ダンジョンにボンゴレ十代目が行くのは間違っているだろうか   作:薔薇餓鬼

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標的(ターゲット)38 竜の壺(ディストピア)

 

 

 

 

 

 

 51階層を抜けてついに52階層へと続く階段の前へと辿り着く。

 

「ここからはもう補給できないと思ってくれ」

 

 ここから先に行ったことのない者の為にフィンは警告する。

 

「行くぞ」

 

 フィンがそう言うと一行は52階層へと続く階段を下って行く。

 

「戦闘はできるだけ回避しろ!! 怪物(モンスター)は弾き返すだけでいい!!」

 

 フィンが命令すると一行は51階層を攻略した時よりもさらに速い速度で52階層を駆け抜けて行く。

 

(これは……)

 

 52階層に入ってすぐツナの超直感が階層の下から違和感を感じ取っていた。

 すると地面の下から怪物(モンスター)の遠吠えが聞こえ始めた。

 

「走れぇええええ!!」

 

 遠吠えを聞いた途端、フィンは叫ぶ。一同はさらに加速する。

 

「何か来る!!」

 

「ベート!! 転進しろ!!」

 

 ツナの超直感が危機を感じ取る。ツナが叫んだ瞬間、フィンが指示を飛ばした。

 フィンの指示を受けて先頭にいたベート、そしてその後に続いて一同は横道へ飛び込んだ。

 その時だった

 

ドゴォオオオオオオン!!

 

 地面から尋常ならない巨大な火炎が吹き出し、地面が破壊され51階層をも貫いた。この一撃によって怪物(モンスター)もなす術もなく灼かれ消滅する。

 そして下からの火柱はこれだけではなく、他の地点からも吹き出し、先程まで穏やかだった52階層は地獄絵図と化していく。

 

「階層からの狙撃か!?」

 

 ツナはこれが階層の下から怪物(モンスター)が砲撃してきているのだということを理解する。

 この階層には58階層に居座る砲竜(ヴァルガング・ドラゴン)が52階層にやって来た者を察知し、巨大な火球によって狙撃し冒険者たちを葬る。故にこの階層は竜の壺と呼ばれている。

 

「ナッツ!!」

 

「GURURURU……GAOOOOOOOO!!」

 

 まさに地獄絵図とも言われるこの光景の中、ツナはナッツをリングから出す。そしてナッツは吹き出してくる、火柱に向かって咆哮を放った。ナッツの放った【天空の雄叫び(ルッジート・デイ・チエーリ)】によって爆炎は洞窟と調和し石化していく。

 

(ダメか……!?)

 

 だが石化した爆炎をもすぐに破壊されてしまう。この砲撃は58階層から放たれた炎。58階層まで石化が侵食される前に石化した炎が石化される前の炎によって破壊され、再び52階層は地獄絵図と化す。

 この状況をなんとかしようと画策したツナであったが、全く意味を成さなかった為、苦汁の表情を浮かべる。

 

「迂回する!! 西のルートだ!!」

 

 ツナですらどうすることもできないと判断したフィンは正規ルートを外れて別のルート移動するよう指示。ツナたちは迷宮状の広幅の通路を全力で走って行く。

 

(なんて階層だ……ラウルが言っていた意味はこういう意味だったのか……)

 

 今まで冷静で対処できていたツナであったが、この光景は流石に冷静さを失いそうになっていた。

 

「ラウル!! 避けろ!!」

 

「え……!?」

 

 後衛にいたガレスがラウルの近くにある通路の横穴から伸びてくる蜘蛛の糸に気づき叫んだ。しかしラウルは気づいていなかった。

 

「ラウルさん!!」

 

 後方にいたレフィーヤが即座にラウルをバックパックごと突き飛ばした。

 レフィーヤが庇ったお陰でラウルは護られたが、レフィーヤは手首を蜘蛛の糸に絡め取られる。巨大蜘蛛(デフォルミス・スパイダー)の糸に釣られてレフィーヤが宙を舞う。そして巨大蜘蛛(デフォルミス・スパイダー)は顎を開けてレフィーヤを補食しようとする。

 だが補食する前に地面から火柱が上がり、巨大蜘蛛(デフォルミス・スパイダー)に直撃し消滅。お陰でレフィーヤは助かるも、巨大蜘蛛(デフォルミス・スパイダー)が消滅したことによって蜘蛛の糸が消滅。そのまま火球によって空いた大穴に落下してしまう。

 その光景を見たティオナ、ティオネ、ベートは即座にレフィーヤを助けに大穴に向かって飛び降りた。

 

「ええ!?」

 

「嘘!?」

 

「あの野郎!!」

 

 だが3人の視線の先にはすでにツナがレフィーヤの元に向かっていた。自分たちよりも速く向かっていたことに驚きを隠せないでいた。

 

「掴まれ!!」

 

「は、はい!!」

 

 ツナはレフィーヤに向かって左手を伸ばし、レフィーヤはツナに向かって左手を伸ばした。なんとか手を握って、レフィーヤの落下を阻止した。

 

「大丈夫か?」

 

「あ、ありがとうございます……」

 

 落下しながら死を覚悟したレフィーヤであったが、ツナが助けてくれた為、涙目になりながら安堵する。

 

(また来る!!)

 

 安心したのも束の間。ツナはまた砲竜(ヴァルガング・ドラゴン)の砲撃が来ることを超直感で察知する。

 

「頼む!!」

 

「ちょっ!? ええ!?」

 

「ちょっ!?」

 

 このままではレフィーヤも自分も助からないと判断したツナは、上空にいるティオネに向かってレフィーヤを投げ飛ばした。

 まさか投げ飛ばされるとは思っていなかったのかレフィーヤは驚きの声を上げる。ティオナもレフィーヤを投げ飛ばしてくるとは思わなかった為、驚くもなんとかレフィーヤを受け止める。

 

「ナッツ。形態変化(カンビオ・フォルマ)攻撃モード(モード・アタッコ)

 

「ガウ!!」

 

 ツナがナッツを攻撃モードで形態変化(カンビオ・フォルマ)させるとナッツの体が光輝いていく。

 

「【ボンゴレⅠ世のガントレット(ミテーナ・ディ・ボンゴレプリーモ)】」

 

 ツナの右手のガントレットが変貌していく。

 【ボンゴレⅠ世のガントレット(ミテーナ・ディ・ボンゴレプリーモ)】。その昔、ボンゴレⅠ世(プリーモ)が全身の炎を拳に集中させ究極の一撃を放った時、グローブが変化したという逸話がある。このガントレットはその時のガントレットと同じ武器である。

 

「また来る!!」

 

「ちぃ!!」

 

 ティオナが叫ぶとツナの超直感が予感した通り、下から再び火球が上昇していく。ティオナとベートはなんとかしようと武器を構える。

 

「【ビッグバンアクセル】!!」

 

 ツナは火球にに向かって右手をおもいっきり突き出した。するとガントレットから炎を凝縮させた火球が放たれ、砲竜(ヴァルガング・ドラゴン)の放った火球を貫き消滅する。

 

「貫いた!?」

 

「嘘でしょ!?」

 

 6階層もぶち抜く程の威力持つ砲竜(ヴァルガング・ドラゴン)の火球を真正面から破壊するだけでなく貫いていく。

 するとツナたちの真下から尾を入れれば3M(メドル)程の紫紺の竜たちが現れた。この竜はイル・ワイヴァーン。砲竜(ヴァルガング・ドラゴン)が発生させた大穴から落ちてくる冒険者を襲撃してくる竜種の怪物(モンスター)である。

 

『ガァアアアアアアアアアア!!』

 

 だがツナの放った火球の威力は落ちておらず、イル・ワイヴァーンたちを消滅させる。だがそれでも火球は消えるどころかさらに下へと落下していく。

 

(この技も威力が上がってるな……)

 

(砲竜(ヴァルガング・ドラゴン)の砲撃だけじゃなくてイル・ワイヴァーンまで消滅させやがっただと!? どんな威力していやがる!?)

 

 神の恩恵(ファルナ)をもらう前よりも威力が格段に上がっていることをツナは理解する。

 一方でベートは6階層分の階層をぶち抜くだけの威力を持つ砲竜(ヴァルガング・ドラゴン)の砲撃よりもさらに高威力の火球を放ったことに驚きを禁じえなかった。

 そしてツナの放った火球はそのまま次々に現れるイル・ワイヴァーンを消滅させる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 58階層。

 

『アアアアアアアアアアアア!?』

 

 そしてツナの放った火球はツナたちが落ちている大穴を作った、砲竜(ヴァルガング・ドラゴン)の体をも消滅させ、さらに58階層をもぶち抜いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 大穴

 

「このまま下まで降りてあの炎を放った怪物(モンスター)を倒して、フィンたちが52階層へと突破しやすくする。それでいいか?」

 

「てめぇに言われなくてもわかってらぁ!!」

 

「うんっ!! 賛成!!」

 

「それしかないわね」

 

 このまま下の怪物(モンスター)たちを倒すことでフィンたちが狙撃されるのを防ぎ、下の階層で合流する方が賢明だと判断したツナは落下しながら自分の意見を伝える。ツナの意見にベート、ティオナ、ティオネは賛成する。

 

(まるで団長みたい……)

 

 ただ強いだけでなく一癖も二癖もある【ロキ・ファミリア】の幹部陣たちを一瞬にして纏め上げた。レフィーヤはツナにどこかフィンの面影を見ていた。

 

「行くぞ!!」

 

 

 

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