ダンジョンにボンゴレ十代目が行くのは間違っているだろうか 作:薔薇餓鬼
オラリオの滞在許可を得る為にオラリオの創設者であるウラノスに直談判しに行くツナとヘスティア。
「ここって……」
ツナは空を見上げていた。現在、2人がやって来たのはオラリオのどこからも見え、空高くそびえ立つ超高層の塔であった。
「この建物はバベル」
「バベル?」
「そこに階段があるのが見えるだろう」
ヘスティアが指を指す。そこには地下に続く階段があった。
「この先がダンジョンの入り口。冒険者はここからダンジョンに入り、
「いやいや!! いくら何でも高くないですかこれ……!?」
「勿論、バベルの役割はそれだけじゃない。今から行くギルド、換金所、冒険者専用のシャワールーム、商業系のファミリアの店や神々が集まって話し合う
「な、成る程……」
「ちなみにこの中に僕のバイト先の
「1つって……まさかバイトを掛け持ちしてるんですか!?」
「ま、まぁね……」
1つという単語を聞いてツナはヘスティアのしているバイトが1つだけではないということを理解する。ヘスティアはばつの悪そうな顔でそう答える。
「だ、大丈夫なんですか!? バイトの掛け持ちまでして!?」
「ま、まぁ……ウチは貧乏【ファミリア】だし……」
バイトの掛け持ちをする程、【ファミリア】が財政難だと知ってツナはヘスティアを心配する。一方でヘスティアは視線を反らしながら答える。
(あれ? 何かさっきと様子が違うような……)
先程、バイトの話が出た時のヘスティアと反応が違った為、ツナは違和感を覚える。
「というか人の心配よりも自分の心配をするべきだよ。ここで失敗すればオラリオから追放。そうなったら最悪この世界で野垂れ死にすることになるんだから」
「そ、そうでした……」
「おしゃべりはここまでだ。ここから君の生死をかけた大博打。覚悟はいいかい?」
「はいっ!!」
覚悟を決めたツナはウラノスに会う為にバベル内にあるギルドの窓口を目指す。
「ここがギルドの窓口。ギルドは主にオラリオの都市運営、冒険者やダンジョンの管理を行っているんだ。おっ」
内部に入るとヘスティアはツナにギルドの説明をすると受付にいた耳が長く尖っており、1人のエルフの女性職員が目に止める。
彼女はエルフという種族である。外見的特徴として耳が長く尖っており、基本的に容姿に恵まれている。他の種族より長命。異種族間で子供を作ることは可能だが、だからといって混血することはなく。2分の1の確率でどちらか片方の種族特徴を受け継いだ子供が生まれるという特徴を持っている。
「丁度いい。アドバイザー君がいる」
「アドバイザー君?」
「あそこにいる眼鏡をかけたエルフの子さ。彼女はベル君の迷宮探索のアドバイザーをしている。それに僕も知らない仲じゃないから頼むなら彼女だ。行こう」
「はい」
全く知らない職員よりも、顔見知りの職員の方が可能性があるかもと判断したヘスティアはツナと共に女性エルフの元に向かって行く。
「やぁアドバイザー君。ちょっといいかな?」
「神ヘスティア。大丈夫ですよ」
彼女の名はエイナ・チュール。人間とエルフの間に生まれたハーフエルフである。優秀な事務能力と冒険者達からの人気を兼ね揃えている人物でもある。
「何かご用ですか?」
「そ、そうなるかな……」
「もしかしてそちらの方が【ヘスティア・ファミリア】の入団したのでその手続きをしに?」
「いやー……それもしないといけないことなんだが……」
「では一体、何をしにここへ?」
「え、えーっと……」
「?」
言い出したくとも言い出せない表情をしているヘスティアを見て、エイナは疑問符を浮かべる。
「ウラノスとこの子を会わせて欲しいんだ」
「ええええ!?」
あまりにも予想外な要求だった為、エイナはおもいっきり立ち上がると同時に驚きの声を上げる。
エイナの反応が大きかった為、冒険者や職員が一斉にこちらを向き注目の的になってしまう。
周囲の視線を感じたのかエイナは咳払いをすると、ゆっくりと椅子に座り直した。
「ど、どういうことですか!? いきなり来てウラノス様に会わせて欲しいだなんて!!」
エイナは周囲に聞こえないような声でどういうことなのかヘスティアへ問い詰める。
「そ、それは……言えないんだ……」
「言えないって……」
「頼む!! この通りだ!!」
「お、お願いします!!」
「ちょ、ちょっと!? 頭を上げて下さい!!」
ヘスティアはエイナに頭を下げてウラノスに会わせてくれるよう頭を下げる。ヘスティアが頭を下げたのを見てツナも慌てて頭を下げてお願いする。
ツナだけでなく神であるヘスティアまでもが頭を下げてまで懇願した為、エイナは困惑してしまっていた。
「ウラノス様に会うには上の許可が必要になります!! とりあえず上に掛け合ってみますので頭を上げて下さい!!」
何か深い事情があるのだと察したのかエイナは上層部に働きかけてくれることを約束する。エイナの言葉を聞いてツナとヘスティアは頭を上げる。
(神だけならともかく、理由もなくたった1人の人間の為にウラノス様に会う許可が取れる訳……)
ああは言ったもののエイナはウラノスに会う許可が下りるとは到底、思えなかった。
その時だった
『その2人との面会を許可する』
「「「っ!?」」」
ギルドに男の声が響き始める。その声を聞いた途端、ギルド内にいた者たちにどよめきが走る。
『そのヒューマンに興味がある。通せ』
「し、しかし……」
『ロイマンには私から言っておく』
「わ、わかりました……」
そう言うとエイナは椅子から立ち上がり受付の入り口を開ける。
「どうぞ」
「どうやら一番の関門は突破できたみたいだね」
入り口を開けるとツナとヘスティアは受付の中へと入っていく。一番の難色を乗り越えられてヘスティアは安堵した。
ツナとヘスティアはウラノスのいるギルドの地下へと進んでいく。道中の道は細く、松明以外の明かりのない薄暗い闇の中を進んで行く。
「ここは……」
薄暗い細い道を少し歩くと広間に出る。そこには4本の松明しかない薄暗い空間だった。
そして
「よく来たな」
ツナとヘスティアの前方には祭壇があり、石でできた玉座に座っている白髪と白い髭を携えた男が2人を見ていた。
(この人がオラリオを創設した神……)
ウラノスは無表情でヘスティアと違って貫禄のある神であった。それ故にツナの身に緊張が走っていた。
「久しぶりだなヘスティア」
「やぁウラノス。前に会ってから1000年は経ってるのか」
「1000年!?」
「僕たち神にとって1000年なんてそこまで時間じゃないよ。なんせ神は不滅の存在。気が遠くなる程の時を生きているからね」
1000年という単語を聞いて驚きの声を上げる。だがヘスティアは顔色1つ変えることなく答えた。
「ここに来たということはヘスティアから私のことを聞いているだろうが自己紹介だ。我が名はウラノス。オラリオを創設した神だ」
ウラノスがヘスティアからツナへ視線を移し自己紹介する。
「その方の名を聞こう」
「は、はい! 沢田綱吉です!」
ウラノスに名前を聞かれツナも緊張のあまり声が上擦りながらも自己紹介する。
「ウラノス。急に押し掛けたのにも関わらず、会ってくれてありがとう。それと突然の訪問を許してくれ。こっちも緊急事態でね。まずはこの子の話を聞いてもらいたいんだ」
「いいだろう。だがその前にその者に聞きたいことがあるのだが構わぬか?」
「ああ。構わないよ」
こちらが押し掛けた身であった為、ヘスティアは分をわきまえてウラノスの要望を優先させる。
「沢田綱吉。ジョットという男を知っているか?」
「え……!?」