ダンジョンにボンゴレ十代目が行くのは間違っているだろうか 作:薔薇餓鬼
「ふぅ……」
精霊が消滅したのを確認したツナは一息つくと左右対称にしていた両手をゆっくりと下ろした。
「これで59階層を攻略したってことでいいのか?」
「あ、ああ……」
この59階層に到達し、この階層で一番強いであろう精霊を倒したが、これで59階層攻略したことになるかはわからなかったのでツナはフィンに確認を取った。ツナの質問にフィンは曖昧な返事しかできなかった。
その後、フィンの指示で50階層に待機中のメンバーに合流する為に59階層を後にする。
50階層を目指す道中、誰1人として口を開く者はいなかった。それ程までにツナの放った
そして50階層にて待機組と合流すると、少しだけ休憩を取ると一同は50階層を後にする。
「ねぇ……何があったの?」
帰り道の道中。59階層攻略に参加したメンバーが話しかけづらい雰囲気が伝わり、50階層にて待機していたメンバーも同じく黙り込んでしまっていた。
そんな中でアキが小声で自身の同期であるラウルに話しかけた。
「何があったっていうか……」
アキの質問に対して答えようとしたが、あの光景を見ていない者に説明するのが難しくラウルはどう説明すればいいのかわからなかった。
「ツナがまたとんでもないことをしたってことっすかね……」
あの光景を説明することは無理だった為、ラウルはツナが自分たちの想像を超えることを起こしたということを伝えた。
これ以上聞いても自分の求める返事をもらえないと判断したアキはこれ以上何も聞くことはしなかった。そして再び部隊は沈黙に包まれた。
部隊が50階層を出発してから5日後。部隊は下層へと到達する。そしてダンジョンの地上まで半分に差し掛かる。
「何だ?」
「悲鳴?」
「何が起きやがったのか?」
下層にあるとある広場。前方にいたツナ、アイズ、ベートの耳に後方からの悲鳴が聞こえる。
「フィン、部隊を走らせろ!! ポイズン・ウェルミスじゃ!!」
ツナたちの後方にいたガレスが切迫した表情を浮かべながら叫ぶ。ツナたちの後方には百を超える紫一色の体の30
ツナたちは即座に戦闘態勢入り即座にポイズン・ウェルミスと呼ばれた
「ツナ、気をつけて!! ポイズン・ウェルミスは劇毒を放つ!! 毒に耐性がある人でもやられる!!」
ポイズン・ウェルミスのことを知らないツナの為にアイズが即座にポイズン・ウェルミスの生態について説明する。
ポイズン・ウェルミス。直接的な攻撃ではなく劇毒による異常攻撃を行う。しかも異常攻撃を行う
冒険者はLv.の上昇の際に発展アビリティというものが発現する。発展アビリティとは力や敏捷といった基本アビリティとは異なり、特殊または専門的な能力を開花、強化させることができる。発展アビリティは個人の行動や経験によって発現する為、様々な発展アビリティが存在する。
その中に耐異常という発展アビリティが存在する。これは毒に対する耐性を得られる発展アビリティである。しかしポイズン・ウェルミスが放つ劇毒は耐異常の発展アビリティを持つ者にすら貫通するのである。
(クソッ!!)
ツナの視界にポイズン・ウェルミスの毒にやられた多くの団員たちが映る。毒によって苦しむ団員たちを見てツナは苦汁の
この大量発生は
「18階層まで行く!! 動けない者は引きずってこい!! 総員走れ!!」
精霊との戦いですでに魔剣や回復アイテムが底をつきかけている。まともに戦っていては被害は増えるだけと判断したフィンは余計な戦闘を避けて18階層まで行くことを決意した。フィンの命令を聞いて団員たちは前に進むことだけを考え行動する。
現在はキャンプを設置し、ポイズン・ウェルミスの毒によってやられた団員たちを寝かせていた。
「なんとか18階層に辿り着いたが……」
ポイズン・ウェルミスの脅威を退けたが毒にやられた
団員たちをなんとかしないといけない為、まだ問題は解決していなかった。
「治せないの?」
「治せない訳じゃない……だが治すには地上に戻って特効薬を買うかアミッドを連れて来るしかない」
「アミッド?」
「【ディアンケヒト・ファミリア】に所属するオラリオ一の
アミッドがどのような人物なのかをガレスが説明する。
「じゃがアミッドは冒険者ではなく
「じゃあ特効薬を買いに行くしかないってこと?」
「そうなるね。ただポイズン・ウェルミスの毒の特効薬は希少だからね。これだけの量を用意するにはかなりの時間がかる。だから選択肢1つしかない」
「それまで体は持つの?」
「リヴェリアの解毒魔法で症状を緩和することはできる。だから団員が死ぬことはないはずだ」
「そっか……」
解毒薬を買って帰るまでは毒に犯された団員たちは苦しむことになるものの、それでも死ぬことはないということをフィンから聞いてツナは安堵した。
(あれ?)
団員たちが死なないと知って安堵した矢先、ここでツナはあることを思い出した。
(もしかして……)
あることを思い出したツナは右手に装着しているリングを見つめていた。
「俺。解毒できるかも」