ダンジョンにボンゴレ十代目が行くのは間違っているだろうか   作:薔薇餓鬼

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標的(ターゲット)90 これから(デインド)

 

 

 

 

 

 

 シュリーム古城跡地から出発した馬車はようやくオラリオに到着する。

 

「お帰り、みんな」

 

 都市門を潜るとヘスティアがベルたちを出迎える。そしてヘスティアの周囲にはあの戦争遊戯(ウォーゲーム)を見た住民たちが歓迎ムードでベルたちを迎えてくれた。

 そしてツナの演説の影響か裏切ったにも関わらず、ダフネとカサンドラに罵声を浴びせる者は1人もいなかった。

 

「よく頑張ったねベル君」

 

「神様……」

 

 ヘスティアがヒュアキントスとの死闘を制したベルに労いの言葉をかけると、ベルは嬉しさのあまり涙目になる。

 

「ようやく帰って来やがったなベル」

 

「ゴフッ!?」

 

「ベル!!」

 

「ベル様!?」

 

「クラネルさん!?」

 

 するとそれをぶった切るようにベルの背後から何者かが突然ベルの後頭部にドリップキックを喰らわせ、ベルは地面にうつ伏せの状態で倒れる。突然のことにヴェルフ、リリ、リューの三人は驚愕する。

 

「俺が鍛えてやったのにブーツを脱ぎやがるとは、どういう了見だ」

 

「リボーン!!」

 

 ベルをぶっ飛ばしたのはツナの予想通りリボーンだった。相変わらず空気を読まないリボーンに対しツナがツッコミを入れる。

 

「あ、赤ん坊!?」

 

「しゃ、喋ってる!?」

 

 当たり前のように立って喋っているリボーンにダフネとカサンドラは驚く。

 

「というか、今リボーンって……!?」

 

「まさか沢田殿の師匠!?」

 

「ええ!?」

 

「はぁ!? 嘘でしょ!?」

 

「ほ、本当に赤ん坊だったとは……!?」

 

 リボーンが喋っている自体にも十分驚いたが、本当にこの赤ん坊がツナの師であることにほぼ全員が驚き、リリもヘスティアの言う通りリボーンが本当に赤ん坊だということを知り、驚いていた。

 

「リボーン!! いきなり蹴り飛ばすなよ!!」

 

「うるせぇ」

 

「グボォ!?」

 

 今度は腹部に飛び蹴りを喰らわせる。リボーンの蹴りによってツナは強い痛みと嘔吐感に襲われ、腹部を押さえながら両膝をつく。

 

「アガッ!?」

 

 嘔吐感に襲われるツナの頭にリボーンはツナの頭上から容赦なく踵落としを決めた。

 

「生徒が俺に指図すんじゃねぇ」

 

「痛でででででででででで!!」

 

 そこからさらにリボーンはツナの頭上に乗ると、その踵をグリグリと動かす。あまりの激痛にツナは絶叫を上げる。

 その目の前に広がる理不尽な光景に、場にいた者たちは程度の差はあれど皆ドン引きしていた。

 

「ヘスティア。この後、話したいことがあるんだがいいか?」

 

「あ、ああ……」

 

 ツナを踏みつけながら真面目な口調で話しかけて来たリボーンに、ヘスティアは戸惑いを見せながらも返事をした。

 

「うるせぇぞ、ダメツナが」

 

「がっ……!?」

 

 トドメにリボーンはツナの頭に容赦なく右ストレートを喰らわせ、ツナはそのまま意識を失い動かなくなった。

 

「これで静かになったな」

 

(あ、あのツナが……)

 

(り、理不尽過ぎる……)

 

(これが綱吉様の師匠……)

 

(沢田さんが強い理由が、わかった気がします……)

 

 あまりに理不尽なリボーンの行動と強さを目の当たりにしたヴェルフ、命、リリ、リューは唖然とするもツナのその強さの秘密を理解する。

 

「ベル君!? しっかりするんだ!!」

 

 一方でベルはリボーンの制裁を喰らわされたツナの姿を見た事で、トラウマが蘇ったのか陸に打ち上げられた魚のように痙攣していた。

 

「ベル様!? どうされたんですか!?」

 

 突然ベルの様子がおかしくなった為、慌ててリリが駆け寄る。

 

「リボーン君が綱吉君にした仕打ちを見て、修行のトラウマが甦ったんだよ!!」

 

「一体、ベル様に何があったんですか!?」

 

 ヘスティアから想い人であるベルにリボーンがトラウマになる程の事をしたのを知り、リリは怒り強い殺意を込めリボーンを睨みつけるが、リボーンは全く気にもせす涼しい顔をしていた。

 その後、ブチ切れたリリがリボーンに襲いかかろうとし、そんなリリをヴェルフと命が力づくで止めるというカオスな様相となっていく。

 

「ど、どうしようダフネちゃん……」

 

「どうするも何も、私達に出来る事なんてないでしょ……」

 

「シルがここにいなくて本当に良かった……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 獣と化したリリが落ち着き、どうにか無事に一同は解散した。

 

「ここがお前らの本拠(ホーム)か」

 

 現在、ツナ、リボーン、ベル、ヘスティアの四人は【ヘスティア・ファミリア】の本拠(ホーム)である教会に戻って来ていた。

 元々ただでさえボロボロだった教会だったが、【アポロン・ファミリア】の襲撃により教会は瓦礫の山となってしまった。それでも完全に住めなくなった訳ではなく、普段日常スペースとして使っていた地下の部屋は無事だった。とはいえ襲撃によって入り口が瓦礫で塞がっており、その瓦礫を撤去して中に入っていく。

 戦争遊戯(ウォーゲーム)に勝利した事で【アポロン・ファミリア】の本拠(ホーム)の所有権が【ヘスティア・ファミリア】に移り、近いうちに移住する手筈にはなっているが、すぐには移住出来ない為、ここに戻って来たのである。

 

「こんな廃墟なら誰も来ねぇし、死体を隠す場所にはもってこいの場所だな」

 

「どんな感想だよ!!」

 

「僕の思い出が詰まっているこの場所で死体とか言わないでくれるかい!?」

 

 本拠(ホーム)来て早々のリボーンの感想があまりにも物騒だった為、ツナとヘスティアはリボーンにツッコむ。

 

「それでリボーン君……話したいことって何だい?」

 

「お前に頼みがあってな」

 

「頼み?」

 

「俺たちは当分オラリオに滞在することにした。だからその間、俺たちをお前の【ファミリア】に置いてくれ」

 

「え……ええっ!?」

 

「何だって!?」

 

「おい、どういうことだよリボーン!?」

 

 ツナから聞いた通り、この戦争遊戯(ウォーゲーム)が終わった後に帰ると思っていた為、ベル、ヘスティア、ツナの三人はリボーンの言葉に驚きの声を上げた。

 

「俺はツナを強いボスにする事が使命でな。このオラリオならこいつを更に強くできると思った。だからここに残ることに決めたんだ」

 

「聞いてないぞ、リボーン!!」

 

「当たり前だろ。言ってねぇんだからな」

 

「当然のように言うな!! というか勝手に決めんなよ!!」

 

「これも【ボンゴレ】のボスになる為だ」

 

「だ・か・ら!! 俺はマフィアになる気はないって言ってるだろ!!」

 

「「?」」

 

 ボンゴレやマフィアといった聞き覚えのない単語を聞いて、ベルとヘスティアは疑問符を浮かべる。

 

「何だ言ってなかったのか。お前がマフィアの10代目候補だってこと」

 

「そのマフィアっていうのは一体、何なんですか?」

 

「そうか。こっちじゃマフィアって言っても通じねぇんだったな。そうだな……闇派閥(イヴィルス)と似たような組織って言ったらわかるか?」

 

「「は……!?」」

 

 

 

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