ダンジョンにボンゴレ十代目が行くのは間違っているだろうか 作:薔薇餓鬼
(見えた)
大穴から落ちてから数分。ついに58階層の地面がツナたちの視界に入る。ツナは炎で一気に加速し落下の速度を上げると、偵察の為に先に58階層に降り立つ。
「あれが……」
ツナの視界には6体もの
そして時間差でベート、ティオナが58階層を降り立った。
「【雨の如く降りそそぎ、蛮族ども焼き払え】
「あんたたち逃げなさい!!」
そして魔法を放つ為に詠唱を唱えているレフィーヤを抱えたティオネが58階層に降り立った。すると地面に巨大な
ティオネの言葉を聞いて魔法が放たれると即座に理解したベート、ティオナは即座に安全地帯へと移動。レフィーヤの魔法は知らないツナはベートとティオナの移動する方向を見て、同じ方向に移動する。
「【ヒュゼレイド・ファラーリカ】!!」
レフィーヤが叫ぶと空中に小さな
レフィーヤは
レフィーヤから放たれた魔法によって
「凄まじい威力だな……」
広範囲に渡って降り注ぐ炎の矢によって焼け野原と化し、爆煙に包まれた58階層を見てツナはレフィーヤの凄さを理解する。
「そんな……綱吉さんの炎の球に比べたら私の魔法になんて……」
「威力だけの話じゃない。範囲と数の話だ」
「範囲と数?」
「俺は広範囲の攻撃ができない訳じゃないが得意じゃない。だがこんなにも大量の弾幕を撃つのは無理だ。そういう意味ではお前は俺よりも優れている」
「え……!?」
自分よりも遥かに強いツナが自分のことを褒めてくれたことにレフィーヤ少しだけ嬉しくなってしてしまっていた。
『オオオオオオオオオオオオ!!』
「くっちゃっべってる場合か!! 来るぞ!!」
ベートが叫ぶと爆煙が晴れ、
その時だった
『ガッッ!?』
上空から何かが落ち、1体の
「生きとるか、ヒヨっ子共」
落ちてきたのはガレスだった。ガレスが落ちてきたことに一同は驚きのあまり立ち尽くしていた。
すると同胞を殺された怒りか、
ガレスは羽織っていたマントを翻すと、両手に持っていた斧を構える。そして
「不味い!! みんなここから離れろ!!」
ツナはガレスが何をしようとしているのか即座に理解するとガレスから離れた。ツナの慌てぶりから何かあるということを理解したのか、ベートたちもガレスから離れる。
「ふん!! ぐっ……おおおおおおおおおおおおお!!」
「ぬぅおおおおおおおおおおお!!」
ガレスが
「飛んでいけぇえええええええ!!」
最大まで勢いをつけると、ガレスは
投げ飛ばされた
(なんて怪力だ……)
ドワーフは生まれながらにして他の種族に比べて並々ならぬ力を持つ種族だということは聞いていたツナであったが、流石にこれは規格外であった為、驚きを禁じえなかった。だが驚きを禁じえなかったのはツナだけではなく、同じ【ファミリア】であるベートたちも同様であった。
「はぁ……はぁ……浴びるようにドワーフの火酒が飲みたいわい……」
流石に無茶だったのか、ガレスは肩で息をしていた。
「ガレスさん1人いれば、何とかなるんじゃ……」
「無茶を言え。あんな馬鹿な真似が2度も3度もできるものか」
ガレスが入れば他のメンバーはいらないのではないかと思ったレフィーヤ。しかし流石のガレスでも何度もできる芸当ではなかった為、ガレスは捨てた斧を拾い直す。
「ほれ。いつもの利かん坊っぷりはどこに行った? さっさと老人を労らんか」
「てめぇみたいなジジィが
「私、負けないもんねー」
「やっぱり人の上に立つのはできなそう、私。こういうの見せられたら」
自身の怪力で呆然としているベート、ティオナ、ティオネに発破をかけるガレス。ガレスの目論見通り3人はやる気を出す。
すると57階層の連絡路から新種である芋虫型の
「むっ。例の新種か」
「それだけじゃない」
ガレスが新種の存在に気づく。ツナは新種だけでなく58階層の壁からウィル・ワイヴァーンや
「全く次から次へと」
「元よりフィンが来るまでここで時間稼ぎするつもりだったから問題はないが……そういえばここは何階層だ?」
レフィーヤを助ける為に慌てて降りて来た為、ツナはここが何階層なのか知らなかった。
「ここは58階層じゃ」
「ならフィンたちが来るまでにはまだまだかかりそうだな」
「そういうことじゃ。フィンたちが来るまで時間を稼ぐぞ」
ここが58階層だということをツナは理解する。そして
「くたばりやがれぇえええ!!」
「おらぁああああ!!」
「いっくよー!!」
多方向からやって来る
が、
「
ツナは驚きの光景を目にする。それは新種が他の
「あの新種は魔石と魔力に反応する性質を持っておる」
「つまり魔法や魔剣は使うのは難しいということか」
「そういうことじゃ」
「厄介だな……」
新種と新種の補食から免れた
腐食液を放つというだけでも厄介なのに魔剣や魔法を容易に使えないと知ってツナは新種の厄介さを理解する。
普通の武器で接近して倒そうとすれば腐食液が放たれ、武器が直撃しても内部の腐食液が飛び出し武器を溶かしてしまう。しかし魔法による遠距離の攻撃をすれば魔力に反応し、術者に標的が向く。この新種は冒険者にとって天敵と言っていい存在である。
「ナッツ」
「GURURU……GAOOOOOOOO!!」
ガントレットになっていたナッツを元の戻すと、【
「ダメだな」
「ええ!? 何で!?」
大量の
ナッツの
(試してみるか……)
すると先程、レフィーヤの放った大量の炎の矢の光景がツナの脳裏に浮かんだ。
するとツナは右手の人差し指だけを立てると指先に炎を集中させると炎を集中させた人差し指を空中に向けた。
「【
すると右手の人差し指から圧縮した炎が一直線に放たれ、イル・ワイヴァーンの体を貫いた。体を貫かれたイル・ワイヴァーンは飛ぶことに集中するのが不可能となりそのまま地面に落下。石化した
「ほう。考えたのう」
ツナの技を見てガレスはツナの意図を理解する。イル・ワイヴァーンの急所をわざと外した状態でダメージを負わせることで、飛行をできなくさせる。そして落下によって加速しているイル・ワイヴァーンを利用して石化した
(
ダンジョン内の
「【
するとツナは再び人差し指から炎の光線を次々に放ち、
(これは使えるな)
遠くから新種を撃ち抜けるだけでなく、炎を細く絞ることによって【
「さっきのお前の魔法を見て新たな技を思いついた。礼を言う」
「へ!? 私!?」
まさか今の技が自分の魔法を見て思いついたのだとは露程にも思っていなかった為、レフィーヤは驚きの声を上げる。
ツナはレフィーヤの魔法を見た際に自身の炎を矢のように貫通力のある形状に変化させることを思いついたのである。
(この土壇場でまた……!?)
(一体どんな胆力してやがるんだこいつは!?)
普通、初めて来る階層では余裕がなくなり周囲の敵を対処するのに手一杯になる。だがツナは初めての思いつくだけでなく、それを迷うことなく再び実行したことにティオネとベートは驚愕する。
(相手が強敵であればある程、成長のスピードが上がっておるのか……)
今までもとてつもない速さで成長していたが、51階層に入ってからはただ成長するだけでなく、新技を覚えるという成長をも見せ始めた。ガレスはツナは極限状態であればある程、強くなるのだということを理解する。
その時だった
「【ウィン・フィンブルヴェトル】!!」
58階層に声が響くと同時に大量の吹雪が吹き荒れる。吹雪によって
「終わり」
通り過ぎたのはアイズだった。アイズが一言、呟いた後、アイズは愛刀であるデスペレードを鞘に納刀した。納刀したと同時に氷像と化した
「アイズさん!!」
「リヴェリア!!」
52階層にてバラバラになった仲間たついに合流を果たす。再び合流できたことでレフィーヤとティオナは歓喜の声を上げる。
「気を抜くな。まだ
「いや。その必要はないみたいだよ」
「何?」
歓喜の声を上げるレフィーヤとティオネにリヴェリアが注意を促す。だがフィンは指を指しながらリヴェリアの言葉を否定する。
「【
ツナが炎の光線で最後の
この【
「そのようだな……」
戦闘の必要性がないと判断したリヴェリアは警戒体制を解いた。