアアアア!?』

 

 ツナは大蛇の井戸(ワーム・ウェール)の特攻を止めた時の体勢のまま、大蛇の井戸(ワーム・ウェール)の口の中に炎の弾丸を放った。【X(イクス)カノン】を内部に撃ち込まれた大蛇の井戸(ワーム・ウェール)はなす術なく消滅した。

 

(参考にさせてもらったぞベル)

 

 ツナはベルがミノタウロスを倒す際に【ファイアボルト】を内部に喰らわせたことを思い出し、大蛇の井戸(ワーム・ウェール)の体内に【X(イクス)カノン】を放ったのである。

 そしてベルがいるであろう地上の方を向き、ベルたちのことを思い出すのであった。

 

 

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