ダンジョンにボンゴレ十代目が行くのは間違っているだろうか   作:薔薇餓鬼

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標的(ターゲット)64 酒神の眷属(リリルカ・アーデ)

 

 

 

 

 

 

 リボーンと共に都市の外へ修行に行ったベル。

 

「ベル君のことは不安しかないが……今はベル君のことを信じるしかない。それにまだ問題が残っている」

 

「問題?」

 

「サポーター君が連れて行かれた」

 

「え!?」

 

 ベルたちが襲われたというだけでも一大事なのに、さらにリリが誘拐されたという情報を聞かされツナはさらに驚く。

 

「それって誘拐されたってこと!?」

 

「ああ。【アポロン・ファミリア】が僕たちを襲撃していた時にね」

 

「じゃあリリは【アポロン・ファミリア】に誘拐されたの!?」

 

「いや。サポーター君の所属している【ファミリア】だ」

 

「え? 自分の所属してる【ファミリア】なら何も問題ないんじゃ……」

 

「いや、最悪の事態と言っていい。何の為に連れて行かれたかまでは不明だが、1つだけ言えるのはこのままいけばサポーター君はまともな人生を送ることはできない。だから一刻も早く助け出さないといけないんだ」

 

「どういうこと? リリの所属してる【ファミリア】って一体何なの?」

 

 今までリリは自分のことを知られることを嫌がっていた為、ツナは詮索しないようにしていた。だが事が事である為、ツナはヘスティアにリリの所属している【ファミリア】について尋ねることにした。

 

「わかった話すよ。サポーター君の所属する【ファミリア】のことを。君になら話してもサポーター君は怒ることはないだろうしね」

 

 この状況でかつツナであればリリのことを話しても、リリは何も文句を言わないだろうと判断したヘスティアはリリのことについて話すことを決意する。

 

「どうやら私たちは邪魔のようだな。行くぞナァーザ」

 

「はい。ミアハ様」

 

「すまないミアハ、ナァーザ君」

 

 自分たちは話を聞かない方がいいと察したミアハはナァーザと共に奥の部屋に移動する。ヘスティアは気を遣ってくれた2人にお礼の言葉を述べた。

 

「それでサポーター君のことなんだが……サポーター君は【ソーマ・ファミリア】に所属する団員なんだ。【ソーマ・ファミリア】は酒を司る神、ソーマを主神とする【ファミリア】さ」

 

「お酒を?」

 

「そう。でもただの酒じゃない。酒の司る神、ソーマの作る酒。その名も神酒。この神酒のせいでサポーター君は悲惨な人生を歩むことになってしまった」

 

「お酒が?」

 

「ソーマの作る酒は極上。この世にソーマ作る酒を越える酒はないと言ってもいい程にね。それ故にソーマの作った神酒を飲んだ【ファミリア】の団員たちは神酒の虜になってしまった。そして虜となった団員たちはまた神酒を飲みたいという欲求に駆られ、神酒を飲む為に必死に金をかき集めている」

 

「それの何が問題なの?」

 

 ここまでヘスティアの話を聞いていたツナであったが、なぜリリがこれで悲惨な人生を歩むことになるのかわからなかった。

 

「神酒に魅了された団員たちは他人を蹴落としてでも金を手に入れようとしているんだ。だから団員たちの頭の中は酒のことしかないし、サポーター君のことを気にかけてくれる者もいない。サポーター君の両親もすでに他界してるからサポーター君は【ファミリア】内では孤立しているんだ」

 

「そんな……でもそれなら辞めればいいんじゃ……」

 

「それはできない。主神であるソーマが耳を貸さない。いやそれどころか自身の【ファミリア】がどうなっているかすらソーマは把握してないだろうね」

 

「把握していない!? 【ファミリア】がそんな状態になってるのに!?」

 

「ソーマは酒作り以外に興味がないのさ。だから自身の【ファミリア】がどうなっていようがどうでもいいのさ」

 

「そんな……」

 

「基本的に【ファミリア】の脱退のルールは主神の考え方次第。脱退を素直に受け入れてくれる神もいれば、そうでない神もいる。ソーマにはまともに話を聞いてもらえないことを知っているサポーター君はお金と引き換えに【ファミリア】を辞めることにした。けど冒険者としての才能がないサポーター君はサポーターとしてお金を稼ぐしか選択肢がなかった。しかもサポーター君が弱いことをいいことに、冒険者からは理不尽な目に遭わされ続けた。そして同じ【ファミリア】の団員は自分のことを助けるどころか、気に止めることすらしてくれない。全てに絶望したサポーター君は【ファミリア】を脱退する為盗みに手を出した」

 

「え!?」

 

 まさかリリが泥棒をしていたとは微塵も思っていなかった為、ツナは驚きを隠せずにいた。

 

(だから……)

 

 ツナはリリがなぜ自分のことを知られたくないのか理解する。そして変身能力を使って自身の姿を偽っていたのかも。

 

「冒険者に上手く取り入り、理不尽な目に遭わされながらもサポーター君は冒険者を次々に騙し欺き金を奪っていった。そして綱吉君がオラリオに来る少し前。サポーター君はベル君に近づき、ベル君のサポーターになった。勿論、ベル君からお金を奪う為にね」

 

「じゃあベルも被害に?」

 

「ああ。ダンジョンに行った際に隙を見てナイフを奪って逃亡した。だが逃げる途中でサポーター君の被害に遭った冒険者がサポーター君が報復を受けた。そして瀕死になったサポーター君は怪物(モンスター)に喰われそうになったが、ベル君がサポーター君を助けたんだ。自分に騙されてもなお、自分を助けてくれたベル君に罪の意識を感じたサポーター君は盗みから足を洗った」

 

「そんなことが……」

 

「その後は自分を死んだということにしてサポーター君は、密やかにサポーターとして活動していた。けどさっきの抗争で【ファミリア】に連れて行かれた」

 

「でも何でわざわざ? 【ファミリア】の団員はリリのことなんて興味ないはずなのに」

 

「【ファミリア】の団員全員が神酒に溺れている訳じゃないんだ。神酒がどれだけ凄くても普通の酒と同じように酔いは覚めるし耐性もつく。同じ【ファミリア】の中でもLv.2の冒険者はそこまで酔うことはなく、平静な状態でいるらしい。だが仲間意識は決して高くはない。それでもなおサポーター君を連れて行った。どう考えてもサポーター君が幸せになるとは思えない。だから何としてでも助け出さないといけない」

 

「じゃあ【ソーマ・ファミリア】に乗り込むの?」

 

「それしかない。【ファミリア】同士の抗争は禁止されているが、そうも言ってられない」

 

「わかった、俺も行くよ。リリを助けに」

 

「綱吉君……わかった」

 

 先程、戦争遊戯(ウォーゲーム)に出ると決めた時と同じく揺るぎない決意を感じたヘスティアは何も言わず、ツナの意思を尊重する。

 

(待ってて。リリ)

 

 

 

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