ダンジョンにボンゴレ十代目が行くのは間違っているだろうか   作:薔薇餓鬼

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標的(ターゲット)99 まだ見ぬ脅威(ペリクリム)

 

 

 

 

 

 ツナ達によってカジノの事件は幕を閉じた。テリーとその協力者は無事に逮捕され、賭博場(カジノ)側は今回の不祥事をテリーに全て押し付け責任を逃れた。そして、賭博場(カジノ)経営者(オーナー)はテリーから別の人物に変わり運営されることとなった。

 捕らわれたテリーは素直に自分の罪を認め、全ての犯行を正直に話した。しかしテリーはシルから耳打ちされてからずっと何かに怯えているようだ。

 一方でテリーに協力した貴族たちは投獄されることこそ無かったものの、オラリオの入国を禁じられ国に戻ることを余儀なくされた。しかし今回の1件を国に伝えられた事で弱味を握られ、テリーに与した貴族たちは他の貴族たちによって蹴落とされ貴族の地位を失った者や、どうにか貴族の地位は失わなかったが没落貴族となってしまった者がほとんどだった。

 またテリーによって捕らわれた女性たちは解放された。女性たちにはギルドと賭博場(カジノ)側から手厚い保証の上、それぞれの国へ帰れることになった。

 こうして事件は無事解決したと誰もが思っていた。1人を除いては。

 

 

 

 

 

 

竈の館

 

「何だと? そいつは本当か?」

 

 賭博場(カジノ)から帰ったその夜。ツナはリボーンを自分の部屋に呼び、賭博場(カジノ)で死ぬ気の炎やそれを発するリングを見たことを報告した。

 

「うん……でも自分の意思で炎を使ってるって言うより、強制的に炎を吐き出しているみたいだった」

 

「つまりこの世界のどこかにいるっていうのか。俺たちの世界の人間が」

 

 残念ながら何が目的かまでは分からなかったが、強制的に死ぬ気の炎を放出するリングを渡してる時点で到底真っ当な人間ではないだろうということをリボーンは察していた。

 

「とりあえず、ウラノスにはこのことを伝えた方がいいかもな」

 

「それならフェルズからウラノス様に連絡できるアイテムを渡されてるよ」

 

 ツナは部屋にある棚からフェルズから渡された眼晶(オクルス)が入った箱を手に取ると、箱から眼晶(オクルス)を取り出し掌に乗せ、眼晶(オクルス)に向かって話しかける。

 

「ウラノス様。聞こえますか?」

 

「沢田綱吉か。どうした?』

 

 ツナの声に応じて眼晶(オクルス)からウラノスの返答が帰ってくる。

 

『至急、ウラノス様に伝えたいことがあって連絡させてもらいました」

 

『何だ?』

 

「実は……」

 

 ツナはウラノスに賭博場(カジノ)において見た出来事について話した。

 

『……それは本当か?』

 

「はい」

 

『しかし驚いたな……死ぬ気の炎はジョットとその血族の者しか使えないものとばかり思っていたが』

 

「確かにジョットの生きていた時代ならその認識は間違っていねぇ。だが今は違う」

 

『リボーンか。それはどういう意味だ?』

 

「少し前まで俺たちも死ぬ気の炎は【ボンゴレ】ボスの血を引く者にしか使えないもんとばかり思っていた。だが実際には死ぬ気の炎はある条件さえ満たせば誰にでも使えるってことがわかったんだ」

 

『ある条件?』

 

「強い覚悟とそれに応える為のリング。属性の違いこそあるが、それが死ぬ気の炎を使う為の条件だ」

 

『属性?』

 

「死ぬ気の炎には大空、嵐、雨、雷、晴、雲、霧の七属性がある。そしてその属性によって、それぞれの特徴があるんだ。大空は調和、嵐は分解、雨は鎮静、晴は活性、雷は硬化、雲は増殖、霧は構築。そしてその覚悟が強ければ強い程、死ぬ気の炎もより強力になる」

 

『……』

 

 リボーンは死ぬ気の炎の詳細について説明をする。一方でそれを聞いたウラノスからの言葉はなく、何かを考えているようだった。

 

『確かテリーはラキアでリングを手に入れたと言っていたな』

 

「はい」

 

『リングを渡した人物が現在もラキアにいるとは限らないが……もしその人物がラキアにいて、リングを流しているとしたら厄介なことがなるやもしれん』

 

「ラキアって一体どんな国なんですか?」

 

 クロッゾの魔剣を使い戦争に勝ち続けたものの、魔剣の力を失ってからは戦争に惨敗してしまったことはヴェルフから聞いてはいたが、それ以外の知識は全く知らなかった為、ツナはラキアについての情報をウラノスに尋ねた。

 

『ラキアは軍事国家で、六十万以上の国民と緑豊かで肥沃な大地を有している豊かな国でもある。本来ならば無闇に戦争を仕掛ける必要など無いのだが……主神であるアレスと【ファミリア】の団長兼現国王であるマルティヌスの意向で他国や他都市に事あるごとに戦争を仕掛けている。このオラリオにも過去何万という軍を率いて幾度も侵攻して来ていた。いずれも失敗しているがな』

 

「何万!?」

 

『数だけ聞けばとてつもない脅威と思うかもしれないが、構成員のほとんどはLv.1の者ばかり。対してこちらは【ロキ・ファミリア】【フレイヤ・ファミリア】を始めとした有力な【ファミリア】が迎え撃つ算段になっている。はっきり言って勝ちが確定している戦だ』

 

 神々が地上に降臨してからは戦いは数ではなく質の時代に移行した。例え万単位の兵を揃えようとも、質が悪ければ勝てる道理はないのだ。

 

『とはいえ国王がオラリオを敵視している以上、ラキアに行って調査することは難しい』

 

「だが仮にラキアの兵が死ぬ気の炎を使えるようになるなら脅威になるかもな。それにラキアだけじゃなく、他の国に死ぬ気の炎が知られているとしたらそっちもオラリオに進軍して来るかもしれねぇ」

 

『勿論それも脅威だが……オラリオの冒険者に死ぬ気の炎の存在が知られるのが一番不味い。英雄の都などと言われてはいるが、多くの冒険者が【ランクアップ】できない状況だ。それ故に自分よりレベルが上の冒険者たちに嫉妬し、逆恨みする者も多い。そしてそういった者たちの思いは強い……良くも悪くもだ。仮に神の恩恵(ファルナ)と死ぬ気の炎の力が合わさればそれが暴走し、最悪暗黒期と同等かそれ以上の悲劇が訪れてもおかしくはない』

 

 リボーンとウラノスはこの世界で死ぬ気の炎の力が大きく知られた際に起こるであろう事態を予測する。

 

「ウラノス。今回の事件で使われたリングを【ガネーシャ・ファミリア】から回収することはできるか?」

 

『可能だ』

 

「俺が現【ボンゴレ】のボスである9代目に掛け合って、そのリングを渡した奴を調べるよう頼んでやる」

 

『わかった』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この世界のとある場所。

 

「次のオラリオの進攻の日時が決まったわよ」

 

「いつだ?」

 

「1ヵ月後よ」

 

「そうか……この日をどれだけ待ちかねたか……」

 

「興奮するのはいいけど、それまでに捕まるなんてヘマしないでよね」

 

「お前の方こそ」

 

「誰に物を言ってる訳? 今回の計画が上手く言ったのは私が裏で国王を操ってる(・・・・・・・)からってことはあんたも知ってるでしょ? そんな私がヘマするとでも?」

 

「……まぁいい。私は計画が成功すればそれでいい」

 

(本当に単純な男……彼女(・・)に狂信してるおかげでこんなにも簡単に利用できちゃうんだから)

 

 

 

 

 

 

 

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