ダンジョンにボンゴレ十代目が行くのは間違っているだろうか 作:薔薇餓鬼
リヴェリアの一撃によって容赦なく沈められたアイズ。あの後、アイズはリヴェリアに連れて行かれた。目が覚めてからアイズはテントの中で正座させられ、リヴェリアの説教を受けることになった。
「すまないね。アイズの面倒ごとに巻き込んでしまって」
「それはいいんだけど……アイズ大丈夫なの?」
テント内の魔石灯によって説教をするリヴェリアと正座させられて項垂れているアイズが映し出されていた。
かれこれ1時間以上説教されているアイズを見てツナはアイズのことが心配になってしまっていた。
「大丈夫とは言い難いね。それにアイズはリヴェリアを怒らせてしまったことでリヴェリアに対してトラウマがあるからね」
「そう……」
フィンの言葉を聞いて、アイズがどう足掻いても助かる道がないとツナは理解させられた。
「沢田綱吉。君と話がしたいんが構わないかい?」
「話?」
「ああ。ちょっと君に聞きたいことがあってね」
「いいけど……」
「ありがとう。少し場所を変えよう」
そう言うとツナはフィンに連れられる。連れて来られたのは51階層に続く入り口であった。
「それで話って何?」
「大した話じゃない。今回の遠征に参加しようと思った理由を聞きたくてね」
「それは……」
「君はすぐに了承してくれたけど何で遠征に参加してくれたのか聞いてなかったからね。この先、どうなるかわからないから聞いておきたくってね。別に答えたくないなら答えなくていい」
「……」
ツナはフィンの問いかけ対して答えるかどうか迷っていた。
「俺、行く宛がなくて倒れてたんだ。そんな俺をヘスティアとベルが助けてくれたんだ。でもウチの【ファミリア】は貧乏【ファミリア】だからさ。だからオラリオでも最大派閥の報酬を貰えれば楽させてあげられるかなって思ってさ」
「貧乏【ファミリア】でありながら、自分を助けてくれた【ファミリア】への恩返しということかい?」
「うん……」
「成る程。これで君が冒険者になった理由を理解できたよ」
「え?」
「君は冒険者になりたくてなった訳じゃない。違うかい?」
「ど、どうしてそれを……!?」
「会って間もないが一度は拳を交え、君の戦う姿を見てきたんだ。それくらいわかるさ。君は戦っている間、いつも眉間に
「そうだよ。ウチの【ファミリア】が貧乏じゃなかったら俺は冒険者にならずに、ヘスティアのバイト先でバイトしてたと思うよ」
そう言うとツナは自分が冒険者ではなく、ヘスティアのバイト先でヘスティアと共にバイトしている姿が脳裏に浮かんでいた。
「フィンは何で冒険者になったの?」
「一族の復興の為さ」
「復興?」
「君はフィアナという人物を知っているかい?」
「フィアナ?」
フィアナという聞いたことのない名前を聞いて、ツナは疑問符を浮かべる。
「遥か昔。まだ神々が下界に降臨する前にいた
「希望?」
「神が下界に降臨してから、
「でもLv.6で都市最強の【ロキ・ファミリア】の団長にまでなったんだから充分なんじゃないの?」
「自分でも言うのはアレだけど、君の言う通り自身の名を轟かせることには成功したと思っているよ。同族だけでなく他の種族に対してもね。だがそれでも強さはまだまだ。むしろさらに強くならなければならない」
「え!? そんなに強いのに!?」
「いや……このオラリオには君が戦ったオッタルですら足元に及ばない冒険者たちがいたんだ」
「オッタルって……俺が戦ったあの……?」
「そうさ」
「でもあの人が都市最強の冒険者なんじゃ……」
「それは今の話さ。かつてこのオラリオにはオッタルをも上回る冒険者たちがいた。【ゼウス・ファミリア】と【ヘラ・ファミリア】という2大派閥がね」
「そんなに強かったの?」
「ああ。僕やオッタルは各【ファミリア】の構成員にすら勝つことすらできなかったよ。しかも【ゼウス・ファミリア】の団長はLv.8。【ヘラ・ファミリア】の団長はLv.9という規格外の存在だったからね」
「あのオッタルって人だってあんなに強かったのに……!?」
戦ってた時間はわずかであったがツナはオッタルの一太刀を受け止めた際にオッタルが都市最強だと言われる程の冒険者だということを理解させられた。
だがそんなオッタルでさえ上回る逸材がいたという事実にツナは驚きを隠せないでいた。
「だがそんな彼らも15年前に敗北した。とある
「ええ!?」
フィンやオッタルよりも強い冒険者ですら勝てないという存在がいるということにツナは驚きを隠せないでいた。
「僕たち冒険者には三大
「じゃあその冒険者たちは
「
「っ!?」
オッタルよりも強い冒険者たちですら勝つことのできない
「そして2大派閥が壊滅したことによって暗黒期が到来した」
「暗黒期?」
「都市最強の【ファミリア】が失脚したことでオラリオ内にて
「そんなことが……」
今のオラリオは笑顔で人々が往来しており、平和な都市である。ツナからすればそんな出来事が起きていたと到底、思えなかった。
「フィンも戦ったの?」
「ああ。まさしく地獄と呼べる戦いだったよ。その戦いで僕に冒険者としてのあり方を教えてくれた先輩たちもこの戦いで命を落とした」
「フィン……」
「僕たちは多大なる犠牲と引き換えに戦いに勝利した。そしてその後、【疾風】と呼ばれる冒険者によって
語り終えたフィンは天井を見上げ、自身の先輩たちのことを思い出す。
「すまない。暗い話になってしまって」
「ううん。別に。それに俺も少しわかるよ。俺にも護れなかった人がいるから」
「そうか……」
そう言うとツナも天井を見上げ思い出す。未来の戦いにおいて護ることのできなかったユニとγの姿を思い出していた。
フィンは何も聞くことはしなかった。
「話は長くなってしまったが黒竜を討伐できなければもう人類に後はない。そうなれば一族の復興という僕の夢は全て無に還る。だから今以上の強さが必要不可欠なのさ」
「……」
この世界の人間たちは黒竜の存在によって人類滅亡の危機が訪れようとしているということを知って、何も言えなくなってしまっていた。
「そして一族を復興する為に僕にはもう1つやらなければならないことがあるんだ」
「やらなければならないこと?」
「お嫁さん探しさ」
「お嫁さん!?」
まさかここで結婚の話になるとは思っていなかったので、ツナは驚きの声を上げる。
「こんな話の後でこんなことを言えばそういう反応になるのはわかるけど、真面目な話さ」
「どういうこと……?」
「簡単に言えば後継者が欲しいんだ。一族の光を照らし続ける存在が。僕だけが名声を得て名が知られてもそれも一瞬。それでは一族を奮い立たせるには至らない。僕はエルフのような長寿の種族ではないからね。詰まるところ次代に続く後継者が必要だ。そしてそれは僕の血を受け継いでいることが望ましい」
「えっと……未来の一族の栄光の為に自分の子供に自分の意思を受け継いでもらいたいってこと?」
「そういうことさ。ただその相手は僕と同じ
「一族の為にそこまで……」
「それが僕の覚悟さ。それで君に聞きたいんだが僕のお目に叶う
「いやー……そもそも
「そうか。もし見つけたら教えて欲しい。これに関してはロキに許可をもらっているから他の【ファミリア】の者でも構わない。年齢も問わない。といっても僕は40は過ぎてるから相手が僕をもらってくれるかどうかだが……」
「40!?」
フィンが40代だということを知ってツナは驚きの声を上げる。
「本当に!? どう見ても40代に見えないんだけど!?」
「
長くなるのさ。神ヘスティアから聞いていなかったのかい?」
「いや……初耳だけど……」
「そうか。まぁいい。とにかくいい
「わ、わかった……」
返事をするツナだったが、フィンが40代だという衝撃が抜け切らなかった。
「少し話すつもりが長くなってしまったね。そろそろ明日に備えよう」
「うん」
次回から51階層以降の話です。
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