ダンジョンにボンゴレ十代目が行くのは間違っているだろうか 作:薔薇餓鬼
祝杯から次の日。ヘスティアたちは【アポロン・ファミリア】の
【アポロン・ファミリア】は曲がりなりにも中堅【ファミリア】ということもあり、
「まだ終わらねぇのか」
「お前も手伝えよ!!」
そして現在、【ヘスティア・ファミリア】の新たな
そんな中でリボーンだけは掃除の作業を全く手伝わず、それどころか呑気にコーヒーを飲んでいた。そんなリボーンにツナは手伝うよう催促をする。
「別にいいじゃねぇか。俺は【ヘスティア・ファミリア】の眷属じゃねぇんだからな」
「眷属じゃなくてもヘスティアの世話になるんだから手伝えよ!!」
「ったく、しょうがねぇな」
ツナの言葉を聞きリボーンが手伝うかと思えば、懐から愛銃を取り出し銃口を向けた。
「風穴開けられたくなかったらとっとと作業を終わらせやがれ」
「それは手伝いじゃなくて脅迫だろ!!」
「手伝ってやってるんじゃねぇか。お前がとっとと作業を終わらせられるように」
「お前自身が手伝えって言ってるんだよ!!」
「口じゃなく手を動かしやがれ」
「ゴホッ!?」
そしていつものようにリボーンの理不尽によって、ツナは蹴り飛ばされる。
「ヘスティア様……本当にあの赤ん坊を【ヘスティア・ファミリア】に入れるつもりですか?」
「いや、入団はしないよ。リボーン君曰く、自分には仕えている主がいるから神の下につく気はないらしい。だから実質居候だね」
「まるで中身は大人のようですね……」
「一体、リボーン様は何者なんですか……?」
(殺し屋です、なんて言えないよなー……)
ヴェルフの不安と疑問に答えるヘスティア。リボーンの今後のことを聞き、命とリリはリボーンへの違和感がさらに増すばかりだった。
一応ベルはリボーンが殺し屋だということを知ってはいるものの、事が事なためリボーンの正体を明かすことができなかった。
「おや? 誰かが来たようだね」
「俺が出て来るよ」
そんな中、竈の館の呼び鈴が鳴りヘスティアは誰かが来訪して来たことに気付く。ツナは応対する為玄関に向かう。
「はい、どちら様ですか?」
玄関の扉を開けツナの視界に入ったのは、藍色のショートヘアーの長身の女性だった。
「突然訪問してすまない。沢田綱吉で良かったか?」
「え、えっと……あなたは?」
「私の名はシャクティ・ヴァルマ。【ガネーシャ・ファミリア】の団長をしている。お前に用があってこちらに伺わせてもらった」
「え? 俺?」
まさか自分に用があるという者が来るなど微塵も思っていなかった為、ツナは僅かながら驚く。
「綱吉君。一体誰が来たんだい?」
「なんか、【ガネーシャ・ファミリア】の団長が俺に用があるって……」
「【ガネーシャ・ファミリア】!?」
「ツナ!! お前何かしたのか!?」
「え!? え!?」
ツナの言葉を聞いた瞬間、リリとヴェルフが慌て始める。なぜ2人がそんなに慌てるのかわからず、ツナは困惑する。
「【ガネーシャ・ファミリア】は都市の治安を護る、憲兵団の【ファミリア】だよ!!」
「しかも【ガネーシャ・ファミリア】の団長と言えば【
「ええ!?」
ベルと命から【ガネーシャ・ファミリア】の詳細とシャクティの話を聞いたツナは自分が何かしてしまったのではないかと思い、慌てふためく。
「油断しやがって。人に言えねぇようなことをやる時は証拠を残すなっていつも言ってるだろうが」
「状況をややこしくすることを言うな!!」
「こうなったら【ガネーシャ・ファミリア】を壊滅させて、証拠隠滅を図るしかねぇな」
「やる訳ないだろ!!」
もしかしたらツナが逮捕されるかもしれないという状況の中、リボーンが火に油を注ぐようなことまで言い出した為、またいつものように振り回される。
「いや……私は彼の力を借りたい事があってやって来たんだが……」
「え?」
「綱吉君の力を?」
シャクティがツナの力を借りたいと言ってきたことで、ヘスティアは目を細め警戒する。
「詳細は話せませんが、ある組織の検挙に彼の力を借りたいと思っておりまして」
「君たちの【ファミリア】には腕の立つ冒険者が大勢いると聞いている。ならLv.1の綱吉君の手を借りる必要なんてないはずだけど?」
「それは重々承知です。しかし腕っぷしではどうにもならない問題でして……彼の幻覚の力があれば組織の検挙ができるかもしれないんです」
「どういうことだい?」
「先程も言いましたが詳細は明かせません。勝手な事を言っているのは分かっていますが、ご理解いただきたい。神ヘスティア」
ヘスティアが神格者だということをシャクティは重々承知はしているが、それでも余程の事なのかツナの力を借りたい理由を決して明かさなかった。
「勿論、強制という訳ではありませんのでお断りしても問題ありません。ですがお引き受けしてくれるのなら報酬もご用意いたします。今すぐとは言いませんが、どうかいいお返事をいただきたい」
「いいぞ」
「お前が答えるなよ!!」
シャクティは自分とヘスティアに意思確認をしたはずなのに第三者であるリボーンが勝手に即答し、ツナはツッコミを入れる。
「つー訳だ、こいつを連れて行ってくれ。何なら足腰立たなくなるまでコキ使ってもいいぞ」
「人の話を聞け!!」
自分の話を聞かずリボーンが勝手に話を進める事に対し、ツナは再びツッコむ。
「綱吉様。勝手かもしれませんがリリからもこの話、受けてもらえませんか……?」
「え? どういうこと?」
「今【ヘスティア・ファミリア】はギルドのランクが上がり、かつ
「でも俺が稼いだ金があるから大丈夫じゃ……」
実際ツナは
「今回の
「そっか……」
確かに
しかし今はランクが上がり税金も上がっただけでなく、団員が殺到するような事態になれば武器、
「……じゃあ、受けようかな」
流石に【ファミリア】の財政が圧迫するとなっては断る訳にもいかない為、ツナは【ガネーシャ・ファミリア】からの依頼を受けることに決めた。
「本当にいいのか? もっとゆっくり考えてもいいんだぞ」
「大丈夫」
まさかこんなにも早く返答してもらえるとは思ってはおらずシャクティは気を遣うが、ツナの意思が変わることはなかった。
「了解した。後日、依頼内容の説明の為我々の
「うん、いいよ」
「日取りが決定したらまた迎えに来る。今日の所はこれで失礼する」
シャクティは軽く頭を下げ、竈の館を後にする。
そして数日後。ツナは【ガネーシャ・ファミリア】の
「俺がガネーシャだ!!」
(何この
ツナの目の前には象の仮面を被り、謎のポージングを取る筋肉質な体つきの神がいた。あまりに個性の強すぎる神を前に、ツナは心の中で叫ばざるを得なかった。
この男の名はガネーシャ、【ガネーシャ・ファミリア】の主神である。神々は基本個性の強い者が多いが、その中でもガネーシャはその個性が圧倒的に強く、変神として神々や人々にも広く周知されている。だが同時に下界の子供たちを心の底から愛しており、神格者としても知られている。
「あ、あの……」
「俺がガネーシャだ!!」
(全然、会話ができないんだけど!?)
なんとかガネーシャとの会話を試みようとしたツナであったが、ガネーシャは強く自己主張をするだけであり、ツナはどうすればいいかわからず困り果ててしまう。
「いい加減にしてくれガネーシャ。話が進まん」
「むっ。そうだったな」
見かねたシャクティが助け船を出すと、ガネーシャはポージングを取るのをやめる。
「改めて自己紹介だ。俺は【ガネーシャ・ファミリア】の主神のガネーシャだ」
「さ、沢田綱吉です……」
「沢田綱吉か。この前の
「ど、どうも……」
まさか自分がここまで高く評価されているとが思ってもいなかった為、ツナは少し照れる。
ツナが敵を裏切らせるという展開自体今までにない衝撃的な展開であったのもそうだが、やはりベルが圧倒的な速度で成長し、ヒュアキントスに勝利した話題の方が強く、世間の注目はベルの方へ向いている。もっともツナとしてはベルの方が注目されてくれる方が助かるので、むしろ安堵しているが。
「それでは本題に入るぞ……既にシャクティから聞いているだろうが、君の幻覚の力を借りたいのだ」
「確か検挙したい組織があるんでしたよね」
「その通りだ。だが検挙しようにも証拠がない、しかも強行手段はできず困っている。そこで君の力を借りることを思いついた」
「どういうことですか?」
「
「サントリオ?」
「オラリオ最大の娯楽施設がある繁華街だ。娯楽のなかったオラリオが諸外国の力を借りて作り上げた、オラリオ最大の娯楽施設であると同時に、ギルドですら容易に干渉できない治外法権区域でもある」
「そんな場所が……」
「実は
「だから俺の幻覚を……」
ガネーシャから一連の説明を聞き、ツナの幻覚の力を利用し水面下で捜査したいという彼の考えを理解する。
「勿論、お前だけに負担をかける訳にはいかない……そこで聞きたいのだが、幻覚を他人にかけることはできるか?」
「やったことがないけど、多分できると思う。ただ俺の幻覚はまだ近くにしか作れないから、他人に幻覚をかけるなら俺が側にいないと無理なんだ。それと、幻覚で姿を消すことはできない」
シャクティの問いに対してツナは自身の幻覚について説明する。
ツナは真っ当な術師ではない為、現段階ではまだ自分の周囲にしか幻覚は作れない。また遠隔操作や複雑な行動、周囲の景色に紛れて誰もいないかのように見せることはできないのだ。
「充分だ。これならあの部屋に入ることできるかもしれない」
「あの部屋?」
「
「そこに潜入して証拠を掴むんだね」
「その通りだ。とはいえ何が起こるかはわからない。この作戦の都合上、潜入できるのお前と私だけ。そしておそらくテリーは裏で兵を雇っているはずだ。何よりテリーがどれだけの戦力を有しているかもわかっていない。勿論お前には幻覚を作ることに専念してもらい、戦いは私が受け持つ。だが絶対に安全だとは言い切れない。それでもこの潜入捜査をやるか? 今ならまだ引き返せるぞ?」
シャクティはツナにこの潜入捜査を断っても大丈夫だということを伝える。
「いや、大丈夫。やるよ」
「そうか。ありがとう」
こうしてツナは
だがこの時ツナは知らなかった。この潜入捜査によって予想もしないある事実を知ることを。
本当はすぐに春姫の話を書こうと思いましたが、グラン・カジノの話をやろうと思います。
わからない方の為に説明しておきますと、この話はアニメ化されていません。ファミリア・クロニクルepisodeリューという小説の話になります。読みたい方はご購入して頂けたらと思います。
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