ダンジョンにボンゴレ十代目が行くのは間違っているだろうか   作:薔薇餓鬼

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標的(ターゲット)79 太陽神(アポロン)

 

 

 

 

 

 

 

 次の日。戦争遊戯(ウォーゲーム)当日。

 

「盛り上がってんな」

 

「そりゃそうさ。娯楽好きの神々からすればこんな面白いイベントなんてないからね」

 

 リボーンとヘスティアがやって来たのはバベルの30階。ここでは多くの神々が集まり、戦争遊戯(ウォーゲーム)が始まるのを今か今かと待ちわびていた。そしてとある一角ではどちらが勝つかの賭博が行われている。

 

「賭博か。俺も参加してくるか」

 

「待て待て!! 赤ん坊の君が賭博なんかに参加するんじゃない!! というかそもそも金なんて持ってないだろ!!」

 

「持ってるぞ」

 

 ヘスティアの言葉に対しリボーンは右手を懐の中に入れると、中から茶色の袋を取り出す。そして袋を縛っていた紐の結び目を解き、袋の中に左手を入れると通貨を一枚摘まんで見せる。

 

「な、何で君がヴァリスを!? というかどうやって!?」

 

「オラリオに来て情報収集をしていた際に恵んでもらったんだぞ」

 

「そんな人たちがいたのか。親切な人たちがいたもんだね」

 

「ああ。治安の悪い場所にいた柄の悪い奴らだったんだがな、ちょっと話をしたら泣きながら俺にあり金全部渡してくれたんだ」

 

「ちょっと待て!! それどう考えても恐喝して手に入れた金じゃないか!!」

 

 てっきり赤ん坊であるリボーンにお金を恵んでくれる親切な人がいるのかと思っていたヘスティアだったが、実際には柄の悪い連中からカツアゲして奪い取った金だと知り、ツッコミを入れる。

 

「安心しろ。賭けに勝ったら増えた分の半分はお前の【ファミリア】にやる。お前にはツナの世話をしてもらった借りがあるからな」

 

「いらないよ!! そんな金!!」

 

 いくら貧乏【ファミリア】とはいえ、人から強奪した金を元手にして増やした金を受け取れる程、ヘスティアは落ちぶれてはいない。

 

「ついにこの日が来たなヘスティア」

 

「アポロン……」

 

 するとヘスティアたちの目の前に草の冠を着けた金髪の男神が現れる。ヘスティアはその男を睨みつける。

 この男神の名はアポロン。【アポロン・ファミリア】の主神であり、今回の騒動の元凶でもある。男女に関係なく見初めた相手はたとえ地の果てまで逃れても絶対に手に入れようとする執念深い性格の持ち主で、あまりの愛の強さに他の神々から【悲恋(ファルス)】という異名がつけられている程だ。ちなみに男派である。

 

「楽しみだよ。これから君の【ファミリア】を蹂躙し、愛しのベル君を我が物にできるこの瞬間を目にできるのだから」

 

「どうかな。やってみなくちゃわからないぜ」

 

「やらなくてもわかるさ。どうやら新たに団員を迎えたようだが所詮は烏合の衆。私の【ファミリア】には到底及ばない。なんせお前の【ファミリア】とは格が違う」

 

「格が違う? お前みたいな小物が言うじゃねぇか」

 

「何だと?」

 

 今まで不敵な笑みを浮かべていたアポロンであったが、リボーンの言葉を聞きアポロンの笑みが消えた。

 

「事実だろ。お前が手に入れようとしてる人材はいつも自分よりも下だとはっきりわかっている【ファミリア】の連中ばかりだ。自分より強い【ファミリア】の連中には手を出す覚悟も度胸もねぇ。言っちまえば下の連中を上から見下ろして満足してるだけの、ただの姑息で器の小せえ神だ」

 

「……ヘスティアの【ファミリア】の非戦闘員のようだな。どうやら教育がなっていないらしい。神に対する敬意が全く足りんと見える」

 

「敬意? んなもんある訳ねぇだろ。そもそも俺はこいつの【ファミリア】じゃねぇ。それに、俺は神なんぞの下につく気なんてさらさらねぇんだ」

 

「減らず口が……」

 

「どうした? 言いたいことがあるならはっきり言えよ。格上なんだろ?」

 

「いいだろう。この私が直々にお前を教育してやろう」

 

「笑わせんじゃねぇ」

 

「ゴハッ!?」

 

 苛立ちを露にするアポロンに対し、リボーンは蹴りを喰らわせる。まさか恩恵(ファルナ)を持ってすらいないただの赤ん坊がここまでの力を持っているとは予想していなかった為、アポロンは何もできずただ蹴り飛ばされた。

 

「教育してやるのは俺の方だ」

 

「ちょっ、何やってるんだリボーン君!!」

 

 まさか神であるアポロンをおもいっきり蹴り飛ばすとは全く思っておらず、ヘスティアは驚きの声を上げた。そしてこの光景に他の神々は驚きを隠せないでいた。

 

「俺に教育してやるなんて、舐めた口を利きやがったからな。だから教育してやった」

 

「教育じゃないよ!! これはただの暴力だよ!!」

 

「これが俺のやり方だ」

 

 ヘスティアに咎められたリボーンだったが、反省している様子は微塵もない。

 

「き、貴様……私にこんなことをして、タダで済むと思っているのか……」

 

「何だ? 聞こえねぇぞ?」

 

 腹部を右手で押さえながらアポロンはリボーンを睨みつける。しかし先程与えられたダメージのせいでリボーンはその言葉を聞き取れず、リボーンは右耳の側に掌を開いた状態の右手を置いて再度尋ねる。

 

「私にこんなことをしてタダで済むと思うなよ!!」

 

「声がでけぇ」

 

「ゴフッ!?」

 

(理不尽過ぎるー!!)

 

 アポロンの怒声に対しリボーンが間髪入れず再びアポロンに蹴りを喰らわせる。今度は顔面に蹴りを喰い、再び吹き飛ばされた。大声に言ったにも関わらず、リボーンがまたアポロンに蹴りを喰らわせたことに対し神々は更に驚く。

 

「がぁあああああああああ!!」

 

 あまりの激痛にアポロンはうつ伏せの状態で、両手で頬を押さえながら悶え苦しむ。

 

「うるせぇって言ってんだろ」

 

「ゴホッ……!?」

 

 トドメとばかりにリボーンが空中からアポロンの腹部に蹴りを入れる。落下によりその勢いが加速された事で先程より蹴りの威力が上がり、流石のアポロンもピクリとも動かなくなった。

 

「よし。これで大人しくなったな」

 

「君は悪魔か!!」

 

「か、神を気絶させた……」

 

「おいおい……流石の俺でも笑えないぜ……」

 

「な、何やあいつ……めちゃくちゃ過ぎるで……」

 

 神々のいる前で神を気絶させるというとんでもない光景を目にしたアスフィ、ヘルメス、ロキは驚愕をドン引きであった。

 

「後はダンジョンにでも放っておけばいいか」

 

「神殺しまでするつもりかい!!」

 

 神殺しは下界の禁忌。厳密に言えば神は死ぬのではなく、肉体が生命の危機に晒された場合神の力(アルカナム)によって肉体自体はすぐに修復されるが、同時に天界に強制送還され2度と下界に行くことができなくなる。その為、いかなる理由があろうとも神を天界に強制送還させれば実質神殺しとなる。

 かつて闇派閥(イヴィルス)に復讐したリューでさえ、闇派閥(イヴィルス)の主神には手を出すことだけはできなかった。

 しかしリボーンは神を気絶させただけでなく、怪物(モンスター)にアポロンを喰わせようと言うことを神々が大勢いるこの場で平然と口にした為、ヘスティアは彼に対し畏怖の念を覚えた。

 

「わかってねぇなヘスティア。バレなきゃ犯罪じゃねぇんだぞ」

 

「とんでもないことを言うんじゃない!! というか神々がいる前でやってるんだから普通にバレてるだろ!!」

 

「それもそうだな。だったら他の奴も口封じするしかねぇか」

 

「お願いだから大人しくしてくれぇええええ!!」

 

 

 

 

 

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