ダンジョンにボンゴレ十代目が行くのは間違っているだろうか 作:薔薇餓鬼
ベルがリボーンの修行している頃。【ソーマ・ファミリア】からリリを奪還することに成功したツナたち。
その後、ツナ達は【ミアハ・ファミリア】の
「サポーター君の
リリの
「良かったねリリ。脱退が認められて」
「は、はい。これも綱吉様とヘスティア様のお陰です。ありがとうございます」
「俺は何もしてないよ。脱退の方は俺の力じゃどうすることもできなかったから」
「僕も最低限のことをしただけで、君が神酒の魅了に打ち勝ったからソーマが耳を貸したんだ。礼を言う必要はないよ」
リリが【ファミリア】から脱退を認められたのはソーマから渡された神酒を飲み、それでもなお神酒に屈しなければ耳を貸すと言われたからである。そしてリリは神酒を飲んで魅力に打ち勝った。ソーマはまさかリリが神酒に魅了に打ち勝つとは思わず驚愕するも、約束通り耳を貸した。
その後、ヘスティアは
「あの……それでベル様はどこに? 綱吉様から修行してると聞いてはいるんですが」
「ベル君ならリボーン君……綱吉君の師匠と共に都市外に出て修行しに行ったぞ」
「綱吉様に師匠がいたんですか、初耳です。どのような方なのですか?」
「……胸に黄色いおしゃぶりをつけた赤ん坊だった……」
「赤ん坊!? 何を言ってるんですかナァーザ様!?」
「信じられないかもしれないが本当なんだよ」
「うむ。それに2本足で立って流暢な言葉を喋っておったな」
「ええ……」
ナァーザが急に変なことを言い出し、リリは信じられなかったが、神であるヘスティアとミアハまでそう言った為、リリは信じるしかなかった。
「というか本当にベル様は強くなれるんですか……? 聞いた限りでは不安でしかないのですか……」
「絶対に大丈夫じゃない……今頃、死にかけてるよ……最悪、
「ベル様が死ぬ!? どういうことですか綱吉様!?」
「リボーンの修行はスパルタ過ぎるんだ……俺も何回も死にかけてるし……」
(あの綱吉様が怯えてる!?)
顔を真っ青にしながら体を震わせるツナ。あれだけ強いツナがこんなにも怯えるリボーンという存在に、リリは驚くと同時に恐怖する。
「ヤバい……思い出したら気分が……」
「しっかりするんだ綱吉君!! それ以上、考えるんじゃない!!」
「落ち着くのだツナよ!! まずは大きく深呼吸するのだ!!」
「……私、薬持って来る!!」
(本当に勝てるんでしょうか……?)
過去のリボーンの修行を思い出しフラッシュバックを起こすツナを見て、ヘスティア、ミアハ、ナァーザは慌てふためく。あまりのトラウマで気分まで悪くなるツナを見て、
(あ。そうだ)
10分後。体調が良くなったツナはあることを思い出した。
「ねぇリリ。頼みがあるんだけど」
「何ですか?」
「俺に修行をつけてくれない?」
「はい!?」
まさか自分に修行をつけてくれないかと言われるとは夢にも思わなかった為、リリは驚きの声を上げる。
今までは他派閥だった為修行をつけてもらうのは難しかったが、同じ【ファミリア】になった今なら頼めると思ったのだ。
「な、何でリリが綱吉様に!?」
「新しいスキルが発現したんだけど、それを使いこなす為にリリの力がいるんだ」
「どういうことですか?」
「幻覚を使えるようになるスキルなんだけど……どうしてもその使い方がわからなくってさ……だからリリにコツを教えてもらいたいんだ」
「そういうことですか……」
自身の変身魔法は幻覚とは違うが、ないものを作り出すという点は同じ。リリはツナが自分に頼った理由を理解した。
「それくらいならいいですよ。綱吉様には恩がありますし」
「ありがとうリリ」
そして次の日。ツナとリリは修行の為、オラリオの東にあるセオロの密林にやって来る。
「【貴方の
リリが詠唱すると彼女の頭から
体格が大体同じならどんな姿にでも変身が可能で、変身像は詠唱時のイメージに依存し、具体性が欠如していた場合は失敗する。獣人に変身した場合は、嗅覚や聴覚も上がる。
「【響く十二時のお告げ】」
リリは先程とは違う詠唱を唱えると、リリの頭に形成された
今の詠唱は【シンダー・エラ】を解除する為の詠唱であり、この詠唱を唱えないと変身を解除できないのである。
「これがリリの魔法。【シンダー・エラ】です。といっても綱吉様は最初から気づいていたから今さらかもしれませんが。とにかく修行を始めましょう」
「よろしくリリ」
(まさかリリが誰かに修行をつける日が来るとは……)
今まで色んな情報を収集しそれを他人に教えることはあっても、誰かに修行をつけたことなど1度もないのでリリはなんとも言えない気持ちになっていた。
「いいですか綱吉様。私はさっき魔力を消費して
「つまり想像力が大事ってこと?」
「はい。リリの魔法はちゃんとした想像を頭の中に描いてないと成功しませんので。といってもこれはリリが変身する為のコツなので、絶対にこれで成功するとは限りません。あくまでに参考程度に留めておいて下さい」
「わかった」
リリに変身する為のコツを聞いたツナは手袋を装備せず
(想像……)
ツナは目を閉じ、右側に通常状態の自分と左側に
するとツナの体が霧の炎を覆われていき、炎が収まるとツナは通常状態でかつ頭に
「どうだ?」
「で、できてます……」
自分では姿を確認できない為、ツナはリリに成功しているかどうか確認した。まさか1発で成功させるとは思わず、リリは驚いていた。
(よし、感覚は掴んだ。次は……)
目を閉じてツナは想像すると、再びツナが霧の炎に覆われる。
「私!?」
ツナを覆っていた霧の炎が晴れる。なんとツナが変身したのはリリであり、まさか自分に変身するとは思っていなかった為、リリは更に驚きの声を上げた。
「どうだ? できてるか?」
「何で私なんですか!?」
「いや……目の前にいたからつい……」
「というかリリの声まで真似するの止めてくれませんか!?」
自分自身に変身したうえさらに自分の声までも完全に真似され、リリは流石に気味が悪くなってしまった。
「真似はしていない。リリがそう聞こえているだけだ。幻覚は人の知覚。すなわち5感を支配するからな」
そう言うとツナは幻覚を解除し、額の色と瞳の色がオレンジ色に戻る。
「とにかくありがとうリリ。お前のお陰でコツを掴むことができた」
「……リリの苦労を返して下さーーーい!!」
「ど、どうしたリリ……!?」
「どうしたじゃありませんよ!! 私はちゃんと変身できるようになるまで時間がかかったのに、何でさらっとできるようになってるんですか!?」
「俺はリリに言われた通りにやっただけなんだが……」
完全なる八つ当たりをするリリにツナはどうすることもできず、ただただ困惑してしまっていた。
「しかも体格の違うリリまで変身して!! リリにはできないのにー!!」
「そうなのか?」
「そうですよ!! リリは同じような体格の存在にしか変身できません!! これじゃリリの存在意義が無くなるじゃないですかー!!」
「いや。お前の能力の方が俺よりも優れている」
「お世辞ならいいですよ……」
「お世辞じゃない。俺は他人に変身できてもあくまで幻覚だ。幻覚を見破れたり、幻覚を使える奴には見破られる。一方でお前は俺と違ってちゃんとした実体を具現化できるから敵に気づかれる可能性は俺よりも低い。だからお前の方が俺よりも優秀だと言ったんだ。そしてお前の力は今回の
「どういうことですか?」
「昨日、行われた神々の話し合いで今回の
「攻城戦ですか……しかしそれでは【アポロン・ファミリア】全てを敵に回すことに……」
「その通りだ。しかも主神であるアポロンは都市外の【ファミリア】から1名だけ助っ人を加えてもいいと言ったらしい」
【アポロン・ファミリア】の構成員は100名以上が在籍している。一方【ヘスティア・ファミリア】はベル、ツナ、リリ、助っ人の僅か4人。まともにやり合えば負けるのは火を見るよりも明らかであった。
「昨日も言ったが今回の
「つまりリリたちだけで団長以外の全ての団員を相手にしなければならないということですね」
「そういうことだ」
「口で言うのは簡単ですが……ってまさか!!」
ツナの言葉を聞き、リリはツナの言っている戦略を成功させる方法を理解する。
「ですがそれだけでは……上手くいったとしても一時的な効果しか……」
「そうだな。それともう1つの作戦が成功すればこの盤面をひっくり返せるかもしれない。といっても具体的にどう成功させるかはまだ決まってないし、決まったところで成功するかどうかは一か八かの賭けだがな」
「賭け?」
「【アポロン・ファミリア】のことについてエイナやヘルメスに教えてもらったんだ」
リリがどこに捕らえられているか調べるには自分よりも【ヘルメス・ファミリア】に任せた方がいいと判断したツナは、リリが見つかるまでの間【アポロン・ファミリア】のことについて知ろうと情報を収集していたのである。
「それで【アポロン・ファミリア】の団員や内情を知って1つの作戦を思いついた」
「一体どういう作戦ですか?」
「それは……」
リリが尋ねると、ツナは
「確かに一か八かの作戦ですね……」
「できると思うか?」
「厳しいでしょうね。でもその作戦が成功すれば、ベル様が敵の団長と一騎討ちができる上、リリたちが勝てるかもしれません……やってみる価値は充分にあると思います」
「いいのか? 危険な賭けだぞ」
「構いません。むしろそれぐらいやらないとリリたちに勝ち筋はありません。それにベル様がここにいれば綱吉様の作戦に同意すると思いますから」
「わかった」
2025/1/1修正しました。
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