ダンジョンにボンゴレ十代目が行くのは間違っているだろうか   作:薔薇餓鬼

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明けましておめでとうございます。2025年も「ダンジョンにボンゴレ十代目が行くのは間違っているだろうか」をよろしくお願いします。

という訳で2025年の初投稿です。


標的(ターゲット)76 大暴れ(ランペイジ)

 

 

 

 

 

 

 トラウマが蘇り、見えてはいけない物が見えてしまったベルであったが、時間を置いてなんとか平常心を取り戻した。

 

「ハフッハフッ!! モグモグ!! ゴキュゴキュ!!」

 

「……」

 

 そして現在、ベルはツナと共に豊穣の女主人にやって来ており、大量の料理と飲み物を次々にかき込んでいた。テーブルには食べ終わった皿が大量に積み上げられていく。

 いつもはここまで大食いではない為、ツナは食べることを忘れベルの食べる姿を見て唖然としておいる。

 

「すいません。ステーキおかわり下さい!」

 

「どんだけ食うのニャ白髪頭!!」

 

 ステーキのおかわりを注文したベルだったが、流石のベルの食べっぷりにアーニャはツッコミをいれざるを得なかった。

 

「だ、大丈夫ですかベルさん……?」

 

 そして明らかに異常な食欲を見せるベルを見て、このままでは逆に体を壊すのではないかと思ったシルは心配そうな表情を見せていた。

 

戦争遊戯(ウォーゲーム)に向けて都市外で修行してたんです。その間ずっと野宿だったんで、ちゃんとした料理を食べられなくてつい……」

 

 極めて過酷な修行であった為、ツナによって回復はしたもののベルの体は相当消耗し、強い空腹感に襲われていた。加えて野宿だった事もあり、獲物や食料が満足に手に入る訳もなく、ましてや調味料やまともに調理できる場所などなかった為、ちゃんとした食事を取ることもできなかったのである。

 

「だとしても食べ過ぎでしょ!!」

 

「お陰でこっちは働き詰めだニャー!!」

 

「無駄口を叩いてる暇はありません。口ではなく手を動かして下さい」

 

 大量の皿を運びながらルノアとクロエが文句を言い、リューは黙って皿を運んでいた。

 幸い今は昼時であり、夜に比べれば客がまだ少なかったのがせめてもの救いであった。

 

「やってるか?」

 

「あ。いっらしゃいま……ンニャ!?」

 

 ベルと帰った来たことをバイト先にいるヘスティアに報告し終えたリボーンが遅れて入って来る。いつものように応対するアーニャであったが、リボーンの姿を見て驚きの声を上げる。

上げる。

 

「あ、赤ん坊が立って喋ってるニャー!?」

 

(あの子……あの時の(・・・・)……)

 

 流暢に喋る赤ん坊というあまりに奇妙なリボーンの存在にアーニャは驚きの声を上げる。一方でシルはなぜかリボーンのことを知っている様子だ。そしてリューたちもリボーンの存在に気づき、驚きを隠せずにいた。

 

「とりあえず酒をくれ」

 

「何飲もうとしてんだよリボーン!! お前は赤ん坊だろ!!」

 

 アーニャたちが驚きを隠せない中、リボーンは当たり前のように酒を頼む。未成年はおろか赤ん坊のリボーンが酒を飲もうとした事にツナはツッコミを入れる。

 

「おい。ここはてめぇみたいなお子様が来ていい場所じゃねぇぞ」

 

 すると柄の悪い大柄の冒険者であろう男がリボーンの横から現れた。男は酔っているのか顔が赤くなっている。

 

「俺がどこにいようが俺の勝手だ。お前の指図を受ける筋合いはねぇ」

 

「口答えしてんじゃねぇ!! 俺を誰だと思ってやがる!!」

 

「知るか。それに俺は格下の相手をしねぇんだ、とっとと失せやがれ」

 

「んだと!? ガキが意気がってんじゃねぇ!!」

 

 すると男は拳を振り上げリボーンに殴りかかろうとする。リューたちは男を止めようと即座に動く。

 

「ゴハッ!?」

 

「「「「「なっ!?」」」」」

 

 だがそれよりもさらに早くリボーンは男の顎を蹴り飛ばす。蹴り飛ばされた男は柱に体を強打する。

 まさか赤ん坊であるリボーンが男を蹴り飛ばすと思わなかった為、アーニャ、クロエ、ルノア、リュー、シルは更に驚く。

 

「てめ……っ!?」

 

 男が反撃しようとした矢先、銃声が響き渡ると同時に男の頭上を何かが凄まじい勢いで通り過ぎた。男がふと頭を触ると毛髪の一部が無くなっていること、そして後ろの柱にめり込んでいる弾丸を見て瞬く間に酔いが醒め、顔面が蒼白になる。

 

「喧嘩を売ったのはそっちだ。ぶっ殺されても文句はねぇよな?」

 

「ひっ、ひぃいいいいいいい!!」

 

 ドスを聞かせながら男に銃口を向けるリボーン。酔った勢いでとんでもない相手に喧嘩を売ったと知り、男は悲鳴を上げ泡を吹いて気絶した。

 

「ったく、弱ぇくせに意気がってんじゃねぇ」

 

 銃口から上がった硝煙に向かってそっと息を吹くと、銃を懐にしまう。

 

「リボーン!! お前何やってんだよ!!」

 

「そうですよ!! 下手したら死んでたかもしれないんですよ!!」

 

「喧嘩を売ったのはあっちだ。あいつが悪い」

 

 ツナとベルがそう言うも、リボーンは自身の起こしたことに対し微塵も気にしていなかった。

 

(あの身のこなし……)

 

(しかも人体急所の1つである顎を正確に……)

 

(この赤ん坊、何者……?)

 

 リュー、ルノア、クロエは先程の光景を見てリボーンがただ者ではないということ察した。

 その時だった

 

「何してんだい、このアホンダラァアアアアアアア!!」

 

「ひっ!!」

 

 突如リボーンの背後に現れた怒り心頭のミアがリボーンに向かって拳骨を振り下ろした。ミアの鉄槌によって床の板がV字に割れる。

 ミアの鉄槌を初めて見るツナは恐怖のあまり悲鳴を上げ、ミアの恐ろしさを知っているベルたちは絶句していた。

 

「っ!?」

 

 怒り心頭のミアであったがリボーンの姿が見えないことに気付き、驚き目を見開く。

 

「お前。タダ(もん)じゃねぇな」

 

「っ!?」

 

 自身の背後からリボーンの声が聞こえた。ミアが慌てて振り返ると、ツナとベルが座っていた席のテーブルに立ち、笑いながら自身のことを見ているリボーンの姿があった。

 ツナたちもいつの間にかテーブルに立ってるリボーンを見て驚愕していた。

 

「お前、一体何者だ?」

 

「そういうあんたこそ一体、何者だい?」

 

「俺はリボーン。世界最強の殺し屋、って言ったら信じるか?」

 

「殺し屋ねぇ……」

 

「そういうお前は誰なんだ?」

 

「私はミア。この豊穣の女主人の店主(オーナー)さ」

 

「そうか。悪かったな、騒がしちまって。だが喧嘩を売ってきたのはあっちだ。それにか弱い女を護るのは紳士として当然の行為だ」

 

(気づいてたくせによく言うよ)

 

 ミアは理解していた。リューたちなら十分対処できるだけの実力があることに気づいていながら、自身の意思で冒険者を蹴り飛ばしたことを。

 

「今回は正当防衛ってことにしておいてやるよ。あんたが喧嘩を売られたっていうのは本当らしいしね。ただし、これだけは覚えておきな、この店では私が法だ。あんたがこの店の法を破るってんなら容赦はしないよ」

 

「そうだな、お前を敵に回したらタダじゃすまなそうだ」

 

 リボーンに警告し、ミアは元いた厨房へ戻って行く。

 

(タダじゃ済まないだって……? 冗談じゃないよ、それはこっちの台詞だ)

 

 ミアはあの僅かな出来事で察していた。リボーンはああ言っているが、天地がひっくり返っても自分がリボーンに勝つことができないということに。

 

(ミア母ちゃんが引くところなんて初めて見たニャ……)

 

(この子、一体何者なの……!?)

 

 今までのミアであればいくら相手から手出してきたとはいえ、ここまでの蛮行を行った者を許したことはアーニャとシルの知る限り、1度もなかった。それ故2人は衝撃を隠せなかった。

 

「面白いもんが見れたな」

 

「どこがだよ!! 危うくとんでもないことになりかけたじゃないか!!」

 

 誰もがミアの恐ろしさを体感した中で、リボーンだけは楽しそうな笑みを浮かべていた。一方でミアの恐ろしさを初めて目の当たりにしたツナは、呑気な発言するリボーンに対し、震えながらツッコミを入れる。

 

「それにしてもお前らの店主(オーナー)は強い上に、相当の変わり者でもあるみてぇだな。お前らみたいな奴ら(・・・・・・・・・)を雇ってんだからな」

 

「「「っ!?」」」

 

 リボーンにそう言われ、リュー、ルノア、クロエの三人は動揺する。

 

「安心しろ、別に誰にも言うつもりはねぇ。俺もお前らと似たようなもんだからな」

 

 リボーンは3人を一目見た時から、この3人が自分と同じく裏の人間であるということを感じ取っていた。

 

「ま、一番食えねぇのはお前の方だがな」

 

「え?」

 

 しかしリボーンが一番気になったのはシルであった。なぜ自分がこんなことを言われるのか全くわからず、シルは右手の人差し指で自分を指しながら疑問符を浮かべる。

 

「お前、何者だ?」

 

「リボーンさん、シルさんは普通の人間(ヒューマン)ですよ。考え過ぎですよ」

 

「そうか? 俺からすりゃあのミアって奴よりもお前の方が恐ろしいけどな」

 

「え!?」

 

 ミアに恐怖するどころか笑っていたリボーンがシルに対しては警戒心を全く隠しておらず、ベルはここまで警戒するリボーンに驚きを隠せないでいた。

 

「女の子は恐ろしいんだよ、特に恋する乙女はね」

 

「……違いねぇな」

 

 リボーンに警戒されてもシルは笑顔を絶やさず、ウィンクをしながらそう答えた。シルの返答を聞き、リボーンはニヤリと笑みを浮かべ警戒心を解いた。

 

(こいつ……やっぱり普通じゃねぇな。一体何者なんだ?)

 

(この子……やっぱり普通じゃない。本当に何者なの?)

 

 

 

 




という訳で初投稿でした。

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