ダンジョンにボンゴレ十代目が行くのは間違っているだろうか   作:薔薇餓鬼

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標的(ターゲット)47 秘密(シークレット)

 

 

 

 

 

 

 

 ポイズン・ウェルミスの毒を解毒することに成功したツナ。

 そしてツナはフィン、ガレス、リヴェリア呼ばれテントの中にいた。

 

「本当に君には感謝しても感謝し切れない。改めてお礼を言わせてくれ。ありがとう」

 

「い、いや……俺は大したことは……」

 

 フィンが頭下げて感謝の言葉を述べると、リヴェリアとガレスもフィンと同様に頭を下げた。3人の行動に対してツナは両手を前に出して謙虚な態度を取る。

 

「謙遜することはないさ。今回の遠征。君は敵の魔法から僕たちを守ってくれた」

 

 フィンは思い出す。精霊の使った炎の超長文詠唱から皆を護る為に身を(てい)したことを。

 

「そして特にあの魔力を吸収し、自分に力に変換するスキル。あれがなければ僕らはおろか、君ですらどうなっていたかわからない」

 

「確かに……俺にスキルがあることに気づいてなかったらどうなってたか……」

 

「「「ん!?」」」

 

「え!?」

 

 ツナの発言を聞いてフィン、リヴェリア、ガレスは驚いた表情を見せた。3人の反応を見てツナも何か不味いことを言ったのかと思い困惑してしまう。

 

「君はあのスキルのことを知らなかったのかい……!?」

 

「う、うん……オッタルっていう人と戦った時に違和感に気づいて、ブルークラブと戦った時に自分にスキルがあるっていうことに気づいたんだ……」

 

「ありえないな……」

 

「ああ……信じられん……」

 

 自分のスキルの存在に気づいたという事実にリヴェリアとガレスは驚きを禁じえなかった。

 

「丁度良かった。実は君のことを呼んだのは君のことについて話したかったんだ」

 

「俺のこと?」

 

「ああ。話を戻すが、普通スキルや魔法が発現した場合、ステイタスの更新によって知るのが普通だ。だから自分で気づくということはまずないと言っていい。君が知らなかったのは、おそらく君の主神が隠したんだろう。発現したスキルが普通のスキルではなくレアスキルだった為に」

 

 ツナがスキルに目覚めているということに気付いていなかったのは、ヘスティアの気遣いであると推測する。

 

「俺のスキルってそんなにレアなの?」

 

「そもそも魔法を吸収できる冒険者などベート以外聞いたことがない。だがそのベートですら魔法を吸収できるブーツを使って魔法を吸収している。道具を使わずに魔法を吸収できる冒険者なんて私の知る限り知らない。ましてや魔法を吸収して自分の力に変換できる者など(もっ)ての外だ」

 

 自分のスキルの希少さがよくわからないツナの為にリヴェリアが、どれくらいツナのスキルが希少なのかを説明した。

 

「それだけじゃない。魔法を吸収できるスキルだけでなく、ポイズン・ウェルミスの毒をも解毒できる炎。圧倒的な戦闘センス。お主の存在がオラリオ中に知られればオラリオ中の【ファミリア】はお主を手に入れようとするじゃろうのう。どんな手を使ってもな」

 

 ガレスは知っていた。レアスキルを持った上にツナ程の強さを持った者の存在が知られれば、オラリオ中の【ファミリア】が放っておかないということを。

 

「どんな手って……一度【ファミリア】に所属したら1年以上は他の【ファミリア】に移籍できないんだよね?」

 

「普通ならね。だがそのルールが適応されない場合もあるんだ」

 

「え? そうなの?」

 

「1つは【ファミリア】在籍中に神が天界に送還された場合。2つ目は戦争遊戯(ウォーゲーム)によって勝利した場合」

 

「ウォーゲーム?」

 

 フィンの口からウォーゲームという聞いたことのない単語を聞いてツナは疑問符を浮かべる。

 

「簡単に言えば【ファミリア】同士の決闘だ。神たちが勝負の形式を決め、勝負する【ファミリア】の主神が勝利した際にもらえる報酬をかけて戦う。この戦争遊戯(ウォーゲーム)は正式な決闘。故に正攻法で他派閥の人材を手に入れられる方法だ」

 

 リヴェリアは戦争遊戯(ウォーゲーム)を知らないツナの為に戦争遊戯(ウォーゲーム)がどういうものなのかを簡単に説明する。

 

「だが逆に欲しい人材を手に入れる為にペナルティ覚悟で強行手段を取る【ファミリア】もいる。過去にそういった事例はいくつもある」

 

「そこまでして……」

 

「有能な人材がいれば金も多く入り、名声も得られ、人材も集まる。そうなればオラリオ内での地位も得ることができるし戦争遊戯(ウォーゲーム)で負けるリスクを回避できるからね。といってもそれができるのは一定以上の資金力がある【ファミリア】だけどね」

 

 ガレスとフィンの説明を聞いて、ツナは目的の為なら手段を選ばない危険な【ファミリア】がいるということを理解する。

 

「だから君の力はあまり公にしない方がいい。今回、遠征に行った者には君のことを第3者に公言しないように僕から言っておこう」

 

「ありがとう」

 

「それとこれを言うのはちょっとアレだけど、もしランクアップできるのならしない方がいい。本来ならランクアップした場合、ギルドに申請しないといけないんだけど、ランクアップした冒険者はギルドに名前とランクアップまでの提示される。オラリオに来たばかりの君がランクアップしたと知られればオラリオ中の【ファミリア】が注目するからね」

 

「うん」

 

 フィンはツナの身を案じ、ツナに被害が及ばない為のアドバイスをする。

 

(まぁランクアップはできないんだけど……)

 

 ウラノスにランクアップしないように言われているのでどのみちランクアップすることはできないが、そのことを言える訳はないのでツナは違和感を与えないように、普通に返事をしたのである。

 

「あ……でも前に【フレイヤ・ファミリア】の人たちと戦ったから不味いかも……」

 

「それについては問題ないさ。彼らはアイズを襲って来たという前科があるからね。だから彼らが君のことを吹聴することはないだろう」

 

「よかった……」

 

 【フレイヤ・ファミリア】の人間が自分のことをオラリオ中に広める恐れがないとわかってツナは安堵する。

 

「フィン。解錠薬(ステイタス・シーフ)のことを話しておいた方がいいんじゃないのか?」

 

「そうだった……僕としたことが迂闊だった」

 

「ステイタスシーフ?」

 

 ガレスの言葉で大事なことを思い出し、反省するフィン。ツナは初めて聞く単語に疑問符を浮かべる。

 

「ステイタスは他人に見えないよう、恩恵(ファルナ)を与えた神がロックをかけて見えないようにするのは君も知っていると思うけど……」

 

「え!? そうなの!?」

 

「「「んん!?」」」

 

 本来であれば知っているはずのことをツナが知らないと知ってフィン、ガレス、リヴェリアは驚きの声を上げる。

 

「主神から聞いてないのか!?」

 

「う、うん……そんなの聞いてないよ……ステイタスはベルの背中に見えてたから、それが普通だと思ってたし……」

 

「まさか主神が知らないのか……!?」

 

 主神がステイタスのロックのことを知らないとは思ってもみなかった為、リヴェリアは頭を抱えてしまっていた。

 

「ステイタスは【神聖文字(ヒエログリフ)】で書いてあるから基本的に神以外には読めないが、中には神でなくとも読める者もいる。だから帰ったらすぐにこのことを伝えた方がいい」

 

「うん……そうする……」

 

 フィンがこの話をしなければ自身のステイタスがこの先バレて大変なことになったかもしれないので、ツナは帰ったら真っ先ヘスティアにステイタスのロックのことを伝えることを決意する。

 

「それで話を元に戻すけど、ステイタスは普通はロックがかかって見えないようになっている。だがロックのかかったステイタスを見ることができる薬がある。それが解錠薬(ステイタス・シーフ)さ」

 

「といっても正規ルートではなく、非合法のルートでしか手に入らない代物じゃ。だから早々に目にすることはない」

 

「何だ……よかった……」

 

 ステイタスが暴かれるという恐ろしい薬ではあるが、普通に店で売っている物でないと知って少しだけツナは安心する。

 

「いや……それが安心できないんだよ」

 

「え?」

 

「その解錠薬(ステイタス・シーフ)が売ってるのがこの18階層にあるリヴィラの街なんだ」

 

「ええ!?」

 

 まさか今自分がいる18階層に解錠薬(ステイタス・シーフ)が売っているとは思ってもみなかった為、ツナは驚きの声を上げる。

 

「前にも言ったけどリヴィラの街はギルドの監視の届いていない街だ。リヴィラの街はボールスという男によって統治はされてはいるが、それでも地上に比べたら圧倒的に治安が悪い。だから地上では売買できない非合法な物も出回っているんだ」

 

「めちゃくちゃ不味いじゃん!! どうしよう!!」

 

 フィンからとんでもない情報を知ってツナは両手を頭に当てながら慌ててしまう。

 

「これも前に言ったがリヴィラの街で売ってる商品は地上の何倍の値段で取引されている。まず気軽に購入できる物ではないから、君が何かを起こさない限りは何も問題はない」

 

「何だ……よかったぁ……」

 

 最悪の事態になりそうにないとわかってツナは脱力しながら安堵する。

 

(((本当に同一人物なのか?)))

 

 戦闘モードになった時と通常時の状態にあまりにもギャップがあった為、本当に同一人物なのかと疑ってしまう3人であった。

 

 

 

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