ダンジョンにボンゴレ十代目が行くのは間違っているだろうか 作:薔薇餓鬼
ツナがオラリオに来た次の日。
「う、う~ん……?」
ツナはソファーにて目覚める。この教会にはベッドは1つしかなくベッドはヘスティアが使っている。ツナとベルはソファーに寝ていた。
「おはよう綱吉君」
「おはようツナ」
目が覚めるとすでにヘスティアとベルが目覚めており朝食の準備していた。
ツナはベルと同じくヘスティア眷属となった為、互いに敬語を止めることを寝る前に決めたにである。
「あ……ごめん……俺ずっと寝てて……」
「無理もないさ。君は元々ボロボロの状態だったんだから。そんな状況で異世界に来るっていうとんでもない自体に巻き込まれたんだ。肉体的にも精神的にも相当な負荷がかかっていたはずだ。逆に寝れていない方が問題だ。ちゃんと寝れたのはむしろいいことだよ」
自分だけ遅くまで寝てたことを謝罪したツナ。だがヘスティアはツナがちゃんと眠れていたことに安堵する。
そして3人は朝食を食べ始める。
「「「ご馳走様でした」」」
3人は朝食を食べ終えると手を合わせながら合唱をする。
「片付けは昨日、言った通り俺がやるから」
「すまない綱吉君。でも正直助かるよ。最近バイト先の仕入れが大変だから助かるよー」
「お世話になるからこれくらい当然だよ」
「ありがとう。じゃあ僕は行ってくるぜ」
そう言うとヘスティアは教会へ出て行くとバイト先へと向かって行く。
「ぼ、僕は修行しに行ってくるね……また戻ってくるから」
「うん。わかった」
ベルは鎧を纏うとそのまま教会へ出て修行の為に外に出て行く。
2人が出て行くとツナは洗い物をする。
「ふぅ……」
洗い物を終えると今度はツナは机の前に座る。そしてペンを持つと紙に書いていく。
ツナはこの世界の文字を書くどころか読むことすらできない。故に時間がある時に読み書きの練習することになったのである。
(こう思うと学校に行けるのって恵まれたことだったんだな……)
この世界には学区というツナの世界でいう学校は存在する。しかし学区は定員数がわずかであり誰でも入れる訳ではないらしい。
ツナが自分の国では誰でも学校に行けると言ったらベルに驚かれていた。
ツナは勉強は苦手で学校にいい思い出はあまりない。しかしそれでも読み書きを教えてもらえるというのはとても恵まれたことなのだということを実感していた。
ツナが机に向かって勉強すること2時間が経過した。
「た、ただいまー……」
「お、お帰り……ってどうしたのベル!?」
修行に行くと言って朝早く出掛け、帰って来たベル。しかし出掛ける前と違ってかなりボロボロになっておりツナは驚きを隠せないでいた。
「い、いや……ちょっと……自分を追い込み過ぎたっていうか……」
「そ、そう……」
ボロボロになった勉強に対して色々と聞きたいことがあったツナであったが、聞くのを躊躇ってしまっていた。
「ダンジョンにはなんとか行けるから……安心して……」
「いや!! どう見たって安心できないって!!」
ベルは大丈夫だと言うものの、誰かどう見ても安心できるような状態ではなかった為、ツッコミを入れざる得なかった。
「ダンジョンはまたでいいよ。とにかく体を休めないと……!!」
「ダメなんだ……」
「えっ……!?」
万全ではないボロボロの状態で、この後に戦闘をするなど無謀もいいところ。ツナはダンジョンはまたの機会にしようと提案するがベルはツナの提案を否定する。
「このままじゃダメなんだ……このままじゃ強くなれない……だからやれることをやりたいんだ……」
「ベル……」
『ベル君には憧れの人物がいて、ベル君はその人に追い付きたくて頑張ってるんだ。でも僕の【ファミリア】は人員がいない。だからベル君は無茶をすることが多いんだ。僕はそれが心配で心配でたまらないんだ』
ベルの言葉を聞いてツナはヘスティアが言っていた思い出す。憧れの人に追い付く為に強くなろうとしていることを。
「あっ!! ごめん!! 心配してくれたのに……」
ベルは我に返る。そしてツナが自分を心配してくれたのにも関わらず、ツナの意志を無視するような真似をしてしまったことを反省する。
「詳しくはわからないんだけど……ベルは強くなりたいんだね」
「うん……」
「じゃあダンジョンに行くまで時間まで寝てなよ。まだ時間があるし、それまで寝てなよ。時間になったら起こすから」
「え……でも……」
「いいから。ちゃんと休んでないと後が大変だよ。それに俺の先生が言ってたんだ。休むのも修行の内だって。だから休んでてよ」
「ツナ……ありがとう」
ツナの言葉を聞いてベルはツナの厚意に甘えることにした。ベルは鎧から私服に着替えるとソファーに横になる。修行がハードだったのかベルはすぐに眠りについてしまっていた。
(俺も人のことは言えないよな……)
寝息を立てながら眠るベルを見てツナは思い出していた。自分も今までベルのように無茶な修行をしていたことを。
ベルと違ってツナは強くならなければ大切な仲間を失う。そんな状況が続いたからこそ、強くならざる得なかった。それでも強くなりたいと決めたのは自分自身。だからこそベルの決断を承諾したのである。
ベルが眠ってから2時間後が経過する。
「ベル」
「う~ん?」
ツナはソファーで寝ているベルの体を優しく揺らし起こす。ベルはゆっくりと瞼を開ける。
「ダンジョンに行く時間だよ」
「あ……そっか……時間まで寝るって話だっけ……」
寝起きであまり頭の回らない状態で、目をこすりながら自分が寝ていた理由を思い出す。
ソファーから降りるとベルは背伸びをすると、顔を洗う。そして鎧を身に纏いダンジョンに行く準備が完了する。
教会を出たツナとベルはダンジョンの入り口のあるバベルへと向かって行く。道中、ベルにオラリオのことをツナは教わっていた。
歩くこと15分。2人はバベルの前に到着する。
「そういえばヘスティアから聞いたんだけど、俺たちの他にダンジョンに行く人がいるんだよね」
「うん。リリっていうんだけど……」
「ベル様ー!!」
ダンジョンに行くもう1人の仲間について説明しようと矢先、ベルの名前を呼ぶ声がする。
声がする方向を見ると巨大なバックパクに全身をローブを覆った小柄な少女がこちらにやって来る。
「お待たせして申し訳ございません……色々とごたついて……?」
待たせたことを謝罪する少女であったが、ベルの隣に知らない男がいた為、少女はキョトンとしてしまう。
「えっと……ベルの知り合い?」
「うん。僕のサポーターのリリだよ」
「え!? この子が!?」
まさかダンジョンに行くメンバーがこんな小さな少女だとは思ってもみなかったので、ツナは驚きを隠せないでいた。
「あ、あのーベル様……? そのお方は……?」
「ああ。昨日からウチの【ファミリア】に入った人で……今日からダンジョンに一緒に行く仲間で……」
「はい!?」
リリと呼ばれた少女はツナがダンジョン攻略を共にするメンバーだと知って驚きの声を上げる。
「ど、どうも……沢田綱吉です。よろしくお願いします」
「あ。ご丁寧にどうも。ベル様のサポーターリリルカ・アーデです。以後お見知り置きを……じゃないですよベル様!!」
ツナが丁寧に自己紹介にするツナに対して、リリも丁寧な自己紹介で返す。がすぐに我に返る。
「どういうことですかベル様!? 聞いてませんよ!! 今日からメンバーが増えるだなんて!!」
「あ……いや……昨日、オラリオに来て昨日の夜に加入したから紹介する暇がなくって……」
「昨日の夜!? しかも昨日の今日でいきなりダンジョンに行く気ですか!?」
「まぁ……冒険者に興味があるらしくって……今日はお試しっていうか……」
「ここはダンジョンなのですよ!! わかってるんですか!?」
「まぁ無理そうならすぐに引き返すから……」
「ああもう……わかりましたよ……」
これ以上、言っても無駄だと悟ったリリは溜め息をつきながら渋々、納得する。
「いいですか!! ベル様はこうおっしゃていますけどリリはそういきませんからね!! 少しでも足手まといになると判断すれば容赦なく帰ってもらいますから!! 覚悟しておいて下さい!!」
「ぜ、善処するよ……」