ダンジョンにボンゴレ十代目が行くのは間違っているだろうか 作:薔薇餓鬼
リボーンによってそのままオラリオに残ることとなったツナだったが、その次の日、
「それじゃ
「「「「乾杯!!」」」」
ヴェルフが乾杯の音頭を取り、ツナたちは全員飲み物が注がれたジョッキを掲げた。そして祝勝会が始まる。
「いやー、本当に勝ったんだな俺たち」
「正直、自分は今でも信じられません」
ヴェルフと命の2人はたった6人で中堅【ファミリア】かつ100名以上いる【アポロン・ファミリア】に勝利した事に対し、当事者であるものの勝ったという実感があまりなかった。
「リリはもうあんなこと、絶対にやりませんからね!!」
「ご、ごめん……」
「アハハ……」
一方でリリは変身魔法でルアンに変身し潜入したのは元を辿ればツナの考案。確実に勝つ方法が他になかった為リリも了承した。とはいえ潜入中はいつ変身がバレるかわからないストレスに晒されていた為、リリはツナを睨みつけながら文句を言う。
ツナは申し訳なさそうな表情を浮かべながらリリに謝り、それを見ていたベルは苦笑いしていた。
「しかし、沢田殿とはこれでお別れなのですね……」
「せっかく同じ【ファミリア】になったっていうのにな……」
「正直、綱吉様がいなくなるのは痛手です……」
ツナが国に帰るということを思い出し命、ヴェルフは寂しさを覚えていた。リリも寂しさを覚えていたが、それと同時にツナが【ファミリア】からいなくなる事に対する損失も感じていた。
ツナは強大な戦闘力を有する上、自分たちの【ファミリア】にはいない唯一の
「あ、あのさ、そのことなんだけど……実は国に帰るっていう話は取り止めになったんだ……」
「「「え!?」」」
しんみりとしていた3人であったが、ツナの発言を聞き、驚きのあまり固まる。
「そ、それは本当なのですか沢田殿!?」
「俺たちに気を遣わなくていいんだぞ!!」
「いや……リボーンがオラリオなら俺を強くできるって言って……それで半ば無理矢理オラリオに残ることになったんだ……」
右手を後頭部に当て、申し訳なさそうな表情を浮かべながらもツナは説明する。一方でツナが帰らないと知りヴェルフたちは明るい表情を浮かべる。
「……やりました!! これで稼ぎが大幅に少なくなるということは無くなります!!」
「リ、リリ!!」
嬉しさのあまりリリは両目を輝かせ、つい本音を口に出してしまう。そしてその発言にベルは動揺した。
一方。厨房では
(沢田さん……)
リューは厨房で皿洗いをしていた。国に帰るということを告げられ、リューは少しだが落ち込んでいた。
「リュー、大丈夫? 朝から元気がないみたいだけど……」
「心配をかけてすみません、シル」
「もしかしてあの人のことで何かあった?」
「ちっ、違う!! 私は決して沢田さんのことを考えていた訳では!!」
「私はあの人って言っただけで、ツナさんのことだなんて言ってないよ?」
「っ!?」
シルの罠にまんまと引っかかったリューは反論することができず、顔を真っ赤にしてしまう。
「前から思ってたんだけど、リューは何でツナさんのことが好きなの?」
「いきなり何を言い出すのですかシル!!」
「だってあのリューが誰かを好きになるって私には信じられなかったから。だから知りたいと思って」
「誤解だ!! 私は彼にそんな感情を抱いてはいない!!」
「じゃあツナさんが他の女性の人と付き合ってもいいの?」
「っ!?」
シルの質問に対し、リューの脳裏にはダフネがツナの腕に抱き付き、デートをする姿が浮かぶ。そして胸が張り裂けそうになった。
「わ、私には関係ないことだ……」
「嘘。本当は自分以外の女の子のことを見て欲しくないって顔してる」
「そ、そんなこと……!!」
しかしシルの目を誤魔化すことはできず、さらに心の内まで見透かされる。リューは言い返すことができず弱気になってしまいシルから目を反らした。
「自分の気持ちを否定しちゃダメだよ、リュー。その気持ちは悪いことじゃないんだよ? 我慢してばかりじゃリューがずっと苦しんだままになっちゃう。私はそんなリュー、見たくないな」
「シル……」
シルは両手でリューの手を取り、少しだけ悲しそうな表情を浮かべながら言った。そんなシルの表情を見てリューは冷静さを取り戻す。
「前に18階層に行った時に護ってくれたんです……私のことを……」
「リューを?」
リューはシルに仮面の人物との戦いの際、ツナが命懸けで自分のことを護ってくれたことを話し始める。
だがツナはオラリオに来たばかりでまだ名の知られていない冒険者。そのツナがLv.4のリューを護るということにシルは違和感を覚える。
「そして止めてくれた……」
【アストレア・ファミリア】が
そして復讐が終わった後、シルやミアは自分のことを助けてくれた。だが復讐の道に走ろうとする自分を止めてくれたのは、2年前のあの日から振り返ってもツナだけだった。
(そうか……だから彼女も……)
加えて反アポロン派の団員に対して発破をかけたのは反アポロン派の団員が被害者であり、尚且つ【アポロン・ファミリア】の全員が悪人ばかりではないということを大衆を知らしめる為であったことも。
そんな優しい心の持ち主であったからこそ、ダフネとリューはツナに好意をに抱いたのだと。
「ですが彼はもうじきオラリオを去ってしまう……」
「え?」
「詳しい事情はわかりませんが……彼は国に帰るそうです……」
「そうだったんだ……」
リューの今の言葉を聞いて、シルはリューが元気がなかった理由を理解する。
「ならツナさんの国にリューも行ったら?」
「な、なぜそうなるんですか!?」
「だって、そうすれば別れなくても済むよ」
「きょ、極端過ぎます!!」
「そうかな? もしベルさんがオラリオにいなくなるって知ったら、私はどこまででも追いかけるよ」
シルは人差し指を頬に当て、少しだけ首を傾げ不思議そうな表情でそう言う。
「丁度良かった、今ツナさんが来てるから言いに行こうよ。ツナさんと一緒にいたいって」
「い、言える訳がない!! というかそれでは告白だ!!」
シルがそう言うと、リューは顔を真っ赤にしながら否定した。
「という訳だから、みんなリューに協力してあげて」
「了解したニャ!!」
「リューの為に一肌脱いでやるニャ」
「リューの幸せの為だもんね」
「なっ!?」
リューが後ろを振り返ると、そこにはシルの提案に乗り気なアーニャ、クロエ、ルノアがいた。まさかシル以外の者に聞かれているとは思わず、リューは驚愕する。
「大人しくしなさい!!」
「世話が焼けるのニャ!!」
「とっとと行くニャ!!」
「は、離しなさい!!」
ルノア、アーニャ、クロエがリューの服を引っ張り無理やり連れて行こうとするも、リューは全力で抵抗する。しかし相手が3人ということもあり、流石のリューも引きずられていく。
「な、何あれ……?」
ベルの視界にリューが無理やり引っ張られる姿が映る。他のメンバーもそれに気づき、ツナたちのその光景を見て唖然としていた。
「ツナさーん。リューがツナさんに伝えたいことがあるらしいので、こっちに来てもらっていいですか?」
「シル!! 変なことを言わないで下さい!!」
「丁度良かった。俺もリューに伝えたいことがあるんだ」
「なっ!?」
ツナは椅子から立ち上がり、リューの元に近づいて行く。ツナの言葉を聞いた瞬間、リューは顔を真っ赤にし動揺する。
「今だニャ!!」
リューが動揺した隙にクロエが合図すると3人はリューの背中を押し、ツナの目の前まで押し飛ばした。
「あ、あの……伝えたいことって……!!」
もしかして今から自分は告白されてしまうのではないかと考えたリューの鼓動は、破裂しそうなくらいどんどん速くなっていく。
「俺が自分の国に帰るって言ったの、覚えてる?」
「は、はい……!!」
「こ、この展開は……」
「どういう展開ニャ?」
「馬鹿!! 国に帰る前に自分の想いを伝えておきたいってパターンに決まってんでしょ!!」
ツナを目の前にし、乙女と化したリューを見たクロエ、アーニャ、ルノアは小声で話していた。
「それが取り止めになったんだ」
「へ……!?」
ツナの国に帰るという話が無くなるとは全く思ってなかった為、リューは驚きのあまり唖然としてしまう。
一方で自分たちの予想とは違った為、クロエ、ルノア、アーニャはずっこけていた。シルもこの展開は予想できず、苦笑いを浮かべることしかできなかった。
「とはいっても、いつかは自分の国に帰るんだけどね。という訳でまたよろしくね」
「そ、そうでしたか……」
「それで、俺に伝えたいことって何?」
「っ!?」
ツナから告白されると勘違いしていたこと、自分が告白しなければならない流れになっていたことが重なり、リューは再び顔が真っ赤になってしまう。
「な、何でもありません!!」
「グハッ!?」
恥ずかしさを誤魔化す為、ついリューはツナにアッパーカットを喰らわせてしまう。そしてツナは凄まじい勢いで飛んでいき、天井に突き刺さるのであった。
リュー推しなのでついリューの話ばかり書いてしまいます。すみません。
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