ダンジョンにボンゴレ十代目が行くのは間違っているだろうか 作:薔薇餓鬼
ベルがヒュアキントスを倒した事で、【ヘスティア・ファミリア】は
まさか【アポロン・ファミリア】が敗北するなど、ほとんどの者たちが思ってもいなかった。その大判狂わせにオラリオ中が大歓喜していた。同時に賭博で【アポロン・ファミリア】に賭け、自棄になる者たちも大勢いたが。
バベルの30階
「そ、そんな……こ、こんな馬鹿なことが……」
ヒュアキントスが負けるなどと微塵も思っていなかったアポロンはショックのあまり生気を失っていた。
「ア~ポ~ロ~ン」
「ひぃい!?」
「覚悟はできているんだろうな!!」
今までアポロンは散々好き放題やってきた。故にヘスティアは今の今までそれに対する怒りを溜め込んでいた。そしてついにその怒りが爆発する。
「ま、待ってくれ!! こ、これは出来心だったんだ!! 君の子供が可愛いかったからつい悪戯を……」
「だ・ま・れ」
アポロンはなんとか助かろうと醜く足掻くも、ヘスティアの怒りが収まることはなかった。
「ホームを含めた全財産は全て没収!! 【ファミリア】も解散!! そして主神である君は永久追放!! 2度とこのオラリオの地を踏むなぁあああああ!!」
「ひぎゃぁあああああああああ!!」
ヘスティアは何でも要求を呑むというアポロンの言葉の通り、容赦なく要求を叩きつける。そしてアポロンの汚い絶叫が響き渡った。
自業自得である為当然誰もアポロンを助けようとする者などおらず、他の神々はむしろニヤニヤしながらこの光景を見ていた。
「ヘ、ヘスティア!! 考え直してくれ!! どうか慈悲を!!」
「ゴタゴタうるせぇ」
「ゴフッ!?」
醜く悪あがきをするアポロンに対し、リボーンは助走をつけた飛び蹴りでアポロンを蹴飛ばした。
「き、貴様!! 1度ならず2度ま……」
「うるせぇ」
「え……ぎゃぁああああああああ!!」
再び神である自分に容赦なく暴力を振るうリボーンに怒りを露にするが、リボーンはアポロンに向かって容赦なくバズーカ砲の引き金を引く。バズーカ砲が着弾し、アポロンはそれから生じた爆風によっておもいっきり宙を舞った後に床に激突した。
「ガタガタ抜かすんじゃねぇ」
「あああ……!?」
アポロンはバズーカ砲の着弾箇所を見て恐怖する。その気になれば直撃する位置だったからだ。あまりの容赦のなさにアポロンだけでなく、この場にいた者たちは開いた口が塞がらない。
「てめぇから喧嘩を売った上に、ヘスティアたちが勝ったら何でも要求を呑むってほざいたんだ。神もどきが、とっとと失せやがれ」
ドスの聞いた声で凄まじい殺気を放つリボーンを前にアポロンは恐怖のあまり腰が抜け、涙目になりながら体を震わせていた。
「ヘスティアの言う通りオラリオから永久追放されるか、俺がお前を下界から永久追放して天界に強制送還されるか。どちらか好きな方を選べ」
リボーンはアポロン選択肢を与えるが、アポロンは恐怖のあまり答えることすらできなかった。
「そうか、そんなにオラリオから永久追放されるのが嫌か。なら俺が送ってやる、天界にな」
沈黙を後者と捉えたリボーンはどこからかサブマシンガンを取り出すと銃口をアポロンに向け、容赦なく引き金を引いた。そして大量の弾丸が床を貫通し無数の穴が開く。
「ひぃいいいいいいいいいいい!!」
床に開いた大量の穴を前にしてリボーンが本気で自分を強制送還するつもりだと理解した。流石に天界に強制送還されたくないという思いが恐怖という名の呪縛から解き放ち、アポロンは絶叫を上げながらバベルから逃げ出した。
「これでもうあいつがオラリオに近づくことはねえだろ。良かったなヘスティア」
「どこがだよ!! 1つ間違えばキミの神殺しでオラリオ中が大騒ぎになるところだよ!!」
「当たり前だろ。殺す気でやったんだからな」
「何言ってんだこいつみたいな顔で言うんじゃない!! それと壊れた施設はどうするつもりなんだ!!」
「安心しろ、俺には賭博で勝った金がある」
「それ強奪した資金を元手にしたやつだろ!! というか止めたのに何で賭けに参加してるんだ君は!!」
「それで? 次は誰を殺ればいい?」
「次なんてあるか!! 神殺しなんて2度とやるんじゃない!!」
「そうか。じゃあ神以外の人間を殺ればいいんだな?」
「どうしてそういう話になるんだ!! 僕は子供たちを心の底から愛しているんだ!! そんなこと望んでる訳ないだろ!!」
(
(恐れというものを知らないのか……!?)
(ドチビの奴、何考えてんねん!?)
リボーンのあまりに破天荒な行動にヘファイストス、タケミカヅチ、ロキは畏怖の念を覚えざるを得なかった。
「ヘ、ヘルメス様……まさかあの子供は
「奴らはこんな白昼堂々、神殺しなんてしない……だが確実に普通ではないことは確かだな……」
アスフィとヘルメスもリボーンの行動に畏怖の念を覚える。
この1件によってヘスティアの元にとんでもない眷属が入ったことと、下手な真似をすれば彼によって天界に強制送還させられるという噂が広がるのであった。
一方でシュリーム古城跡地では傷ついた反アポロン派の団員たちの回復が行われていた。
負けたアポロン派の団員たちは肩身が狭くなったのか、終わると同時にすぐにシュリーム古城跡地を後にした。
「よく頑張ったなベル、今回復してやる」
「ありがとうツナ」
ツナは戦いを終えたばかりのベルの頭に右手を置き、炎を霧から晴の炎に切り替える。そして炎に包まれたベルの傷は晴の特性の炎である活性によって急速に回復していく。
「あ、あんた……回復もできるの……!?」
「回復というよりも傷の治りを活性化させてるだけだがな」
まさか幻術だけでなく回復までこなせるとは思っていなかった為、ダフネは驚く。
「今さらだが……ツナって普通に強い上に幻術も回復も使えるんだよな……」
「他にも色んな特性を持つ炎を使えますし……」
「しかも前衛、中衛、後衛、どの
ベルを回復させるツナを見てヴェルフ、命、リリは改めてツナの凄さを実感した。
(鏡が無くなっているな……)
上空にあった
「ナッツ」
ツナはリングからナッツを呼び出す。その直後どこからかナッツが現れ、その場にいた者たちは驚きを隠せないでいた。
「GURURURU……GAOOOOOOO!!」
ナッツが咆哮を上げると同時に大量の晴の炎が放たれる。突然のことに団員たちは躱すことができず、ナッツの炎を一身に浴びてしまう。
「き、傷が……!?」
「治って……!?」
だが傷ついた団員たちにダメージは一切なく、それどころか傷が回復していく。突然のことに団員たちは動揺を隠せなかった。
ツナのスキルである【
「ツ、ツナ……? その猫は……?」
「そういえば紹介するのは初めてだったな。俺の相棒のナッツだ」
「いや!! 当たり前のように言わないで!!」
「そもそも一体どこから出てきたそいつ!?」
「というか今の何ですか!?」
「説明をお願いします沢田殿!!」
当たり前のように飛び出してきたナッツに対して、ベルたちも流石に動揺する。
「大したことはしていない。さっき俺が治療に使った炎をナッツが広範囲に放って治療しただけだ」
「大したことあるよ!!」
「何で猫がお前の炎を使えるんだよ!!」
「ちゃんと1から説明して下さい!!」
「というか何でその猫のことを言わなかったんですか!?」
さっきの現象について説明するツナであったが、それでもツッコミどころしかなかった為、ベルたちは再び驚きの声を上げた。
「い、一体何がどうなってるの……?」
「可愛い……」
突然の出来事の数々にダフネは困惑し、カサンドラはナッツの可愛さに魅了されていた。
「そういえば礼を言っていなかったな」
「え?」
「お前が立ち上がってくれなかったら、俺たちは勝てなかった」
今回の作戦を成功させるに当たって、ツナは反アポロン派に発破をかけた。しかしダフネがいなければ反アポロン派の団員たちが反旗を翻すことはなく、戦況が覆ることもなかっただろう。
「ありがとう。お前がいてくれてよかった」
「っ!?」
ツナの口角が少しだけ上がり、ダフネにお礼の言葉を言う。するとダフネの頬が少しだけ赤くなった。
「べ、別に……!! アポロン様の呪縛から解放されたかったからあんたを利用しただけだし……!!」
(はっ!! 苦難を乗り越えた先、先導者は大空の手に堕ちる!?)
ダフネはツナから視線を外し、指で髪をいじり出す。
一方でカサンドラは予知夢の最後の文を思い出すと同時に、最後の文の意味を理解した。
「ね、ねぇ……これって……」
「あ、ああ……」
「でしょうね……」
「間違いありません……自分は何度も同じ思いをしましたから……」
ダフネの態度を見てベルたちは察した。ダフネがツナに惚れたということに。
そして反アポロン派の団員たちもまたダフネが誰かに惚れるという姿を想像できなかった為、衝撃を隠せなかった。
(な、なぜだ!? なぜ私はこんなにも嫌な気持ちに!?)
そしてリューはダフネに対し無意識に嫉妬したのか、今にも張り裂けそうな胸を押さえていた。
こうして小さい一悶着がありながらも、【アポロン・ファミリア】との
これで
あんまりツナばっかりが活躍し過ぎるとベルが成長できないので、今回は霧の炎で活躍するという形にしました。
カサンドラの予知夢時点でこの展開を予想した方もいるでしょうが、どうだったでしょうか? 感想で教えてくれると幸いです。
X(旧Twitter)→https://twitter.com/husuikaduti
評価→https://syosetu.org/?mode=review&nid=340850