日々の未来の青春譚 -メビウスアーカイブ-   作:逃げるレッド五号 5式

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地底怪獣 グドン


登場





Vol3.傷だらけの学び舎(アビドス)
20.【傾砂のアビドス】


 

 

 

―――近くに在るように思えて、遠くに在る蒼すぎる春の記憶。その断片。

 これは()がいつか見た、或いはいつか見る長くも短い夢である。

 

 

 

「ああーっ!! やっぱりここにいました!もう、探しましたよ、“先生”!!」

 

 街の地平線に夕陽が沈む時間帯。

 茜色の世界と化したD.U.某所の河川敷。

 その斜面芝生に寝転がっている栗毛頭の大人に指を差しながら大声を上げて歩み寄るのは、彼と同じ連邦白衣を纏う、白桃の加わった蒼い長髪の少女である。

 

「目を離すとすーぐどっかに行っちゃうんですから……行くなら行くで一声掛けてください!」

 

 頬を膨らませ、「私、怒ってます!」と顔全体で表現している彼女に、“先生”と呼ばれた大人が申し訳なさそうに苦笑して頭を下げる。

 

「……先生は本当に景色を眺めるのがお好きですよね」

 

 彼の仕草に毒気を抜かれた彼女が、溜め息を吐きながら彼の隣りに膝を抱えて座り込む。

 呆れ気味に、されど笑みを含んだ言い方。彼女は彼がどのような人物であるかをこの学園都市で一番良く知っている。

 彼は外の世界から来た不思議な大人だ。自分とは生きてきた世界が文字通り違う大人。本来であれば決して交わることもなかった人物である。そんな彼の心根は、純真無垢な子供に負けぬほど真っ直ぐで、とても眩しい。

 彼といれば退屈しない…それが彼女の最近の口癖である。

 

「―――『東京(トーキョー)の夕焼けを思い出す』、ですか。以前仰っていた“D.U.並みの都会”でしたっけ。あー、私もいつか外の世界に行ってみたいなぁ…」

 

 キヴォトスという箱庭から足を踏み出した事のない子供である彼女はそんな彼をチラチラと見つつそう呟いた。

 その声色と目つきは、横にいる憧れの大人へエスコートをねだっているかのようであった。

 

「え? あ、そうでしたそうでした。先生を探してたのは、“これ”を渡すためです!」

 

 彼に指摘され本来の目的を思い出した彼女は、白衣のポケットにしまっていた()()()()()を彼に手渡した。

 それを受け取った彼の手を、彼女は両手で優しく包むと、己の心境を吐露する。先とは全く変わって、彼女の声は何処か重い。

 

「…………先生。先生はきっと、これからも、この先もずっと…皆んなのため、生徒のためにと頑張るのでしょう。…貴方自身がどのように思っているのか存じ上げませんが、その姿を見ていると、私はとても嬉しくなると同時に、心底不安になってしまうんです。いつか、何かの拍子に、貴方が()()()しまうんじゃないかと」

 

 彼を下から覗き込むように見遣る少女。

 

「ですので、“これ”は私から先生への()()()です。片時も肌身離さず持っていていただければと。……“これ”があれば、前例の無い困難を前にしても、貴方が愛と勇気を手放さない限り、希望の光を捨てない限り、“これ”は貴方の意志に応え力を与えてくれる筈です」

 

 そして花が咲くような笑顔を彼に向けた。

 

「それは例え貴方が、私を含む()()()()のコトを尽く忘れてしまったとしても、“これ”だけは()()()()も残り続けて貴方をきっと守ってくれるでしょう。――――私だと思って、後世大事にしててくださいね? さもないと脚無し幽霊に化けて『お前を呪ってやるぅ〜!』と出てきますから!」

 

 言いたいことは言いました! と彼女は微笑み立ち上がると、彼に手を差し出した。

 

「さあ、シャーレに戻りますよ先生。山積みの書類が私たちを待ってます」

 

 その手を彼は掴み、彼女と並んで河川敷の遊歩道を歩いて帰路に就く。

 

「今日中に終わらせないと、リンちゃんがおかんむりにな―――え、『書類は昼間の内に全部終わらせたよ』…?

 ももも、もしかしてもしかしなくとも、リンちゃんに怒られるのって私だけ? せ、先生?あの、もし先生がよろしければ、助太刀が欲しいなぁなんて…」

 

 河川敷に差す夕焼けは、どこまでも二人を優しく照らす。

 

「た、タダでとは言いませんよ!? シラトリ区で見つけた美味しいカステラと私秘蔵のいちごミルクでどうですか!? そ、それともっ、この完璧超人である私のグラビア写真の方が――」

 

 

 

 ―――この想い出もまた、微睡みの底に沈んでいく。

 

 

 

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―――ミライのキヴォトス来訪から凡そ一ヶ月

 

 

 

D.U.外郭区 中枢市街地

 連邦捜査部(シャーレ)部室(ビル)

  本棟地上区画 捜査部事務室(オフィス)

 

 

 

 本日も比較的平和なD.U.外郭区セントラルシティ。そのキヴォトスにあるまじき、平成後期の日本国を彷彿とさせる高水準な体感治安は、最近“厄災の狐(ワカモ)”が__理由は一切不明ながら__自警団活動を率先して行なっていることから生まれている……というのは同区ではあまり知られていない。

 

 先のゴメス有事より復興の道を邁進しているこの街は、上記の元災害級犯罪生徒による自発的な治安維持活動と、シャーレの先生が赴任から現在に至るまで続けてきた停学・休学措置を受けている謹慎生徒らに対する献身的支援によって、当地区における犯罪発生の主因である素行不良並びに住所不定の生徒の数がこの一ヶ月で激減していた。

 

『―――ミライ先生、そちらに置かれてるのがラストの書類です!』

 

「うん。これだね。…………よし。OKかな」

 

『……やっぱり、朝のうちに午前分の書類関係が全部終わるのはおかしいと思うんですけど………これも大人の力?それともウルトラマンの力…なんでしょうか?』

 

 さて、そんな中枢市街地に座するシャーレ部室ビル。

 同ビル内のオフィスルームでは、顧問教師の立場にあるミライがアロナ秘書と事務作業をこなして()()

 本日朝までに届いていたシャーレ宛て、部活顧問個人宛ての手紙及び書類を片付けひと段落したミライは、椅子に座ったまま伸びをする。

 

「アロナちゃん、メールとかは届いてる?」

 

 彼からの質問を受け、ホログラム出力体のアロナが手元のバインダーに挟まっている分厚い紙束(履歴)をペラペラと捲っていく。

 “シッテムの箱”の管理者(MOS)であるアロナにかかれば、仮想空間下で既定メールソフトの情報を自分が扱い易いアイテムに変質させ閲覧、確認さえできてしまう。以前も彼女がごく当たり前ように、GUYSアーカイブドキュメントを図鑑のようなものにしていたが、その能力がコレである。

 

『少々をお待ちください――――あ、一通だけ新規のものがありました。内容は………ちょっと不穏ですね』

 

()()?」

 

 アロナの表現にキョトンとした顔で首を傾げるミライ。

 

『こちらをご覧ください。因みにオリジナルの手紙は10分後に執務室に郵便物担当の生徒さんが持ってきてくれます』

 

 彼女はそう言って電子化させた手紙をシッテムの画面上にホログラム表示させた。差出人は、奥空(オクソラ)アヤネ。

 件の手紙は今では外の世界でも珍しくなりつつある手書きの文で書かれていた。

 内容を読み進めながら、丁寧で綺麗な字だなとミライは思った。まだ面と向かって言葉を交わしてもいないが、字面から送り主…アヤネの真面目さ実直さが伝わってくる。

 

「“アビドス高等学校”?」

 

 手紙の本文に登場した校名をミライは疑問符混じりに読み上げた。

 キヴォトスに来てから一ヶ月。主要校の名前は粗方頭に入っている。しかし聞いたことの無い校名であった。

 ミライが首を捻っていると、アロナが例のアビドスなる学園自治区の情報を空間投影ホログラムに出力させ解説を始めた。

 

『アビドス高校は、この超大陸キヴォトスに現在の連邦制学園都市が成立する以前の時代…古代、いいえ紀元前の頃から続く永い歴史と伝統を持つ、大陸砂漠地帯に所在した独自文明を祖とする最古参自治区です。

 また、今から十数年前までは覇権主義の軍事強豪校として三大学園の一つに数えられるほど著名かつ強大な学園でした。

 ですが、近年続く巨大砂嵐を含む原因不明の甚大災害頻発とそれに伴う自治区住民及び入学者の減少による過疎化、自治区環境の激変、そして生徒会の内部分裂と抗争激化などが重なり従来の体制は崩壊。そういった事象の併発によって勢力は急激に衰退し……今では地方の学園自治区以下の人口と行政能力しか持ち合わせていません』

 

「それは…」

 

 ―――アビドス高校。

 

 上でアロナが言ったように、同学園は一昔前までは生徒会が有する強大な権力、広大な管轄地及び経済圏、“雷帝”時代のゲヘナ学園をも凌ぐ学区人口といった莫大な()()()()()を武器にした__20世紀の地球列強国家群に蔓延った帝国主義を想起させる__自治区積極拡張論を強く推進し、周辺の新興・中堅学園を瞬く間に蹂躙、併呑を繰り返した恐るべき超マンモス校であった。

 

 その黄金期には、他を寄せ付けぬ圧倒的な武力に財力、排他的対外姿勢を事由に、周辺校や大陸の強豪校及び古参校、学都中央政府(連邦生徒会)から「砂海の大帝国」と呼ばれ恐れられたほどである。

 

『消滅可能性学園…要するに、()()間際の学園……となりますね』

 

 が、しかし。現在、かの高校の力は極めて弱く、立場もまた極めて低い。

 アロナ秘書の解説通り、今では必然とも言えた数々の不運が重なり、廃校手前の弱小校に成り下がっているのだという。

 

 アヤネの手紙には、それを裏付けるようにアビドスが如何に困窮しているのかが事細かに書かれていた。

 武装組織との自衛戦闘による疲弊、学区内インフラの老朽化並びに断絶、市街地内の砂塵処理の飽和、数年前から続く天変地異、巨大不明生物の目撃情報…と問題は多岐に渡っているようだった。

 

「……彼女たちは、助けを求めてる。なら…僕は僕がやれることをやるだけだよ」

 

 中空に映るこのアヤネからの手紙は、そんな死に体の学園からの、か細きSOSに他ならない。

 

「見て見ぬフリなんて、僕は嫌だ」

 

 彼はその救援要請を無視する筈が無かった。助けを求める声があるなら、()()は迷わず声のする方へ向かう。そこに人がいるなら駆けつける。それがミライたち…宇宙警備隊員であり、ウルトラマンなのだから。

 

 廃校直前だろうが何だろうが、それはミライには関係のないことである。彼はこの時点でアビドス行きを確定させていた。武装組織との紛争もであるが、“巨大不明生物”の目撃談がどうしても気がかりだった。

 ここで、更に対応が後手に回ってしまえば、取り返しのつかない事態が発生するという確信にも近い予感があった。

 

「アビドスに行こう。それとアロナちゃん、リンちゃんに助力を請いたい。連絡を――」

 

 あとは頼りになる連邦生徒会…それを束ねる首席行政官である七神リンちゃんをこの案件に混ぜようとしたのだが……

 

『―――先生、大変申し訳ありません。結論から申し上げますと、連邦生徒会によるアビドス高校への各種援助は現在実現不可能です』

 

「えっ」

 

 驚くべきことにリンちゃ…連邦生徒会長代行は、「ノー」の返答を通話越しで彼に投げてきた。

 

 これにはミライも驚いた。いつもなんやかんや面倒くさそうな溜め息を吐きながらも最終的に輪に加わって手伝ってくれたあのリンが、今回拒否権を発動したゆえである。

  

『何も、件の学園に連邦憲章の重大な違反…自治区武力併合の()()があるからですとか、そのような理由ではありません。単純に、物理的にも、規則的にも、現行体制のアビドスへの援助を現在我々が実施できる状態にないから、です』

 

 それはどうして…? と、ミライは彼女に尋ねたが、それに対するリン…連邦生徒会側は至極真っ当な…納得できる理由を返してきた。

 

『モノ、ヒトすべてのリソースが予備も含めて抽出が不可能なぐらいに枯渇しつつあります……先の特殊生物関連災害群の被災地復興並びに被災者支援に、失踪した連邦生徒会長の捜索活動、それらを発端とする増大した社会不安の払拭、各地への治安維持部隊の派遣…伸ばす手の長さも本数も何もかもが足りない…というのが連邦生徒会の現状となっています。

 また、規則の面につきましては、アビドス高校側が連邦議会議員を派遣していないこと、定期的に行われる学区間会合や交流会等に不参加が続いていること、そして自治区行政組織の所在確認が取れていないことから、数年前に連邦生徒会はアビドスの行政能力は破綻したと判断しました。……一方的な措置だった、と言われても仕方ありませんが、このように当時時点で連邦生徒会はアビドスへの凡ゆる取引や干渉、介入を原則凍結してしまったのです』

 

 …連邦生徒会は、大陸一つを領域とするこの超巨大学園都市キヴォトスを管理する国際機構の本部としては、あまりに規模が小さい。

 各校に自治領を持たせてある程度の裁量権の保有を許し、行政機能(システム)の一部を複数の直轄学園に可能な限り分散・委託させ、自らが遂行しなくてはならない核心的統治業務だけ__連邦生徒会長が()()()捌いていた量は計算外とする__を執り行ってきたからこそ、また、そのやり方がギリギリの綱渡り状態でありながらも回せていたからこそ、各地の強豪校に比べてあらゆる構成要素で劣る連邦生徒会が今日まである種の弱肉強食社会を成立させているこの文明大陸で存在できていたと言っても過言ではない。

 

『――というわけでして、先生のご期待には応えられません。本当に申し訳ありません』

 

 ボロクソな言い方に聞こえたかもしれないが、これは歴とした事実の陳列である。

 

 カヤの所属する連邦防衛室の()()こそが最たる例と言えないだろうか。予算はとことん財務室から削られて__最近は情勢変化により臨時予算の提供などを許してくれてはいるが__大きく活動を制限され…整備のみでも金を食う装備は火器倉庫へ無期限の幽閉、実働部隊の編成は今は閉鎖された“SRT特殊学園”に依存していたために事務員から戦闘員を細々と選抜し補う始末だ。

 

「気にしないで、リンちゃん。連邦生徒会の事情は分かった。アビドスの件は僕の方であたってみるよ」

 

 どこかの歯車が些細なことで少しでも欠けたり壊れれば、瞬く間にその皺寄せの波が押し寄せてくる…それが連邦生徒会という組織であった。

 これまでは適切な分担と配置、そして連邦生徒会長という規格外(イレギュラー)がいたことでなんとかなっていたが、今では体制の維持と大規模な案件を数個抱えると身動きが取れなくなる―――連邦生徒会はかなりの弱体化を余儀なくされていた。

 

―――連邦生徒会(タカマガハラ)は動けない。

 

 …ならば、動ける自分(ミライ)だけでも往くべきだろう。リンとの通話を終わらせ、ミライは執務室を動き回って出張(遠征)のための身支度を始めた。

 

(期間は一ヶ月。…それでも事態の改善が見込めなければ、延長も視野に入れよう)

 

 そう考えながら脳内でスケジュールを再調整していくミライ。

 その時、執務室の壁に固定された棟内電話が鳴った。電話の液晶画面を覗くと、呼び出しは一階正面受付からだと分かった。受話器を取る。

 

「はい、こちらシャーレ執務室のミライ」

 

『あ、ミライせんせ。こちら受付担当でーす』

 

 相手はシャーレで事務員として雇っている元スケバン生徒であった。ホログラム表示されている黒ポニテの少女は×印のマスクを外してひらひら手を振ってみせた。

 その笑顔には、路地裏でたむろしていた時の()()は微塵も無い。

 

 …先にも記したように、ミライは外郭区の不良生徒に対して相談相手になったり、就職・再就学の斡旋などをしつつ、本人にその気があればシャーレに受け入れていた。

 シャーレの受付担当となっている彼女も、外郭区暴動後にヴァルキューレ警察D.U.外郭区支署で留置されていたところ、ミライに面談の機会を設けられ、熱心な(しつこい)説得に根負けし、当時の友人たちを()()()にして部員と同等の立場を保障されている事務員として日々を過ごすようになっていた。

 

「お疲れ様。何かあったのかい?」

 

 現在、シャーレで正式な事務員として雇用された生徒はつい先日、ようやく10名を超えたところである。彼女らに割り振られている仕事は主にシャーレに帰属する設備や建造物、物品の管理・保全、部室棟の運用に警備などだ。

 因みに、捜査部事務員の仕事は固定の時給__学園都市指定の最低賃金に50%上乗せされた額__が支給され、衣食住も不足なく提供されている。

 

『ポストに手紙が一つ入ってたから、渡しに行きまーすって連絡だったんだけど…渡しに行くとしたらいつ頃が良い?』

 

 扱いがほぼ同格である仮入部員・正式部員と異なる点は、書類業務と依頼や任務への関与を許されていないことぐらいである。この唯一の相違点は分断を生むためでなく、あくまでも役割と担当分野の分担、求められる専門性から来ているため、今の所当人らから特段不満や不服の声はあがっていない。

 それに、ミライや同等の権限を持つ首席行政官たるリンの認可さえあれば、部員が担当する書類業務に携われる応急権限も与えられる。

 

「それなら、僕が今からロビーの方へ降りるから、その際に受け取るよ。ありがとね」

『ロビーまで降りてくるって…これからどっかへ?』

「急な決定なんだけれど、今日から暫く出張に行く事になって。その間のシャーレはワカモちゃんに頼もうとは思ってるんだ」

『しゅ、出張っ!?それはホントに急だケド…狐坂の姐さんが仕切ってくれるなら……まあ分かった。じゃあ受付でこのまま待ってる』

「ありがとう。すぐに行くから」

 

 受付担当生徒との通話を終わらせたミライは、執務室を見回してから、一言こう言った。

 

「………と言う訳なんだけど、()()()()()()。いいかな?」

 

 ここにいない筈の少女へ尋ねるように。

 本来なら、答えなど返ってこない。返ってこないのが普通なのだが―――

 

「―――貴方様からの直々のお願い…拒否する理由がございません。このワカモ、託された役目をきっちり果たしてみせますわ」

 

 元から彼の横に控えていたかのように、ワカモがミライの後ろに立っていた。

 この神出鬼没さはミライにとっては最早、()()()ものであり、何故どうしてどうやってのツッコミは不要だ。

 

「いきなりの話でごめんね」

 

「謝らないでください貴方様。ご自分が為さなければならぬことがあるというならば、全力でそれにあたってくださいませ」

 

 貴方様不在の間、ここ(シャーレ)の守りはお任せを――と、被っている狐面を取り外し、己の愛銃“真紅の災厄”を掲げて己の意志を示すワカモ。その所作と佇まいは国軍儀仗隊のように美しく洗練されていた。

 彼女がシャーレにいてくれれば、安心だろう。…何故かはミライも深く知らないが、ワカモの素顔はヴァルキューレ警察や連邦生徒会も把握していないため、素顔を晒した彼女が代理業務や各所とのやりとりを行なっても騒ぎにならないのである。

 

 それ故、ワカモにミライは行ってきますと短くもしっかり笑顔で応え、準備した荷物を纏めて執務室を出るのだった。

 

 そして、一階の受付でアヤネの手紙を事務員の子から受け取り、部室棟隣接の商業施設――“エンジェル24”シャーレ支店のソラにも暫くの間シャーレを空ける旨を伝えると、彼はサンクトゥムタワー…ではなく、エンジェルと同じ棟隣接施設である半地下型多目的格納庫__表向きには汎用機動ロボット“ウィンダム”が収容されていることになっている__にまず足を運んだ。

 

「―――アロナちゃん、()()()()した弾薬はここにあるもので全部だったかな?」

 

 ミライの前には、弾薬箱の丘陵地が出来上がっている。

 これらは、シャーレの所有品だ。

 

 ……実質的に一週間ほどの出張と化したアカレンガ港警備依頼。

 同案件、通称“G2事案(ゲスラ・アタック)”の解決後、ようやく時間という時間を確保できたミライは、アロナと共に中途半端になっていたシャーレ部室棟の区画・設備調査を行なった。

 その際、棟地下区画にて発見した設備の一つが、物質万能生成機…“クラフトチェンバー”であった。これは連邦生徒会長代行のリンでさえ存在を知り得ていなかった。

 

『はいっ、先週からの生産分はここにあるもので全てになります。外界機構(NATO)統一規格の5.56mm弾、12ゲージ散弾に9mm拳銃弾、105mm対戦車擲弾…いざと言う時の備えとしてコツコツ作っていて良かったですね!』

 

 上述の設備は、謂わば巨大な3Dプリンターであり、世間一般の3Dプリンターの完全かつ隔絶した上位互換にあたる代物だ。

 そのサイズと質量から地下区画からの移動は不可能であるものの、()()()()()()()()()()()()()のが最大の特徴であり、この強みこそがクラフトチェンバーを物質万能生成機たらしめている所以である。

 

「うん。それに、カヤちゃんが譲ってくれた中古の車両……〈軽装甲機動車(LAV)〉もあるから、大荷物担いでの移動も苦じゃないのは大きいね」

 

 制限が無いとは文字通りの意味で、生成対象物の構成元素と設計が分かっていれば何であれ指定生成が可能なのだ。

 しかも生成に必要な素材は、対象物がどのような物質を基に作られていようが、投入する資源はその辺の空き缶や石ころ、金属屑といったゴミの部類であっても問題ない。

 それはクラフトチェンバーが、生成素材(投入資源)を原子レベルで分解・再結合させ、生成対象物そのものに()()()()()と言う超絶技術が組み込まれた装置なためである。

 

 数百グラム〜数キログラム分の潰れたアルミ缶が、有名化粧品ブランド“サミュエラ”の最高級香水(“ザ・ビヨンド”)や、カイザー印の劣化ウラン製戦車砲弾に化ける…

 ―――コレが市井の衆目に触れれば、辿る結末は火を見るより明らかだ。なお、クラフトチェンバーはシッテムの箱を介してのみ起動するので、悪用される可能性は皆無だったのだが、上にも書いた通り存在の露呈そのものが大問題だった。

 この設備の情報をミライから聞いたリンとカヤが、その()()()を理解して産業・安保上における機密保持指定対象とすることを決定するまでに半日も掛からなかった。

 

 ちなみに、何の慰めにもならない話として、これの製作者だと目される連邦生徒会長の遊び心の産物か、生成物の指定をせず神秘を宿す物品を投入すれば、全く別の神秘内包物をランダムで生成する……聞き馴染みのある単語で表すとすれば「ソシャゲのガチャ」システムのようなものまで組み込まれていた。

 

「カヤちゃんが知ってたのかは分からないけれど、僕が運転経験のある車を回してくれたのは正直助かったよ」

 

 超高度科学文明を有するウルトラ族のミライでさえも目を見開いて驚いたこのクラフトチェンバーで、彼とアロナが実験も兼ねて行なったのは、家庭ゴミなどの廃棄物を収集してそれらを投入資材にする…何もかもが不足しているシャーレの予備物資に変えてしまうことであった。

 …余談だが、原子レベルまで分解してるために技術的にも衛生的にも問題が無いものの、流石にゴミを食料や医療品へのジェネレートするという試みは、両名にとって精神衛生上不可能であったので未実施である。理性はアレだが、本能では――というヤツだった。

 

『えっとたしか、GUYS JAPANと協力関係にあった組織――リクジ(陸自)で扱われていたモノと同系統の車両なんでしたっけ』

 

「うん。何度か乗せてもらったり、動かす機会があって」

 

 そういった経緯で自動生成させていた弾薬を、ミライはアビドス救援物資の一部として元防衛室装備品のLAVにテキパキ積み込む。また、彼個人の手荷物とシャーレの倉庫から引っ張ってきた非常用物資なども同じように搭載した。

 あとは予備の車両用燃料満載のポリタンクを車体側面にゴム紐で括り付け、タブレット(シッテムの箱)に最新版のアビドス自治区地図をダウンロードすれば出発の準備は完了であった。

 

「よし。…行こうか!」

 

『はい!出発しんこーです!!』

 

 LAVの運転席に乗り込み、エンジンを掛ける。

 アロナの遠隔操作で格納庫のゲートが開き、地下と地上を繋ぐ傾斜路(スロープ)が現れたのを確認すると、ミライはアクセルぺダルを踏み込んだ。

 

 

 

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アビドス高等学校 学園自治区

 “アビドス砂漠” 某放棄市街地

  同市砂没街道上

 

 

 

 シャーレ出発から数時間。

 結論から記すと、ミライは無事アビドス入りを果たしていた。

 

「ここがアビドス砂漠―――」

 

 アビドス砂漠。最早何が埋もれて何が沈められたのかも分からず、現在もなおその領域を広げ続けている巨大な砂漠である。単純な面積で言えば、地球・アフリカ州北方を覆い尽くす“サハラ砂漠”に匹敵する。

 時折、遭難者や行方不明者が出るとのことであるが、上記の内容を知れば納得できよう。

 

『―――の、ええっと…中央部を過ぎたあたり、ですっ!』

 

 現在、ミライの操るLAVはアロナのナビゲートの下、そんなアビドス砂漠地帯の中に沈んでいる廃都市の一地区に敷かれた__大部分が砂に埋もれた、ひび割れが目につく__アスファルト製街道を走っている。砂漠地帯横断道中の只中だ。

 

 道なりに進めば障害物という障害物はなく、砂岩やコンクリート片なども転がっていないため、全環境適応の改造が施された機動車の走破性もあって運転は案外快適な部類であった。

 …第一村人(自治区住民)を発見できていないことを除き、順調そのものだ。

 

 出発当初こそ__百鬼夜行訪問の際のように__鉄道や区営バスを使ってアビドス自治区まで向かう方が良いのだろうかとも考えたが、どの交通機関も自治区境界付近までしか()()()()()()という情報をアロナから共有されていたため、結局LAVでの地道な移動という択が改めて選ばれたのだ。

 当然である。余程の体力自慢か、無計画なバックパッカーでもなければ、この広大な学区内砂漠を徒歩で移動しようとは思わない。

 

「気候だとか地理の話とかも絡んでくるんだろうけど、ここみたいに中央部と繋がるような規模の街でさえこれほどの荒廃具合なのか…」

 

 今のところ、現地住民と遭遇する気配も無い。

 周囲の風景を見遣り、自身の想像よりもアビドスの自治区衰退の度合いが高いことに驚くミライ。

 まるで、「風の谷(ナウシカ)」の世界ではないか。

 

 アロナが用意したアビドスの複合情報地図を確認すれば、今現在LAVが走行しているこの都市にも、大規模な地下鉄ハブ駅や高速鉄道駅、立体式バスステーションといった公共交通機関の大型拠点がいくつか所在していたらしいが、この現状だと既にそれらの機能は砂塵の流入などで過去の栄華諸共すべて砂の下に没して死んでいることだろう。

 住民が見当たらないというのが、何よりの証左であった。

 

―――死んだ街。

 

 そんな言葉がミライの脳裏を不意に過った。

 嫌なフレーズだ。彼は振り払うように首を横に振り、同乗者であるアロナに問いかける。

 

「…アロナちゃん。アビドス高校校舎まではあとどれぐらいかな?」

 

『目的地までの距離は残り60kmほど…ですが……』

 

 ホログラム体のアロナが、問いに対して窮した。

 

「だけど…どうしたの?」

 

『実は、この旧市街から本校舎までのルートを地形スキャンしたのですが、ナビに使ってる地図と大きく剥離してる点が多々あるんです。到着するにはしますが、予想よりも時間が掛かってしまうかと。

 恐らく、セントラルネットからダウンロードしたこの自治区地図が、行政組織である()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()最新()()()もの、であったのだと推測します』

 

 彼女曰く、地図が作られた当時と現在ではアビドスの地理状況が大きく変化しているとのことだった。

 それは、地図の更新に捻出する労力さえ今のアビドスには残ってないと言っているのと同義である。

 なお、これに関しても、事前に聞いていた生徒会の自治区運営能力の喪失や近年頻発しているらしい自然災害が、言わずともその主因であることは明らかであった。

 

「つまり、遭難は……してないんだね?」

 

「はい。それはご心配なく。スキャン結果から使用可能な道路も判別できてます。収集した情報を基に、走行ルートを再構築します。出力まで少々お待ちください」

 

 幸いなことに、シッテムの箱に標準搭載されている多目的スキャニング機能によって目的地…アビドス高校校舎への到着未達成という事態にはならなかった。

 アロナのマッピングとルート案内再開まで1分も掛からないだろうが、ミライは休憩がてら機動車から降り、砂に埋もれた放棄市街を眺めてみることにした。

 

(……こんな街が、きっとアビドスのあちこちに出来てしまっているに違いない…)

 

 人が去り、温もりと活気が消え、朽ちて忘れられてゆくのを待つ廃墟と化した街ほど、見ていてやるせなさが湧いてくるものは無い。

 

(ここで過ごしていた人たちは、皆んな散り散りに他の自治区へ移ったりしたのだろうか…)

 

 雲一つない空に浮かぶ太陽の熱射によって温められた__地表に顔を僅かに出している__アスファルトから陽炎が伸びている。

 

 そんな光景を漫然と眺めていたその時だった。

 

 

 

―――ズズ…ズズズ………!

 

 

 

 ほんの僅かだが、地面が揺れていることにミライは気づいた。

 

「………揺れてる…?」

 

 地面…アスファルトに目を向ければ、その上に積もっている砂粒が、小刻みに震えている。

 立ち止まって意識していなければ察知できないほどの震度。地震計でギリギリ可視化されるかされないかのレベルだろう。

 

「この揺れは…」

 

 …地震とは違った。テンポが疎らではなく、規則性がある。これは、一定の動作を反復しているかのような、それに、どんどん此方に近づいてる気が――

 

 まさか――と、ある推測が脳裏に過ぎったミライは、アロナにシッテムの各種センサーの情報更新をするよう促した。

 

―――ドッゴォオオオオーーーン!!!!

 

 センサーによる周辺スキャンを再度実行したアロナから「未確認の大型反応が地中より接近」という報が飛んできたのと、500m先に聳え立っていた無人のビル数棟が高さ百数mにも達する砂埃を上げながら豪快に倒壊を始めたのはほぼ同時だった。

 

『―――光学、熱源センサー共に未確認生物を捕捉!この反応とサイズは()()…それも50m級に該当します!』

 

 残念ながら、ミライの()()は当たってしまった。

 

―――キシャアアーーーッ!!

 

 未だ砂埃舞う旧市街のビル区画から、悍ましい咆哮が轟く。

 黄褐色の大地に巨大な裂け目が生じると、そこから黄土の体躯を持つ地底怪獣がその姿を現した。アロナは怪獣に向けられたタブレット端末(シッテムの箱)のカメラレンズを通し、GUYSアーカイブドキュメントを並列起動させ静止画像による個体識別を開始した。

 

『………“ドキュメントMAT”に同種族を確認!』

 

―――その怪獣は、頭部には黒色の二本角、不可視光線をも知覚できる一対のギラつく緋い眼を持ち、両腕の前腕部は螺旋形状の()が付いた鞭型掘削用触手…“振動触腕エクスカベーダー”を有する獰猛な肉食性怪獣である。

 

識別呼称(レジストコード)は…地底怪獣グドンです!』

 

 同怪獣はかつて、M78スペース地球の20世紀末…日本国首都・東京都を、その高い地中潜航能力による奇襲戦法を用いて一時壊滅状態に追い込んだ。

 当時の極東には、対怪獣攻撃チーム(“MAT”)日本支部及び自衛隊といった有力な防衛戦力が配置されていたが、グドンはそれらの迎撃を、深々度の地圧にも楽々耐える頑強な皮膚装甲でもって無力化し、高度経済成長の益を享受していた大都市東京に暴虐の嵐を巻き起こした。

 

「アビドスにも怪獣が…!それもグドンだなんて!」

 

 又、このグドンであるが、ミライにも戦闘経験がある。

 地球防衛組織がGUYSに集約された時代…メビウス(ミライ)の地球駐在期に東京都臨海部で同種族(二代目)が出現しており、彼はこの際に巨人体へ変身。これと交戦し撃破に成功していた。

 

「マズイ…目が合った…!」

 

 しかしながら、その撃破記録が必ずしもミライ(メビウス)の対グドン戦有利という状況に繋がるわけではない。当時から数千年が経過し、心技体の研鑽を重ねてきた熟練隊員のメビウスといえども、である。

 今彼がいるここは都市部とはいえ砂漠地帯。地中に潜ることが出来るグドンのホームグラウンドだ。

 更に言えば、()()()()()もある。彼の前に姿を現したこのグドンが、既知のグドンと中身が一から十まで一緒であるとは限らない。故にこうした不安要素も少なからず浮上してきた。

 

「LAVがあるとはいえ…いや、今回はLAVが()()になるのか」

 

 しかも、今回彼の「勝利条件」は、地球駐在期並びに過去二度のキヴォトスにおける対怪獣戦闘とは異なっており、それでいて()()である。

 ……彼がアビドスに来た経緯と理由を振り返ってみてほしい。

 

「LAVの積荷(物資)をやられたら、ここまで来た意味が無くなる…!」

 

 ミライは、アビドス高校のアヤネからの救援要請を受け、彼女らが欲している弾薬や医療品をはじめとする支援物資を送り届けるために軽装甲機動車を駆ってアビドス入りをした。

 このグドン襲撃によって、車輌(LAV)が破壊…正確にはそれに積載している物資が破壊されるようなことになればその時点で彼の()()()()になる。

 アビドス高校には物資を支給する前にそもそも辿り着けず、帰りの交通手段まで没収されるという最悪の結末は避けたい。

 

 彼の勝利条件は、グドンの撃破ないし撃退、及びLAVと積載物資死守の複合達成である。

 そして、交戦を回避しての撤退撤収は不可、だ。

 

 自分が囮となり変身、シッテムをLAVとペアリングさせアロナに運転操作してもらい物資と共に離脱してもらう…という案も一瞬出かかったが、これは無しだ。

 彼女一人にLAVを任せるというのは酷である。

 アロナの車輌操縦技術は一般学生に毛が生えた程度。戦闘の余波による被害も有り得る。機動車を動かすならばミライがそのハンドルを握るべきだ。

 

 また、ミライの――メビウスの状態は未だに万全とは言い難い。

 キヴォトスの環境に適応しきれていない状態で、一ヶ月という短期間に二回の変身は、無茶というものに他ならず、それでいて確実に彼の身体を蝕んでいるはず。ここで三回目…となればいよいよ分からなくなってくる。

 だが、相手は好戦的な肉食怪獣、グドン。生半可な対応はかえって事態を悪化させかねないだろう。

 

 ―――悩む時間は、無い。

 そう、時間は無いのだ。地上に進出したグドンは既にミライを視認しており、絶賛こちらへ主脚走行にて接近中である。

 

(牽制にもならないだろうけど…やらないよりは)

 

 彼は腰のホルスターから光線拳銃(トライガーショット)を引き抜き、その照準を地底怪獣に合わせて構える。

 威嚇の意味を込め、数発アキュートアローをグドンの胴部に放つ。

 射撃自体は命中するも、頑強な体表上で小さな火花が散るのみで、やはり効果は薄い。グドンは何事も無かったかのように歩みを進める。

 

 それを確認するとミライは即座にチェンバーを“イエロー”に切り替え、バスターブリッドを頭部目掛けて連射する。派手な爆煙がグドンの顔を覆い尽くした。

 僅かにグドンは怯んだものの、怒りの咆哮を上げて進行速度を上昇させた。足元の砂下に没していた電柱や乗用車が乱雑に蹴り飛ばされる。

 

 トライガーショットとメビウスブレスを除けば、残る手元の現状打開手段は―――

 

 

(……()()に出てもらうしかない)

 

 

―――()()()()()()()()

 ミライはシッテムの箱(アロナ)に呼びかけた。

 

「アロナちゃん! マケット怪獣で現状況を打開する!各カプセルの最適化準備を!」

 

 彼の声に反応して、ホログラム体のアロナが敬礼ポーズでタブレット上に出力される。

 

『合点承知です! みんなやる気満々ですよっ!特にむぐ――』

 

――ブモーッ!! ピロロロロロ!!

 

 突然、空中に出力されていたホログラム映像が、アロナから画面いっぱいに映る()()()()()()()調()()()()()()()()()()()()()()()()()()()に切り替わった。ソレはまるで彼女を無理やり押し除けるように、そして台詞を遮るように己の存在を文字通り体全体を使ってアピールしながら現れた。

 

「ぜ、()()()()?」

 

 他のリム達とアロナを押し除けて、グドンとの対戦を熱烈志願したのは、マケット怪獣兄弟の末っ子――ゼットンであった。

 

 ()は、アカレンガの際に叶わなかった「己の存在意義の証明」を果たすべく、擬似知性(こころ)の闘志を燃やしていたのだ。

 

 迫るグドン。意を決しミライはカプセルを手に取った。

 

 

 





 あと
 がき

 皆様、わっぴ〜!(気さくな挨拶)
 凡そ三ヶ月ぶりの投稿者(逃げるレッド)です。
 
 お待たせ致しました。

 ここ最近、デュエマ(紙)の熱が凄まじすぎてリモート対戦からCS出場まで色々と手を出してました。
 禁忌の5cハイランダーボルコンで詰み将棋プレイするのがマイブームです。逆転こそが、カードゲームだ(シャカシャカパチパチ)

 はい。ようやくアビドス廃校対策委員会編が始動しました。
 アビドス編怪獣第一号はグドンです。アビドスだと地底怪獣や古代怪獣絡めやすくて当初は何出そうか迷ったのは内緒。
 ここまで長かったですが、ここからもまだまだ長いので、引き続きよろしくお願い致します。

 オメガ、面白いからそのまま4クールまで続いてくれ。
 サイバー・レッドゾーン・モルト、そろそろ止まれ。今は令和の時代だぞ。
 ワイルドハント、もう少し財布に優しいガチャを設置してくださいお願いします…いまんとこモブからネームドまで皆んな癖に刺さってるんだ…誰か助けて……
 あとラブちゃん実装おめでとうッ!!(スーパーウザワボイス)

 

 ※毎度お馴染みピックアップ解説コーナー
 (独自設定独自解釈共にもりもり)

◯アビドス高等学校
 原作『ブルーアーカイブ』のメインストーリーVol.1――対策委員会編の主な舞台になる学園であり自治区。
 かつてはキヴォトス最大の自治領土を有していた強大な軍事学園であったが、自治区内の連続した異常気象を発端に急激に衰退し、現在は辺境の限界過疎学園となってしまっている。
 
 過去には自治区全土で豊富かつ多様な天然資源が採れたため、重化学工業が大きく発展し、それと結びつきの強い軍需産業の成長は目を見張るものがあったと言う。
 内紛や天災などが起こらなければ、単体でトリニティやゲヘナをも脅かす、広大な領土を抱えた大帝国として今も君臨していたに違いない。

 本作世界線においても、その重要度は変わらない…というよりもウルトラシリーズとの混成によってむしろ重要度がエグいぐらい跳ね上がっている。

◯シャーレ事務員
 シャーレの部員や先生をサポートしたり、シャーレ管轄施設設備・備品の整備、修繕、管理、警備を担う連邦生徒会構成員。
 シャーレ顧問の承認と連邦生徒会長代行の確認を経て雇用される。採用エントリーの割合は、外郭区を本拠地としていた元ヘルメット団員やスケバン生徒が大半を占める。
 
◯万能物質生成機 クラフトチェンバー
 “シッテムの箱”に並ぶ連邦生徒会長由来の超常遺産の一つで、シャーレ部室本棟の地下区画に安置されていた大型のスーパー3Dプリンター。アロナとシッテムの制御が無ければ動作しない。
 原作ブルーアーカイブでは、『製造(ジェネレート)』メニューで使用する。“キーストーン”や他の神秘素材を投入してランダムなアイテム――家具や贈り物などを一度に四つ生成、獲得できる。
 
 本作世界線では何らかの資源を投入することで、()()が判明している任意のアイテムを生成できる代物である。

◯サミュエラ
 口紅から軍用顔料まで手掛ける、キヴォトスの有名高級化粧品メーカー。
 
 原作ブルーアーカイブでは、所持生徒たちの好感度を上げるために使う“贈り物”アイテムの中に複数種、同社の製品の存在が確認されている。

風の谷(ナウシカ)
 ―――遥か昔、高度なセラミック産業文明が地上に存在した。現代地球と同等以上に発展した同文明は「火の七日間」と呼称される最終戦争の勃発により崩壊。星の環境もまた大いに荒廃することとなった。
 これと同時期に生物を蝕む毒“瘴気”とそれを苦としない菌類並びに蟲からなる歪な生態系“腐海”の発生と台頭が始まり、生残人類の勢力圏は緩やかにだが後退縮小…存続が脅かされ滅亡の淵に立たされつつあった。
 そんな中でも人々は数少ない瘴気無き安全な土地や資源を求めて争いに明け暮れ……と、上記のような終末世界を舞台にして、風と共に生きよう、蟲と共に生きような想いを抱き生きる少女ナウシカの逞しい軌跡を描いた傑作SFファンタジー作品。
 
 本作時空のミライ先生は地球駐在時(GUYS時代)に映画版をコノミ或いはテッペイから勧められ視聴したのか、半分無意識で比喩に使うぐらいには既知の様子。
 同物語の主な舞台が砂漠というのもあり、実際に目にしたアビドスの光景をそれと重ねたのだと思われる。

 原作漫画版は一度読んでみた方が良い。本当にオススメです。

ユパ様「ホシノが閃光で目を回した…(アビドス三章)」

◯地底怪獣 グドン
 昭和シリーズ『帰ってきたウルトラマン』にて初登場した地底出身怪獣。M78スペース地球では、古代生物――中世代・ジュラ紀の大型恐竜の一種という側面を持つ地球産怪獣となっている。

 頭部には一対の黒く鋭い角を持ち、眼は赤色に反射している。
 全身を覆う棘付きの黄土色の甲殻は、マントル近くの凄まじい地圧にも耐える強靭性を有しており、誘導弾や大口径火砲の直撃ですらマトモに傷をつけられない。
 また、好戦的かつ肉食性の怪獣であり、自身と同サイズの怪獣を積極的に狩ろうとする。一度のカロリー摂取量は大型怪獣数体分と大食漢。主要な捕食対象(大好物)は古代怪獣ツインテールである。
 
 両腕には手指が無くムチ状の触手__後年には、“振動触腕エクスカベーダー”と命名されている__ になっており、これを振動させることによって地中を潜航し、振り回すことで外敵などを攻撃する。なおこの触手のスイングスピードは初速でマッハを超え、並の人間の動体視力では捕捉不能。
 
 シリーズ初個体――M78スペース地球にて初めて確認されたグドンは、東京都奥多摩(西部)所在の砕石場より出現し、複数回に渡って東京都内を地中侵攻戦術で奇襲。同都市を壊滅状態に追い込んだ。なお、最終的には駆け付けたウルトラマンジャックのスペシウム光線を受けて絶命した。
 二代目、三代目は平成期に連続して出現。前者はメビウスとGUYSに撃破され、後者は“高次元捕食体(ボガール)”と交戦の末に捕食される憂き目に遭っている。

 

 ウヘバールにはね、砂のお城がいっぱい建っていて、そこでユメ先輩と過去おじが幸せに暮らしてるんだあ〜(by人心無TDGリア友)

 ナギちゃん、投稿者は早くエデン条約編で『エンド・オブ・キングダム』みてえな話を書きたいよ…
 私だってこう見えても、先生だからね(マジキチスマイル)
 曇り空からの一面青空って、綺麗だと思うんです。

 次回からアビドス編原作キャラが登場していきます。

 
 
_______
 
 次回
 予告

「―――あなた、どこから来た人?」

「僕はD.U.の方から来た、シャーレの先生だよ。名前はヒビノ・ミライ。よろしくね」

 地底怪獣との遭遇という紆余曲折を経て、ミライは遂に第一村人――アビドス高校の生徒シロコと邂逅し、対策委員会の面々とも顔を合わせることとなる。
 
 ミライは彼女達からアビドスの内情を確認しようとするが、早速トラブルに巻き込まれ―――?

「君たちの力になりたい。協力させてほしいんだ」

 斯くして、この世界における“対策委員会”編の幕が上がるのだった。
 
 

 次回、メビウスアーカイブ
 【砂原の銀狼(シロコ)

 お楽しみに。
 
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