ダンジョンにボンゴレ十代目が行くのは間違っているだろうか   作:薔薇餓鬼

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標的(ターゲット)89 恋敵(ライバル)

 

 

 

 

 

 見事戦争遊戯(ウォーゲーム)は【ヘスティア・ファミリア】の勝利に終わり、彼らはシュリーム古城跡地を後にする。

 現在、ツナたちは馬車に揺られながらオラリオへと戻る最中だった。

 

「終わったぁ……」

 

「ガゥ……」

 

 戦争遊戯(ウォーゲーム)が終わり、気の抜けたツナは肩の力を抜いてリラックスしていた。ナッツもツナの膝上で大の字になり、同じようにリラックスしている。

 

「ねぇ……あんた本当にさっきまで戦ってた人と同一人物な訳……?」

 

「ダ、ダフネちゃん!!」

 

 戦っていた時こそ凄まじい威圧感を発していたものの、その威圧感が全く無くなり、そのギャップにダフネは驚きを隠せない。その疑問をダフネがド直球に聞いた為、カサンドラは動揺していた。

 ツナの作戦のお陰で反アポロン派の団員たちはアポロンの呪縛から解き放たれただけでなく、同時に友好的な関係を築くことができていた。

 

「あれは死ぬ気になってるだけっていうか……」

 

「いや……それで納得しろと言われても困るんだけど……」

 

 実際ツナの言い分は何も間違ってはいないのだが、流石にそれで納得しろというのも無理な話だった。

 

「そういえばこれから2人はどうするの? 他の【ファミリア】に移籍するの?」

 

 今回戦争遊戯(ウォーゲーム)に勝った場合、事前にヘスティアはアポロンに【ファミリア】の解散と全財産の没収、そしてオラリオからの永久追放を決めていた為、ツナたちも【アポロン・ファミリア】が解体されることは知っている。

 

「まぁね。ウチらも冒険者になる為にオラリオに来た訳だしね」

 

「じゃあ、【ヘスティア・ファミリア】に入れば? ヘスティアはいい神様だから前みたいなことはないと思うし、2人ならきっと歓迎してくれると思うよ」

 

「お、それいいな」

 

「きっと神様も喜びますよ」

 

「Lv.2であるダフネ様とカサンドラ様が入って下さるなら、願ってもない話です」

 

「是非とも自分たちの【ファミリア】に」

 

 2人を【ヘスティア・ファミリア】の勧誘というツナの提案に反対する者はおらず、むしろ大歓迎という様子だった。

 

「ま、まぁ……考えておくわ……!!」

 

「ダ、ダフネちゃん……やっぱり……」

 

「やっぱりって何よ!! 別にそういうんじゃないから!!」

 

「うぃ、うぃたいよ!! ラフネちゃーん!!(い、痛いよダフネちゃーん!!)」

 

(ま、また!! なぜ私はこんな気持ちに!?)

 

 頬を赤らめながらもツナの方をチラチラ見て答えたダフネを見て、カサンドラはやはりダフネがツナに好意を寄せていることを察する。

 ダフネは余計なことを言わないようカサンドラの頬を両手で引っ張り、リューは再びダフネに強い嫉妬心を抱いた事で胸が締め付けられていた。

 

「2人が【ヘスティア・ファミリア】に入ってくれるなら安心だよ、これで俺がいなくなっても大丈夫だ」

 

「「え……!?」」

 

 ツナの言葉を聞き、ダフネとリューは衝撃を隠せない様子だった。

 

「い、いなくなるとはどういうことですか沢田さん!?」

 

「そ、そうよ!!」

 

「俺、この戦争遊戯(ウォーゲーム)が終わったら国に帰るって決めてたんだ。だからもうみんなとお別れなんだ」

 

「「……」」

 

 ツナに好意を持ったこの2人に取ってこの事実はあまりの衝撃であり、言葉も出なかった。

 

「あ、あの……どうしても帰らないといけないんですか……?」

 

 友であるダフネの為に、カサンドラはどうにかツナを引き止められないかと試みる。

 

「うん……俺がオラリオにいるのは成り行きで、いつかは自分の国に帰るつもりだったから」

 

「そ、そうですか……」

 

 ツナの意思は固く、その考えが変わらないということを理解したカサンドラはシュンとしてしまう。

 

「じゃ、じゃあすぐに帰っちゃう訳……?」

 

「うーん……いつ帰るかはまでは決めてないけど……一応もう少しだけオラリオにいようかなとは思ってるよ」

 

「な、なら……!! 帰る前に私とお茶してくれない……!?」

 

「え?」

 

「なっ!?」

 

 すぐ国に帰らないとわかったダフネは、ツナと2人きりになる為実質デートに誘う。突然の誘いにツナはキョトンとし、リューは動揺する。

 

「か、勘違いしないでよね!! アポロン様の呪縛から解放してくれた借りを返したいだけなんだから!!」

 

「借りって……俺はきっかけを作っただけで立ち上がったのはダフネだし。別に借りという程の事じゃないと思うけど」

 

「あ、あんたがそう思っててもウチに取っては借りなの!! ウチは借りは返さないと気が済まない主義なんだから!!」

 

 いつもはクールなダフネだが、なんとしてでもツナとデートしようという思いからいつになく必死になっていた。

 

「借りとか関係なく、別にお茶くらいならしてもいいけど」

 

「え……!? い、いいの!?」

 

「うん」

 

「ダ、ダメだ沢田さん!! そんな簡単に約束しては!!」

 

 ダフネのデートの約束を快く了承するツナだったが、それをリューが止める。

 

「会って間もない男女が2人きりでお茶など破廉恥だ!!」

 

「それはエルフであるあんたの価値観でしょ!! 人間(ヒューマン)なら普通よ!! というか何であんたに止められないといけない訳!?」

 

「わ、私には沢田さんの友人(・・)として、間違った道に行かないよう見守る義務がある!!」

 

「大袈裟よ!! 第一友達同士(・・・・)がお茶するだけならいいでしょ!!」

 

 なんとしてもツナとダフネのデートを阻止しようとするリューと、ツナとデートをしようとするダフネがここで対立する。

 

(ゆ、友人……)

 

(と、友達……)

 

 しかしお互い自身の発した友人と友達という言葉が心に刺さり、意図せず精神的なダメージを負っていた。

 

「あ、あの……2人とも落ち着いて……」

 

「「黙ってて!!/黙っていて下さい!!」」

 

「ひぃ!!」

 

「ガウ……」

 

 2人が何故喧嘩するのか全くわからず、困惑するツナだったが、とりあえず仲裁に入る。しかし2人の圧に気圧されツナは悲鳴を上げ、ナッツも怯えてしまう。

 

「も、もしかしてリュー様は綱吉様のことを……?」

 

「う、うん……」

 

 いち早く【アポロン・ファミリア】に潜入していたリリはリューがツナに好意を抱いていたことを知らず、ベルに事実確認をする。ベルはリューに聞こえないよう、小声でかつ曖昧な返事で答えた。

 

「ついにライバルが現れましたか……」

 

「いや……他にもライバルがいてもおかしくねぇぞアレは……」

 

「ダフネちゃん……」

 

 もう少しでツナがオラリオから去るというのに、ライバルが現れるのを見た命、ヴェルフ、カサンドラは2人に同情してしまう。

 

 

そして、ダフネとリューの言い合いはオラリオに着く直前まで続いていた。

 

 

 

 

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