ダンジョンにボンゴレ十代目が行くのは間違っているだろうか   作:薔薇餓鬼

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標的(ターゲット)9 規格外(ジェニオ)

 

 

 

 

 

 

 ついにツナはダンジョンに続く階段を降りてダンジョンの中へと入って行く。

 

「ここが……ダンジョン……」

 

 初めてのダンジョンにツナは驚いていた。そこには巨大な洞窟が広がっていたからである。そしてダンジョン内には怪物(モンスター)と思われる雄叫びが木霊していた。

 ダンジョンは大きく分けて上層、中層、下層、深層の四つの階層に別れている。1階層から12階層までが上層。13階層から24階層までが中層。25階層から36階層までが下層。それ以下の階層は深層と呼ばれている。そしてここは1階層。ダンジョンで一番、浅い階層である。

 ダンジョンは地下に進めば進む程、強い怪物(モンスター)が存在し過酷な環境になっていく。つまりツナたちがいる1階層はダンジョンの中で一番、怪物(モンスター)が弱く楽な環境なのである。

 

「いいですか綱吉様。無理だと思ったら意地を張らずにすぐに助けを求めて下さいね」

 

「わかった」

 

 先程はああは言ったもののリリはちゃんとツナにもしものことがないように忠告する。

 忠告し終えるとリリはフードを下ろす。今まで隠れていた頭部が露になる。髪色は黒に猫のような耳がついていた。

 

(人間かと思ってたけど違う種族だったんだ……)

 

 フードで被っていたから今の今までわかっていなかったが頭部が明らかになり、ツナはリリがヒューマンではないということを理解する。

 

(でも何か変な感じがする……)

 

 しかしツナはリリに対してえも言われぬ違和感を感じていた。

 リリのことに違和感を感じたツナであったが、今はダンジョン攻略に集中しないとならない為、ツナはポケットから27と書かれた手袋を取り出すと両手に装着する。

 

「来た!! ゴブリンだ!!」

 

 ベルが叫ぶと目の前に小鬼の姿をした怪物(モンスター)が3体現れる。この怪物(モンスター)の名はゴブリン。ダンジョン最弱の怪物(モンスター)である。

 

「いいですか綱吉様。先程も言った通り決して無理はならさらず……え!?」

 

「え……!?」

 

 再度、ツナに対して忠告しようとしたリリだったがすぐに驚きの表情に変わってしまっていた。しかしそれはベルも同じであった。なぜならさっきまでいた筈のゴブリンが一瞬にして消え去り、ゴブリンのいた少し先にツナの背中が見えていたのだから。

 

「終わったぞ」

 

「「えええええええええ!?」」

 

 ツナがゆっくりと振り返る。そこにはいつの間にかグローブを装備し、額にオレンジ色の炎が灯り、瞳の色がオレンジ色に変わっているツナがいた。ツナの突然の変貌にベルとリリは驚きを隠せないでいた。

 

「ツナ!! 燃えてる!! 頭燃えてる!!」

 

「問題ない。気にするな」

 

「気にしますよ!! というか頭燃えてるのに何で冷静でいられるんですか!?」

 

「これが自分の身を焼くわけじゃないからな」

 

 ベルとリリが(ハイパー)死ぬ気モードのツナを見て大慌てする一方でツナは冷静沈着な返答をする。

 

「ん……?」

 

 ツナはゴブリンを倒した地面に目を向ける。そこには3つの水晶のような物が落ちていた。ツナはしゃがみ込むと水晶を右手で拾う。

 

「これは何だ……?」

 

「ま、魔石です……」

 

「ませき?」

 

 魔石を物珍しそうな表情で見ているツナを見てリリがおそるおそる話しかける。そして魔石について詳しく説明し始める。

 魔石とは怪物(モンスター)から獲得できる魔力のこもった結晶。魔石は怪物(モンスター)の核となっており、魔石は抽出後、ギルドで換金することに定められているという。また強い怪物(モンスター)や希少な怪物(モンスター)の魔石であれば価値も上がっていく。

 そして魔石は加工することで魔石灯という照明、発火装置や冷凍器など製造できる。幅広い応用が可能な魔石製品は、今や日常生活を送る上でなくてはならない存在なのである。

 

「成る程な。冒険者が上手くいけば儲かると莫大な富が得られるというのはそういう意味だったのか」

 

探索(ダンジョン)系の【ファミリア】はこのオラリオでは一番多い【ファミリア】さ。危険も多い上に死のリスクだってある。だが上手くいけば莫大な富や名声も得られる。そういう人たちを僕たちは冒険者と呼ぶのさ』

 

 リリから魔石がどういう物なのかと知って、ツナは前にヘスティアが言っていた言葉を思い出す。そして価値を知ったツナは魔石を拾う。

 

「あ、あのさツナ……」

 

「何だ?」

 

「ど、どうやってゴブリンを倒したの……!?」

 

「大したことじゃない」

 

 ゴブリンをどうやって倒したのかわからずベルはツナに詳細を求める。

 ベルの質問を聞いてグローブに炎を灯す。

 

「炎を逆噴射して一気に間合いに移動して正面から倒した。こんな風にな」

 

「っ!?」

 

 ゴブリンを倒した方法を説明すると再び炎を逆噴射させる。するとツナの姿が一瞬にして消える。ベルとリリは一瞬にしてツナの姿が消えたことに驚きを隠せずにいた。

 

「これでわかったか?」

 

「「っ!?」」

 

 炎の逆噴射による高速移動によって、ベルとリリの背後に移動するツナ。背後からツナの声が聞こえてきた為、2人は驚きのあまり体をビクッとさせる。

 

「驚かせないで下さい!! 心臓に悪いです!!」

 

「す、すまない……えっと……手に入れた魔石はリリに渡せばいいんだよな?」

 

「は、はい……」

 

 驚かせてしまった謝罪を述べた後、ツナはゴブリンを倒して手に入れた魔石をリリに渡す。

 

「この調子で進んで怪物(モンスター)を倒して魔石を回収するっていう流れでいいんだな?」

 

「う、うん……ただたまに怪物(モンスター)が自分の体の一部を落とすドロップアイテムっていうのがたまに落ちることがあるから、それも魔石と同じように回収して」

 

「了解した」

 

「ま、待って下さい!!」

 

「何だ?」

 

「何だじゃありませんよ!! あなた何者なんですか!? 本当にダンジョンに来るのが初めてなんですか!?」

 

 昨日、神の恩恵(ファルナ)をもらったばかりなのにも関わらず、明らかに強すぎる力を持っていることに

リリはツッコミをいれる。

 

「オラリオに来る前から戦闘経験は積んでいたからな。これくらいなら問題ない」

 

「問題ないって……じゃあどうして魔法を使いこなしているんですか!?」

 

 いくら戦闘技術を詰んでいるとがいえ、神の恩恵(ファルナ)を与えられたであろう死ぬ気の炎の力を使いこなしていることをツナに問い詰めるリリ。

 

「それに関しては秘密だ」

 

「なっ!?」

 

 死ぬ気の炎に関してツナは黙秘権を行使する。リリは肝心なところを秘密されて憤慨していた。

 

「何ですかそれ!! ふざけているのですか!?」

 

「別に。ただこの力に関しては秘密にしておきたい。お前と同じようにな(・・・・・・・・・)

 

「な、何を……!?」

 

 ツナの言葉を聞いてリリは何か心当たりがあるのか動揺を隠せないでいた。

 

「お前の頭部を見た時から違和感を感じた。まるで本当の姿じゃない(・・・・・・・・)みたいにな」

 

「っ!?」

 

(な、何で!? リリの魔法(・・・・・)のことはツナには言ってないのに!?)

 

 ツナの言葉を聞いた途端、リリは動揺を隠せないでいた。それはリリの秘密を知っているベルも同じであった。

 

「おそらく幻覚か変身能力等の類い。何で本当の姿を隠しているのかまでは知らないが。何か事情があるんだろう?」

 

「そ、それは……」

 

「詮索するつもりはない。お前から悪い感じがしないしな。だからお互いのことを詮索しない。それでいいか?」

 

「は、はい……」

 

 お互いに秘密を抱える者ということでお互いの秘密について詮索しないことを互いに約束する。

 リリとの話を終えると3人は先に進む。

 

「ベ、ベル様!! リリの魔法のことを言ったんですか!?」

 

「言ってないよ……むしろ僕もびっくりしてるよ……」

 

 先に進む道中。リリとベルは自分の秘密について小声で話し合っていた。しかしツナがリリの秘密について見破ったという結論が導き出され、2人は驚くことしかできなかった。

 ツナがリリの秘密を見破れたのはツナの力が関係している。その名は超直感。【ボンゴレ】のボスの血を引く者。ボンゴレの血(ブラッド・オブ・ボンゴレ)に継承される全てを見透かす力のことである。ツナがリリを見た時に違和感を感じていたのは超直感によるものである。

 そのことを知らない2人は実は秘密を知られているのではないかと不安になってしまっていた。

 が、

 

「ギャァ!?」

 

「ゴヒャ!?」

 

「ガギャ!?」

 

「「……」」

 

 現在地は9階層。壁面には苔がまとわりつき、地面には短い草の生えた高原が広がるエリアである。

 あれからツナは次々に襲いかかって来る怪物(モンスター)に攻撃させる前に全て瞬殺していた。

 ベルとリリはほぼ魔石やドロップアイテムの回収しかしていない状態だった。ツナのあまりの強さにベルとリリは唖然としてしまっていた。

 

(どうしよう……神様に色々と教えてあげろって言われたのに教えるどころかむしろ僕が教わりたいくらいなんだけど……)

 

(私はなんてなんて恐れ多いことを……いくら知らなかったとはいえ足手まといと言ってしまいました……)

 

 ベルは教える立場になるどころか逆に教わりたいという気持ちが芽生えていた。

 一方でリリは圧倒的な力を持つツナに対して足手まといという言葉を使ってしまったことに対して恐怖を覚え体を小刻みに震わせていた。先程までのツナへの猜疑心は一切、消えてしまっていたのだった。

 

(体が軽い上にしかも前よりも力が漲ってくる……これが神の恩恵(ファルナ)の力か……)

 

 ツナは自分の右手を見つめ閉じたり開いたりしながら、以前よりもパワーアップしているのを感じていた。

 

(まだまだ行けるが……)

 

 まだまだ余裕で戦えるのはわかっていたが、あまり調子に乗るのも良くないのでそろそろ地上に戻ろうかと考えていた。

 

「ベル。リリ」

 

「は、はい!! お疲れ様です綱吉さん!!」

 

「お怪我はありませんか!? 喉が乾いたのならお水もありますが!!」

 

「ど、どうした急に……?」

 

 ツナのあまりの強さに圧倒されてしまったのかベルとリリはなぜか敬語になり、謙ってしまっていた。急に2人の態度が一変してしまった為、ツナは戸惑いを隠せないでいた。

 

「そろそろ地上に戻りたいと思うんだが……」

 

「りょ、了解です!! すぐに帰りましょう!!」

 

「お荷物お持ちします!!」

 

「いや……だから何で敬語……? というか俺は荷物を持っていないし……むしろ荷物を持ってるのはリリの方で……」

 

 地上に戻るまでベルとリリはツナの子分みたいな態度になっていたのであった。

 

 

 

 

 

 

 




ツナの超直感とフィンの親指の疼きって同じような力なのか……?

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