日々の未来の青春譚 -メビウスアーカイブ- 作:逃げるレッド五号 5式
予告
キヴォトスでの生活に慣れてきたミライが顧問教師を務める連邦独立捜査部“シャーレ”は悪く無い滑り出しを飾り、生徒の為に汗水垂らして働く日々が続いていた。
『ミライ先生。おはようございますッ! 今日もお仕事頑張っていきましょう!!』
キヴォトスの生徒達の間でシャーレの関心・興味、そして知名度が上昇していくにつれて、ミライが交流する子供たちは増えていったのは言うまでも無い。
「せ・ん・せ・い〜? このくっしゃくしゃの領収書に書いてある金額、なんですか?」
「あ、えっと…それはホビーショップで買った――」
「――ユウカちゃ〜ん。こっちにも未提出の領収書、ありましたよ〜」
「ノアちゃん!? いつの間に…!?」
このミレニアム・セミナー役員の少女二人のように、シャーレに仮入部し事務作業の手伝いに訪れる生徒も数を増やしつつあった。
「…………ミライ先生。私は何もプライベートでのショッピングが駄目だ、悪だなどとは言ってません。ただ……いくらご自身で稼がれた給料だからといってもコレは限度を超えてます!! それ、先生の食費やらの生活費も兼ねてるお金ですよね!?」
「はい……その通りです…お給料と手当てから引き出したお金です……」
「ヒビノ先生? こちらの領収書のご説明もしていただけますか〜?」
このミレニアム・セミナー役員の少女二人のように、シャーレに仮入部し事務作業の手伝いに訪れる生徒も数を増しつつあった。
「――こっちは“超合金SOUL DX.KAITEN FX Mk-0”、“空力浪漫 キヴォトスホーク1号”って………一度にぽんぽん買いすぎです!!GUYSに在籍されてた時はどんな管理されてたんですか!?」
「外食の量も額もすごいですね〜♪ 」
「の…ノアちゃん、あんまりそこら辺のレシート捲らないで……」
ミレニアムオオフトモモとミレニアムイカソウメンに詰められるミライ。
彼の口座の明日はどっちだ―――
シャーレの評判はSNSで急速に広まり、相談や依頼もその分増えていった。……それは、たわいもないモノから、不可思議なモノまで種類を問わずに、である。
――時には
「――ようこそ、ウルトラマンメビウス。…いや、ここはヒビノ・ミライ先生と言っておこうか。ささ、あがりたまえ。遠路はるばるよくここまで来てくれた。私はキミが……いや、
『せ、先生! この方、私のことも認識してます!』
「……お前の企みは何だ」
夕焼けに染まるとある田園地帯。
その田舎道にひっそり構えている老舗の風情を感じさせる駄菓子屋。
その二階にある四畳ほどの和室にて、ちゃぶ台を挟んで対面するのは二人の宇宙人―――と、ちびっ子電脳秘書。
「平穏かつ甘酸っぱい普通の学園生活を過ごすこと」
「………………ん?」
『…………はえ?』
「――何か勘違いをしているようだが、あの文書はキミたちへの降伏要求ではないぞ? アレは私がアオハルを送る為の、キミたちへの完全降伏宣言だ」
「『??????」』
「…ミライ先生、キミが何処の世界線の、何処の時間軸からキヴォトスに流れ着いたのかは知らないが――」
ヒグラシの鳴く夏の夕暮れに行われる異星間ネゴシエーションの行方は―――
「―――警備依頼?」
『はい。今回の依頼は、連邦生徒会“D.U.アカレンガ区”行政担当からの正式なモノになります。詳しくは“シッテムの箱”の方に送ったメールの添付ファイルの内容をご参照ください』
とある日――リン首席行政官がシャーレに持ち込んできたのは、連邦生徒会からの指名依頼だった。
「……期間指定の港湾地域
「いいえ。監視体制は万全です……どちらかと言うと、シャーレに…先生に頼みたいのはアカレンガ港の警備そのものよりも、怪獣災害が万一発生した際の情報提供と事象対処への協力となります」
「怪獣災害だって? 何か予兆を見つけたんだね?」
「私の口から詳しく説明致します」
リン曰く、D.U.沖合を航行していた“オデュッセイア海洋高等学校”の哨戒艦隊が、記録に無い未知のエコー及び熱源反応を
“
「―――なるほど。水棲怪獣の可能性が…」
「件の反応が杞憂であれば…通常生物の新種、若しくは海底で発生した何らかの大規模な自然現象…だったら良いのですが…反応が探知された場所が場所でした。探知海域の目と鼻の先にあるD.U.アカレンガ港は観光・物流の両方でキヴォトスを支える有数の一大海洋拠点です。ここが被災してしまう事態になると――」
「――キヴォトス経済の大動脈の一つが、潰れる」
海からの襲撃…リンとミライの懸念が現実になるのか?
『―――え、撃沈っ!? “モモホビーズ”の貨物船が、撃沈されたのですか!?!?』
『やりやがったのはヘルメット団でも不良共でもない! トカゲだ…とんでもなくデカいトカゲの怪獣だッ!!』
『―――げ、撃沈っっ!? ヴァルキューレの巡視船まで、撃沈っ!?!?』
『――対水上戦闘用意ーーーッ。使用火器は自由。我が艦隊の総力を以って対象…ゲ号標的群を撃破する。各艦、攻撃目標の重複に注意せよ。射撃準備でき次第、各個判断で撃ち方はじめ!』
“漂流者”の一人は、ゲヘナ学園自治区にもいた。
彼は本校舎市街地郊外に喫茶を営んでいる。
―――バアンッ!! ガランガラーン!!
「マスター!来たわよっ!」
「
「やっほー! ショーちゃん元気ぃ〜?」
「
「おはよ店長。ちょっと時間過ぎちゃってごめんね。社長が今日の予定ど忘れしてた」
「朝からワリぃな
「お、おはようございます…店長さん。あの…お預かりしていたこの子、お返しします。とても良い子でした」
「コイツの世話してくれてありがとうな
一番のお得意様は、二階の
――バアンッ!!
「うふふっ。新たな美食の気配に惹かれて我慢できず…席は空いておりますか?」
「お前らっ!まだ一週間は出禁だっつっただろうが!!」
「あら?何のことでしょう…?」
「こんのテロリスト共ぉ…反省の“は”の字すら見えねえ」
――バアンッ!!
「ハーーハッハッハァ!! 店主よ、今日もキンッキンの冷凍ラムネを頼む!」
「
この店には、ゲヘナの名だたる
「―――頭ハゲそう」
「ショウタも大変なんだね…」
「風紀委員長サマほどじゃねえよ。……
「うん…分かってる」
光にして闇の店主にストレス性脱毛の危機が迫らんとしていた―――
『スーツコートの新調、ですか?』
「僕なりの決意表明…それの可視化、って言ったら良いのかな」
『いまの制服もミライ先生に十分似合ってますよ!』
シャーレ制服のリデザインの相談をアロナにするミライ。
「―――どのようなお召し物でも、貴方様であれば全て似合うと私は思っております♡」
「ワカモちゃん!?」
純情のワカモ、緊急参戦。
「はい。貴方様のワカモでございます」
「ごめん気づいてなかった…いつからいたの?」
「今朝、貴方様が寝間で起床する手前には既に入場し、お側で控えておりました」
「…朝からずっとってことだね」
「左様でございます♡」
いつの間にかシャーレの部室にいたワカモも交えてミライの新たなユニフォーム選定が始まる―――
アビドス高等学校自治区の旧市街地外縁部。
そこには熱心なファン達が毎日集うラーメン屋“柴関ラーメン”が存在する。
「―――味噌チャーシュー柚子胡椒ネギバタートッピング、お待ちぃ!」
「ありがとうございます。大将。『
「………なあ
「ええ、おかげさまで。上司との付き合いも上々、取引先への初めてのプレゼンテーションもウケが好評でして…正直に言いますと怖いぐらいに上手くいってます」
「良いことじゃあねえか」
柴関ラーメンの店長である
彼は非常に饒舌で、話題の引き出しは多い。持ち前の巧みな話術がそれらと組み合わされば、彼の話に興味を持たぬ者などいないだろう。
「これも、大将のラーメンから日々活力を貰っているからと言うもの…」
「嬉しいこと言ってくれるなぁ。そんな常連のお客さんにはしっかりサービスしねえとな!!」
――ドンッ!
「――――ッ!! 大将、これは……!」
「おう、前々から仕入れと仕込みやってた夜の居酒屋メニューの一つ、らっきょうの味噌漬けよ」
「なんとありがたい心遣い。恐縮です」
――彼はただの外界人ではない。
姿形を純ヒューマノイドに擬装している、上位の知的生命体。それが彼の正体だ。
(――この学園都市という箱庭で交わされている言語は第一から第四まである“キヴォトス共通言語”のみ。されどもそれらの言語体系はどれも私が知っている太陽系第三番惑星“地球”の人類が使用していた地域言語…それぞれ“日本語”、“韓国語”、“北京語”、“アメリカ英語”に酷似している…)
キヴォトスの抱える違和感に黒部は一人考察を深める。
(……私の
ほろほろと口の中で崩れるチャーシューの旨みを堪能することで、黒部は思考の海から一度浮上する。
(……そして未知のウルトラマン、メビウス。彼とのパイプ作りも考えねば。こうして考えるとやらねばならぬことが何と多いことか……だが、それもまた一興か……)
彼が感じた違和感の正体とは何なのか。又、彼のキヴォトスでの目的は何なのか―――
『――――統合作戦司令部と官邸は腹を決めた。諸規定に変更無し、航空攻撃は予定通り決行。繰り返す、予定通り決行。貴隊は直ちに第一次攻撃を開始せよ』
『キーパー
ミレニアムサイエンススクールの特異現象捜査部部長とセミナー会長が、何故“
『空防魂を見せるときだぞ!』
『初の実戦が
『大丈夫だ、俺たちは
…………彼女らが握るのは、外の世界の
『レーザー誘導、良シ!』
『くたばれ化け物め!!』
『敵の対空防御が厚すぎる!』
『―――永山、ベイルだ!
『うわ――――』
『――っ!! キーパー3、永山機被弾!!』
『宇宙生物ってのは、何でもアリなのか!?』
大人たちと怪獣の、凄惨な戦闘の記録。
非日常が捉えられた、数々の記録。
「―――お待ちしておりました。シャーレのヒビノ・ミライ先生」
ミレニアムを想う少女たちは、ミライと何を語るのか―――
―――これらは、プロローグと
メビウスアーカイブ次章、
【Vol2.シャーレの始動】
ぼくらのアオハルは、まだ始まったばかりだ。
あと
がき
皆様、わっぴ〜!(気さくな挨拶)
好きなWWⅡ戦車は〈ティーガーⅡ〉の
アンケートで候補に出た次章サブタイの中身チラ見せ回でした。各回、なるたけ早く投稿できるよう体調と相談しながら頑張ります。
もしかしたら今回の予告に無い話がいくつか追加されるかもしれません。その時はよろしくお願いします。
今回はピックアップ解説コーナーはお休みです。
次回、【闇の
お楽しみに。
ベリアロク、持たせるなら誰?
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シロコ
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アル
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あはは…(ダークファウスト)