ダンジョンにボンゴレ十代目が行くのは間違っているだろうか 作:薔薇餓鬼
意識を失っていたベルがついに目を覚ました。
「ツナ……? 何でここに……?」
「遠征の帰り。色々あって今は18階層に留まっている」
「ア、アイズさん!?」
ツナだけでなく
「18階層……リリとヴェルフは!?」
18階層という単語を聞いた途端、自分の身に何があったのかを思い出し慌てて体を起こした。
「無事だよ。隣で寝てる」
ツナはベルの隣で寝ているリリとヴェルフの方に視線を向けると、ベルも視線をそちらへ移した。そして2人が無事だと知ってベルは安堵すると同時に脱力した。
「このヴェルフっていう人は新しいパーティの仲間でいいんだよね?」
「え? 何でツナがヴェルフのこと知ってるの?」
「遠征のメンバーにヴェルフと同じ【ファミリア】の人がいてヴェルフのことを聞いたんだ」
「成る程……」
ヴェルフのことを紹介したことのないのにも関わらずツナがヴェルフのことを知っていることにベルは驚いたが、ツナの説明を聞いて納得する。
「それにしても本当にびっくりしたよ。まさかこんな形で再会するなんて思ってなかったから」
「アイズさんたちが助けてくれたんですか?」
「うん。ベルたちが18階層で倒れてて、重症だったから私たちのキャンプに連れて来たんだよ」
「ありがとうございます……また助けてもらって」
「ううん。困った時はお互い様。それよりランクアップしたんだねベル」
「え!? そうなの!?」
「この18階層まで来るならランクアップしてないと来れないから。違ったかな?」
「は、はい。アイズさんの言う通りランクアップしました」
万が一間違っているという可能性があった為、アイズはベルにランクアップしたかどうかを確認すると、ベルはアイズの問いに対して肯定する。
「もしかしてあのミノタウロスを倒したから?」
「うん。多分」
「そうなんだ。おめでとうベル」
「ありがとう」
ランクアップしたと知ってツナは祝福の言葉を述べ、ベルはツナの言葉に対して、お礼の言葉を述べる。
「それで一体、何があったの?」
「ええっと……」
ベルが落ち着いた為、ツナはベルたちの身に何が起きたのかを尋ねた。
ベルは自分たちの身に何があったのかを話し始める。中層攻略を目指している最中、
「
「パス・パレード?」
ベルの話を聞いてアイズが聞き慣れない単語を発した為、ツナは疑問符を浮かべる。
「自分たちの相手してた
今回、大部隊での遠征であった為、
「とにかく無事で良かったよ」
「そういうツナの方はどうだったの? 59階層には行けたの?」
「なんとかね。アイズの言った通り本当に怖い場所だったよ。」
「そ、そんなに?」
「うん。52階層に行った時なんだけどさ」
「ツナ。それ以上はダメ」
遠征であったことをベルに話そうとしたツナであったが、アイズに話を止められてしまう。
「下層や深層の情報。特に50階層から下の情報はギルドが規制してる」
「え? そうなの?」
「うん。到達階層が近づいて資格を手に入れないと深層の情報は教えてもらえない仕組みになってる。それに深層のことを知ってしまうと心が折れるかもしれないから」
「た、確かに……」
ツナは52階層の竜の壷での出来事を思い出す。58階層にいる
「あ。ベルが起きたらフィンに知らせなきゃいけなかった。付いてきて」
「は、はい」
「リリとヴェルフは俺が見てるから」
「ありがとうツナ」
ベルはアイズと共にフィンの元へ、ツナは引き続きリリとヴェルフの看病の為にテントの中に残ることになった。
時刻は一気に過ぎて夜になる。18階層は天井が全て結晶クリスタルで出来ており時間に合わせて結晶の光がなくなり夜になる。故に日の届かない地下であっても、天井のクリスタルを見れば時刻がわかるのである。
「んん……?」
「ここは……?」
「リリ!! ヴェルフ!!」
意識を失っていたリリとヴェルフがついに目を覚ます。2人の声を聞いたベルは慌てて2人の元に駆け寄る。
「大丈夫? 僕のことわかる?」
「リリがベル様のお顔がわからないだなんてことありえません」
「あー。リリスケの減らず口が聞こえてくるなら俺も間違いないな。よっ。ベル」
ベルの問いかけに対してリリとヴェルフはいつもと変わらない口調で返事をした。そして自分たちが今、どういう状況にあるのかを説明した。
「ベル。2人の様子はどう?」
「綱吉様!?」
ベルが説明を終えると、ツナがテントに戻って来る。遠征に行っているはずのツナが自分たちの目の前にいる為、驚きの声を上げる。
「あ。目覚めたんだ。良かった」
「おい。リリスケ。こいつのこと知ってんのか?」
「ベル様と同じ【ファミリア】の方で、私たちのパーティのメンバーの1人です」
「はぁ!? どういうことだよ!?」
「諸事情あって一時的にパーティから抜けていたんです」
まさかパーティメンバーが他にいるとは思っておらず驚くヴェルフの為に、リリが簡潔にツナのことを説明する。
「久しぶりだねリリ。それとヴェルフでいいんだよね」
「な、何で俺の名前を知って!?」
「椿から聞いたんだ」
「お前あいつの知り合いなのか!?」
「うん。あ。俺は沢田綱吉。気軽にツナって呼んで」
まだ自分の名前を言っていないことを思い出したツナはヴェルフに対して自己紹介する。
「そうだ。せっかくだから椿に伝えて来るよ」
「ま、待て!! 伝えなくていい!!」
「え? 何で?」
「俺はあいつのことが苦手なんだ!! あいつに会うくらいならこのまま寝てるフリをしてやり過ごす!!」
「呼んだかヴェル吉よ」
椿と会うことを嫌がるヴェルフであったが、タイミング悪く椿がやって来てしまう。
「最悪だ……」
「最悪とは何だヴェル吉よ。せっかくからかい……心配にきてやったというのに」
「全然隠す気ねぇじゃねぇか!! それが最悪だって言ってんだ!!」
(ヴェルフが椿に会いたくない理由がわかった……)
ヴェルフと椿の会話を聞いて、ツナはリボーンに振り回される感覚を思い出すと同時にヴェルフに同情していた。
「なぁツナ。こいつに何か変なことされたこととかないか?」
「い、いや別にないけど……」
「別に気を遣う必要はねぇんだぞ。遠慮なく言え」
「ヴェル吉よ。流石の手前も怒るぞ」
目の前に本人がいるというのに微塵も申し訳なさもなく、言いたい放題言ってくれるヴェルフに椿はため息をついた。
「そもそもツナ吉とは共に死線を乗り越えた戦友。戦友に変なことをする訳なかろう」
「戦友だぁ?」
「ああ。なんせツナ吉は手前と共に59階層まで行った仲だからな」
「は……?」
椿が【ロキ・ファミリア】と共に遠征で59階層に行くことは同じ【ファミリア】であるヴェルフも聞いていたが、まさかツナも行っているとは露程にも思っていなかった為、ヴェルフは驚きのあまり固まってしまった。
「はぁああああああああ!?」