ダンジョンにボンゴレ十代目が行くのは間違っているだろうか   作:薔薇餓鬼

91 / 160
標的(ターゲット)91 裏社会最強(ボンゴレファミリー)

 

 

 

 

 

 リボーンの口から闇派閥(イヴィルス)という単語が出た事にベルとヘスティアが驚愕する。

 

「ツナが……闇派閥(イヴィルス)!?」

 

「どういうことだい、リボーン君!?」

 

 ベルとヘスティアの二人は数ヶ月前にオラリオに来たばかりのため、闇派閥(イヴィルス)が暗躍していた時代にオラリオにはいなかったが、それでも闇派閥(イヴィルス)の事や7年前の暗黒期における一連の出来事は知識として知っていた。

 

「ツナは【ボンゴレファミリー】っていうマフィアの次期ボス候補なんだぞ」

 

「それは本当なのかい綱吉君!?」

 

「う、うん……というか、何で俺に聞くの?」

 

「どういう訳か、リボーン君が嘘をついてるかどうか全く見分けられないんだよ……」

 

 本来、神であるヘスティアには人の嘘を見破ることができるはずなのだが、どういう訳かリボーンが言っていることが本当なのか嘘なのか全くわからなかったのだ。

 

「例えで闇派閥(イヴィルス)とは言ったが、【ボンゴレ】は一般人(カタギ)には決して手は出さねぇ。あくまでお前らにわかるように言っただけだ」

 

 闇派閥(イヴィルス)は一般人だろうと容赦なく巻き込む存在だが、【ボンゴレ】は基本的に裏社会の人間にしか手は出さない。リボーンは誤解を生まないようそう補足した。

 

「そして俺は現【ボンゴレファミリー】のボスである9代目の命令で、ツナを立派なマフィアのボスにする為にやって来た家庭教師(かてきょー)兼殺し屋だ」

 

「殺し屋!? 君がかい!?」

 

「えっ……じゃあミアさんに言った世界最強の殺し屋って……」

 

「事実だぞ」

 

 リボーンが殺し屋であるという事実にヘスティアは驚き、ベルは豊穣の女主人でリボーンがミアに言ったことが本当だと理解すると同時に、自分が世界最強の殺し屋に鍛えられていたという事実に驚くしかなかった。

 

「あの……ツナの他に後継者はいないんですか?」

 

「一応3人いたんだが……10代目最有力だったエリンコは抗争の中で撃たれた」

 

「「ひっ!!」」

 

「そんなエグいものを見せるなって!!」

 

 ベルがツナ以外の後継者の存在について聞くと、リボーンは銃を持った男が血を流して倒れている写真を懐から出す。その写真を見て、ベルとヘスティアは悲鳴を上げツナが制止する。

 

「若手でNo.2のマッシーモは沈められ」

 

「「ひっ!!」

 

「だから見せなくていいだろ!!」

 

 今度は太った男が海に沈められている写真を見せた。ベルとヘスティアは再び悲鳴を上げ、制止しても一切止まる気のないリボーンにツナがツッコミを入れる。

 

「秘蔵っ子のフェデリコはいつの間にか骨に」

 

「「ギャァアアア!!」」

 

「いい加減にしろよリボーン!!」

 

 さらにリボーンは骨だけになったフェデリコの写真を見せた。あまりにスプラッタな写真の数々にベルとヘスティアは絶叫を上げ、ツナは再びツッコミを入れた。

 

「そんで、【ボンゴレファミリー】の創始者である初代の血を引いてるツナだけが残っちまったんだ」

 

「ええ!?」

 

「いくら何でも運がなさすぎるだろう……」

 

 あまりに悲惨過ぎるツナの境遇にベルは驚き、ヘスティアは同情してしまっていた。

 

「でもそれなら……もっと相応しい人がボスになればいい話じゃないのかい……?」

 

「【ボンゴレ】は血統を重んじる【ファミリー】であり、【ボンゴレ】の傘下は1万以上、伝統と歴史において右に出る【ファミリー】はいない世界最強のマフィアだ。つまり【ボンゴレ】のボスの座に就くということは、裏社会の支配者になると同義なんだ」

 

「「っ!?」」

 

 まさか【ボンゴレ】がそこまで大規模な組織だとは思ってもいなかった為、二人は驚きのあまり声も出せなかった。

 

「そんなマフィアのボスになるんだ。当然、普通の人間には務まらねぇ」

 

「それはどういう意味だい?」

 

「【ボンゴレ】のボスになるには二つの条件があるんだ。一つはボンゴレの血を引いていること。二つ目にボンゴレの血(ブラッド・オブ・ボンゴレ)に継承される能力、超直感を開花していることだ」

 

「「超直感?」」

 

「【ボンゴレファミリー】の初代ボスが持っていたとされる、全てを見透かす力のことだ。歴代の【ボンゴレ】のボスはこの超直感で【ボンゴレ】を導いてきた」

 

(超直感……だから……)

 

(ボンゴレの血(ブラッド・オブ・ボンゴレ)……あのスキルはそういう意味だったのか……)

 

 ベルはツナが初対面のリリが変身していたことを見抜いたのは超直感によるものだということを理解する。

 そしてヘスティアはツナのスキルである【ボンゴレの血(ブラッド・オブ・ボンゴレ)】の由来を知る。

 

「ま、俺たちと【ボンゴレ】のことはこんなところだ。これからよろしくな」

 

「よろしくな、じゃないだろ!! 俺はいいって言ってないだろ!! それに学校はどうするんだよ!?」

 

「学校なら俺が休学にしておいたぞ」

 

「はぁ!?」

 

 リボーンは懐からツナの通っていた並盛高校の休学届の書類を取り出す。

 

「安心しろ、学校なんざ行かなくてもこの俺がいるんだ。頭脳も戦闘力も超一流にしてやる、この世界でな」

 

「そういう問題じゃないだろ!! 何で勝手に休学にするんだよ!!」

 

「お前を立派なマフィアのボスにする為に決まってんだろうが」

 

「納得いくかー!!」

 

 まさかリボーンの使命の為に学校を無理矢理休ませられるとは微塵も思っていなかった為、ツナは怒りを爆発させる。

 

「あ、あの……もっとツナの意思を尊重した方が……」

 

「何か言ったか?」

 

「い、いえ!! 何でもありません!!」

 

(ダメだー!! もうリボーンに逆らえなくなってる!!)

 

 助け船を出したベルであったが、リボーンのドスの効いた声を聞いた瞬間声が裏返り、全身が小刻みに震え出す。そんなベルを見てツナは彼が完全にリボーンの支配下に置かれていることを思い知った。

 

「安心しろ、お前も鍛えてやるからな。戦争遊戯(ウォーゲーム)が終わったから時間はある。じっくり(・・・・)と鍛えてやるぞ」

 

「ガハッ!?」

 

「べ、ベル君ーーーーーー!!」

 

 嬉しそうな笑いを浮かべながらそう言うリボーンを見て、ベルは血反吐を吐きながら倒れる。再びトラウマを抉り出された事でベルが倒れた為、ヘスティアは絶叫を上げる。

 

「嬉しさのあまり気絶したか」

 

「そんな訳ないだろ!!」

 

 こんな状況でも全く呑気なことを言うリボーンにツナはツッコミを入れた。

 そして数分後。リボーンへのトラウマによって気絶したベルが目覚め、話の続きに入る。

 

「この世界に滞在するとは言ったが、元の世界にはいつでも帰れるようになってるからそこは安心しろ」

 

「そういえば戦争遊戯(ウォーゲーム)のことがあったから聞きそびれてしまったけど、そもそも君はどうやってこの世界にやって来たんだい?」

 

「こいつを使ったんだぞ」

 

「あっ!! それ!!」

 

 ヘスティアの疑問に対してリボーンは懐から取り出したのは立方体の黒い機械であった。それを見てツナはこの世界に来る直前に見た物だということを思い出す。

 

「こいつはこの世界と俺たちの世界を自由に行き来できる代物でな。どういう訳かこれが俺たちに住んでる町にあったんだ。で、調べてみたらこいつは【モヴィメントファミリー】が作った物だってことがわかった」

 

「え!? マフィアが作ったの!?」

 

「正確に言えば【モヴィメントファミリー】のディーレという男が作ったんだ。だが1年前に【ファミリー】を裏切ったことで、【ファミリー】に始末されそうになっていた。当然ディーレは追われる身になり、俺たちの国である日本に逃亡しこの装置を作ったらしい」

 

「なるほど……確かに異世界にさえ逃げてしまえば、絶対に追われることはないだろうからね」

 

「ああ。しかし日本にいることがバレ、ディーレは【ファミリー】に始末された。だがその後、どういう訳かこの装置がツナの元に辿り着いた」

 

「俺が修行から帰る時、この装置が俺の頭上に落ちてきたんだよ。そしたらこれが突然光って……目が覚めたらこの教会にいたんだ」

 

「おそらく俺たちが修行していた並盛山の木の中にディーレが一時的に隠していたか、鳥が偶然この装置を拾い運んでる途中で落としたってところだろうな」

 

 ツナの言葉を聞き、リボーンはなぜこの装置がツナの側に来たのかを推測する。

 

「そして落ちた衝撃でこいつが起動したが同時に壊れ、装置だけが俺たちの世界に残っちまったんだろうな」

 

「じゃあリボーンさんはその装置を直してこの世界に?」

 

「ああ。俺が着いたのはお前らが【アポロン・ファミリア】に襲われる前日の夜。そこから情報収集をしこの世界のことについて知った。それからこのオラリオを創設したっていう、ウラノスって神のことを知った俺はウラノスのいる祭壇に行ったんだ」

 

「ウラノスに会ったのかい!?」

 

「ああ、このオラリオの創設者ならツナの居場所を何か知ってんじゃねぇかと思ってな」

 

「よく会わせてもらえたね……」

 

 都市の創造神であるウラノスは本来ならそう簡単に会える存在ではない。そのためリボーンがウラノスに会えたことにヘスティアは驚きを隠せない。

 

「いや、流石にバカ正直にギルドに行って会わせてくれるとは思ってなかったからな。ウラノスの祭壇に続く隠し通路を探して会いに行ったんだ。ウラノスはこのオラリオにおいて一番の重要神物。もしものことがあった場合に備えて、逃げ道が用意されてると思ったからな。時間こそかかったがどうにか抜け道を見つけ、ウラノスに会うことができた。そして俺はツナの情報とオラリオの滞在許可を得た。ウラノスに条件を提示する事でな」

 

「「「条件?」」」

 

 

 

 

 

 




リボーンの嘘をヘスティアが見抜けないのは特に理由はありません。敢えていうならリボーンだからです。


X(旧Twitter)→https://twitter.com/husuikaduti

評価→https://syosetu.org/?mode=review&nid=340850
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。