日々の未来の青春譚 -メビウスアーカイブ-   作:逃げるレッド五号 5式

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金属生命体 アパテー


登場





23.【剣闘のアパテー】

 

 

 

―――時は、対策委員会が別館校舎を出発した頃にまで遡る。

 

 

 

アビドス高等学校学園自治区

 アビドス砂漠地帯

  中央市街地より東方約100km地点上空

 

 

 

『――トリーヴァ211よりトリーヴァ各、三分後に敵拠点の防空網へ突入する』

 

 ホワイトグレーの多用途戦闘機――〈F-16V〉4機の一個飛行小隊がアビドス砂漠の澄んだ大空を音速で往く。

 機体各部にある所属章は、やはり皇帝(カイザー)のトライアングル。カイザーPMC空軍機であった。

 

『敵の有力な対空火器(アンチエア)は携帯誘導弾のみだ。他は無視で構わん』

 

『『『了解(コピー)』』』

 

 彼らはカイザーPMC空軍第13飛行団隷下、第2戦闘飛行中隊第1小隊――第21飛行小隊“トリーヴァ・ドラッヘ”。

 先の〈A-10〉攻撃機(“ガイアール・ライダー”)同様、PMC第113前線基地(ベース113)を本拠地とする航空部隊の一つである。因みにガイアール・ライダーは第1攻撃飛行中隊所属だ。

 

 彼らが駆るファイティング・ファルコンたちは全て爆装――対地攻撃任務仕様である。

 

『――しっかし、よりにもよって砂漠に怪物が出たこのタイミングで、“カイザーローン”からの()()とは』

 

『トリーヴァ211より214へ、私語は慎め』

 

 彼らの主任務は、カイザーPMCに管理権が移った旧アビドス領の領空警備…隣接自治区などから時折飛んでくる未確認機への対応である。

 そんな彼らが何故、空対地ミサイルと誘導爆弾を引っ提げているのか。…理由は簡単である。本日、彼らカイザーPMCと同じカイザーグループ傘下企業たる金融機関――カイザーローン・アビドス支店の()()()()があったためだ。

 

()()()()()()()()()()()ね……よく今のいままで見つからなかったもんだ。カイザーローンの連中、隠してたんじゃないか?』

 

 要請内容は、自社活動領域内に出没する武装不良集団ことカタカタヘルメット団の拠点壊滅、だった。

 カイザーローンからの通報並びに要請を受け、一時間前にカイザーPMCは戦術偵察機や無人機による情報収集を実施。収集した偵察情報とカイザーローンが提供した所在位置を照らし合わせたところ、実際にアビドス砂漠外縁部にヘルメット団の中規模拠点が存在する事が判明したのだ。

 ……砂漠上の工業団地跡地を拠点としてそのまま再利用していたことから、発覚が遅れたとされているが詳細は不明である。

 

 カイザーローンは、カイザーPMCの子会社だ。同社には店舗に駐在する警備員以外に纏まった戦力は無い。

 それ故カイザーPMCには彼らを武力が関わる脅威から守る義務が生じる。

 

『213、お前も私語を慎め。作戦行動中だぞ』

 

 最終的にカイザーPMC第113前線基地は、カイザーローンアビドス支店からの要請を受諾。

 銀行強盗や現金輸送車襲撃によるカイザーローンの資産奪取やそれによる顧客からの信用低下を未然に防ぐため、並びに地域への反社会的集団の本格定着阻止のために、カタカタヘルメット団を叩くことを決定した。

 

『トリーヴァ213より211へ。善処します』

 

 そして、航空部隊によるヘルメット団拠点攻撃作戦が早急に立案され、その実行部隊として繰り出されたのがトリーヴァ小隊であった。

 

 今次作戦は一個戦闘飛行小隊のみで事足りる…彼らの母隊である第13飛行団司令部(パゴタ・コントロール)も、彼らの拠点である第113前線基地司令部も、同じ結論を出した。

 相手は物資も資金も乏しい学生崩れの武装チンピラ集団。陸の戦力は容易に拡充できるだろうが、単価が一桁二桁以上も違う空の戦力を早期に揃えるのは難しいと踏んでのことだった。

 また、電子戦機や攻撃機の追加投入は過剰であるとの意見が出たのも自然と言える。

 

 事実、その読みは的中していた。

 

 ヘルメット団前哨基地の空の守り事情は、作戦前の航空偵察により丸裸になった。

 詳細としては、電子戦未対応の脆弱なお飾り対空レーダーが1基と、外界第二次大戦期レベルの対空機銃が3〜6基、そしてトリーヴァ211が先に挙げた携帯式防空ミサイルのみというのが判明。

 それは「拠点防空網」と呼ぶには極めて粗末なものであった。

 

『全く……トリーヴァ211よりトリーヴァ各、雑談は終わりだ。これより空爆コースに入る。編隊はそのまま維持』

 

 戦隼のパイロットたちは全員がロボット族。自身のサイボーグ化、或いは機械化した頭脳と直結させているヘルメットバイザー上に映るレーダー、兵装選択といった補助画面を視界と同期させながらアイトラッキングで直感的に操作する。

 

誘導爆弾(JDAM)投下並びに対戦車誘導弾(マーべリック)発射用意――…敵機か』

 

 機体のレーダーが飛行小隊の進行方向――前方で新たな反応を探知した。

 

『トリーヴァ211。敵ヘリコプターが1、地上から上がろうとしてる』

 

 トリーヴァ214を含む、カイザーPMC空軍のロボット族航空兵は皆、会社から高性能の軍用頭部視覚ユニットを提供されており、一人ひとりがフル装備の陸軍狙撃兵並みの視力を有している。

 だからこそ常人には真似のできない超遠距離の機体識別も朝飯前だ。隊長機トリーヴァ211が撃墜指令を出す。

 

『トリーヴァ214。叩き落とせ』

 

『トリーヴァ214了解。目標(ターゲット)捕捉(ロック)

 

 編隊最端のトリーヴァ214が兵装コントロールパネルから“M61バルカン”を選択。そして視覚情報とレーダーシステムを連動させ遥か先の宙空に浮かぶ黒点を即座に敵機として識別、捕捉した。

 

 彼は確かに()()で地上の簡易ヘリポートから飛び立たんとしている、黒塗りのヘルメット団連絡機――汎用ヘリ〈UH-1(イロコイ)〉を視認していた。

 

『――トリーヴァ214、FOX3』

 『FOX3、FOX3』

 

 驚異的なまでに底上げされた視力と、地道な訓練の積み重ねによって鍛えられた操縦技術が組み合わさって繰り出されるは、短距離誘導弾の射程に匹敵する長距離砲撃(狙撃)

 

 機関砲の咆哮。一瞬青空に疾る明色の、曳光弾混じる火線。彼方で生じる爆発――撃墜。

 

『トリーヴァ214、スプラッシュ・ワン』

 

『グッキル、214』

 

 航空目標を排除したトリーヴァ飛行小隊は数秒で編隊を組み直し、対地攻撃態勢に入る。

 

『…悪いが、恨んでくれるなよ』

 

 機内に吐き出されるトリーヴァ211の呟き。

 

(ここ(アビドス)なんかに来なければ…いや、憐れみは――不要だ)

 

 ヘルメット団に身を置く子供たちにも、それぞれの日常があるだろう、それぞれの生活があるだろう。

 

 しかしながら任務は任務。

 彼は大きく息を吸い込む。今からするのは、弱者に対する一方的な殴打だ。感情は切り捨てる。

 

『対地目標、レーダーにて捕捉。トリーヴァ各、射撃開始。繰り返す、射撃開始』

 

 ()()を潰すこと……非合法活動に手を染めている反社集団を壊滅させるのが、世のため社のため人のためになるのなら、滅私奉公の精神で彼らはいくらでも冷徹になれる。

 

『―――トリーヴァ211、マーべリック発射』

 

 

 

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 アビドス砂漠上のカタカタヘルメット団アビドス前哨基地。

 工業団地跡地の建造物群に寄生するように造られた同基地では、跡地内の軍需工場のいくつかを再整備…それらの機能を復旧させ、資材をアビドス学区外から取り寄せて団員用及び輸出用兵器の生産を開始していた。

 

 また、他にも資材倉庫や工員宿舎といった施設も砂下から掘り出して使用可能な状態にまで修築しており、同基地は過酷なアビドスにおける長期的な活動を支えるヘルメット団の一大拠点に成長しつつあった。

 

「敵襲ーーーーッ!!」

「連絡機が堕ちた! くそっ、高かったのに!!」

「どこのどいつだぁ!?アタシらに喧嘩売ってきたのは!!」

 

 さて。そんな前哨基地であるが…現在、基地外縁の仮設ヘリポートから離陸した__この基地で唯一運用されていた__旧式ヘリが突然爆散、撃墜されたことでてんてこ舞いの状態に陥っていた。

 

「東から何か飛んできてる!…第1と第2倉庫から動かせる車輌を出来るだけ出せっ!」

「ああ?なんでだよ!?」

「空爆されちまったら全部仲良くお釈迦になるからだボケ!さっさと動け!」

 

 空からの奇襲攻撃だと判断した赤ヘル幹部たちがそれぞれの場所で指示を飛ばし始めた。

 

「だから言ったんだ、ブラマの中古レーダーなんて役に――」

「拠点守備団員は急いで持ち場に着けぇ!」

「おい!アレ持ってこい、あれ。アレはあれだよ!“ジャベリン”とかいうヤツ!」

 

「……この爆音はジェット機――まさかカイザーか!?」

 

 一団員が口にした予想。

 それの()()が、艦載用を地上転用した三連装25mm対空機銃の一つに突き刺さった。

 機銃へ駆け寄ろうとしていた団員数名が空対地ミサイルの着弾による爆発で吹き飛ばされ砂地を転がる。

 

 これを皮切りに、各所に置かれた対空火器とその運用要員が役目を全うできぬまま、次々と誘導弾の餌食となり無力化されていった。

 

「退けどけ、タンクが出るぞ!」

 

―――キュラキュラキュラ…

 

 格納庫として扱われているかまぼこ屋根の資材倉庫から姿を現したのは、百鬼夜行生まれの鉄獅子。

 

「売られた喧嘩は買うぜ…この戦車で返り討ちにしてやる!」

 

 ヘルメット団所属であることを示す黒色塗装とジョリーロジャーを纏う〈Type-4(チト)〉中戦車は、主砲を天に指向し、砲塔上部キューポラから半身を出している血の気盛んな搭乗員が出鱈目に重機関銃を東の空に撃ちまくり始めた。

 

『2号車に遅れを取るな!』

『こちら5号車、エンストしてる!』

『4号車だ。5号車の牽引を――』

『1号車より各車へ。外に出たらとにかく撃て、撃ちまくれ! 弾幕を張って敵を基地に近づけさせるな!』

 

 乗員が乗り込んだ他のチトも航空攻撃による倉庫との心中を避けるため屋外に発進。各々が先頭車の見様見真似でそれっぽい方向へ車載機銃と主砲からなる対空射撃を開始した。

 

『こちらトリーヴァ211、敵の対空迎撃を確認。しかし脅威度は低い。目標と纏めて無力化する』

 

 前哨基地上空を、尾翼に青・白・緑(トリーヴァ)の鮮やかなとんがり帽子を被る西洋竜(ドラッヘ)が描かれたF-16の群れが通過し、機を翻す。そしてバイザーに映る目標を確認すると、即座に()()()を放った。

 

 

 

『―――トリーヴァ211、投下(ドロップ)

 

 

 

 数秒後、空を舞う4機の戦隼が、勇ましく振る舞うヘルメット少女達の頭上目掛け、統合直接攻撃弾を投げ落とした。その数、十数。

 

 JDAMの迎撃などという馬鹿げた神業がヘルメット団にできるわけもなく…着弾と同時に鋼の弾体に内包されていた破壊が解き放たれる。

 刹那生じるのは、地を抉り震わす爆発と轟音。

 

 地上目標とされていた稼働中の建造物、路駐車輌、それらの付近に展開(棒立ち)していた守備隊がどれも薙ぎ払われた。

 団員の多くから不評を買っていた中古品の移動レーダーシステムも、勇猛果敢に屋内から飛び出した密輸品の中戦車小隊も、一から修繕した兵器工場に団員寮、工場事務所を改造して作った基地司令所も、等しく吹き飛ばされていった。

 

 燃え盛る建造物群の破口部から吐き出される黒煙を見上げることしかできないヘルメット団の少女たち。

 

「う、ウチらのアジトが……」

 

 残されたのは、満身創痍の黒セーラーの集団と、残骸と化していく彼女らが汗水流して苦心の末に建てたアジトだ。

 

「…このアジトは放棄だ」

「そんな!?」

「やられた仲間を回収するぞ。ゲヘナの拠点へ行く」

「せっかく工場が本格稼働し始めたとこだったのに…!」

 

 ………この時を以て、カタカタヘルメット団アビドス前哨基地は基地機能の全てを喪失し壊滅。

 駐屯していた団員たちの殆どは隣接自治区のゲヘナ学園領内や、アビドス・ゲヘナ近傍の広域暗黒街(ブラックマーケット)にある別拠点へ転進を余儀なくされるのだった。

 

 

 

『――トリーヴァ211、こちらゴーストアイ(〈RF-4〉)。空爆の効果は“極めて大”。目標はすべて沈黙、敵基地は機能を完全に喪失したと認む。増援による第二次攻撃は不要だろう』

 

 後方空域より進出してきた戦術偵察機から空爆の観測報告がトリーヴァ飛行小隊に届く。

 

『――パゴダ・コントロールだ。トリーヴァチーム、よくやってくれた。ゴーストアイ経由で戦果はこちらでも確認している。武装勢力拠点は壊滅…作戦は成功したものと判断する。トリーヴァチームはベース113へ帰投せよ』

 

『トリーヴァ211、了解。これより当空域を離脱、直ちに基地への帰投コースを取る。トリーヴァチーム、RTB』

 

 飛行団司令部からの帰投命令を受け、トリーヴァ飛行小隊はゴーストアイことRF-4戦術偵察機より一足先に本拠地帰還の空旅へ就くのだった。

 

 

 

『――ゴーストアイよりパゴダ・コントロール。ヘルメット系武装勢力拠点の西方からHMV(〈高機動車〉)2輌が接近中』

 

『ゴーストアイ、その2輌の学籍・社籍の識別は可能か』

 

『…たったいま識別した。同車輌群はアビドス高等学校の所属である可能性が高い』

 

『……ゴーストアイは帰投中止。引き続き作戦空域にて待機。別命あるまで推定アビドス所属車輌群の動向監視に注力せよ。なお、原則として交戦は禁ずる。可能な限り戦闘に繋がる行動は回避されたし』

 

『パゴダ・コントロール、ゴーストアイ了解。これより対象の監視を行なう。オーバー』

 

 

 

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―――そして時は現在、視点は砂漠上で立ち止まっているアビドス対策委員会に戻る。

 

「ヘルメット団のアジト、間違いなく燃えてるわよね…!?」

 

 セリカが指差す先の地平線上に、青空へ立ち昇る黒煙と赤い火の手が見えた。

 アロナの測距精度は高い。“シッテムの箱”の画面にも表示されてるように、あの炎上中のエリアに間違いなくカタカタヘルメット団の前哨基地が所在している筈だ。

 

「アビドス砂漠で燃えるものなんてごく限られてますし…実際燃えてますからね…」

 

 遺物遺構が多く地下で眠るアビドス砂漠であるが、地上に表出しているそれらの数は少ない。

 炎上しているのはカタカタヘルメット団のアジトで確定だ。

 

「ん、それに…空を何か飛んでる。アレは戦闘機かな…」

 

 目の良いシロコが空に浮かぶ航空機らしき黒点を見つけた。

 先ほどからここら一帯に響いている爆音の正体は、その黒点――戦闘機と思しき飛行物体によるものだろう。

 

「あの形状は…データに該当機ありました。恐らく、ファントムⅡの系列機かと。キヴォトスでも長寿の部類に入る外界輸入のジェット戦闘機です。我が校、そして周辺校では運用されていない航空機になります」

 

 アヤネが手元のタブレットを弄り、飛行物体の正体を特定した。

 

「単独での飛行ということは、偵察仕様機でしょうか?」

 

 両手で双眼鏡を作り、単独行動中の所属不明機への考察を巡らすノノミ。

 

「………恐らくはカイザーだね。ここらの空域を我が物顔で飛べるのはアビドス(ウチ)以外だとアイツらしかいない。アレが1機で動いてるのは、多分私たちのこと視てるからじゃないかな」

 

 尋常ならざる鋭い視線を、いつの間にか自分たちの上空を飛んでいる所属不明機――推定カイザーPMC機のファントムに向けるホシノ。

 

「より正確には連中の軍事部門、カイザーPMCだね」

 

 ここでミライが彼女の口から出た“カイザーPMC”へ疑問を持った。

 

「カイザーPMC? なんでアビドスに都市企業が…?」

 

 カイザーPMCは、全社員の大多数をロボット族が占め、実力主義・営利主義を掲げているカイザーコーポレーションの傘下企業の一つであり、“G2事案(ゲスラ・アタック)”にて図らずも共闘の格好を取ることとなった大手軍事企業である。

 

「学園自治区の領空は原則、事前の取り決めなどが無い限り、他の学園や企業、その他団体が所有する航空機は通さないって話をリンちゃ――連邦生徒会長代理から聞いてたんだけど…」

 

 また、不知火カヤ防衛室長より、目的のためならば横暴な行動さえ当然のように押し通すカイザーコープの私兵――だとも聞き及んでいる。

 実際、ヴァルキューレの検問を強引に突破し無断でアカレンガ港️への兵力展開を行なった集団だ。結果的に港湾防衛に助力してくれた勢力になったわけだが、ミライから見て彼らカイザーPMCに対する印象は__情報の不足も合わさって__良くて“複雑”止まりである。

 

 アビドスにいること自体が不可解な外部勢力…これの学区進出をホシノたちが許すのかと言われればそうではないと彼は思った。

 しかし、アビドスの面々はそれぞれ何処かへ視線を投げ、意味深に口を噤んだ。

 

「や〜、ウチにも()()あったんだよね」

 

 代表してホシノがふわふわとした回答を彼に提示したが、当のミライはそれで納得できなかった。

 彼女が言う「色々」の部分について尋ねようとした時、セリカが声を上げた。

 

「ねえ、今するべきなのは現地で何が起こってるのか確認することじゃないの!? あの燃え方はどう見たって事故なワケないでしょ!」

 

 セリカの言も尤もである。元々、ここまで来たのはヘルメット団前哨基地への打撃のためだ。

 勝手に相手が壊滅していようが、詳細な情報を得ていない以上、現地に赴く必要性は消えていない。

 

「ほら、皆んな乗った乗った!」

 

 事情を聞く前に半ば強引に切り上げられ、対策委員会メンバーと共に高機動車に乗せられるミライなのだった。

 

 

 

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 ――凡そ10分後、ミライたちはヘルメット団前哨基地であった場所に辿り着いた。同基地に到着した頃には、()()が途絶えたためか各所で発生していた火の手は殆ど消えていた。

 

「どの建物も酷い損傷具合ですね…徹底的に破壊されてます」

「おじさんたちが潰そうと思ってたものは軒並み潰され済みだねぇ」

「人っ子ひとりいないじゃない…トンズラこいた後なのかしら」

 

 基地内の敷地に足を踏み入れた彼らを出迎える、或いは迎え撃つ者はゼロだった。

 

「運び出しの途中で諦めたのでしょうか、各所に手付かずの補給コンテナや装備が捨て置かれてますね。…このAK、内部の機構は無事なようだからパーツ取りに使えそうです。こっちのM16はほぼ新品です。なんでこんなものをヘルメット団が……」

「ん、大漁大漁。まだ使えるのも多いからいくつか持って帰ろう。…コイツらがどうしてこんな高級装備を揃えられたのかも分かるだろうし、一石二鳥」

 

 廃墟と化している周辺の施設に潜んでいる可能性がある残党をホシノ達が警戒して回っている間、基地の中央部ではアヤネ、シロコ、ミライが()()の分析を行なっていた。

 

「ここらの地面の抉れ方…中型の航空爆弾を使ったのか。……どれも対空機銃らしき鉄塊や装甲車両に着弾してるようだから、恐らく誘導型――JDAMを投入したのかもしれない」

 

 地表にいくつも出来上がっているクレーターの規模から、先客が襲撃に使用した武器を推察するミライ。

 

「でも、どうして僕らが向かったこのタイミングで…その、カイザーPMCはこの前哨基地を潰したんだろう?」

 

 自分たちがいるアジト跡地の上空を旋回しこちらを監視してるだろうRF-4戦術偵察機を見上げ、疑問を呈した。

 

「……今こちらに何もしてこないのは、僕らは警戒対象ではあれ排除対象ではないというコトなんだろうけど…」

 

 彼らがどれほどの兵力をアビドスまで持ってきているのか不明だが、遠方に砲兵・ロケット部隊や航空部隊を展開させて、それらへ攻撃座標を逐次送っている可能性もある……が、このアジトにやってきてから既に15分は経過している。

 この間、カイザーPMCが偵察機を上空待機させている以外で何もアクションに変化が見られないので、上記のような蛮行をしてくる可能性は杞憂だと思いたい。

 ――というよりも、ミライからすれば現時点でカイザーがシャーレ又はアビドス高校と表立って敵対する必要性や理由自体が分からないので、これらの考察自体無用なのかもしれなかった。

 

「………いや、()なのか? 彼らが僕らを警戒してるのは、このタイミングで壊滅状態の基地にやってきたから? 僕らをヘルメット団の関与組織と疑ってる…?」

 

「いえ、それは有り得ないと思います。カイザーもアビドス砂漠周辺で活動しているこのカタカタヘルメット団の存在も、私たちアビドス高校が彼女達と複数回交戦していたことも把握していた筈です」

「私もそう思う。砂漠迷彩の偵察ドローンが何度か中央市街地の周辺を飛んでるのを見てる。向こうが情報を持ってない筈がない」

 

 アヤネとシロコ両人の否定に、うーん…と頭を悩ますミライ。だが、有り得るかもしれないもう一つの仮説が彼の脳内にポッと浮かんできた。

 

「……アヤネちゃん、カイザーPMCは何らかの理由で数年前からアビドス自治区を活動領域の一部にしてるっていう認識で合ってる?」

 

「え、ええ。その通りです」

 

「そうなると…やっぱり、彼らがこうしてるのは、多分()()()()かな」

 

「…………ん、なるほど。先生の考えてる事が分かった気がする」

 

「今日初めてやってきたアビドス外部の人間…即ち僕を、彼らは様子見してるのかもしれない」

 

 謎多き外の世界からやって来た純人種(ヒューマ)の成人男性。

 キヴォトス超大陸内で唯一“先生”の肩書きを持つことが許されている大人。

 連邦生徒会長から指名任用され超法規的組織の長を務める人物。

 

 …そして、“元軍人”ということもあってか、荒事慣れしており、通常の治安維持活動や特殊生物事案への対応は極めて洗練されているのも手伝って、一時はSRT特殊学園閉鎖の穴埋めとして、連邦生徒会が呼び寄せた軍事顧問なのでは…という噂も外部で囁かれたほどである。

 

 こうして改めて書き出してみれば、ヒビノ・ミライという青年が如何に異彩を放っている人物であるかは、一目瞭然だろう。

 カイザーがミライを注目する理由はいくらでもあった。

 

「―――三人とも〜。ぐるっと基地を一周してきたよぉ。やっぱりヘルメット団はどこにもいなかったね」

 

「ホシノちゃん、お疲れ様」

 

 ミライたちの所へ外回り組のホシノらが戻ってきた。向こうも収穫と言える収穫は、ヘルメット団がアジトからの撤退の際に放り投げていったまだ使える装備や物資ぐらいであったという。

 

「うへ……老体には堪えたよぉ。おじさん、若い二人についていくのでいっぱいいっぱいでさぁ」

「まだそんな歳じゃないでしょ、ホシノ先輩」

「あらあら、それじゃぁホシノ先輩は私がおぶってあげますね〜」

 

 その後、ミライ達も目ぼしい代物はこれ以上見つからないだろうと判断し、HMVにヘルメット団鹵獲品を積める分だけ積んで一旦学校に戻ろうということで意見を一致させた。

 

『――それでは、別館校舎へ帰還します!』

 

 出発の準備を整え、ミライたちの乗る高機動車2輌はアジト跡地より発進するのだった。

 

 

 

『ゴーストアイよりパゴダ・コントロール、アビドス生徒及び連邦捜査部の顧問と思しき人物に動きあり。恐らく撤収の――』

 

 …………そんなミライらの上――地上監視の任に就いていたカイザーRF-4偵察機よりも更に遥か高空で()()が太陽光を反射し一瞬煌めいたが、誰もそれに気付くことは無かった。

 

 

 

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アビドス砂漠地帯

 カイザーPMC第113前線基地

  中央区画 基地総司令部庁舎

   地下作戦指令センター

 

 

 

 アビドス砂漠に座している本カイザー陸空統合基地は、陸軍第1師団第13陸戦連隊並びに空軍第1航空軍団第13飛行団が常駐する、キヴォトス超大陸でも有数の大規模な軍事拠点である。

 

 同基地が帯びている()()の主な役割は、諸事情によってカイザーPMCへ管理権が譲渡された一部の旧アビドス自治区領土及び領空の監視と保全、領内における治安維持、遭難負傷者の保護といった軍・警察・消防救急の代替業務となっている。

 基地の運営開始時には、アビドスに眠る戦略遺物――絶対兵器の捜索・発掘の為の“前線”基地として期待されていたが………アビドス砂漠域にて時度出没する謎の超弩級独立稼働オートマタ――PMC識別呼称(レジストコード)白磁の大蛇(ホワイト・ナーガ)”が確認、それによる妨害を受けて以降は方針を一時転換せざるを得なかったのだ。

 

 さて、同基地の敷地は主に拠点の心臓的な役割を果たす中央区画、駐屯地機能や軍用鉄道停車場を有する陸軍区画、航空管制能力や二本の大型滑走路と一本の予備滑走路を持つ本格的な軍用飛行場、長距離対空索敵設備等を置く空軍区画、敷地内の油田より採掘される石油の油槽施設や弾薬物資を貯蔵する弾薬庫、非常用物資を蓄える地下倉庫などを抱える兵站区画と大きく四つに分かれており、陸軍13連と空軍13飛の司令部及び基地総司令部は中央区画の総合庁舎の中に詰め込まれている。

 

 対地攻撃による被害を抑える為に地下に造られた陸空軍及び基地総司令部共用の作戦指令センター。その一角は空軍第13飛行団司令部のものだ。

 防空指揮所の能力も併せ持つ同センターは、当然、陸軍空軍それぞれの区画に置かれる警戒監視(レーダー・ソナー)サイトより逐次送られてくる対空対地索敵情報も一括管理している。

 

「………ん…? なんだ、コレ…」

 

 ――はじまりは、電探(レーダー)監視要員であるPMC空軍下士官の一人が、アビドス東部空域のレーダー網情報を出力している電子画面を見て、違和感があったのか突然首を傾げたことだった。

 

「……何かあったか?」

「コレを見てくれ」

 

 異変を察知した横の同僚が、自身の担当空域画面と彼を交互に見遣りながら声を掛けた。

 彼は同僚に東部空域のレーダー網を映す画面を指差し、それを見るよう促した。

 

「…この反応(シグナル)、変だよな? 不具合とかの類じゃないと思うんだが…」

 

 下士官の言葉に件の画面を見た同僚は頷いた。

 

「当たり前だ。我が社謹製の最新システムと機材がこんな露骨なエラーなんて吐くものかよ」

 

 そのレーダー画面上に、アビドス砂漠東端の空域座標で一定間隔明滅を繰り返し、尚且つその度、4つから8つの間で増減する反応(シグナル)が静止していたからだ。

 

「すぐに団へ報告上げるぞ、これは嫌な予感がする。センターの中央モニターにも共有を急いで掛けろ」

「わ、分かった。すぐにやる」

 

 下士官が管理コンソールのキー操作を行なうと、即座に作戦指令センター全域に非常警報が鳴り、センター中央の大モニターにアビドス東部のレーダー画面が共有された。

 

「――何事か!」

 

 警報を聞き、地下会議室に篭っていたPMC空軍幹部――第13飛行団の司令官を務める初老機人(ロボット)族が真っ先に指令センターに駆けつけるや状況を把握するべく、すぐさま左右に叫んだ。

 遅れて基地司令部の長老(幕僚)らと他の陸軍・空軍幹部もセンター入りする。

 ロボット族系企業のカイザーコープ傘下企業でありながら、優秀な人材であれば人種の枠組みを考慮に入れず登用する柔軟性が売りのカイザーPMCでは、下士官だけでなくその上に就く幹部の人種も多様である。

 その中には、先の“G2事案(ゲスラ・アタック)”時に救援戦闘団に参加した陸軍()()の他、屈強なる獣人族やヘイローを持つ純人(ヒューマ)族――旧SRT特殊学園やヴァルキューレ警察学校OGという経歴を持つ女性軍人の姿もあった。

 

『基地のレーダーサイトが、アビドス東部空域にて滞空する複数の所属不明機(アンノウン)のシグナルをキャッチしました』

 

 そのオペレーターの報告に幹部達が頭を抱え唸った。

 

「東部空域で所属不明機(アンノウン)だと? あそこからの侵入機ならば、ミレニアムの新型…ステルスVTOLか?」

「かの学園は“実験”を免罪符に平気で何でも飛ばしてきますが……オデュッセイア海軍機の線もあるのでは?」

「…ADIZ(防空識別圏)で捕えられなかったのか?」

「過去に()()になった百鬼夜行の双発レシプロ機を誘導した件もある。昨今の周辺自治区情勢から見れば、ゲヘナかトリニティ所有の無人機の可能性も…」

「じゃあ何の目的でこの時期に、こんな僻地に――!」

 

 幕僚を務める者たちがそれぞれ今する必要の無い会話をし始めたのを見兼ねて、飛行団司令が現時点で判明している所属不明機の情報を寄越すようオペレーターへ再度叫ぶ。

 

所属不明機(アンノウン)の詳細な数、飛行針路は!」

 

『――ッハ!反応が4〜8の間で増減を繰り返しており正確な機数は不明、現在当該空域に滞留していると思われ――! たった今、動きがありました。アンノウン群は約700km/hの速度で西進を開始、旧アビドス首都圏…中央市街地の真上を通過する針路を取っています。中央市街地到達までおよそ30分』

 

「なぜ人口密集地に向かう…奴さん、何をおっ始める気だ」

「…航空機()()()()のかもしれん」

 

 一人の幹部の発言にセンター幹部席が静まり返った。

 

「まさか、特殊生物(かいじゅう)だとでも?」

「現状、否定もできんだろ。陸、海ときて今度は空から…なんてのは考えすぎだと思うか?」

 

 D.U.外郭区の件も、D.U.アカレンガ区の件も、そして今日の件も、全てが唐突に始まった。

 そんなことはあり得るハズがない…とは誰も言えなかった。

 また、仮に航空機であったとしても、その腹の中に何を忍ばせているのか分からない。アビドス内地へ進ませる理由はどこにもなかった。

 

「……いずれにしても、()()を確認するまでは何も分からんでしょう。――飛行団司令、頼めますか」

 

 未確認のナニカは、空に在る。

 大尉は飛行団司令に尋ねた。肩に“少将”の階級章を着ける団司令が応えるように頷く。

 

「言われんでも。相手が空におるのなら、まず仕事せにゃならんのは空軍からだろうて」

 

 所属不明機(アンノウン)らの目論見が何であれ、要撃機(インターセプター)は上げる必要がある――そう言い、飛行団司令は自身が掌握する戦闘機部隊へ指示を飛ばした。

 

「―――待機中の第32飛行小隊へ緊急発進(スクランブル)発令!対領空侵犯処置だ!」

 

 

 

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 飛行団司令の命令を受け、空軍第13飛行団第3戦闘飛行中隊第2小隊――第32飛行小隊“ヘブンズ・ファントム”のファイターパイロット達が基地空軍区画のアラートハンガーに隣接する即応待機所から、露天駐機されているそれぞれの愛機の下へ全力で走りだしていた。

 

『――第21飛行(トリーヴァ)小隊の収容作業は一時中断。第1滑走路へ第32飛行(ファントム)小隊が移動、離陸する。飛行場作業員は同滑走路上から速やかに退避せよ』

 

 32飛行小隊のパイロットらが〈F-4E(ファントムⅡ)〉戦闘機のコクピットへ乗り込み、機を滑走路へと進入させる。

 

―――ィイイイイイーーーンッ!

 

『――ファントム321より管制塔(ライトハウス)。ファントム全機、第1滑走路への進入完了。離陸準備を終えた。離陸許可を求む』

『こちら管制塔。状況を確認した。貴隊の離陸を許可する』

『ファントム321、了解。これより離陸を開始する』

 

 第32飛行小隊のF-4E出陣を見送るのは、地上管制塔や空軍整備兵だけではない。

 

『トリーヴァ213よりファントムチームへ。何だか知らんが派手にやってこいよ、天霊の加護があらんことを』

『トリーヴァ213、ファントム321だ。激励感謝する。キミらの分までやってくるさ。任せてくれ』

 

 収容作業を中断し、補助滑走路へ退避した4機のF-16Vからも無線を通して鼓舞を受けた。

 ファントム321は陽炎立つ滑走路の向こうに、キャノピー越しでサムズアップをするお調子者のロボット族航空兵を確認し、それに対して返礼の意を込めたサムズアップをしてみせた。

 

 そして、滑走路より(ヘブン)の門扉を叩く精霊(ファントム)を機首側面に宿す白銀のインターセプターが続々と空へ上がっていく。

 

『――パゴダ・コントロールよりファントムチーム。基地総司令部より、所属不明機(アンノウン)は全機ステルス機、若しくは未知の飛行型特殊生物の可能性有りとの通達があった。ファントムチームは細心の注意を払い領空侵犯対応に当たってほしい。万一、不明機がこちらの指示に従わない場合は……撃墜を許可する。警告射撃は不要、人口密集地である旧アビドス中央市街地到達前に速やかに撃墜せよ』

 

『ファントム321、了解。対応の手順は隊内に徹底させる。オーバー』

 

 

 

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『――所属不明機群(アンノウンズ)、巡航速度、反応の増減共に依然変化無し。なおも西進中。ファントム、当該反応との接敵まで約4分』

 

 第32飛行小隊の前線基地離陸から6分弱。

 

『増援の第33飛行小隊“ジョーカー・ドラゴン”の無人戦闘機出撃準備完了まで凡そ9分』

『周辺校とのNOTAM(航空情報)照会、難航中』

『ゴーストアイが監視任務続行の可否を求め――』

 

 地下作戦指令センターは、同飛行小隊の不明機群接近の推移を注視していた。

 

巌流寺(ガンリュウジ)基地総司令、指令センターへ入られます!」

 

 オペレーターの一人が叫んだ。センターにいる者たち全員の視線がセンター中央の出入り口に向けられる。

 

 肩に“上級大将”の階級章を付け、胸元には無数の戦功勲章をぶら下げたデザートカラーの軍服を着崩す大柄かつ荘厳な顔つきの老ロボット族が、堂々と指令センターに足を踏み入れてきた。

 

「基地司令に――」

 

 幹部陣が皆、上級大将――第113前線基地総司令官兼アビドス平和維持駐留軍司令官に向けて敬礼をしようとしたが、片手を彼がバッと豪快に挙げてそれを制した。

 

「――ああもうよさんか。敬礼なぞいい。今は東部空域に現れた所属不明機(アンノウン)への対応じゃろう。その件で先ほどまで理事と話しておったのでな、状況はほぼ把握しておる。遅れてすまんかった」

 

 司令用の椅子へドカッと腰掛けると、彼は第13飛行団司令と空軍幹部を呼びつけた。

 

「簡潔に言うぞ。今次案件は儂がケツをもつ。23小隊には思い切りやらせてやっとくれ」

 

「「「ッハ!」」」

 

「…一番恐ろしいのは、最前線に立つ兵が必要以上に縛られ何も力を発揮できず擦り潰されていくことだからな。――む?」

 

 巌流寺基地司令が上のように呟いたその時だった。スクランブルした第32飛行小隊の小隊長機(ファントム321)から無線通信が入ってきた。

 

『こちらファントム321。所属不明機群(アンノウンズ)電探上にて捕捉(レーダーコンタクト)。しかし雲海に阻まれ目視ではまだ機影が見えない。――状況が切迫しているため、これより当該機群への接近をしつつ、大陸救難無線帯での呼び掛けを試みるべく増速する』

 

 指令センターの中央大型モニターには、不明機とPMC要撃機の反応を示すレーダー画面と、ファントム各機のパイロットバイタルとコクピットカメラの機外映像といったものが大きく映し出されている。

 

 機外の状況を映すカメラ映像はどれも真っ白…雲海の中を進んでいるため、依然何も見えない。しかしレーダー画面上のアンノウンとファントムの距離は徐々に縮まっていっているのが分かる。

 

 そしていよいよ、ファントム飛行小隊が領空侵犯機群に対する警告を開始した。

 彼らは日頃より、事故であれ故意であれ、三大学園より飛来してくるエアクラフトとの()()()()()に対応してきた実戦部隊の一つだ。

 

『――所属不明機群に告ぐ。当機はカイザーPMC空軍所属、ヘブンズ・ファントム321である。貴機らの所属と飛行目的を報せ。貴機らは現在、我が社管理のアビドス旧学園自治区領空を侵犯中である。速やかに針路を転進、領空より離脱せよ。なお、当機の指示に従わない場合は即時撃墜する』

 

 通信での形式的な警告や、侵犯機への接近の仕方などは手慣れている。その声色や操縦に緊張は見られなかった。

 しかしながら侵犯機側からの応答――無線での返答は、無い。沈黙が返ってくるのみだ。

 

『…繰り返す、貴機らはカイザー領空を侵犯中である。指示に従わない場合は貴隊を即時撃墜する。これは脅迫ではない、警告である。通信への応答を求む』

 

 不意に、ファントム321の機体カメラ映像が一瞬で変わる。他の機も同様に変わった。

 雲海を抜けたのだ。雲一つない青空が広がり――

 

『―――!!』

 

 ――ファントム321はひどく動揺、そして驚愕した。自身の眼前に、所属章も識別番号も無い銀色に鈍く光る()()が在ったからだ。…それも数にして四本、或いは四機。なんとも無機質で、不気味な光景だった。

 

 他の小隊機も同様の、声にならない反応を表出させていた。だが次の瞬間には小隊長機――ファントム321は弾かれたように状況を飛行団司令部へ報せていた。

 

『パゴダ・コントロール!パゴダ・コントロールッ!!たった今、所属不明機群(アンノウンズ)を目視にて確認した! しかし、当該機群は()()()()()()!繰り返す、航空機に非ず!既存の、どの飛行機械にも該当しない未知の飛行物体と思われる! 指示を乞う!!機外カメラの映像は見えているか!?』

 

 第13飛行団司令部を通じて次なる指示を求めるファントム321。

 飛行団司令がオペレーターから、彼らと直通しているインカムを受け取り、ファントム321と声を交わす。

 

「ファントムチーム、ファントム321、聞こえるか。こちらもそちらの状況が見えている。射撃は一時中止。落ちつけよ…正気を失くした者からやられるぞ、気を確かに持て。こちらからの新たな命令があるまでアンノウンへの呼び掛けを続行しろ」

 

『し、少将ですか…!? …ファントム321、了解。別命あるまでアンノウンに対し呼び掛けを続けます』

 

 ファントム321への指示出しを終え、パニックによる現場の暴発はこれで防げた…と飛行団司令が一度深呼吸して振り向いた先では、混乱の渦中に叩き落とされた幹部軍人らがああだこうだと言い合っていた。

 

「な、なんちゅう出鱈目で奇怪なカタチをしとるのだ…!」

「これは生き物…特殊生物なのか? 金属質の飛行生物なぞ聞いた事もないぞ」

「バカな。航空力学的にあのような形状のモノが飛べるわけがないッ!」

「だが現実に飛行してみせてるではないか!!」

「……学園勢力の未確認兵器――新型無人攻撃機、或いは大型の誘導式質量弾頭弾の可能性は」

「推進器らしきものも見当たらない。銀の槍そのものだ、人工物かも怪しい。どうやってあの速度で…しかも飛んでいるというのだ」

「…まさか、“戦技研”でも理論検証段階の、新概念機関――重力制御機構(リパルサーリフト)を積んだ反重力航空機の類いか?」

「人が乗っているように見えるかよ…」

「いや、先の“ビートルホーン(グドン)”や“ブラックシェル(ゼットン)”もだが、特殊生物は皆、好戦性が高かった。アンノウンはファントムチームが接近していながら手を出してこない。ということはやはり無人機ではないだろうか」

 

 既存の物理法則に真っ向から中指を立てている件の飛行物体に、軍幹部らは声を荒げた。なお特に騒がしかったのは空軍の側であった。

 大多数の幹部らが各々で飛行物体に対する考察をべらべらと論じているが、それこそ時間の無駄である。

 ここまで押し黙っていた大尉が口を開いた。

 

「――問題は、アレがこちらとの意思疎通が出来るか…そもそもその意思があるかどうか、そして撃墜、若しくは駆除が可能かどうかではないですか」

 

 幹部全員が大尉を見た。

 

「昨今我が社も加入した大陸軍事条約と照らし合わせれば、有人機無人機にしろ、自律誘導兵器にしろ、管理領域の領空に侵入しながら所属を明らかにしない不明機は、撃墜することが許されている。連邦生徒会が対応姿勢を“撃滅”としている特殊生物…怪獣であれば、空中での殲滅が難しくともアレの飛行針路を変えられるかどうかだけでも試すべきだ」

 

 そこで、彼の上司であり陸軍第13陸戦連隊を率いる連隊長であるドーベルマン系の獣人族がそれに続く。

 

「大尉の言う通りだ。起こった事をここで一々問答しているのは時間の浪費に他ならん。奴さんの針路が針路だ、仮にアレが誘導型の質量弾そのものだとすればそれはそれでマズイ。進路上にアビドス中央市街地がある以上、同地が()()になっていないと考えるのは些か能天気が過ぎる。あれほどの数と体積量なら、自治区首都圏の一つや二つ、軽く吹き飛ばせるだろう。中央市街地に着弾なんてしてみろ、残留市民は蒸発、建造物の類いは消滅の憂き目に遭うぞ。D.U.の再現が起こるなんて生温い地獄ができあがる。奴さんの行き先が分からん以上、早急に叩く必要がある。――飛行団長殿」

 

 連隊長の言を受け、飛行団司令が数秒苦悩した後、それに頷き基地総司令に顔を向けた。

 

「………承知した。現状アレに対処できるのはファントムチームのみ。彼らに撃墜命令を出す。巌流寺閣下、よろしいですか」

 

「うむ。先にも言うたが…本案件の全責任は儂が取る。あの()()()()()()どもをこれ以上アビドスの空にのさばらせる必要は無いと皆が思っとるのだろう? したらば、やるしかなかろう。ファントムの小僧らは上手くやる。そうじゃろ?」

 

(((“空飛ぶ爪楊枝”…?)))

 

 爪楊枝と呼ぶにはギラつきすぎているし、サイズ感もかなり剥離してるのでは……?

 周囲が脳内で疑問符を浮かべる中、巌流寺基地総司令からのGOサインを受けて覚悟を決めた飛行団司令がインカムでファントム飛行小隊に命令の更新を通達する。

 

「……指令センターよりファントムチームへ。駐留軍司令より射撃許可が降りた。アンノウン改め、“爪楊枝(トゥースピクス)”を即時撃墜せよ…!」

 

 新たな命令を確認した第32飛行小隊は、すぐにフォーメーションを変更。小隊でトゥースピクス全機が有視界に収まるよう、それらの背後を取った。相変わらず、件の爪楊枝らは何ら反応を見せない。

 

『――…ファントム321、命令受諾。空対空誘導弾(サイドワインダー)を使用する。ファントム各機、電探並びに視界情報を戦術共有せよ。その後、目標重複を修正し次第各自判断で射撃開始』

 

 『ファントム322、FOX2!』

  『FOX2、FOX2』

 

―――シュバァアアアアーーーッ!!

 

 4機のF-4Eより繰り出されるは、()()()()()対象を必ず死に至らしめる毒牙を持つガラガラヘビ(サイドワインダー)――AIM-9。赤外線誘導方式を採用した近距離誘導弾だ。

 熱源欺瞞装備を備えない航空目標に対して、それは絶大な必中性を発揮する。

 第32飛行小隊は空飛ぶ銀槍の束目掛け、AIM-9を発射、攻撃を開始。出し惜しみはしなかった。全弾斉射である。

 

『サイドワインダー、目標群に命中を確認』

 

 結果から記すと、短距離空対空誘導弾は“トゥースピクス”を構成する未知の飛行金属塊に全弾命中した。

 炸薬の爆発と金属片、衝撃波を超至近距離で浴びた件の金属塊は――

 

『――“トゥースピクス”、レーダー上にて全て健在。目視でも同様に確認…!』

 

 ファントム321の声が指令センターに響く。再度、指令センターがどよめいた。

 

「誘導弾を受けておきながら、健在だとッ!?」

「ミサイル攻撃を弾くあの装甲の材質は何なのだ!」

「損傷すら見当たらんではないか!!」

「我々は何を相手にしている……!」

 

 青褪めるセンターの幹部たちであったが、更に彼ら彼女らを青褪めさせる事態が映像の向こう側…ファントム飛行小隊の身に起ころうとしていた。

 

『トゥースピクスが、ぶ、()()を開始!数を2倍に――』

 

 ファントム飛行小隊からのあり得ない報告。その途上だった。

 瞬間、センター中央の大モニターからファントム324のパイロットバイタルサインとレーダー反応、機外カメラの映像が一斉に途絶えた。

 

『ファントム324、ロスト!撃墜された模様!!』

 

「いかん! ファントムチームに離脱を――!!」

 

 もう一度指令センターに得体の知れぬ恐怖を含んだ大きなどよめきが走る。

 

「なんということだ…!」

「げ、撃墜ぃ…? そんな馬鹿な…」

「いま…分裂と言ったか?」

「僅かだが映像でアンノウンが()()()ような――」

 

 そうこうしている間に、トゥースピクスによる詳細不明の攻撃を受け、乱戦に持ち込まれ分断…撃墜されていくファントム飛行小隊。

 最後に残った小隊長機の機外カメラには、急激な回避運動を取りながらトゥースピクスの1機に()()()()()()()()にされる僚機――ファントム322の凄惨な最期が映っていた。

 

『ヤツら、戦闘機動を―――』ザッ…

 

 ……そして、ファントム321も彼らの後を追うように、奮戦虚しく多方向から迫ってきたトゥースピクスに貫かれ爆散。パイロットの脱出(リジェクト)は確認できず、即停の判定が下され、空域レーダー上から友軍機を示すマーカーは一掃されてしまった。

 

『第32飛行小隊、全機ロスト――“トゥースピクス”、反応を8から4に減少させ…巡航速度マッハ2.0で西進を再開』

 

 無情な報告が指令センターに響く。あまりに衝撃的な事象を目の当たりにしたことで絶句し座席に沈み込んでいる軍幹部もいた。

 

「32小隊が全滅…3分も経たずに全滅だと…?」

「……やはり、特殊生物か」

「す、すぐに救難ヘリを現地へ――」

「――今度はそのヘリが餌食になるぞ!」

 

 機体の世代こそ古いものの、それを操る航空兵らの技量は決して低くはなかった。一番よく分かっていたのは彼らを育てた飛行団司令だ。

 だが、未知なる特殊生物との前例無き空戦は彼らの敗北という形で終わった。

 

「……32小隊の搭乗員回収は後だ。33小隊の無人戦闘機からなる第二陣を上げ、アビドス校勢力の監視任務に就かせていたゴーストアイに“トゥースピクス”を追跡させる」

 

 ……飛行団司令の空軍少将は手中のインカムを握り潰していた。

 

「むぅ…アカレンガに続き停死者を出してしもうたか…」

 

 カイザーPMCアビドス平和維持駐留軍は、自治区東部空域に出現した未確認飛行物体群“トゥースピクス”の自治区内陸部への進出阻止を実施するも当該群の反撃に遭い失敗。

 事後対応に苦戦する中、“トゥースピクス”西進をただ見ていることしかできなかった……。

 

 

 

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―――時は、PMC空軍のスクランブル機全滅直後より数分後。

 

 

 

「………いつまで私たちのこと追っかけてくるんだろうね、あの偵察機(ファントム)

 

 シロコが高機動車助手席の車窓から空を見上げる。カタカタヘルメット団前哨基地より出発してからも、カイザーの戦術偵察機からミライと対策委員会は監視されていた。

 

「私たちが学校に戻るまでじゃないでしょうか…?」

「まるでパパラッチだねぇ。カイザーも悪趣味だぁ〜」

「ずっとジェットの爆音が上から聞こえてて、いい加減キレそうなんだけど…獣耳は繊細で敏感なのよ!!」

 

 対策委員会は高機動車二輌の内一輌――アヤネ運転の機動車側に全員搭乗しており、ミライはアジトの戦利品たちを目一杯乗せて走行しているが、両車の車間距離はそれほど離れておらず、尚且つ全員が戦闘用インカムを装着しているので自由に会話ができていた。

 

 ただ、ハエのようにネチっこく引っ付いてきている上空のRF-4に皆がウンザリしていた。

 そこでミライが一つの案を思い付いた。

 

「……シッテムの箱で通信の内容を聞いてみようか。彼らの狙いが分かるかもしれない。――アロナちゃん、頼めるかな?」

 

 思い付いた、というよりは思い出したと言う方が正しい。

 “G事変(ゴメス・ショック)”の際、アロナがついで感覚で行なったヴァルキューレの無許可航空無線傍受や、“G2事案(ゲスラ・アタック)”での港湾防衛勢力の無線仲介及び検閲…ミライはそれを覚えていた。

 無線帯や機種、規格の違いすら、彼女とシッテムの箱にとっては大した障害にならない。

 

『合点承知の助です!カイザーPMCの軍用無線を捕まえてみます!』

「お願いするね」

 

 恐らく、解析完了まで10秒もいらないだろう。

 

「シッテム…そのタブレットでカイザーの通信を傍受…できるのですか?」

「うん。シッテムの()()()さんはとっても優秀なんだ」

 

 並走する高機動車越しでアヤネの問いにミライは笑顔で応えた。彼女が並走しているもう一輌の機動車の運転手である。

 そうこうしてる内に、アロナがカイザーPMC偵察機の航空無線を掌握した。これで受け手であるRF-4とその司令部のやりとりが分かる筈だ。

 

『―――トアイ了解。こ――り“トゥースピ―――観測へ移る。―――レーダーに感あり。後方より高速接近する未確認機反応……コレが“トゥースピクス”か?』

『パゴダ・コントロールよりゴーストアイ、当該目標から距離を取れ。接触は回避せよ。こちらから仕掛けるな』

『…“トゥースピクス”は本機との衝突コースを取っている。こちらに合わせ軌道を都度修正している模様。衝突回避は困難……これより自衛戦闘を――』

 

 傍受内容から、ゴーストアイ――RF-4はこちらに接近しつつある何らかの航空目標“トゥースピクス”との接触を避けようとしていたが、どうやらそれがたった今不可能になりやむなく交戦するようである。

 

『―――FOX2…!』

 

 ―――バシュッ!

 

 RF-4は機首をミライ達と同じ__中央市街地方面の__西から東へと急速反転させる同時に、翼下にぶら下げていた空対空誘導弾を東の空へ発射した。

 

「ファントムが撃った―――あれは」

 

 その時、ミライは東の空に輝く何かを確かに見た。

 

『ミライ先生、後方上空から未確認の反応を複数検知しました!おそらくは、これが“トゥースピクス”かと!対象の速度は……ま、マッハ3.0です!!』

 

 アロナの緊急報告を聞き、目を凝らして輝いた何かを探そうとしたが、しかしそれは不要だった。

 何せその輝きの正体…“トゥースピクス”が――空飛ぶ4本の巨大な銀槍が、戦術偵察機が放った誘導弾を回避し、離脱コースに入っていた同機に殺到、そしてそれを容赦なく穿ったからだ。

 

「……あれは、無人機の動きじゃない」

 

―――()()だ。

 

 そう直感したミライの眼前で、偵察機を串刺しにして爆散させた“トゥースピクス”は編隊を組み直し、ソニックブームを生じさせながら急上昇していく。

 

「何よ、今の槍みたいなヤツらは!?」

「カイザーの偵察機があんな簡単に…」

「…どう考えても味方ではないよね」

「あっという間に見えなくなりました…!」

 

 目の良いセリカ、シロコ、ホシノ、そして手製双眼鏡(指メガネ)を使ったノノミの四名は揺れる車上であっても、浮遊する銀の巨槍の群れ――“トゥースピクス”の超音速機動を目で追えていた。故にその不可解な形状と挙動に困惑しかできなかった。

 

「あの光沢は金属の、非有機物のそれのようでしたが…生体反応を感知しました!!」

 

 タブレット端末で辛うじて未確認飛行物体“トゥースピクス”の姿を捉えたアヤネが、彼女が独学で作成した__カメラアプリと連動する__多目的解析ソフトを介して即座に同物体を調べ上げた。その結果、信じられぬことだが()()()が生命体であるという解に辿り着いた。

 

「“金属生命体”、か…!」

 

 ミライ(メビウス)にも覚えがあった。

 

「「「金属生命体?」」」

 

 対策委員会の面々の声が重なる。

 

 ……金属生命体とは、「超常的エネルギーを行使する未知かつ極小の思考性宇宙金属が無数に集まった擬似的生命体」のことを主に指す。

 

 群体――集合体は、思考傾向の似通った個体で必ず構成され、その中から無作為に選出された、“核”……即ち()となる個体を中心にして群体(かたまり)を形成し、一個の生命のように振る舞う。

 ()()する核個体が多ければ多いほど集合体は巨大化し、複雑な思考や変形ができるようになる…とされている。

 

 増繁殖のメカニズムや保有する性質など…生態の大部分が未だ謎に包まれている種族なのである。

 

(あれほどのサイズにまで成長した独立集合体が4体も…しかもそれに加えて、集合体同士で更に群れを成して()()紛いのコトをしてるなんて)

 

 ―――と、ここまで長々しく記したが、要はそれ以上のことは何も判明していないということだ。金属生命体は、ミライの基幹宇宙では時空災害“ギャラクシークライシス”後に何度か目撃例が宇宙各地から挙がったが、遭遇事案は無く、彼にとっても金属生命体とは知識のみの存在だった。

 恐らく、アロナがGUYSアーカイブドキュメントに検索を掛けているかもしれないが、同種族…または類似種族は見つからないだろう。

 

『――反応が中空で一つになりました! 対象、そのまま降下してきます!落着予想地点は………高機動車(こちら)の前方至近ですっ!』

 

「!――アヤネちゃん、右ハンドル!!」

「は、はいッ!!」

 

 上空の様子を確かめる間もなく、ミライはアロナの言葉を聞きインカム――アヤネに叫んだ。

 ミライが左、その短い指示を聞き逃さなかったアヤネが右に、急ハンドルを切った。

 

―――ズズゥウウウウーーーンッ!!!

 

 その1秒後、彼ら彼女らの前に銀のヒトガタが落着した。

 砂漠の大地が激震し、同時に生じた轟音はその場に居合わせた者達の聴力を没収し、悲鳴を上げることすら許さない。

 捲れ上がる砂の絨毯、降り注ぐ砂岩塊。アヤネとミライは気合いで意識を保ちながら、致命的な落下物の尽くを回避するという高度なドライビングテクニックを魅せた。

 

「…アヤネちゃん、そっちは皆んな大丈夫!?」

「こ、こちらアヤネ。なんとか全員無事です! ……シロコ先輩とセリカちゃんが軽く舌を噛んだとのことですが…」

 

 対策委員会に動けぬ負傷者が発生しなかったことを安堵するのはまだ早い。

 

 揺れが収まり、宙に舞う砂塵が少なくなっていくにつれ、落着した巨大な人型物体の全貌が露わになっていく。

 

『落着した人型存在――“トゥースピクス”の全身より顕著な金属反応並びに熱源反応を確認! この数値は…大型怪獣レベルに匹敵します!』

 

()()、したのか」

 

『ドキュメントに該当する種族無し…ゲードスと同じ未知の怪獣種のようですっ!』

 

 集合体トゥースピクス…金属生命体アパテーは、落着の衝撃を少しでも和らげるためにとった防御体勢を解き、ミライと対策委員会メンバーを見下ろしながら二本の脚でアビドス砂漠の大地に立った。

 

 

 

―――パォオオオオオオッ!

 

 

 

 岐佐(ゾウ)の如き大咆哮を轟かせるアパテー。されどその姿は、原典世界(ガイアスペース)のそれとは僅かながら似て非なる。

 

 頭部は原典同様、中世西洋甲冑…板金鎧(プレートアーマー)のアーメットを想起させるものだが、眼部が乳白色のモノアイから原典における金属生命第二群体アルギュロスに近い横一文字のバイザーアイとなっている。

 

 また、胸部中央の発光結晶体はガイアのライフゲージではなく、メビウスのカラータイマー然とした菱形をしており、同結晶体は爛々と深紅の輝きを放ち、身体の各所には胸部から走る血が滲んだような深い赤のラインが刻み込まれていた。

 

(まるで僕の…メビウスの姿を、真似てるような――)

 

 アパテーは自身の左右足下に分かれて停車している高機動車をそれぞれ一瞥した後、突如不動の姿勢を崩した。

 左手首の“鞘”に右手を添えたかと思えば、その添え手をミライが乗る高機動車へと差し伸べた。――次にそこから奔ったのは閃光と鏃状の高速光弾だった。

 

『ミライ先生!!』

 

 アパテーが動き始め、アロナが叫ぶ直前に、ミライは直感的にアクセルペダルを踏み抜いていた。その拍子に、開けっ放しであった運転席車窓から、ミライの着けていたアビドス製戦術インカムが離れ落ちる。されどもそれを気にしてはられない。

 先ほどまで機動車があった地点が派手に爆ぜた。至近着弾の炸裂余波で車体が大きく跳ねる…がひっくり返ることは無い。

 出せ得る限りのスピードを出し、次から次に飛んでくる光弾を紙一重で避けていく。アパテーはミライの高機動車を標的としたようだ。もう片方の――アビドス生徒たちの乗る高機動車には目もくれない。それならそれで好都合。今のうちに少しでも彼女たちからこの金属生命体を離しておきたい。

 

(……そうか、金属生命体の()()は僕なんだ)

 

 あのメビウスを基にしたような姿への変形(変身)と彼に対するこの執拗さから、ミライはそのように察していた。

 何らかの意思の下、金属生命体はメビウスを狙っている…と考え至る。

 しかしその間もアパテーによる対地光撃の激しさが緩む気配は無い。起伏の少ない砂だらけの平地にいる限りこの追撃は受け続けることになるだろう。

 

 マケット怪獣を投入するべきか――?

 

 アビドス出張(遠征)中…厳密には、安定した分子ミスト供給環境の無い土地でのマケットカプセルは可能な限り温存しておきたいというのが本音である。

 ポータブル補給器はカプセル3個分の分子ミストを充填・貯蔵してあるが、既にゼットンを投入したこともある。まだまだ先の見えないこの遠征で「不測の事態」に対する切り札の択は多い状態をキープしていた方が良かった。

 

(……違う。今回は、僕が行くべきだ)

 

 尤も、ミライ自身が倒れると元も子もない…が、逆にミライが直接迎え撃たない場合、アパテーが何をしですか分かったものでなかった。

 その行動は、最善ではなく相手の思惑に乗るものと同義かもしれない。メビウスという戦力の温存を図るべきなのかもしれない。

 そう考えると悪手だと思えた。しかしながら…

 

(相手がソレを望むなら――受けて立つ)

 

 その時、一発の高速光弾がHMVを射抜かんと迫る。直撃コースだった。方向転換や減速増速による緊急回避も間に合わない。

 ミライは意を決し、助手席に置いていたシッテムの箱を抱えて高機動車から素早く跳んだ。

 

 

 

「メビュウーースッ!!!」

 

 

 

 HMVの車体後部に光弾が直撃、炸裂した。

 自身の背後で発生した光弾と車輌の爆発を知覚するよりも先、彼は中空にて左腕を天へ掲げ…爆音にも負けぬ声量で己の“真名”を叫ぶと、劇しい輝きに包み込まれた。

 

 それと同時に、蒼空の彼方より一本の光柱がアビドス砂漠に突き刺さる。

 

「あの光…もしかして――」

 

 陰ることのない希望の炎が生み出すのは、無限の光。不可能を可能にする奇跡の絆――その源泉である。

 不朽の想いを胸に、アビドスに現るるは、我らの“ヒーロー”。

 

 明色の光の柱がその形を徐々に崩壊していき、その中から“神秘”の光で形作られた赤と銀のヒトガタが現れる。少女たちがそれを見上げて声を上げた。

 

「「「―――ウルトラマン!!」」」

 

 

 

――――セアッ!!

 

 

 

 少女たちの言葉に強く応えるかのように雄々しい掛け声を上げ、ファイティングポーズを構えるのは、キヴォトスにおいて三度目の顕現を果たした光の巨人――ウルトラマンメビウス。

 その瞳は勇愛の心を宿したアイボリー、胸部にある菱形の発光器官カラータイマーは、母なる星の空と海が如きホライゾンブルーの輝きを放っている。

 万全(フルパワー)とは言えないが、ゴメス、ゲスラ及びゲードス戦における疲労の色は微塵も無い。しかしながら油断は禁物だと自覚もしている。

 

 

 

―――バォオオオン!!

 

 

 

 対するアパテー。メビウスに合わせて、ギクシャクした非生物的な動作を経てファイティングポーズを取り、咆哮する。赤の巨人の眼光に怯むことはない。

 

 相対する光の巨人と鋼の巨人。先に動いたのはアパテーだった。僅か一秒で倒れんばかりの前傾姿勢に移行し、鎧われた銀脚を前へと踏み出した。

 それを見たメビウスもまた遅れず、真正面から迎え撃たんと疾走する。

 

 

 

 ………両者の激突は、まず拳から始まった。

 

 

 





 あと
 がき

 皆様、わっぴ〜!(気さくな挨拶)
 天井でコノカとニコをお迎えし、『P ウルトラマンメビウス』で2.1万勝って2万負けた投稿者(逃げるレッド)です。

 新PV、怒涛の情報量で大横転。
 ヴァルキューレに消防局があったのかぁ…!とか、FOX小隊待望の実装、オデュッセイア、推定新規ゲマトリアメンバー………………これまたとんでもないことが起こりそうな予感がするな…そう思うよね、スティンガー君?
 
 取り敢えず弊作世界線のキヴォトスでの消防救急業務は、メイン担当がオリ学園の“バックドラフト救急消学校”で、サブ担当が(指揮系統の違いや縄張り意識により誕生した)ヴァルキューレ“消防局”の二勢力で回している……ということでよろしくお願い致します。

 ……今だと機銃とか機関砲の発射符号って“FOX3”じゃなく“GUNS”×3 が一般的なんですね。『GATE』などからこういった軍事系符号に興味持ち始めたんですが、まさかもう違うなんて…
 弊作ではFOX3のままで行きます。あと何回使うか分からないですケド……

 今回、どこで話を切るか迷ってまたしても対戦開始のところで次回に…まあ途中で怪獣絡みの話ガッツリ突っ込むとこうなるよね。アカレンガ編で学んだ筈なんすけどね…サブタイ詐欺までしてるという。
 次回は恐らく巨大プロレス決着までと現状確認回になりそう。ファウストも黒服の登場もまだまだ先なのだ。
 今回の与太解説はカイザーPMC祭りです。ちょっと長いので、すっ飛ばしたい方はすっ飛ばしてもOKですわよ。

 
 
 ※毎度お馴染みピックアップ解説コーナー
 (独自設定独自解釈共にもりもり)

◯カイザーPMC全軍の保有兵力について
 陸海空の典型的三軍構成を軸とし、コーポ(グループ)本社ではなくPMC本社総司令部がそれらを操る。研究開発や諜報といった独立部門も持つ。
 最高指揮官はPMC理事。
 カイザーコープの主力――常備軍的立ち位置にあり、グループ会社の所有インフラや人員の生命財産の守護、カイザーとその他勢力の武力衝突等での対応や自社製兵器の販売などを主な生業としており、社名に「PMC」とあるものの傭兵業は二の字となっている。
 また、カイザーPMC本社総司令部直轄の…()()()()()()()――複数の陸海空統合部隊を抱える“大陸戦略軍”なるものも存在する。
 
 陸軍は4個の増強師団とそれに付随する4個のヘリコプター連隊を有し、各師団はそれぞれ3個連隊…各ヘリ連隊は3個ヘリ大隊に分割・配置されている。
 第1師団は主にゲヘナ(及び百鬼夜行・アビドス)方面、
 第2師団は主にトリニティ(及びワイルドハント)方面、
 第3師団はミレニアム方面、
 第4師団は主にレッドウィンター(及び山海経)方面、
 ――の防備を任されている。

 空軍は4個の航空軍団を有し、軍団は3個飛行団に分割・運用している。また陸軍同様、軍団毎にそれぞれ主要学園自治区方面の防備を任されている。
 近年は無人機の配備が急速に進んでいる。

 海軍は三軍において最も規模が小さく、3個戦闘艦隊のみと少ない。
 …基本的にキヴォトス内陸有事の際に陸空軍を水上より支援するという名目で創設されたため、どの保有艦艇にも外洋遠征能力は無く、陸空軍で殆どの案件を解決できることが多くここ数年出撃機会は皆無であったので、専らカイザー系列の海運企業船舶の護衛に就くか借用している官民港で浮き砲台と化しているのが現状。なお保有艦艇はほぼ最新鋭艦と近代化改修艦で占められており、フネの質自体は申し分無かったりする。
 因みに勇敢(無謀)にも仮想敵をトリニティ生徒会立海軍(グローリー・ネイビー)やゲヘナ風紀委員会沿岸警備隊、ヴァルキューレ海警局、そしてオデュッセイア海護部としている。

 アビドスの基地だけにしか戦力無いはおかしな話だよな、巨大グループの大企業だもんな、とか考えながら規模を捏造しました。

◯カイザーPMC第113前線基地の保有戦力
 (※後方支援系部隊は一部省略)
 ▼アビドス派遣任務部隊(平和維持駐留軍)
  >陸軍第1師団 第13連隊
   ->第1戦車大隊(※タイガー所属)
   ->第2歩兵大隊
   ->第3砲兵大隊
   ->対D(デカグラマトン)特殊大隊
    -->第41歩行戦車(ダンタル)中隊 等…
  >陸軍第1ヘリコプター連隊
   ->第3ヘリコプター大隊
    -->第1攻撃ヘリコプター中隊
    -->第2輸送ヘリコプター中隊
    -->第3偵察ヘリコプター小隊
    -->第4特別輸送ヘリコプター小隊
  >陸軍アビドス鉄道軍
   
  >空軍第1航空軍団 第13飛行団
   ->第1攻撃飛行中隊(※ガイアール所属)
   ->第2戦闘飛行中隊(※トリーヴァ所属)
   ->第3戦闘飛行中隊(※ヘブンズ×/ジョーカー所属)
  >空軍ゲヘナ方面高射群
   ->第3高射隊
  >空軍航空支援群 第1輸送航空隊
   ->第103輸送飛行中隊
  >空軍警戒救難群
   ->第904飛行中隊
    -->偵察飛行小隊(※ゴーストアイ所属)
    -->警戒飛行小隊(※KJ(空警)-700所属)
    -->救難ヘリ小隊

◯カイザーPMC 113基地総司令官 巌流寺(ガンリュウジ)上級大将
 弊作“独自設定”タグにより爆誕したカイザー側オリジナル準ネームドキャラ第三号。ロボット族男性であり、外界派兵任務への従軍経験等を持つ定年退職間際の古参老兵。所属は陸軍。
 アビドス統合基地の最高責任者と基地駐留軍陸空全部隊の最高指揮官を兼任する。
 
 立派な天然(ナチュラル)カイゼル髭を生やしており、ガタイの良さはPMC理事に勝る。
 義理堅く、些細なことは気にせずガハハダハハと笑い飛ばす明朗快活さが特徴の御仁であり、現場第一主義者ゆえに横紙破り常習犯でもある。
 部下や本社役員幹部の中に彼を止められる者はおらず、教え子であるPMC理事か鳥丸補佐官以外ではどうにもならない。しかしながら、そういった性格や確かな経歴を持つ人物なため、上は将官、下は訓練兵まで…彼を慕う社員(兵士)は多く、PMC三軍の中でもかなりの影響力を有している。

 参考キャラクターは『ワンピース』の“モンキー・D・ガープ”海軍中将。

◯カイザーPMC 戦略総合技術研究局(SGTL)
 主に“戦総研”、“戦技研”と呼称されるカイザーPMCが独自に抱える軍事系研究開発部門。“第66実験基地”を拠点に活動している。
 歩行戦車(パワーローダー)やそれの始祖となった装甲歩兵用強化外骨格の他、電磁投射砲(レールガン)、対神秘防護障壁、軍用(コンバット)オートマタ、NBCM特殊武器などを開発、運用研究を行なっている。
 …ミレニアムサイエンススクールを勝手にライバル視している節がある。

 捏造したカイザーPMCオリジナル組織。参考元にした研究機関はウルトラシリーズと他作品の闇鍋です。……『エルフェンリート』とか『ハカイジュウ』っていいよね。
 
◯金属生命体 アパテー
 TDG平成三部作――『ウルトラマンガイア』の最序盤に登場した、西洋鎧を彷彿とさせる姿の非有機宇宙怪獣。一部媒体では“奇獣(ガンQ)”らと並び、ガイア怪獣の()として扱われることもあるほどの人気怪獣である。
 
 別名の通り、意思を持つ知的金属が集合して一つの生命体のように振る舞う存在…の一種。恐らく、性質が似通った思考金属類同士が結集・融合し“群れる”ことで、「金属生命体」となっている。同じ環境に存在する強力な他種生命体を模倣し、それに変身し成り代わることで生存競争に打ち勝ってきた。
 原作ガイアで増殖や同化が描かれなかったのは、単純に地球産金属が思考能力を持つ同胞でなかったからかもしれない。また、人型形態でのガイア撃破に拘っていたのも、上記予想の生存戦略からきていたものだと思われる。

 意思を有している特異性から“念動力”とも呼べる能力を会得している。これの対象を自身らに適用することによって自走、浮遊、変形、融合を可能にしている。
 群れを形成する思考金属が増えれば増えるほど、知能指数や外殻硬度、念動力の強度が高くなるとされる。

 ガイアスペースの個体は宇宙からウルトラマンガイアの情報を掴み、地球へ襲来。防衛チーム“XIG”航空部隊の迎撃を悠々さばき、事前に得たガイアのデータを基にして人型形態へ変形してそのままガイアと交戦。実戦経験の浅いガイア相手に優位に立ち回るが、必殺光線“クァンタムストリーム”の直撃を受ける。
 …されど殲滅にまでは至らず満身創痍のガイアを追い詰めるも、突然現れた青いウルトラマン――アグルが放った伸縮破壊光刃“フォトンクラッシャー”を喰らって今度こそ撃破された。


 
 多分、メビウスアーカイブの対策委員会編は、EDがガイア前期ED『Lovin' You Lovin' Me』になるんだ…俺は知ってるぜ。……ホシノ先輩のイメージソングでも良いなぁ(何度も頷く)
 一応OPは変わらず『ウルトラマンメビウス』かなと。

 ここすき、しおり、お気に入り登録、感想、誤字報告、いつも大感謝です。

 今後もメビウスアーカイブをよろしくお願いします。

 
 
_______
 
 次回
 予告

 砂塵漂うアビドス砂漠にて対峙するメビウスとアパテー。

 激戦のその先に待つのは、メビウスの勝利か、それとも敗北か―――?

 

 次回、メビウスアーカイブ
 【熱砂の剣戟】
 
 お楽しみに。
 
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