ダンジョンにボンゴレ十代目が行くのは間違っているだろうか 作:薔薇餓鬼
リボーンがアポロンを気絶させたことに神々たちは騒然としている。そんな中でヘスティアは席に座り、リボーンは机の上で
「全く君という奴は……」
「いいじゃねぇか。俺はお前の【ファミリア】の眷属じゃねぇんだ。お前に迷惑はかからねぇ」
「すでに迷惑がかかってるんだよ!!」
ヘスティアが神を気絶させるめちゃくちゃな人物と知り合いだと知られた事で、周囲の神々が彼女に関わらないように離れていく。ヘスティアは肩身が狭くて仕方がなかった。
「神相手にあんな真似するなんてね」
「アポロンの眷属に知られたらただじゃ済まないぞ」
「ヘファイストス!! タケ!!」
しかし肩身の狭い思いをしているヘスティアの元に右目に眼帯のつけた赤い髪の女性、古墳時代の庶民の服装である貫頭衣とズボンを身に纏った黒髪の男がやって来た。
赤い髪の女性の名はヘファイストス。ヴェルフが所属していた【ヘファイストス・ファミリア】の主神であり鍛冶を司る神である。ヘスティアとは天界時代の神友でもある。
黒髪の男の名はタケミカヅチ。命が所属していた【タケミカヅチ・ファミリア】の主神であり、武を司る神である。ヘファイストスと同じくタケミカヅチとは天界時代からの付き合いで、ヘスティアが働いているジャガ丸君の別店舗で働いている。
「お前の知り合いか?」
「ああ。ヘファイストスとタケミカヅチ。僕の天界時代からの友神さ」
「そうか。俺はリボーン、ヘスティアの知り合いだ。こいつの眷属じゃねぇからそこんところ勘違いすんなよ」
「神の眷属になることが嫌いなようね。
「違ぇな、俺に命令していいのは1人だけだ。そいつ以外の軍門に下るような真似はできねぇ、そんだけの話だ」
(な、何なのこの子……?)
(見た目は赤ん坊なのに中身は大人のようだな……)
そう言うリボーンの脳裏には【ボンゴレファミリー】の9代目であるボンゴレ
ヘファイストスとタケミカヅチは明らかに普通の赤ん坊とは思えない発言をするリボーンに、強い違和感を覚える。
「今回はありがとう2人共、僕の為に協力してくれて」
「構わないわ。むしろここで何もしないようなら叱りつけてたわ」
「俺はお前の眷属を死なせかけたんだ。俺たちからすればこれでも恩を返しきれてはいない」
「それに安心するのはまだ早いわよ。戦力が増えたと言っても依然戦力はあっちの方が上。圧倒的に不利な状況なのは変わっていないんだから」
「問題ねぇ、その圧倒的に不利な状況を覆す為に俺がベルを鍛えてやったんだ」
ヘファイストスの言葉を聞き、リボーンは不敵な笑みを浮かべながらそう答えた。
「それに【ヘスティア・ファミリア】は
「わかってはいたが、改めて聞くとやっぱり一か八かの博打だよな」
「失敗した時のことも考えてはあるので、作戦が失敗したら全てが終わりという訳ではありません」
「我々の勝利条件は相手の団長を倒すこと。それをクラネルさんが達成することができればいい」
「ベル、こっちのことは任せて存分に戦ってね」
「うん、わかった」
ツナたちは
「それよりリュー、良かったの? クロッゾの魔剣って……」
ツナはヴェルフの作った二振りの魔剣を見て、クロッゾの魔剣にてエルフの住み家を破壊されたこと話していたことを思い出す。エルフにとって、忌むべきクロッゾの魔剣を握って戦うのは複雑なのではないかと心配する。
「構いません。私にとって友を助けることよりも大事なことなどありません」
「そっか、ありがとう。やっぱりリューが一緒にいてくれて良かったよ」
「け、決戦前にそのようなことを言わないで下さい……!! 調子が狂います……!!」
ツナの感謝の言葉を聞き慌てて視線を反らす。万が一正体がバレないように覆面をしていたものの、覆面をしていても自分の顔が赤くなっているのを隠し切ることはできなかった。
「お、おい……これって……」
「そういうことでしょうね……」
「リューさん、いつの間に……」
「ご、誤解だ!! わ、私はそのような邪な感情を持ってはいない!!」
リューがツナのことを意識していることをヴェルフ、命、ベルは察する。リューは慌てて誤解を解く。
「邪な感情? どういうこと?」
「わ、私に聞かないで下さい!!」
「ええ!? 何で!?」
「こりゃ前途多難だな……」
(あのリューさんが……)
ツナとリューのやり取りからヴェルフは今のところ一方通行だと察し、ベルはいつも冷静沈着なリューがここまで取り乱す様を見て驚いていた。
「気持ちはもの凄くわかりますよリュー殿。私も何度このような思いをしたことか……」
「ど、同情しないで下さい!!」
命の想い人であるタケミカヅチもツナと同様鈍感で、自分の気持ちに全く気づいてくれない。そのため命はリューに親近感が覚えていた。だが勝手に親近感を覚えられることが心外だったリューはツッコミを入れた。
そして時は進み30分後。
「頃合いかな」
場所は再びバベルの30階。ヘルメスは懐中時計を見て
「それじゃあウラノス。力の行使の許可を」
『許可する』
ヘルメスが天井に向かってそう言うと、どういう訳か地下祭壇にいるはずのウラノスの声が響き渡る。
するとバベル内とオラリオ中のありとあらゆる場所に宙に浮かぶ鏡が現れ、シュリーム古城跡地の様子が映し出される。
これは神の鏡。遠く離れた場所を映し出すことのできる鏡であり、下界で唯一許された
「ベル君……」
「死ぬ気でやれよ、ベル」
場面は再びシュリーム古城跡地の近く。戦闘開始を伝える銅鑼が響き渡る。
「行くぞ」
「うん!!」
「おう!!」
「はい!!」
「了解です」