日々の未来の青春譚 -メビウスアーカイブ-   作:逃げるレッド五号 5式

10 / 26
09.【束の間の平穏】

 

 

 

D.U.外郭区 中枢市街地

 連邦捜査部(シャーレ)部室(ビル)

  本棟地上区画 捜査部事務室

 

 

 

 時刻は現在午前7時頃。

 “G(ゴメス)事変(ショック)”収束から一晩明けた朝。

 天気は、雲一つ無い快晴。シャーレ事務室(オフィス)の窓からは、夏前の眩しくも暖かな陽光が差し込んでいる。

 

 そのオフィスでは、朝の着替えを終えたミライが背もたれ付きの椅子に座って一人朝食を摂っていた。

 昨日まで書類が山脈を形成していたオフィスデスク上は、整理が為されて今や更地である。そんな机上に書類の代わりに置かれているのは、彼がチョイスした朝食たち。

 

「うん。朝から食べるカップ麺も中々良いね」

 

 彼の朝食は、丼によそわれた即席(インスタント)鶏がら(チキン)ラーメン“鶏坊(トリボー)”と非常用クラッカー…そしてコップになみなみ注がれた水道水である。

 即席麺とクラッカーはどちらも事務室に併設されていた給湯室(ミニキッチン)の戸棚や段ボールの中を漁り発見した保存食品たちだ。

 

 ………このような献立(メニュー)になってしまった経緯というか理由として、第一にミライがキヴォトスに来てからまだ二日であり周辺の地理に疎く、土地勘が皆無で、買い出しに行けなかったこと。

 第二に、唯一リンから昨日貰っていた情報であるシャーレ部室棟一階フロアの一角に置かれたコンビニエンスストア…“エンジェル24”シャーレ出張店が、本日正午にグランドオープンであったこと。

 第三に、キヴォトスの殆どの情報を網羅している“シッテムの箱“管理者…自称敏腕(ちびっ子)秘書ことアロナが見事昨夜のフラグを回収し、夜更かし・寝落ち・寝坊の華麗なる不健康な星雲(ネビュラ)コンボを決めていたこと…があった。

 

 こうなるとあとは“シッテムの箱”内にある情報検索アプリを使って調べるぐらいしか無いのだが…ミライは“シッテムの箱”と言うこの白いタブレット端末の機能を全て把握できていない。

 そのためこう考えてしまったのだ。「シッテムの電源を点けたら、もしかするとアロナちゃんを起こしてしまうのでは?」と。タブレットへの何らかのアクションが目覚まし時計よろしくアロナ起床のトリガーになると危惧したわけである。

 

 ミライに人の眠りを妨げる趣味は無い。そして彼は優しすぎた。自身の空腹よりも、アロナの睡眠を尊重した。

 その結果が、()()だった。ただまあ結果として彼は食料を見つけて食事にありつけているのだから、誰も嫌な心持ちにはなっていない、ハズだ。

 

「………でも何だろう…? 何か悪いことをしているような気がする…」

 

 さて、以上の事情からインスタントラーメンをずるずる啜っているミライ。彼は朝から食べる即席麺の旨さに舌太鼓を打っていた。

 されどその行為に言いようの無い小さな罪悪感を覚えていた。この朧げな感覚を恐らくミライは言語化できないだろう。……これは、「登校日である平日に学校を休み、普段観ない時間帯の教育番組を視聴した時のアレ」なるものによく似ているのかもしれない。

 

  ……ここで記しておくが、M78星雲人(ウルトラ族)は__通常(巨人)体時には__食事を必要としない。

 それは彼ら彼女らがディファレーター因子による急速な強制進化の過程で、口部器官の開閉・咀嚼をはじめとする摂食関連機能がオミットされ、主なエネルギー源が五大栄養素から“光”…プラズマスパークエネルギーへと変わった__同エネルギーを補給さえできれば半永久的に活動が可能だ__からである。

 

 ただし地球人のような他種族の肉体へ変身するとその限りではない。変身した対象の種族の肉体が有する特性が反映されるためだ。

 以上のことから、光の国本星では食文化が廃れてはいるものの、他惑星の文明内部で活動するような者がいるので食事という行動自体が完全に消失しているわけではないのである。

 逆に宇宙警備隊では、地球駐在経験者らが地球を訪れた際に地球食に触れたところ、あまりにも美味かったので光の国帰還後に隊内で地球食布教が過去に何度か行われ、「地球に訪れた際は日本のカレーライスは必ず食べろ」とまで言われていた時代もある…らしい。因みにメビウスは士官候補生時代にその布教をモロに受けた世代である。

 

 

 

 閑話休題。

 

 

 

「このインスタントラーメン、刻みネギと生卵を入れるともっと美味しくなったんだろうな」

 

 まだ丼に残っている鶏がらラーメンを食べながらミライは、過去に地球で食べた同じタイプの袋麺を想像して懐かしむ。

 GUYS JAPANの基地敷地内には、大食堂も置かれていた。基本的にミライはそこで通常勤務の日は朝昼晩三食すべて、食堂のママさん方が丹精込めて作ってくれる栄養満点の日替わり定食を食べていたので、休暇でも無い限りは外食、ジャンクフードの類いを摂ることは無かった。

 

 ならば即席麺を彼が懐かしむのは何故か?

 それは夜間勤務時のお供として仲間が差し入れてくれたことがあったからだ。

 朝まで作戦指令室(ディレクションルーム)で片時も目を離さずマルチモニターを睨みつける業務というのは中々楽なモノではない。そんな時に同じく当直であったリュウが「ミライ!お前カレー好きだったよな?」と言いながら渡してくれたカレーカップヌードル…初めてそれを食べた時の味は今でも忘れていない。その出来事以来、ミライの脳内にある美味しい食べ物リストにカップ麺が入ったのは言うまでもない。

 

『――………ぅん…ふわぁ……おはよーございます。ミライ先生』

 

「おはよう、アロナちゃん。お寝坊さんだったね」

 

 “シッテムの箱”が自ら水色のスタート画面を点け、小気味の良いアラームを奏でて起動した。

 大きな欠伸と間伸びした朝の挨拶をしつつアロナが寝ぼけ眼をくしくし擦りながら画面上からホログラム体で現れる。

 ミライはクラッカーを齧るのをやめて挨拶を返した。

 

『…ミライ先生? 朝からカップ麺、ですか…?健康に悪いですよぉ…』

 

 アロナから放たれたその言葉はたしかにミライの胸を抉った。

 単一のものだけを摂り続けると吸収する栄養が偏る。彼女が言ったこと自体は間違いではない。

 その原因の一つがアロナにも少なからずあることは指摘せず、ただ何とも言えない顔で「あ、あはは……」と乾いた笑いを返して食事に戻るのだった。

 

『――ミライ先生、本日の朝のニュースをまとめてみました。よろしければどーぞ! オススメはクロノススクールの報道部と“モモテレビジョン”です!』

 

 ミライが食事を続けていると、完全に眠気を吹き飛ばしたアロナがいくつかのネット記事やテレビニュースの画面をホログラムに出力し、彼が興味を持ちそうなモノをいくつか提示した。

 

「へえ〜これが……」

 

 アロナはミライの視線移動をタブレットのカメラを通じて感知し、提示内容が見易くなるよう必要に応じて拡大・縮小させた。

 

 ミライがちらりと目を通したピックアップニュースは以下の通りである。

 

【ヴァルキューレ航空局、局員数十人を降格・減給処分に 現場での命令違反が原因か】

【百鬼夜行、ゲヘナ方面自治区境界線へ機甲部を派遣】

【「速報」赤冬連邦にて第八次牛乳プリン内戦勃発】

【ゲヘナ万魔殿ゴメス関与否定 「我々も被害者だ」】

【連邦生徒会 “赤の巨人”を「ウルトラマンメビウス」と呼称】

【オデュッセイア第4艦隊 D.U.沿岸沖合へ警戒配置】

【第二のSRTか? 連邦独立捜査部シャーレとは】

【怪獣ゴメスの遺骸 撤去進まず… 業者もお手上げ】

【カイザーコーポ株乱降下!? 経済界激震奔る】

【連防室が対怪獣念頭に年度予算を追加申請か】

【被災地D.U.外郭区 南部で生活インフラ仮設開始】

【連邦生徒会、新たな部活“S.C.H.A.L.E”立ち上げを発表】

【都市企業群 特災基金を合同設立】

【光と共にやってきた謎多きヒーロー、“ウルトラマン”を追う!】

【トリニティ生徒会幹部「ゴメスはゲヘナの“生物兵器”」】

 

 各メディアで朝から取り上げられているのは、昨日の“D.U.外郭区特殊災害”関連が殆どであった。ゴメスとメビウス、そして災害収束後のキヴォトス各地の動きを伝えるものが画面いっぱいに並んでいる。

 やはり“シャーレ”やキヴォトスの外から来た“大人(ミライ)”に関する記事はその中に埋もれていた。怪獣災害のインパクトがそれほど大きかったのだ。

 

 アロナがピックしてくれた情報を殆ど見終わる頃には、ミライの方も机上に並んでいた朝食をすべて平らげていた。

 

『♪〜〜〜』

 

「ご機嫌だね、アロナちゃん」

 

 出力されるホログラムがややブレるぐらいに画面上で鼻歌混じりにルンルン動き回るアロナ。

 

『それはもう! アーカイブドキュメントに載っている、ミライ先生を含めた“ウルトラ兄弟”の方々の活躍をいーっぱい見れましたからね!!』

 

 電脳空間化で橙色の図鑑と化しているアーカイブドキュメントをアロナは両手で掲げてムフンとドヤ顔をキメた。

 給湯室へ行き食器を片していたミライは、何か一考した後、明るい表情である提案をした。

 

「……そっか。なら僕からは、一緒に戦ったGUYSの仲間たち(みんな)の活躍を話そうかな。昨日、“箱”の中で約束したもんね」

 

『〜〜〜〜っ!! いいんですかっ!? 聞きたい!聞きたいですっ!』

 

 目をキラキラ輝かせているアロナを見て、ミライは癒され笑みが溢れる。

 

「アロナちゃんは、誰のお話から聞きたい?」

 

『えっとえっと…隊長さん…サコミズ隊長さんのお話を!!』

 

 アーカイブドキュメントをぺらぺら捲り、アロナは「サコミズ・シンゴ」なる人物のアーカイブページをミライへ見せる。

 同ページ内に掲載されている顔写真。そこには飄々とした印象を受ける地球人の男…サコミズが穏やかな微笑みを浮かべていた。

 彼はミライが光の国から来訪したウルトラマンであることを受け入れた上で迎え入れ、ミライとメビウスを最後まで影から支えてくれた地球の恩師…父親のような人だった。

 

「………分かった。そうだなぁ……サコミズ隊長はね、コーヒーが大の好きで指令室には自費で買った―――」

 

 そんな人物の話をできるなら喜んでと、アロナに嬉々として語り始めた。

 

 

 

―――

―――

―――

 

 

 

「―――それでね、ここでさっきのコーヒーの話にも繋がってくるんだけど………隊長の誕生日に隊長が大好きなコーヒー豆をクルーの皆んなでプレゼントしようってことでおつかいを頼まれた時、『()()買ってきて』って言われたから……」

 

 ミライによるサコミズ談話開始から、凡そ一時間ほど経過するところであった。現在の時刻は9時手前である。

 アロナは依然として目を輝かせて話に聞き入っていた。

 

『……もしかしなくても、別の()を買ってきちゃったんですか先生?』

 

「うん。徳用の節分豆を買ってきちゃったんだ」

 

『やっぱり……私、まだミライ先生と二日ほどしか一緒にいませんが、先生がどんな方か段々分かってきた気がします。……ちゃっかり徳用選んでるところも何がとは言いませんが点数が高いですね』

 

「あははは……過去のこととは言え、ちょっと恥ずかしいね」

 

 彼の天然具合は、同期クルーたちが毎回目を丸くするほどに……それはもう凄いものだった。

 当時は日本的常識や文化__というよりも地球の世情そのもの__に疎く、仲間たちからは日本生まれ日本育ちではない帰国子女説が立てられ、実際にサコミズが用意したカバーストーリーである「火星圏の日系“宇宙世代(スペースジェネレーション)”」が何の疑いもなく受け入れられたほどだった。

 上記の補足となるが、M78スペース地球は宇宙進出レベルが史実(観測)世界の地球よりも遥かに進んでおり、2000年代には月面に続き火星も居住地として開拓と環境整備が為され、複数の産業都市が既に確立していた。この発展は、少なくないメテオール恩恵の寄与が手伝った結果とも指摘されている。

 

「さて、お話は一旦ここで切り上げて……アロナちゃん、シャーレ宛ての書類やデータは受け取ってるかい?」

 

『はい。部室本棟一階受付(ロビー)の郵便ポストにハガキが3通、封筒が2通、投函がセンサーと内部カメラによって確認されています! 宅配ボックスには特にお荷物などは届いてないみたいです!』

 

 アロナは意識覚醒中、“シッテムの箱”とシャーレ部室敷地の凡ゆる機器機材へ同期(リンク)を掛け、集まる情報を常時整理並びに監視している。

 因みにこのIoT環境の数世代先を往くテクノロジーとシステムで稼働している情報管理網は、“シッテムの箱”の起動とシャーレ部室棟復旧時に既に構築していたモノである。

 

『あとは“シッテム”側に複数の依頼書が届いてます。………あ"、事務室(ここ)のFAXは連邦生徒会からの承認書類を三十分ほど前から吐き出し続けてるようです…』

 

 又、“シッテムの箱”がシャーレ・ミライの連絡先兼ネット上の相談窓口となっている__昨日深夜、連邦生徒会のリンちゃんが急ピッチで設定と登録をしてくれた__ので、普通に業務関係の連絡や通知は届くようになっている。

 

「えっ? あ、ホントだ!!」

 

 話に夢中になっていたからだろうか…オフィス隅の壁にちょこんと設置されている大型複合機(FAX機能有り)が己の仕事をひたすら続けていることにミライとアロナの両名はようやく気づいた。

 甲高い唸り声(駆動音)を上げながら朝から過労死レベルの働きをしている彼或いは彼女に二人は心の中で労いの意を込めた合掌をし、アロナは送り主と案件の照合を…ミライは床に丘陵地を形成しつつあったプリント群を拾い集める作業に専念した。

 

 数分後。

 複合機から溢れ出していたプリントの集収を終え、オフィスデスクへそれらを置いたミライは、ふぅ…と一息吐く。

 

「たしか、一階のコンビニ…“エンジェル24”って正午からオープンだったよね?」

 

『はい!12時頃開店とこちらでも通知を受け取っているので間違いないです!』

 

「よし……それじゃあ、ポストの中身取ってくるついでに、チラッと見に行こうかな。今後お世話になることだろうし、いたら店員さんに挨拶をしておきたいなって」

 

『――屋外の監視カメラの記録を確認してみましたが、エンジェルのトラックが一時間前にシャーレ敷地内から撤収してるので商品や機材の搬入はもう終わってるものだと推測します。恐らく今の時間帯は商品の陳列と在庫の最終確認に入ってる頃じゃないでしょうか?』

 

「そこまで調べてくれてたんだ、ありがとねアロナちゃん」

 

『えへへ…! なんたって私は先生の秘書ですから!!』

 

 ミライは椅子に掛けていたシャーレ指定コートを羽織ると“シッテムの箱”を抱え、事務室を出て一階へと続く棟内階段を降りていく。

 

「……そう言えば、アロナちゃんは朝ご飯って食べたの?」

 

 階段を降りている途中、彼はアロナがまだ朝食を摂っていないのではと思い彼女に問う。

 電脳空間での初邂逅時の寝言から、何らかの手法でデータ化した食糧・飲料を口にしていると考えられた。

 

『ちゃんと食べましたよ!FAXの作業の際に摂らせてもらってました!』

 

 サムズアップと共に「朝食はしっかり摂る派なんですっ!牛乳だって毎日欠かさず飲んでます」と付け加えた。心配はしなくても良かったようだ。

 

「うん。朝食は体力面でも精神面でも大事なものだからね。良い習慣だと思うよ」

 

 そうこう話をしている内に、一階フロアに到着した。

 ミライがエントランスロビーの無人状態の受付窓口まで歩いて行く。

 ポストは受付台のすぐ横にあるのだ。ちなみにカラーリングは連邦生徒会のシンボルカラーの一つ、水色オンリーの明るげなモノである。

 

 立つ者がいないロビー受付を見て、ミライは事務員生徒の雇用を考えようかなどと思案しながら、郵便ポストの取り出し口を開けて中身を確認する。

 シャーレの物理的管理はミライ一人では難しい。近々求人を出したり、リンちゃんに相談したりする必要がありそうだ。

 

「……あったあった。アロナちゃんの報告の通り、合計5通、ちゃんと来てたね」

 

 お目当ての郵便物を無事獲得したミライ。

 抱えている“シッテムの箱”にウィンク付きのサムズアップを送っていると、エントランスロビー横の自動ドアがウィーンと開いた。

 あの先には売店エリア…即ちコンビニ“エンジェル24”シャーレ出張店がある。

 

「ふぅ……なんとか開店前で商品の整理が終わったぁ〜……」

 

 そこから現れたのは、白い魔法瓶を両手で持ったエンジェル24の店員と思われる水色の制服(エプロン)を纏った、背が低く前額部(おでこ)の眩しい金髪碧眼の少女だった。

 彼女はミライがいることに気づいていない。背中の小さな白翼をパタパタと動かしながら一息ついていた。

 

「やあ、お疲れ様」

 

「……はわあっ!? え!大人、大人の人っ!?」

 

 店員の少女は驚きのキャパが上限突破してしまったのか、両目をグルグル回して持っていた魔法瓶を真上にぶん投げてしまった。

 宙を舞う白の魔法瓶。床に落下してしまえば全損待ったなしだ。

 しかしミライはそれを難なくジャンプしてキャッチし、魔法瓶は中身をぶち撒けることは避けられた。

 

「ごめんね、まさかそんなに驚かれるとは思ってなくて…。僕はシャーレの先生。名前はヒビノ・ミライ。よろしくね」

 

 魔法瓶を少女に手渡しつつ、ミライはここの責任者だと名乗り驚かせてしまったことを謝罪した。

 

「あ、ありがとうございます。……シャーレの先生、でしたか。まさか開店前にお会いするとは思っていなかったので……と…取り乱してしまって、すみませんでした…っ!」

 

「いいよいいよ、大丈夫。僕はただ挨拶をと思ってだったから、気にしないで」

 

「えと、私は中等部のソラと申します。エンジェル24のアルバイトです。ここの店員として配属されました」

 

 少女の名前が光の国の知人と同じ名前だったことにミライは何かの縁を感じた。

 故郷(M78)の同胞たちを想いながらも、彼の思考は現実(いま)へと戻る。

 

「アルバイトのソラちゃんだね。改めて、これからよろしくね」

 

「は、ハイッ! こちらこそよろしくお願いしますっ」

 

 どうやらソラは極度のあがり症らしい。勢いよく下げられた頭は茹蛸のように真っ赤になっていた。

 相手と初対面かつその相手であるミライが大人であったから、と言うのもあるだろう。

 臆病で人見知り…されど相応の芯があり真面目で誠実…ミライのソラへの第一印象はそうなった。

 

「シャーレ出張店の店員さんって、ソラちゃん以外には?」

 

「上の人の話からして、私一人のようです。今後の補充の話も聞きませんでしたし…このまま一人で回すことになるかな…と」

 

「大変そうだね…」

 

「仕事、ですから…」

 

 なんとも言えない空気が漂わんとしたが、ここで互いに仕事に戻りましょうということになり、解散となった。

 

「―――それではミライ先生、エンジェル24への来店をお待ちしております…」

 

「うん。お昼ご飯、買いに行くからその時はまたよろしくね」

 

「はいっ!」

 

 余談だが、この日からミライの昼食メインが基本的に“週替わりエンジェルカレー弁当”固定となる。

 しかも…これがのちにシャーレ出張店のイチオシメニューと化し、それが巡りに巡って同コンビニ本社がカレー弁当シリーズなるものの開発に着手するキッカケとなろうなどとは……誰も知り得ることではなかった。

 

 この後、ミライは事務室へ戻りシャーレ宛てに送られてくる手紙やメール、書類の整理と、飛んでくる依頼の解決にアロナと力を合わせて奔走していくこととなる。

 …この地道な活動が様々な繋がりを生んでいくのだが、それはまた別の話だ。

 

 

 

 斯くして、連邦捜査部シャーレは始動した。

 

 

 





 あと
 がき

 皆様、わっぴ〜!(気さくな挨拶)
 臨戦おじさんも天井しました、投稿者(逃げるレッド)でございます。赤青マジックと黒単アビ(ド)スが逝った……投稿者はノーダメでした。
 まだまだ夏ですね…東北(こちら)もくっそ暑いです。日本国はアビドス自治区だった………? どっかにエンザン埋まってるくらいの暑さだよコレ。
 バカ暑いのは駄目っ!水分(補給)!
 ※2024/08/10〜08/18追記:重度の夏風邪くらって息してませんでした…おのれリクハチマー…… 暑い日は続くらしいので、皆さんも体調にはお気をつけて。
 
 本作のお気に入り数、400を突破しました…読者の皆様、本当にありがとうございます…!!
 ヘッヘッヘッ…ウルトラカンシャ……コンゴモドウゾヨロシク、ハヤタタイイン…


 
※毎度お馴染みピックアップ解説コーナー
 (独自設定独自解釈共にもりもり)
 今回もちょっと長いかもです

◯ネビュラコンボ
 3D格闘ゲーム『ウルトラマン Fighting Evolution Rebirth』で生み出された、“星雲”の名を冠するバトルシステムの一つ。
 特定の攻撃を敵キャラに直撃させると発動するコンボ。指定されたボタンをタイミング良くプッシュすることで回避防御不可の連撃(ラッシュ)を繰り出し、全て成功させると一定時間自キャラに各パラメータアップのバフが付与される。

 ガンブレも『NEW』じゃない新作が出ることですし、ファイエボも『3』の続編として『4』出ませんかね。待ってます。

◯即席鶏ガラ麺“鶏坊(トリボー)
 地球・日本の某人気インスタント国民食に酷似したキヴォトス生まれの中華風即席麺食品。
 あの“美食研”も認めた!!……今後もちょくちょく本編で出てくるかも?

 地球でのカレーヌードルと宇宙警備隊日本食ブームの話は完全なる妄想・捏造です。

◯カレーライス
 ミライ先生の大好物。原作『ウルトラマンメビウス』の劇中でも、基地内での食事シーンでは殆どカレーライスを食していたので、相当気に入っている。
 日本という島国でアホみたいな魔改造を受け、果てには銀河と種族の壁さえ越えてしまう僕らの永世国民食。今もゲッター並みの進化を日夜続けている。
 インドとイギリスが存在してくれたことにウルトラかんしゃあ〜!
 史実世界では二十年ぐらい前に国際宇宙ステーション“ISS”に送る宇宙食枠にビーフカレーが採用されてたりする。ジャポニカ・カレー、宇宙(そら)へ…

 投稿者も料理の中で一番好き。特に中辛のビーフチキンカレー。

◯クロノススクール・報道部
 前々からちょくちょく出てた。説明してなかったので今回のコーナーにぶち込みました。
 
 新聞、雑誌、書籍、ラジオ、テレビ、WebニュースにSNS、ブログ、動画投稿サイトと凡ゆる媒体で展開している学園都市内最王手レベルのメディア組織であり、それ専門の学園。
 内容が面白ければとりあえず良いという「偏向報道、虚偽報道どんとこい」の精神で活動しているためか、扱う記事が公平性平等性を欠いていることがしょっちゅうあるので、ホントに「記憶にございません」なスキャンダルや匿名提供の暴露話が唐突に生えてくる。恐ろしい。

 ???「意味無いけど健全な娯楽を!嘘だけど迅速なる報道を!無駄だけど楽しいCMを!」
 ↑もろコレじゃんね! 歴史はスタジオで作られる〜

◯モモテレビジョン
 キヴォトスのトップ企業グループの一角である“モモグループ”傘下のマスコミ会社。主力はテレビ関係だが、Webニュースや雑誌にも力を入れている。
 テレビ番組の間に挟まるCMは基本的にモモグループ系列のもので占められてたりする。
 キヴォトス全土で一番人気の番組は“アニメ・モモフレンズ”。現在、多数の熱狂的なモモフレファンたちの熱い応援に後押しされて3期目に突入し、本格ホラー・シリアス路線に舵を切った「人形(パペット)墓場編」が始まった。

 カイザーエネルギーに続く本作の捏造100%企業です。
 
◯百鬼夜行連合学院・機甲部
 旧日本陸軍系装甲戦闘車両を中核とした機甲大隊を複数擁する同自治区の大規模自警団。脚が速く、展開力に優れる。
 平時はパトロールや暴徒の鎮圧が主だった活動だが、自治区全体に及ぶ危機的事象が発生した際にはあらゆる装備と人員を投入して対処にあたる。“陰陽部”や“百花繚乱紛争調停委員会”などの各部活動・委員会からの要請を受けて出動することもある。
 同部活は同学園自治区が連合となる以前…内戦時代に存在した有力な騎馬勢力の末裔たちで組織された。自治区連合へ加入し、時代の流れに沿って装備の近代化が実施され、主力が軍馬から装甲車両へ移行した後は「騎兵部」から現在の「機甲部」を名乗るようになった。自治区の古参住民の一部からは未だに騎兵部と呼ばれている。

 記事で出たのは、友邦ゲヘナ側からの理不尽な報復__ゴメス(ミイラ)発掘は百鬼夜行とハイランダーがやっていたため__に備えての威嚇行動。
 本作の百鬼夜行強化パッチ捏造部活。某ちはたんがくえんの戦車道チームを参考にしました。

◯サコミズ・シンゴ
 新生GUYS JAPAN実働部隊の隊長を務めた人。温和な性格の持ち主で、ミライを含めたクルー達からの信頼も厚く、所謂「理想の上司」的な人物だった。
 コーヒー党で、作戦指令室には自腹で購入しただろうマグカップやブレイカー等の機材を持ち込んでいて、コーヒー豆の袋もいくつか常備している。夜勤や長時間勤務に従事するクルーにコーヒーをご馳走することもしばしばあった。

 ………本来の役職はなんと極東・日本方面支部総監。外見は30〜40代だが、実際の年齢は80歳前後でCREW GUYSタケナカ最高総議長とほぼ同い年。なんなら知古の間柄であだ名で呼び合うほどに親しい。
 彼はGUYSに所属する以前には“国際科学警察機構”日本支部に置かれていた専門特捜チーム“科学特捜隊(S.S.S.P)”の宇宙方面部隊隊員として在籍しており、亜光速試験船“イザナミ”に配属され乗艦。同艦の艦長を務めるだけでなく、艦載機であった戦闘宇宙艇“イカヅチ”のパイロットも兼任していた。
 精神年齢と肉体年齢の剥離は、上述したように科特隊時代、亜光速試験船での地球圏外哨戒任務(パトロール)に従事した際に複数回経験した「ウラシマ効果」が原因。
 尚、サコミズ隊長はこの地球圏外哨戒任務にて、太陽系最外縁…冥王星軌道上で未確認の敵性円盤群とM78星雲人(ウルトラマン)の空間戦闘に遭遇した。それにより「未だ宇宙(そら)からの脅威は健在であり、ウルトラマンたちがそれを水際で防ぎ止めてくれていた」ことに気づき、任務を完遂し地球へ帰還した後は、解体された“地球防衛軍(UNDF)”のような全惑星規模の超法規的防衛機構の再設立とその必要性を強く訴え、行動を開始。これがのちのGUYS誕生に繋がった。

 最終章の対エンペラ戦では、ゾフィーの声に導かれ融合。彼と一心同体となりミライたちと共に最終決戦に臨んだ。

 ……さこっち、亜光速でびゅんびゅん動く母船で地球往復するだけでもかなりの時間差になると思うから、そこに任務ガッチャンコしたらさぁ…そりゃ孫世代分のウラシマ効果だって貰ってきちゃうよ。
 サコミズ隊長は過去の回の後書きでも触れたように、巨大特撮×ブルアカssである本作『日々の未来の青春譚 -メビウスアーカイブ-』の初期構想段階…旧題『ウルティメイトセンセイ』時代に絞っていた先生候補の一人でした。
 この人、シャーレの先生やってたら連邦生徒会やSRT、ヴァルキューレ、ミレニアム生徒の好感度すぐにカンストしてそう。
 カヤやカンナとコーヒー談義したり、キリノにコーヒー豆補充のおつかいとか頼んでると思う。
 あとユウカやアオイにコーヒー豆や機材の購入費が高過ぎるとかで注意されてシュン…てしてそう。
 ナギちゃんとは初対面のあのシーンで真摯に向き合って話聞いてくれてそうだけど、それはそれとして舌戦なら負けないから出された紅茶は美味しそうに余裕をもって飲んでる筈。

 なんかこの先生候補隊長お茶目かわいいな……

◯エンジェル24
 キヴォトスの大手コンビニの一つ。名前からして24時間営業型っぽい。
 コンビニ強盗などの非行が跋扈する都市で経営してるためか、防犯機構への力の入れようが半端ない。商品と売り上げと従業員は宝だからね、それはそう。
 主な競合相手は“カイザーコンビニ”。

◯コンビニアルバイター・ソラちゃん
 天使族と思われるキヴォトス中等部生徒。かなり小柄で、性格もそれに比例するかのように臆病で人見知り気味。
 原作『ブルーアーカイブ』では“ショップ”を開くとそのお労しい御尊顔を拝める。

 棚出しとか発注とか全部ワンマンでやってるから、実質店長だって気づいた時には「ソラさん、俺より社畜してる…」ってなった。JCにやらせる仕事量じゃねえっ!!
 いっつもエナドリありがとね…

‎( ◠ڼ◠) 「心を無にして、つるてかオデコにタップするんだ!!」

◯ウルトラウーマン・ソラ
 光の国の優秀な若き女性科学者。ブルー族。
 現在は宇宙科学技術局から銀河連邦管轄の特別救助組織“ギャラクシーレスキューフォース”へ出向中。同組織の主力メンバーである『ウルトラマンリブット』とは幼馴染である。
 ミライが頭を過ぎった同名の人物とは彼女のこと。親友(ヒカリ)の部下であり、科学技術局へ顔を出しに行くと高頻度で会っていたので面識がある。

 投稿者はギャラファイではじめましてしました。バリアがめちゃ強いってのは覚えてる。アレで非戦闘員ですはヤバい。
 


 最近、『モブサイコ100』再視聴し始めたんですけど、霊幻師匠がシャーレの先生やっても面白いなって思っちゃった…PMC理事に正当防衛ラッシュ叩き込んでほしい。ユスティナ聖徒会にはソルトスプラッシュぶっ掛けててほしい。…やばいめっちゃ見たい。誰か書いてくださらないかな…

 ……ここで書かせてもらいますが、誠に勝手ながら前々回より感想への返信をストップしています。申し訳ありません。
 ただ、ネガティブな理由で止めたワケではなく、貰った感想一つひとつ内容はしっかり読んでおりますので、その点はご安心ください。
 以上、よろしくお願い致しますm(_ _)m

 さあいよいよVol.2が近づいてまいりました。
 アンケートへの投票、ありがとうございます…! ユウカ・ノアとメッフィーとヘビクラタイチョーの三つ巴になってて草なんだ。
 ※前回あたりに書いてるように、あくまでも投票数の多いサブタイは優先執筆・投稿の対象になるだけなので、票数が上位のものでも必ずその順番で投稿することはなく、物語の都合上順番が多少前後する可能性がありますので、ご注意ください。

 日常回の後に来るのは予告モドキ回なんやで……
 
 

 次回、特別編【Vol.2予告PV】
 お楽しみに。

 

ベリアロク、持たせるなら誰?

  • シロコ
  • アル
  • あはは…(ダークファウスト)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。