ダンジョンにボンゴレ十代目が行くのは間違っているだろうか   作:薔薇餓鬼

75 / 160
標的(ターゲット)75 振り返り(ルックバック)

 

 

 

 

 

 

 

 ベルが都市外に出てから6日が経過した。

 

「ここに材料置いておきますね、ミアハ様」

 

「すまないなツナ」

 

 時刻は昼。ツナは現在【ミアハ・ファミリア】の本拠(ホーム)である青の薬舗にてミアハの手伝いをしていた。

 

「……そろそろ休憩していいよツナ」

 

「うん。わかった」

 

 ナァーザから水の入ったコップを渡されたツナは、近くにあった椅子に座って休憩する。

 戦争遊戯(ウォーゲーム)が決まってからはツナは午前中は修行。昼からはお世話になっている【ミアハ・ファミリア】の手伝いをするという日々を送っている。

 

(今日、ベルが帰って来るんだよなー)

 

 ツナはリボーンから渡されたスマホから今日、ベルと共に帰って来るという連絡を受けていた。そのため、帰って来ることを知っているのだ。

 また戦争遊戯(ウォーゲーム)の開催日時や内容、リリを無事に救出できたことやヴェルフや命が【ヘスティア・ファミリア】に加入したことなども連絡している。

 戦争遊戯(ウォーゲーム)の開催日時は3日後だが、開催場所はオラリオから2日かかる場所にある為、今日帰って来る予定だ。

 

(絶対に大丈夫じゃないだろうな……)

 

 ベルが死んでいないということを知って安堵したツナであったが、確実にベルが無事では済まないだろうということは察していた。

 その時だった

 

「た、ただいまー……」

 

「ぶっ!?」

 

 青の薬舗の扉が開く。そこには木の枝を杖の代わりにし全身がボロボロに、干物のように干からびた顔をしたベルが入ってきた。そんなベルを見て、ツナは口に含んだ水を吹き出した。

 するとベルは杖を持つ握力すら失い、そのままうつ伏せの状態で倒れる。

 

「た、助けて……」

 

「ベル!? 大丈夫!?」

 

「どうした!? 何があった!?」

 

 今にも死にそうなベルを見て、ナァーザとミアハは慌ててベルの元へと駆け寄った。

 

「問題ねぇ。ちょっと修行して疲れただけだ」

 

(や、やっぱり……)

 

 リボーンが少し遅れて青の薬舗へ入って来る。リボーンの言葉を聞いて、ツナはまたリボーンがとんでもない修行をつけたのだと理解した。

 

「俺が治療する」

 

 リボーンに言いたいことは山ほどあったが、まずはベルを治療するのが先決と考えたツナは(ハイパー)死ぬ気モードになり、晴の炎を使ってベルの治療を始める。

 

「それが恩恵(ファルナ)によって得たお前の新しい力か」

 

 ツナの属性は大空の炎。本来死ぬ気の炎は基本的に1系統、稀に複数の炎を使える者もいるが、メインの属性に比べると出力は弱くなる。だがツナが使う晴の炎は本来の属性である大空の炎と同じ出力を出している。以上のことからリボーンはこれが恩恵(ファルナ)によるツナの新しい力である事がわかったリボーンは不敵な笑みを浮かべた。

 

「それより、ベルに一体どんな修行をさせたんだよ……?」

 

 傷の治療を終えたツナは(ハイパー)死ぬ気モードから通常の状態へと戻る。そして聞きたくはなかったものの、どんな修行をさせたかがツナは気になり、リボーンにベルにした修行について尋ねる。

 

「ん? 大したことはしてねぇぞ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺の攻撃を躱して自力で這い上がってこい」

 

「ぶっ!?」

 

 巨大な流砂に呑み込まれんと這い上がってくるベルを

リボーンは何度も何度も流砂に落とす。

 

「その渦潮から自力で這い上がってこい」

 

「あぁあああああ!?」

 

 海に発生した巨大な渦潮にベルを落とし、渦潮の中で洗濯物のようにグルグルと回るベルにリボーンは湾岸から伝えた。

 

「あいつらをやっつけろ」

 

「無茶言わないで下さーい!!」

 

 リボーンは縄で上半身を縛られた状態で怪物(モンスター)に追われるベルに伝える。

 

「耐久力を上げる修行だぞ」

 

「ぎゃあああああああ!!」

 

 全身を縄で縛られた状態で滝行しているベルにリボーンが電流を流す。

 

「この森から脱出してみろ」

 

「あぁあああああああ!!」

 

 火炎放射器で森林全体を燃やし退路を無くすリボーン、そしてそこから脱出せんと必死に退路を探すベル。

 

「こいつをナイフで全部斬ってみろ」

 

「へっ!?」

 

 そう言うとリボーンは何かを超スピードで投げ飛ばす。投げ飛ばした何かはベルの横を通り過ぎ、ベルの後にあった大岩を粉々に砕いた。そこには刺がついたボールが転がっていた。

 これはリボーンがかつて行った強化プログラムにおいて、ボンゴレ企画開発部に受注して作らせた投擲武器、その名もマイクロハンマー。岩石やコンクリートすら容易に砕く武器である。

 

「よしいくぞ」

 

「うぁぁあああああああ!!」

 

 弾丸をも超えるスピードでマイクロハンマーを当たり前のように投げ飛ばすリボーン。ベルは絶叫を上げながらもなんとかナイフでマイクロハンマーを斬り裂いていく。

 

「その大岩を持ちながら俺の攻撃を避けろ。落とすなよ」

 

「ゴホッ!?」

 

 ただでさえキツい状況に更に押し潰されそうな重さの大岩を持たされた状態のベルを、リボーンは容赦なく攻撃していく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「と、まぁこんな感じだぞ。後はひたすら俺と戦っただけだ。温度差の激しい砂漠や標高が高くて空気の薄い山での特訓。1つ間違えば奈落の底に落ちるような岩山や、普通の場所よりも重力が重い標高の低い場所でな」

 

「あ……凄い綺麗なお花畑が見える……」

 

「「……」」

 

(き、聞くんじゃなかった……)

 

 リボーンからの修行の内容を聞いてベルはトラウマになっているのか、見えてはいけないものまでが見えてしまっていた。

 およそ修行とは呼べない修行方法やベルの絶叫を聞いた事によりミアハとナァーザは驚愕のあまり、開いた口が塞がらない状態になっている。ツナは正直聞かない方が良かったと後悔してしまっていた。

 

「よし傷も治って元気になったな」

 

「どこがだよ!! どう考えてもトラウマ植え付けてるだろ!!」

 

 肉体的に元気にはなったものの、どう見ても精神がやられてしまっているベルに対して呑気なことを言うリボーンにツナはツッコミを入れる。

 

「明日は休んで3日後の戦争遊戯(ウォーゲーム)だ。ちゃんと体調を整えとけよベル」

 

「おじいちゃん……久しぶり……僕もう疲れたんだ……これからはおじいちゃんとずっと穏やかに暮らすよ……」

 

(なんか見えちゃいけないものが見えてるんですけどー!?)

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。