日々の未来の青春譚 -メビウスアーカイブ- 作:逃げるレッド五号 5式
―――ミライのキヴォトス来訪から凡そ三週間。
―――“G2事案”終息より一週間半後。
D.U.外郭区 中枢市街地
本棟地上区画 捜査部
新しい朝を迎えたシャーレ部室ビル。
その事務室にてミライが執務机に着き、らしくもない深刻そうな顔つきで睨んでいるのは、彼宛てである一通の手書きの手紙。
朝、シャーレビル一階エントランスロビーの受付横にある郵便ポストに投函されていたものだ。
いつもとは違う雰囲気のミライに、流石のアロナも声を掛けるのを躊躇っている。
件の手紙の核心的部分のみを抜粋した内容が以下の通りである。
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シャーレ顧問のヒビノ・ミライ先生。
私はキミの正体が光の超人、ウルトラマンメビウスであることを知っている。
下記指定場所での話し合いを強く望む。
こちらに敵対の意思は無い。
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相手は己の秘密を知っている。しかも、内容を隅から隅まで読むと送り主は後述する学園自治区に通う生徒であることが分かった。
ミライはキヴォトスにやって来てからというもの、自ら「本来の姿」を誰かに打ち明けたことは無い。唯一の例外は、彼の無修正版GUYS在籍データを覗いた“シッテムの箱”の常駐者たるアロナだけ。
これは、情報漏洩では無い。アロナが原因では無いだろう。彼女の人間性とテクノロジー及びセキュリティがそれをキッパリ否定してくれている。
身内から、そして自分自身から漏れ出たモノではない。
なら、答えは恐らく――
「――僕と同じ外界人…それも、
生徒の身分と容姿で潜伏している、キヴォトスの外からの来訪者、或いは漂流者の線。
「でも、この文だけじゃ何も分からない。これはただのイタズラじゃないのは確実だ。…確かめに行こう―――」
向こうの目的は不透明だが、要求はこちらとの対話とある。
欺瞞の疑いも過ぎる。しかし、応じないわけにもいかなかった。ミライのもう一つの姿を相手が把握しているとなればそれだけでも不利である。
無視無干渉は論外であり、こちら側の最重要情報を向こうに抑えられている以上、選択肢は無いに等しかった。
「―――“百鬼夜行連合学院”へ」
手紙の送り主…名無しの生徒から指定された対談場所は、百鬼夜行連合学院自治区。その都市部郊外…広域農業地区だった。
行くと決めてからのミライの行動は早い。
椅子から立ち上がり緩めていた新生シャーレジャケットのボタンを留め、チャックを閉じて着直し、外行き装備の用意を始めた。
『もちろん私も同行しますっ!』フンスッ!
「ありがとう。頼りにしてるよアロナちゃん」
『ドーンと私にお任せください、いざとなれば最強最硬の鉄壁要塞“アロナ・バリア”で先生を守り抜いてみせますので!』
ベルトにはタブレットケースも兼ねる大ポーチを付け、シッテムの箱をその中へ収納。
胸ポケットにはメモリーディスプレイ・カートリッジを、その下にある弾薬ポーチにはマケットカプセルを差し込む。
腰両側面ガンホルスターにある二丁の
……そして最後に帽子掛けから連邦十字が刻まれた白のライトキャップを取って被れば、出発準備はすぐ完了である。
ミライはシャーレ執務室を発ち、百鬼夜行へ向かうのだった。
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百鬼夜行連合学院自治区
広域農業区域 リクゼン市
水穂耕作地帯 け-四
百鬼夜行連合学院。
群雄割拠の戦国時代――現在の自治区領内のほぼ全域を戦場とした大規模な内戦を経て、百に届く数の地域群が連合を組んだことで生まれた、トリニティやアビドスに次ぐ長い歴史を持つ古参の学園自治区である。
同自治区全体の印象は、「あらゆる時代の日本」を混ぜ合わせたかのようと形容できる。
D.U.もそうであったが、百鬼夜行の方が一段と
さて、話を戻すとD.U.外郭区を発ったミライは、最寄りの公共バスに乗り込みハイランダー鉄道学園の外郭区駅で降りると、そこから自治区間を横断する長距離鉄道__D.U.・百鬼夜行間を結ぶ専用高速鉄道車輌は「
…地球滞在時同様、鉄道の車窓から流れる景色に目を奪われて危うく乗り過ごすところだったが、アロナがタブレットのアラーム機能などを総動員して彼を呼び戻したため事なきを得た。
そんな同自治区の主要鉄道駅でタクシーを捕まえ、手紙の送り主が待つ農業区域――リクゼン市へと向かい、いくつかの小山を越え辿り着いた先にあったのは、当たり一面ぼうぼうに生えている草木に覆われた時刻表付きの標識柱とトタン屋根の簡素な待合所だけのバス停。
「…一面が田んぼだね」
タクシーを降りて周囲を見渡してみれば、田んぼ、田んぼ、更に田んぼ、加えて田んぼ…である。「The 田舎」が目の前に広がっていた。もっと細かく形容するなら、日本の東北・東海地方で見られる平野部の田園風景に近い。
天然の大鏡と化した水田が、雲揺蕩う青空を写している。
『今は入水と代掻きの時期だそうで、この風景のために写真家やインフルエンサーの方々が訪れることがあるらしいですよ』
「理解できるよ。この景色は一度見たら忘れられないだろうね。のどかでとても綺麗な場所だから」
『秋口になれば、田んぼアートなんかも見られるようです!』
公共交通機関の乗り継ぎと乗り換えの積み重ねで、今の時刻は昼過ぎ。輝く太陽は頭のてっぺん辺りに昇っていた。
先日新調したぴかぴかのシャーレジャケットは、長袖という見た目でありながら体温調節機能に優れており、そのおかげでミライは照りつける太陽の下でも難なく歩みを進めることができている。
………タブレットを抱えて歩く
『間も無く指定場所…手紙に記されていた住所です先生』
「了解。あと2〜3kmぐらいかな」
米農家の繁忙期である夏入りの時期だからか、アスファルト舗装整備された町村道の歩道を歩いていると、農機具を荷台に乗せた軽トラやトラクターとよくすれ違う。
―――キュラキュラキュラ
「――士魂弍号車は速度合わせろ!何してる福田、遅れているぞ!」
「も、申し訳ありませんっ西隊長!!」
「………アレは、
『ええ。よくご存知ですねミライ先生。あの車輌は百鬼夜行自警団“機甲部”が扱っている高速中戦車、“チハたそ”の愛称で呼ばれている97式です! その足回りの良さから一部は校外輸出もされてるようですよ』
「へえ…クルセイダーもそうだったけど、まさかキヴォトスで実物を見るなんて思ってなかったよ」
加えて、旧
ミライやアロナが知る由も無いが、彼女らがこのような田舎道を走行しているのは、平時の巡回ではなく百鬼夜行の
ここはゲヘナとの自治区境界線に程近い地域…所謂、国境集落なのだ。先のゴメス有事後、
同校は混沌を是とする血気盛んなマンモス校。突然の暴発も有り得るとして、彼女達は準戦時に相当する即応体制をとっていた。
上の如く戦雲急を告げる書き方をしたが、何者かの襲撃、妨害等を受けることもなく……ミライとアロナの両名はだだっ広い平野部の舗装道を時々雑談を交えつつ黙々と歩き、遂に今回の目的地――手紙の主より指定された会合場所まで無事辿り着いた。
「け-4の77番地……ここが、指定の場所…なんだよね?」
見渡す限り水田と菜園、そして等間隔に並ぶ木製電柱のみの平地に、ポツンと建っているのは、昭和後期日本の下町にあったソレと見紛うような…二階建ての小ぢんまりとした
『“駄菓子屋『めとろ』”…間違いありません。手紙の住所はここになってます』
「この中に、異星人がいる…」
哀愁滲む
完全に百鬼夜行…キヴォトスに溶け込んでいた。事前の情報が無ければ、外界人がいるなど分かりそうも無かった。
「………」
ミライは己の身体が強張るのを感じた。この世界で初めての推定
玄関先にはアイスケースとやや錆び付いた雑誌用回転ラックが置かれている。
内と外を隔てる横開きのガラス戸はどれもモザイク加工がされており、いくら目を凝らそうと中を見ることは叶わない。
………意を決してミライは戸を叩いた。
「どうぞ〜」
すると屋内から間の抜けた、緊張感を感じられない能天気そうな声が返ってきた。少女の声である。
想像していたものとは違う拍子抜けの返答が飛んできたため、ホログラム出力体のアロナと顔を合わせるミライ。
『……生体反応は
「………分かった。中に入ろう」
そう言って彼はシッテムの箱をケースポーチにしまい、右の腰部ホルスターから光学拳銃トライガーショットを引き抜き、一二の三で戸を素早く開け店内へと突入した。
店の中へ踏み込んだミライはトライガーを構え周囲を索敵。しかしながら先の声の人物は見当たらない。
店内は外の看板に記されていた通り、駄菓子が陳列された棚や箱がいっぱい並んでいる。ごく普通の、古き良き駄菓子屋の内装そのものであった。不審な点など見当たらない。
いや、油断するな――ミライはそう己に言いつけ、ゆっくりと音を立てずに奥へと進む。
こういった販売店型家屋の間取りは、正面玄関から入って奥側が生活空間となっていることが大半である。家主であろう人物がいるのは恐らくそこだ。
「動くな! 連邦捜査部だ!!」
ミライは店内を進み、居間に繋がってるだろう障子戸に手を掛けると思い切り開け放った。
「やあ、ようこそウルトラマンメビウス」
戸を開いた先は、四畳半ほどの広さの和風居間。部屋の中央にはちゃぶ台、部屋の隅にはアナログテレビやらが置かれている―――
「……いや、ここではヒビノ・ミライ先生と言っておこうか。遠路はるばるよくここまで来てくれた。ようこそ、駄菓子屋『めとろ』へ。歓迎するよ」
―――そんな空間に、焦茶色の縦長な頭部と特徴的な発光器官を持つ赤青黄トリコロールカラーの、亜ヒューマノイド型異星人が一人いた。
座布団に胡座をかき、こちらに挨拶の意味を込めてか白腕を気さくに掲げている。
「どうやらあの手紙はしっかり届いたようだね。送り主は私だよ」
問題はその異星人の種族である。事ここに至っては、ミライをウルトラマンメビウスであると看破・把握してる点はどうでも良い。
その異星人を、彼も知っていた。
「お前は、
「ああ、その通りだ。私はメトロン星人だとも。名をアンドーと言う」
メトロン星人。
メトロン本星並びに周辺銀河に点在する複数の植民惑星、通称「メトロプラネット」を有する統制星系からなる広域星間国家を形成している高度文明種族である。
正面切っての争いを好まず、自ら手を下すことを忌避しており、策略・謀略と言った水面下での活動に長け、緻密に練った計画に沿って行動する知略的個体が多い。…彼らによって誘発された星間絶滅戦争や惑星内紛争で自滅或いは共倒れに追い込まれた文明は数知れない。
……また、かつては領土拡張の野心と支配欲を全面に押し出し、“宇宙ケシ”と呼ばれる強力な中毒性と幻覚作用を内包する__星間条約などで栽培自体が禁止されている__宇宙植物を用いた非人道的生物化学兵器をもって他星文明を次々侵略し、上述兵器による無血占領を繰り返して勢力圏を瞬く間に拡大。その狡猾な所業から「幻覚宇宙人」の通称で呼ばれ宇宙全域を震撼させた侵略異星人でもある。
因みに、M78ワールド地球にも侵略を目的とした敵性個体が過去に複数回襲来しており、当時の防衛チームや宇宙警備隊の地球駐在員と交戦した記録が、“ドキュメントUG”、“ドキュメントTAC”にそれぞれ残っている。
なお十数世代ほど前__“遊星間侵略戦争”期の終結直後__に当時軍事独裁制を敷いていた惑星政府が民主化クーデターによって倒れたことで、新惑星統合政府が樹立。同政府が音頭を取り、惑星正規軍であった宇宙攻略軍を解体し規模を縮小・制限した防衛宇宙軍へと新生。そして対外姿勢を従来のものから180度転換させ、全方位友好外交を展開…「対話宇宙人」の名に恥じぬ平和主義星間国家の道を歩み始めていたハズだ――――
――――が、しかし。上に書いた同異星人の情報は
ゴメスの例を思い出してもらいたい。この、目の前のやや小柄なメトロン星人…アンドーがミライの知る歴史を辿った――ミライと同じ
彼は無言を貫き、トライガーの銃口をメトロン星人へ向けたままだ。
「…情報を碌に明かさずコンタクトを試みたのはこちら側の落ち度だが、どうかそこまでピリつかないでほしい。
できれば、早くその物騒な
ミライの尋常ならざる警戒心を察したメトロン星人は、肩をわざとらしく大きく竦めおどけてみせた。
自身へ致命傷を与え得る光線銃を向けられているのにも関わらず、メトロン星人が慌てる様子は無い。何か対策を施しているのか、それともミライを
「ささ、あがりたまえ。座布団も茶も用意している。いつまでもそこでそんな風に突っ立っているんじゃない。
私はキミが……いや、
アンドーの言葉を聞き、うひゃあっ!? と声をあげてビビり散らかしたのはアロナである。彼女はシッテムからホログラム出力体として現れると、すぐにミライの背後に隠れた。
『せ、先生! この方、私のことを認識してます!!』
「驚かせてしまったようだ。いやなに、店の外での会話を見聞きしていたからね。ここらもD.U.や隣校のゲヘナほどじゃないが、それなりに万引きに手を染めるクソガキが多くてね、防犯対策でマイクロ監視カメラを各所に設置しているのだよ。バッチリ彼女の姿も映っていた。
……しかし、まるで普通であれば分からないような物言いと反応じゃないか。キヴォトスの原生人類はお嬢さんを認識できないと?一種の認識阻害でも掛けているのか?………まあ良い。それらも含めて、茶でも飲みながらゆっくり話そうじゃないか」
ウルトラ念力によって強化した第六感を使ったが、アンドーが害意などを飛ばしていないことが分かった。
一旦は銃を下ろし、対話に応じるべきかとミライは考える。
「…手紙の件もそうだったが、キミらが来たことを把握していたのに、玄関先で出迎えなかったのは悪かった。弁明させてもらうと、
「は、はあ…?」
ミライの口から間抜けな声が出てしまった。その顔は「鳩が豆鉄砲を食らった」ようと言って相違ない。
そんな彼の背後で隠れながら様子を窺っているアロナも頭上に「?」マークを浮かべている。
………これまで充満していた緊張感が一気に胡散したような気がした。
困惑しながらも、取り敢えず玄関台でブーツを脱ぎ居間へと上がるミライ。
アンドーに促されそのまま空いている座布団に正座した。手に持っていたトライガーショットと、ポーチにしまっていたシッテムの箱をちゃぶ台の上に置く。
―――コトッ…
「“
粗茶ですが…の要領でアンドーがちゃぶ台の上にミライとアロナの二名分置いたのは、製造元の種族をモチーフにしたらしきトリコロールの宇宙スチール缶。
メトロン星発の名物清涼飲料“眼兎龍茶”である。
存在自体はミライも知っていたが、実際目にするのはこれが初めての機会である。
そのカラフルな缶を手に取って確かめてみる。…外側は特に不審な点は無さそうだ。中身は開けてみなければ分からない。訪問先で貰ったモノに一度も手をつけないのはマナー違反と世間では言われているが、これは例外だろう。敵か味方かも判明していない相手からの
『――ローディング完了。有害な成分等は検知できませんでした。普通に美味しいお茶っぽいですね…』
ミライが眼兎龍茶と睨めっこしてる間にアロナの方は、自分に用意された缶に対して
成分確認をして飲むことに支障が無いことが判明すると、シッテム内の仮想空間へ読み込んだ眼兎龍茶を転送させ、プルタブで蓋を開ける。カシュッ! という小気味の良い音がタブレットから聞こえた。
そしてアロナはミライが止める前に呷るような勢いで飲む。周りのマケットたちも慌てふためいたが、彼女が毒に倒れる…ことなどは無く。
『〜〜〜〜〜ッ!! 美味っしいです!!!このお茶、ウルトラ美味しいですよミライ先生っ!! これ、箱買いしたいです!!』
目を
やはり変なクスリでも入ってるのかと疑いそうになるぐらいの豹変具合であった。
「はっはっはっ!美味いだろう。嬉しいねぇ、良い飲みっぷりだ。見ていて気持ちがいい。箱買いについては受け付けているから、彼と相談して是非買ってくれたまえ」
出した茶を美味いうまいと喜ばれて上機嫌なアンドーは、アロナとミライの前に今度は菓子置きを差し出す。
菓子置きには色とりどりの各種駄菓子がいっぱいに盛られていた。
すっかり団欒の雰囲気となった四畳半空間。
「……メトロン星人アンドー。聞きたいことがある」
これまでほぼ沈黙を保ってきたミライが、ここにきて口を開いた。
その声色に普段の穏やかなものはなく、目つきも鋭い。
「ん?なんだい?」
「お前の……キミの企みは何だ?この都市大陸で何をしようと画策している?」
本題__あの手紙に込めた真意の確認__をアンドーに投げ掛けた。
今ここでハッキリさせる。これを聞かねば、彼が百鬼夜行自治区までやって来た意味が無い。
「
人間で言う“顎”だろう部分を腕で摩りながら、一考を挟んでいる様子のアンドー。だがすぐに彼への返答の中身がまとまったようで、再び話し始めた。
「――私の企みは………」
固唾を飲みながらアンドーの言葉の続きを待つミライ。いつでもちゃぶ台上の光線拳銃を握りに行けるよう、両耳に意識を傾けている。
…一方でアロナは緊張などカケラも無く、眼兎龍茶の残りをごきゅごきゅ飲み干しつつ両者のやりとりの行く末を見守っていた。
音の無くなった畳部屋。山から聞こえる蝉の大合唱。頬を伝う一筋の汗。
ミライの体感時間は途方もないぐらいに引き延ばされた。
果たして、アンドーの企みとは…?
「………“平穏かつ甘酸っぱい普通の学園生活を過ごす”こと」
瞬間、居間内の時間が止まった。
「………………ん?」
『…………はえ?』
勿論比喩である。比喩であるが…ミライは自身の耳が拾った情報に首を傾げた。アロナは単純に聞き逃しただけである。
「……いま、何て?」
何か…ひどく平和的な願望が横切っていった気がした故、ミライが聞き返す。
「普通の、学園生活…“
「『?????????』」
「…まあいい。私はキヴォトス人類及び地球人類が定義するところの、性染色体にXXを持つ個体――即ち
「えっと、じゃあ侵略の意思とかは――」
「――微塵も無い。言っておくが、あの手紙はキミたちへの降伏要求などではないぞ? アレは私が平穏な学園生活を――眩しいアオハルを送る為の、キミたちへの完全降伏宣言の意味合いを込めていたモノだ。
こちらは潜伏と同義の生活をしてるんだ、話を理解できる人物に早い内に事前説明はしておかないとだろう? 私の把握せぬところでキミの逆鱗に勝手に触れて有無も言えずに光波熱線の照射を受け消し炭になるのは御免被りたかったのでね」
そこから、アンドーの身の上話が始まった。又、これによって彼女の出身宇宙がミライの出身宇宙と大差ない歴史を歩んでいることも同時に判明した。
「私は、メトロン本星に住む一般階級の両親の下に産まれた。生まれつき他の同世代個体よりも知能指数が高かったたらしく、幼年教育機関から中等、高等へと飛び級を繰り返し、キヴォトス換算で12歳となった時…気づけばメトロン本星で最高レベルの国立航空宇宙アカデミーへ入っていた」
彼女…アンドーの家庭には、職業柄宇宙各地に飛び回る辺境方面の地方役員である父親の趣味で、他星文明の芸術品が少なくない数置かれていた。
アカデミー生時代の彼女が偶然手に取ったモノが、銀河でも著名な惑星文明“地球”で作られたとされる__ 外交官の知人から父親が譲り受けた代物であったらしい__「マンガ」であった。それもジャンルは、学園日常系。巻数は揃えられてはいなかったが、一巻完結式を採用していたシリーズであった。
そしてとにかく中身が面白かった。彼女は翻訳機片手にマンガの世界…青春を謳歌する自分と歳の変わらぬ少年少女たちの物語にのめり込んだ。
「通っていたアカデミーは国の管轄施設…というのもあってね、在学中はひたすらに研究開発実験漬けの毎日。つまり“ゆとり”と呼べる余暇が皆無だったのさ。私は種族の中でも変わり種の部類でね…アカデミーを卒業した時に思ったよ、何か足りない…そうだ、私は青春というモノを経験していないのだ、と。そこで私はふと思った」
青春への憧れを強く抱いた一人のメトロン少女は一大決心をする。
―――そうだ、地球へ行こう。
そこからの彼女の行動は実に早かった。
国立アカデミー主席卒業生となっていたアンドーは、あらゆる科学機関・組織・団体から引く手数多であったが、彼女はそれらの誘いを全て蹴り、たった一人で約100年ほど__メトロン星人感覚で凡そ0.5〜1年間__の卒業記念
「幸い旅行に必要な貯蓄は、アカデミー時代に得た報奨金などで何とかなったからね。個人用の宇宙旅客船だって新品を買えた。そうして諸々の準備を終え、遂に私は地球へ出発した!……ただし地球と言っても私たちのいた次元のではなく、また別の…最寄りの次元にある地球に向けてだったがね」
彼女が購入した個人用宇宙船は、元々惑星軍や政府直轄の情報部などに配備されていた秘匿円盤を民間仕様にダウングレードした製品だった。
既にアンドーがいた時代で、メトロン星の宇宙円盤の殆どが多次元跳躍システムを標準搭載していた。ナビゲートシステムと結びつけて使用すれば、他所の
「――ここまで話せば大体分かるかな? ヒビノ・ミライ先生。私はキミが危惧する旧体制派の侵略軍残党などの不穏分子ではないのだよ、か弱き一市民なのだ。この長くて短い旅行期間が終われば、本星へ帰還する」
アンドーに物心がつく頃には、宇宙ケシを用いた如何なる研究・使用も惑星法によって全面禁止となり、本星や各植民星系にあった生産プラント群は残らず解体され、保有していた化学兵器も全て廃棄されたらしい。又、そこに使われていたリソースの尽くは健全な再分配を経て内政と諜報分野に注がれたとのこと。
現在、宇宙ケシやその関連兵器を生産・所持しているのは、逸れ者となった一部の過激思想持ちや、宇宙犯罪者として指名手配されているヤツらぐらいだと言う。
「さて、地球に行こうとしていた筈の私が何故、ここ…キヴォトスの百鬼夜行自治区にいるのか。答えは簡単さ、我が星のナビゲートシステムは、航行ルートと星系図情報の照らし合わせで目的地を判別する。
……要は事故。銀河有数のメトロン科学技術によって作られた
側から見れば遭難と言えるか。……自動航行に任せて一眠りしていたら、気づいた頃には地球と似て非なる文明惑星に着陸済みだった時の私の困惑度合いがキミ達に分かるかね?」
生まれて初めてだったね、あんな長時間頭を抱えたのは…とアンドーは当時を振り返る。
「……地球への旅行は、どうするんだい?」
アンドーの喋り方は胡散臭い成人のそれだが、彼女もまた
移住ではなく旅行による滞在…そして、現地文明の法制度に従って生活しているならば、今のところは問題ないだろう。
「どうやら私とキミが今いるこの宇宙には、地球は存在しないようなのだ。その
拘りが無かったわけじゃあない。が、キヴォトスは奇跡的なことに、私が憧れたあの地球式の学生生活を送れる場所であると判明したため、最終的にここで過ごそうと決めた」
「百鬼夜行の生徒として過ごしてるようだけど、その姿のまま生活しているの?」
「ははは、流石にこの姿のままでとはいかないさ。ちゃあんと擬態装置で………ほら、この通り!!」
アンドーが手首に付けていた何らかの細工を弄ると、彼女の身体は瞬時にヒューマノイド族のキヴォトス人類へと変身した。
白と薄青のセーラー服を着、明るい赤茶の髪はアップスタイルで纏められ、瞳は垂れ目がちなブラウン、頭上には発光器官をモデルとした
「フフフ、どうだい?これがキヴォトスでの私の姿だ。中でもこのホログラム式人工“
アンドーから手を差し出されたミライは、それを戸惑うことなく握り返した。
「…こちらこそよろしく。さっきはキミに銃口を向けてしまって……」
「謝罪しなくていい。キミをあそこまで警戒させるような手紙の書き方をした私に問題があった。寧ろ私が謝罪する側だろう。申し訳ない」
「…それならその謝罪は貰っておくよ……ええと、キミの呼び方は…」
「ああ、それならこの姿の時はメトの方が良い。だが無理強いはしないよ。呼びたいように呼んでくれ」
「分かった。それじゃあ、メトちゃんで。……最後にもう一つだけ。僕の正体についてなんだけど――」
――どうか秘密にしておいてほしい。
そうミライが口を開く前にアンドーが人差し指を彼の口に押し付け蓋をし、ちゃんと理解しているよと頷いてみせる。
「――口外しないとも。
……ああ、因みに何故私がミライ先生の正体を知っていたのか…知ったのかについてだが、これは二つの情報から導き出した。一つはキヴォトスにおけるウルトラマンメビウス初出現と同じ日に外界から連邦生徒会のお墨付きを貰っている大人が赴任してきたこと。もう一つはM78星雲人が我々以上に高度な擬態能力を持つ種族であることを知っていたことだ」
「な、なるほど」
「ま…この二つを結び付けられたのは、私がウルトラマンと呼ばれる者たちは
ここで一旦アンドーは言葉を切る。先ほどまでの飄々とした態度は消え、真剣な眼差しをミライに向ける。
…恐らく次に彼女の口から出る言葉は、“忠告”だろう。
「…そうだな、ウルトラマンを知っていなければ、メビウスがミライ先生であると突き止めるのは難しいだろう。しかし、私のようにウルトラマンを知っている者だったら? キヴォトスの外から流れ込んできた者だったら?
ヒビノ・ミライ先生。キミが何処の世界線の、何処の時間軸からキヴォトスに流れ着いたのかは知らないが、今以上に自身の行動と正体の露見に用心した方が良い。悪意ある者たちは何処に潜んでこちらを見ているか分からない。
キヴォトスでウルトラマンメビウスに注目しているのは、なにもこの都市の人類だけではない…というのは頭に入れておいてほしい」
「………肝に銘じておくよ、メトちゃん」
「うん。……さて、私からは以上だ。話をかなり長引かせてしまったね。外はもう夕方か。いやはや…いつ見ても、百鬼夜行の黄昏は美しい」
首を捻って窓を見てみれば、外はすっかり茜空。
帰路に就く時間がやってきた。
「いつの間にかオレンジ一色だね」
「タクシーと弾丸列車で百鬼夜行まで来たのだろう? 今からD.U.に戻ればちょうど夜になるか。ここらでお開きにした方が良さそうだ。
ミライ先生。今日、キミと会って話すことが出来て良かった。また話がしたい…と言ったら、応じてくれるかい?」
ちゃぶ台越しに「握手」の手を差し出すアンドー。
ミライはこれを躊躇わず握った。
「勿論。断る理由は無いからね…喜んで。僕も、メトちゃんとお話ができて良かった」
「そうか…それなら、私のモモトークのコードを渡しておく。後で登録しておいてほしい」
笑顔で握手を交わし、アンドーは彼に連絡先を書いたメモ紙を渡すと、あーよっこいせ…と座布団から立ち上がった。
ミライもそれに合わせシッテムの箱と未開封の眼兎龍茶を抱えて立ち上がる。
「まだ営業時間故、店前までの見送りでご容赦願いたい。それとキミらにこれを…」
玄関に出て向かい合うミライとアンドー。
アンドーは店内の商品から拵えたパンパンの菓子袋を彼に二人分持たせた。それの片方はアロナの分であった。
「こんなに沢山…。ありがとうメトちゃん!」
「賞味期限が切れる前に食べてくれ」
それから別れの挨拶を交わしてミライは帰途に就く。
シャーレの先生が田んぼだらけの地平線の向こう側へと消えるまで、アンドーは手を振って見送った。
「……さて。明日の仕込みでもしておこうか――」
見送りを終えて店内に戻ろうとするアンドー。
……そんな彼女の
「――駄菓子屋のメト殿、夕暮れ時に失礼いたします。ラムネを3本くださいな!」
アンドーの前に現れた影の正体は、
彼女は夏季仕様の
「おや、誰かと思えばイズナじゃないか。今日は来るのが遅かったね。研究部の皆んなと特訓だったかな?」
シノビ少女の名は、
“忍者”に強い憧れを抱いている純粋な性格の持ち主で、憧れに少しでも近づくべく日頃の自主修行等を欠かす事なく続けている努力家の一面もある。
「はい!今日は
イズナの運動神経はまさしく「抜群」の一言に尽き、持ち前の
「おお、それはそれは。……その格好からして野外活動だったと見る。暑い中大変だったろう。ほら、ラムネをプラス1本と…棒アイスを4本サービスだ。
「氷菓まで貰ってしまうとは…かたじけないです! 言伝の件、承知致しました!それではメト殿、イズナはこれにて!」
「うん、また明日。明日は皆んなで来るといい。待ってるよ」
「はい!――忍法、“煙玉の術”!!」――ボンッ!
アンドーに一礼すると、イズナは何処からともなく煙玉…インパクト型の
「おぉ煙いけむい………ふむ、“シュタタタッ!”と口にしながら動くと居場所が丸分かりになってしまうと伝えた方が、彼女の為になるのだろうか…。いや、それは野暮な指摘か…」
首を捻りながら、そう言ってアンドーは店の奥へと消えていった。
不要かもしれない蛇足だが、この後シャーレの部室に戻ったミライは、眼兎龍茶を口にしてそのあまりの美味さに唸ったとかなんとか。
また、これによってミライは駄菓子屋『めとろ』から、上述飲料を箱単位で月一注文する契約を締結し、荷が届いたその翌日からシャーレの給湯室に眼兎龍茶が常備されるようになるのだった。
メトロン星人アンドーの甘酸っぱい学園生活は、
こうして新しいスタートを切ったのです。
駄菓子屋を営みながら、学業にも励むとは…
恐るべき活力を持った異星人です。
え?
「そのまま野放しにしていいのか」ですって?
……ご安心ください。彼女の道徳心と倫理観は、
善良な地球人のそれと大差無いので心配無用です。
学園都市やミライ先生に牙を剥くなんてことも、
万が一、億が一にも有り得ないでしょう。
しかも、ここは修羅の魔境――キヴォトス。
ひどく野蛮で無駄にタフな人型種族が闊歩し
四六時中銃弾で殴り合う未開の文明都市です。
上述の品性を備える高度な知的生命体にとって
住みやすいと言えるような優しい世界では…
これっぽっちも、ないのですから。
――――――――――
――――――――――
――――――――――
おまけ【カイザーPMC理事、溜息止まず】
ーーー時は“ G2事案”終結の凡そ数日後。
D.U.タカマガハラ区
学園都市上場企業オフィス団地
“カイザーPMC”本部ビル 理事室
ここは、学園都市発展への貢献度が高い上場企業所有の高層ビルが集合団地のように固まっている特別市街地。
その一角に聳えるのは、カイザーグループのトップ企業であるカイザーPMCの本部ビル。
同建造物は他社や同グループ社のビルと比べて背丈が低い代わりに幅と奥行きが広く、難燃素材や耐震構造も取り入れた防災施設の顔もある。
これは、有事の際に本部施設の倒壊による被害拡大とそれに伴う指揮機能麻痺を端とする事象対応の遅延を可能な限り抑止するため、そしてグループ社員らの非常用シェルターとなるためである。
この他にも対テロ等を想定した各種設備も備えているのだが…今回それらの掘り下げは割愛させていただく。
「――理事。こ、こちらがアカレンガ事案での救援活動にて発生した各種被害と、それの賠償請求のまとめとなっております。ご確認を…お願い致します」
「…………分かった」
PMCオフィスビルの最上階にある、フロアを丸々一面使った理事用の執務室。
現在、室内は重苦しい険悪な空気に包まれていた。
それは、この部屋の主…最奥中央の高級ウッドデスクに着いて執務作業と向き合っている、黒に橙のスーツを羽織った巨漢のロボット族――カイザーPMC理事自身が生み出している沈黙と時折吐く特大の溜息によるものだ。
「…次の書類を寄越してくれ」
現在、彼…PMC理事が可否判断・処理をしている文書及び書類群の大半が、先日発生した第二次キヴォトス特殊生物災害“G2事案”にてカイザーPMC側が被った、或いは
「は、ハイッ、こちらです……」
……最も、斯様な部屋の空気感による心理的負担若しくは圧力を受けると言う実害を被っているのは、彼の斜め後ろに控えている__えんじ色のスーツを着た__恰幅の良い男性ロボット族の
(トホホ……今日の理事は一段と不機嫌だ…やはり、例の本社役員――臨時少佐の軍事裁判第一審でいきなりプレジデントが介入してきたこと、かなり頭に来てらっしゃるんだろうなぁ…気持ちはすんごい分かるけども)
秘書であるこの男。実は仕えている理事とは先輩後輩の仲であり互いをよく知る間柄。
そして、背丈は大して高くはなく腹はでっぷり出ている、典型的中年オッサンボディの持ち主であり、社員と理事の板挟みやら本社の対応やら何やらを経験し続けたことで、ストレス性胃炎に苦しむようになってしまった苦労人でもある。彼にヒューマノイド族のような天然頭髪があったら、頭頂部は今頃悲惨なこととなっていたに違いない。
(……聞けばあのペーペー役員、インダストリーとエネルギーの相談役会長の孫だか甥だったらしい。うぅむ我がグループがキヴォトスに誇っていた実用第一主義は何処にいったのだか。しかし、意見具申した部隊をすぐに懲罰対象とし、あの大尉にさえ銃を向けるとは…全くもって解せん輩だ!)
…………両者とも現場からの叩き上げで幹部社員に成った現場派の人間であるはずなのだが…どうしてこうも対照的な印象になるのだろうか。
そんなこと、ワタシが一番知りたいよ! と毎日叫ぶように溢しているのはその不健康そうな恰幅の良さを誇る秘書官であったりする。
(そう考えると、先週ここにヤツを呼び出した時、よく理事はブン殴らなかったな。ワタシだったら罵声の一つ二つでは収まらずに拳と脚も出していたろう。……やはりこの人には敵いそうもない)
「……おい、
呼ばれて理事の真横にサッと駆けつける烏丸秘書。
ゴマスリの姿勢と表情へ瞬時に移行して懇切丁寧に、理事が手でひらひらさせている文書の説明を行なう。
「あ、は、はいっ。えーそちらはですね、同行政委員会傘下の公立学園である“バックドラフト救急消防学校”の出動と消火活動に使用した装備分の請求費用…とのことです」
「…
「さ、さぁ…? そこは何とも…」
「………都市の子供らのやり方は未だに理解できんな。ハア…まあ良い。これは丸印とサインだけだな?」
ここでまた理事から特大溜め息が吐き出された。
…事務作業に於いて、速度と正確さでロボット族に勝る種族はいない。溜息を吐けども、理事の作業効率が落ちることはなかった。
以降は最低限の
―――
―――
―――D.U.シラトリ区清掃ボランティアへの駐屯地部隊参加について…承認。
―――第66実験基地の警備要員増員の陳情…承認。
―――本部ビル空きフロアの社内託児所活用案…検討。
―――ヴァルキューレ警察への指導教官派遣手続きの簡略化…承認。
理事の書類仕事が終盤に差し掛かったところで、烏丸秘書官の社用スマホが内線通知を報せる。
彼は応答画面をスライドさせ通話に出る。相手は本社総務の人員だった。要件を聞き終えると、その内容を理事に報告・共有する。
「――――理事、ミレニアム赤十字からです。アカレンガ負傷者の件についてでした」
烏丸の言葉を聞いた理事の執務の手が止まった。
カイザーPMCは本社より出向してきた無能極まる臨時将校の指揮によって、先のアカレンガ港での作戦行動中に
全作戦の終了後、軽傷者はD.U.行政区内にあるカイザー系列の総合病院へ、重傷者及び停死者は先進医療を受けられるミレニアム自治区最大の中央赤十字病院へ収容されていた。
「……医者は何と」
「全身飛散した結城クン…結城伍長を含む停死者全員の復元蘇生は無事成功したようです。同僚たちとの記憶の擦り合わせもスムーズにいっているらしく、新たな戸籍の用意も要らないだろう、と。
ただ……彼らは皆、当分の間は新たな生体パーツの慣らしのために、暫くの間は病棟でリハビリ生活…とのことです」
「いい。それで良い。彼らが退院しそれぞれの持ち場に復帰するまでの療養期間は特別休暇扱いとし、追加手当も充ててやれ。今回の
「かしこまりました。総務と人事、経理には私から伝えておきます」
退室する秘書官に「頼む」と短く伝え、理事は椅子から立ち上がりD.U.摩天楼を望めるオフィス窓の前に立つ。
「アカレンガでは死者こそ出なかったが、問題は今後だな………この大陸で旧世界文明の遺物…あの
カイザーPMC理事の呟きは、誰に聞かれることもなく広いオフィス空間へと消えていく。
「………違う。もう
理事の
あと
がき
皆様、わっぴ〜!(気さくな挨拶)
80連でナグサ先輩をお迎えできた
みんな大好き、ちゃぶ台星人ことメトロン星人の登場回でした。
アンドーちゃんの人間体に『ウルトラ怪獣擬人化計画』の姿を採用したのは感想欄での話を思い出してだったり。メトロン星人の生徒キャラ出すってなったらこれほど適任はいないでしょってなりましてね…本当、読者の皆様には感謝ぁ〜です。ありがとう、アイデアをありがとう…!
※毎度お馴染みピックアップ解説コーナー
(独自設定独自解釈共にもりもり)
◯アロナ・バリア
原作『ブルーアーカイブ』における
弾丸被弾で一発アウトな耐久値の先生をあらゆる脅威から守る強力なバリアであり、砂塵から銃弾、果てはガス攻撃に次元干渉といったモノの効果を無力化ないし非致死性レベルにまで軽減する力を有する。
アロナの意識があり、尚且つシッテムのバッテリーが残っている場合に彼女の意思で行使が可能。バリアの展開と維持にはそれなりの電力を必要とするので、過度な連発は危険。
本作の先生――ミライ先生は持ち前の第六感と卓越した運動神経をもってして攻撃を避けに避けまくるため、未だ発動したコトが無い。
◯
生物学的に“幻覚宇宙人”側との差異は無く、それらと同種。“対話宇宙人”の別名は『ウルトラマンマックス』に登場した、過去作品――『ウルトラセブン』の同一個体に使われたものである。
アンドーのキヴォトス人体の外見は、『ウルトラ怪獣擬人化計画』のメトロンを参照してもらえると分かりやすいかもしれない。…因みに、本作ではセーラー服を着せてるが、原作のファッションは割と際どいと言うか
“
セブン登場のシリーズ初個体は地球征服を目的とし、結晶状に加工した宇宙ケシの実を使い、その強力な幻覚・強迫作用をもって「同族間の信頼を壊す」ことで地球人類の自滅を狙い暗躍した。しかし、最終的には“ウルトラ警備隊”とウルトラセブンの活躍によって征服計画は頓挫。巨大化しセブンと一騎打ちに出たが、アイスラッガーによって両断され敗北を喫した。
…忍術研究部の“師匠”なる人物の存在を把握していることについて、ミライに話さなかったのは「聞かれなかった」し「自分自身のことではない」から。
◯忍術研究部
百鬼夜行連合学院の非公認部活。部員三名の大変小規模な趣味サークルであり、活動目標は「“忍者”とは何かを研究し、それを啓発していくこと」。
三年の部長と一年生2人で構成され、中間学年の所属生徒はゼロである。上の通り、正式な部活動として認可を貰えていない――部長の意向で公認化を見送っているため、部費の配布や備品の共有といった支援を受けることができないので細々とした活動をしている。
本作世界線のキヴォトスでは、彼女らに忍術忍法を指南している
…最近、部長がどっからか「不死鳥の術」や「落城の計」などと記された皆伝巻物を拾ってきたらしい。返してきなさい。
◯カイザーPMC理事
めちゃくちゃガタイの良い男性ロボット族。
肩書きの通り、傭兵企業カイザーPMCの代表を務めている原作『ブルーアーカイブ』の登場人物。その他にも関連企業の幹部も兼任しており、彼の一言で操れる企業と社員はかなりの数。
弊キヴォトスでは、後述する隣に心許せる秘書(男)を生やしたのである程度性格やら何やらが丸くなっている。
原作では悪役結社ゲマトリアに並ぶ「悪い大人」の一人として、
◯カイザーPMC理事専属
本作“独自設定”タグにより爆誕したカイザー側のオリジナル準ネームドキャラ第二号。男である。
役職名の通り、PMC理事の補佐を担当する会社の実質的なNo.2人物。理事に次ぐ社の古株で、彼の良き友人にして一つ下の後輩でもある。
理事が「ガッチリ体型」なら、本人物は「でっぷり体型」にあたる。ヘッドパーツは丸型で、その体型と相まってよく社員たちに弄られている。
毎日毎日意味わからん提出書類と睨めっこし、カイザー本社からの無茶振りに頭を下げ、理事の機嫌を取り、社員の不満に耳を傾け奔走し、本来のNo.2であるジェネラルからのネチネチとした小言をニコニコしながら受け流す…という苛烈極まりない日々を過ごしていたら、いつの間にか胃薬を常備するに至っていたお労しいオジサマ。
そして、頼りになる時とならない時の落差が激しいことでも有名。ただ現場からの昇進者であるため、社員からの支持は厚い。
…「前世の記憶」のような夢を時折見る事があるらしい。しかしながら、その視点は
◯ バックドラフト救急消防学校
弊キヴォトスのオリジナル学園。“独自設定”タグの産物であり、「警察あんなら消防救急もあるやろがい」の精神で捏造。
縁起悪いことこの上ない校名を授かっている、連邦生徒会交通室の傘下学園であり、その名の通りキヴォトス全域での消防救急活動を担う公的機関。
非公式であるが
ヴァルキューレやオデュッセイア同様、大規模な自治区領土を持たず各自治区と協議して「間借り」するタイプの学園。
部活動・クラブは“消防部”と“救急部”のみで、それらの下に役割毎に細分化された「課」が置かれている。因みに有志結成の草野球チームはミレニアムより頭一つ分ほど強い。
建造物の延焼や倒壊等の防止、災害救助現場や武力衝突地域での人命救助における
「
外郭区、アカレンガ区での特殊生物災害には、ヴァルキューレ“消防局”と共に怪獣撃破後の後始末や救助活動などを裏で頑張っていた。
※同校以外に今後本編と絡ませるオリジナル学園の追加・登場等はあまり考えていません。出すとしても必要最低限…背景とかそこら辺で薄っすらとだけに留める予定です。……隕石が地球に衝突する可能性よりも低いですが、他投稿者の方々と交流させていただいた場合などにはもしかしたら…とだけ。
もうお気づきの方もいらっしゃるかとは思いますが、烏丸さん、あの人とあの人のディスペクター()です。はい。
余談の余談ですが……実はメトロン星人、投稿者の好きな宇宙人ランキングTOP3に入ってます。人生で初めて買ってもらったウルトラシリーズのDVDが『ウルトラセブン Vol.2』だったからと言うのと、それと同時期に【狙われない街】が放送されていたことも手伝ってますね。……本当に何度も観ましたよ、【狙われた街】は。
さて次はミライ先生があのミレニアムの高嶺の花、そしてエンジニア部の王子と対面します。
この二人とテッペイさんの絡み見たいなって思うの、自分だけですかね!?
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次回
予告
ミライが非公式部活であるハッカー集団“ヴェリタス”部長のヒマリからミレニアムへ招待された。
彼はいつもの二つ返事で了承しミレニアム自治区へ赴く。
何やら重要な話し合い、とのことだが……?
「―――先生は、“
なんと、彼女の口から出てきたのは、本来キヴォトス人が知り得ない…並行世界地球で活躍した防衛チーム群の名だった!
なぜヒマリ部長がソレらを知っているのか?
その情報を、どうやって彼女が握るに至ったのか?
「………これは、〈F-2〉支援戦闘機…!? どうして空自の戦闘機がキヴォトスに…!――待った、形状が少し違うぞ…」
「お気づきになられましたか。ええ、より細かく言うなれば、これは“スーパー改”。先生の仰る支援戦闘機の、強化発展版…
「
答えの全ては、“エンジニア部”が所有する巨大ハンガーにあった。
「ヒビノ先生。これから私が貴方に話すコトは、私とウタハ個人からの
次回、メビウスアーカイブ
【“全知”の美少女】
お楽しみに。
Vol.3にて、ビナー君とまず戯れるウルトラ怪獣は…
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磁力怪獣 アントラー
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地底怪獣 グドン
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甲虫怪獣 タガヌラー
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金属生命体 アパテー