ダンジョンにボンゴレ十代目が行くのは間違っているだろうか   作:薔薇餓鬼

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標的(ターゲット)4 神の眷属(ファミリア)

 

 

 

 

 

 

 

 再び教会に戻って来た、ツナとヘスティア。ツナのこれからについて話すこととなった。

 

「まず綱吉君のこれからについてだが。帰る手段が見つかるまで僕の【ファミリア】に加入してもらうと思ってる」

 

「今のところがそうするしかないですよね……」

 

 ヘスティアの言葉を聞いてベルは納得した表情でそう言った。

 

「あの……さっきも言いましたけど【ファミリア】って何ですか?」

 

「そうだった。まずはそこから説明しないとだが……それにはまず神について話して説明しないといけないね」

 

「えっと……本当に神様なんですよね……?」

 

「ああ。というかこの世界では多くの神たちと人が共存しているんだ。」

 

「神がそんな身近に……」

 

「元々、僕たちは神は天界と呼ばれる場所で暮らしていて、最初から共存していた訳じゃないんだ。けど天界での生活があまりにも暇過ぎてこの世界に降りてきたんだ」

 

「そんな理由でですか!?」

 

「仕方なかったのさ。自分でいうのもアレだが神は完璧の存在。基本的に力を使えば何でもできる上に何の不自由もない。だから何をしても面白くない。けどこの下界の住人は違う。下界の住人は不完全で神と違って物事が思い通りにいかず、神と違って不自由。だからこそ神は興味を持ちこの世界に降り立ち、永住することに決めた」

 

「要するに天界よりも下界の方が面白いから住み着いたってことですか……?」

 

「そういうことだね」

 

「でも神が完璧な存在ならこっちでも変わらないんじゃあ……」

 

 下界に降りても完璧な存在でもあるということは変わらない。それなら下界に降りても天界にいる時と変わらないのではないかとツナは思っていた。

 

「下界では掟で神は力を使えないんだ。大丈夫なものもあるけどね。力を使えば天界に強制送還される。だから下界では神は一般人とほとんど変わりはないのさ」

 

「成る程……」

 

「その中でも下界でも使えて、なおかつ人間たちに重宝されているのが神の恩恵(ファルナ)と呼ばれる力」

 

「ファルナ?」

 

神血(イコル)……神の血を媒介にして神々が使う文字、神聖文字(ヒエログリフ)を刻むことで対象者の能力を引き出せる力さ。例えば身体能力の能力の向上やスキルと呼ばれる特別な能力が開化したりする」

 

「え!? そんなことできるんですか!?」

 

 神本人の血を他者に与えるだけでパワーアップできるという事実にツナは驚きの声を上げる。

 

「ああ。ただ神の恩恵(ファルナ)はあくまできっかけに過ぎない。神の恩恵(ファルナ)によって身体能力は向上はするが、いきなり何でもできるようまでにはならない。強くなるのも、スキルの発現も本人の努力次第って訳だ」

 

「じゃあこの世界の人たちはみんな神の恩恵(ファルナ)を貰ってるんですか?」

 

「全員ではないね。基本的には神の恩恵(ファルナ)は下界に降りた神が人々を集めた組織した集団に与えられるのが一般的だ。そしてこのような組織は【ファミリア】と呼ばれるんだ」

 

「それはわかったんですけど、わざわざ【ファミリア】を結成して何をするんですか?」

 

 【ファミリア】がどういうものなのか理解したツナであったが、【ファミリア】の何の為に存在するのがわからなかった。

 

「それは各ファミリアごとに違うから明確にこれだというものはないかな。例えば食料生産を担う商業系の【ファミリア】、武器製作を担う鍛冶系の【ファミリア】っていう風に【ファミリア】と一口にいっても色々あるんだ。中には国家系【ファミリア】っていう国単位で構成された組織物もある」

 

「く、国!?」

 

 国家レベルで【ファミリア】が組織されるという事実にツナは驚くと同時に神の恩恵(ファルナ)の重要性を理解する。

 

「ちなみにウチは探索(ダンジョン)系の【ファミリア】だ」

 

探索(ダンジョン)系の【ファミリア】は何をするんですか?」

 

「基本的にはダンジョンと呼ばれる怪物(モンスター)の巣窟を攻略するのが主な活動だね」

 

「モ、モンスター!?」

 

 神や人間以外の種族が当たり前のように存在するだけでも驚きだというのに、怪物(モンスター)まで存在すると聞いてツナは驚きの声を上げる。

 

(もうゲームや漫画の世界じゃん……)

 

 人間以外の種族が存在し、怪物(モンスター)まで出てくる。ツナはこの世界が二次元の世界なのではないかと思っていた。

 

探索(ダンジョン)系の【ファミリア】はこのオラリオでは一番多い【ファミリア】さ。危険も多い上に死のリスクだってある。だが上手くいけば莫大な富や名声も得られる。そういう人たちを僕たちは冒険者と呼ぶのさ」

 

「冒険者……」

 

「といっても君には帰るべき場所や帰りを者がいる。だからダンジョンに行けとは言わないよ。だから安心したまえ。君には僕のバイト先に働いてもらえるように店長に打診するつもりだよ」

 

「え!? バイト!? 神様なのに!?」

 

 神であるヘスティアがバイトしているという事実にツナは衝撃を隠せないでいた。

 

「神といっても色々なんだぜ僕みたいにバイトしてる奴もいれば、玉座でふんぞり返っている者もいる。何なら引きこもってる奴だっているくらいさ。だいたい僕なんてバイト先の店長に頭上がらないんだぜ」

 

(き、聞きたくなかった……)

 

 神と言えば人々から尊敬され崇拝される存在だと思っていた。しかし引きこもりや、バイト先の店長にすら頭が上がらないという事実を知ってツナは複雑な心情を受け入れられないでいた。

 

「それと聞き忘れていたんだが綱吉君。君はこっちの世界に来る前に起きたことを覚えているかい?」

 

「えっと確か……リボーンとの修行が終わって帰る途中で……そしたら四角い装置が落ちてきて……」

 

「四角い装置?」

 

「はい。触ったら急に光って……そして気づいたらここに……」

 

「おそらくこの世界に来たのはそれが原因みたいだね」

 

 ツナはここに来る前までに起こった出来事について話す。ツナの話からヘスティアは四角い装置がツナがこの世界にやって来た原因だと理解する。

 

「ベル君。綱吉君の近くに四角い装置はなかったかい?」

 

「見てないですね……あったのは綱吉さんの持ってた鞄くらいでした……」

 

「もしかしたらその装置だけ別の場所に移動した可能性があるかもしれない。僕も知り合いやバイト先の常連に聞いてみるとしよう」

 

「ありがとうございます」

 

「まだまだ教えることはたくさんあるけど、それについては追々教えていこう。まずは綱吉君に【ヘスティア・ファミリア】の一員だという証を刻む為に神の恩恵(ファルナ)を……」

 

「あっ!! 不味いですよ神様!!」

 

「どうしたんだいベル君?」

 

 ツナを眷属として迎え入れようと意気揚々していたヘスティア。しかしベルが急に慌て始める。ヘスティアはなぜベルが慌てているにかわからず、不思議そうな顔でベルの顔を見ていた。

 

「綱吉さんは正規の手続きを踏んで外からやって来た訳でも、このオラリオで生まれた訳じゃないからこのままだと不法入国者として扱われて、オラリオから追放されちゃいますよ!!」

 

「そ、そうだった!!」

 

「ええ!? そんなぁ!!」

 

 ベルの言葉でヘスティアは重大な事実に気づ驚きの声を上げる。異世界に来ただけでも災難だというのに、さらに犯罪者になってしまうという事実を知ってツナは悲痛の声を上げる。

 

「確かに不味いな……隠し通したとしてもバレれば一貫の終わり……」

 

 ツナが不法入国者だとバレる可能性は高く、ヘスティアは何かいい方法がないかと思考を巡らせる。

 

「こうなったらウラノスの所へ直談判しに行くしかないな……」

 

「ウラノス?」

 

「このオラリオの創設した神さ。ウラノスに直接、君のことを全て話しオラリオへの滞在の許可をもらう。これしか方法は思いつかない」

 

「つまり俺が助かるかどうかはそのウラノスっていう神様次第ってことですか?」

 

「ウラノスはこの創設者ではあるがこのオラリオを支配してる訳じゃない。君臨こそすれど統治せずがウラノスの行動理念。だから自分の気分次第や無理難題をふっかけてくることはないし、ちゃんと話を聞いてくれるはずだ」

 

「え……でも異世界から来たって話したって信じてもらえるとも思えないんですけど……」

 

「その点は大丈夫だ。僕たち神は下界の人間たちが嘘をついてるかどうかわかるんだ。だから信じてもらえるはずだ。問題はウラノスに会えるかどうかなんだ」

 

「やっぱり創設者だから簡単に会わせてもらえないんですか?」

 

「まぁね。ウラノスに会いたいならギルドと呼ばれる施設の職員の許可をもらわないといけないんだ。神同士ならまだなんとかなりそうだけど、神以外の人間。それもちゃんとした理由がないからね。職員は神じゃないから君が異世界から来たといっても信じてもらえないから正直に話すことはできない。だから理由を言わずに会わせてくれと言うしかない。それで職員が会わせてくれるとは到底思えないけどね」

 

「でもそれしか方法はないんですよね?」

 

「そうだね。はっきり言って状況は厳しい。職員に怪しまれて、君のことが調べられたら不法入国者だということがバレてオラリオから追放されるという事態になる可能性がある。はっきり言って賭けでしかない」

 

「……」

 

 ヘスティアはウラノスへ神物像とウラノスへの直談判のリスクを伝える。ヘスティアの言葉を聞いてツナは黙ったまま考え込む。

 

「行きます。このままじっとしてても何も変わらないので」

 

「よしっ!! そうと決まればすぐに準備だ綱吉君!!」

 

「はいっ!!」

 

 

 

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