ミリしらアーカイブ   作:こまごめピペット

11 / 27
お待たせー


ムツキングとカヨコンブ

「オラァ!」

「金持ってんだろぉ?」

「ジャンプしな!」

「ひえぇ!!」

 

 黒マスクにバッテンのステッカー。1人露出の多い子もいるが如何にも昭和から出て来た様なスケバン達が、白昼堂々と一般人? の犬にカツアゲをしていた。

 

 明らかに治安が悪い。

 獲物は銃のようなもの。

 おもちゃやモデルガンだとも思ったが、彼女らは平気で天に撃ち、それが実包の入った本物の銃である事を証明していた。

 

 カタカタと震えながら怯える住人達の姿を見て、カヨコがため息をついた。

 

「……キヴォトスの危機を救っても、人はあんまり変わらないね」

「救ったからこそ、変わらない生活が出来るんじゃなぁーい?」

「言えてる……」

 

「キヴォトスの危機……」

 

 カヨコとムツキがそうやり取りし、気になった言葉を記す中、脅しは続いており住人達は私達の方に向かって助けを求めるような視線を向けてくる。

 そしてその視線をなぞる様に、彼女らは私達の方に視線を向けた。

 

「あ?」

「何見てんだコラ」

「あぁん? あいつ銃持ってないんじゃない?」

 

 私たちに銃を向け、凄む彼女達。

 私は刺激しないようそっと手を上げ降参の意を示すが、横の2人は穏便に済ませる気は無いらしい……。

 

「はぁ……ムツキ……」

「はいはーい! 喰らえ〜っ!」

「えっ……」

 

 呆気にとられる私を他所にムツキは勢い良く自分のカバンをスケバンに投げつけた

 

「うおっ!」

「何っ!?」

「こっち! ホムラ!」

「えっ?!」

 

 カヨコに腕を引っ張られ、物陰に引きづり込まれた瞬間

 

「バーン!」

 

 一瞬、サングラス越しに真っ白に視界が覆われ、遅れてムツキの声をもかき消す轟音。そして熱。

 

「! あっつ……! な、何?!」

「あれで倒れてれくれたら良いけど……」

 

 そっと物陰から顔を出し、様子を伺うと、立ち込める粉塵の中、3人の内2人が倒れていた。

 そして残りの1人はというと、ふらりふらりと体が揺れ、やがて倒れた。

 

 ……死んだ? 死んじゃったのか……? 

 爆音で驚き、抜けた腰で這いずりながら倒れたスケバンに近付き、生死を確認する。

 

 ……脈拍はある。大した傷もない……。

 あれだけの爆発? を食らって怪我もない。

 あ、一般人も倒れてる……呼吸はあるし問題無さげ……。

 

「大丈夫? ホムラ」

「あぁ、ごめん……驚いちゃって……」

 

 カヨコの手を借り、何とか立ち上がる。

 

「カヨコ……あれって……」

「……うん。爆弾詰め込んでる」

「爆弾……」

 

 ムツキのカバンには爆弾が詰められそれが爆発して尚怪我すらない。

 分からない。物理に反している。

 何が原因だ? 怪我をしない……けれど銃を用いる。言わば水鉄砲を撃ち合っているのと同じなのでは……? 

 けれど気絶はしているから衝撃は入っているのか……? 

 

 うーん……気になる……知りたい……。

 

「……ムラ、おーいホムラ。行くよ」

 

 未だ爆音から慣れない耳がカヨコの声を聞き取り、思考の海から引き上げられた。

 気付けば2人とも逃げる様に先に進んでいた。

 

「え、このまま置いて行くんですか?」

「早くと離れないとカイザーとか来ちゃうよ〜!」

 

 カイザー? ……とりあえず言われた通りこの場を離れ、カヨコとムツキに置いていかれないように急いで付いて行き、この場を離れた。

 

 ……本当に彼女たちについて行って良かったのだろうか。

 

 

 

 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ━━━━━━━━━━━━━━━

 ━━━━━━━━

 ━━

 

 

 

「……ここまで来れば大丈夫でしょ」

「クフフ〜楽しかった〜」

「ふぅ……」

 

 とりあえず一息付いただろうか。

 目に見える建物は廃墟みが増してきている。

 風が強い、飛んで来る砂が口に入りジャリジャリして気持ち悪い。

 スマホを取り出して、地図アプリを開いた。

 道や建物は映らず真っ白になってデータを読み込んでいる。

 

「あ……電波が……」

「……そう言う事」

「ちょっと待ってねぇ、たしかコンパスと地図が……」

 

 ガサゴソと荷物を漁るムツキを横目に、貧弱な一本線で辛うじて届いたホシノさんからのモモトークを開いた。

 

『大丈夫? 事故とかに巻き込まれてない? 今から迎えに行くから』

 

 その文字と共に住所が添えられていた。

 

「……あの、ムツキさん。この辺って分かりますか? この住所」

 

 スマホを見せると、ムツキは地図を開き、ジィっと眺めてある場所を指した

 

「うんうん〜この辺かなー?」

「とりあえずその人に引き渡せば大丈夫そうだね」

「すいません……。ありがとうございます……」

「私達が勝手に付いてきただけだし」

「そうそう! それにホムラは私達が守らなきゃだしね!」

「え、あ……ありがとうございます……」

 

 カヨコとムツキにお礼を言い、2人と共にモモトークの地図を頼りに目的地まで歩く事にした。

 

 

 ━━━ ━━━ ━━━

 

 

 何事も無く送られた住所にやって来れた。段々と日が照ってきて暑くなる。

 焼けそうだ……

 

「この辺だけど……」

「なんにも無いねぇ〜」

 

 人の気配など無く、静かに風化していく建物達。

 今更だが、こんな砂漠には向いていない日本家屋ばかりで不思議な感覚になる。

 そんな事を考えながら3人で待っていると、ギラギラと照らす日を遮り何かが降ってきた。

 

「なに……?」

 

 ムツキとカヨコは何事かと銃を構え警戒する。

 その後ろに下がり砂埃を巻き上げた人物を視認しようと目を細めた。

 砂埃が徐々に晴れる頃、そこには無機質で硬そうな大きな盾。

 その後ろから見えるピンク色の髪。

 

「いやぁ〜待ったぁ……?」

 

 そして間延びしたこの声。

 

「ホシノさん……」

 

 チラリと盾から顔を出して此方を伺ってくる。

 

「凄い登場の仕方だね〜」

「目に砂入った……」

 

 2人とも銃を下ろし、警戒を解いた。

 

「あはは〜ごめんねぇ遠目だと誰かわかんなかったからさぁ〜」

 

 盾を折り畳むホシノさん

 髪を纏めてたり、制服の上から黒いやつをつけてたりと、重装備そうに見える。カッコイイ……。

 

「それで、2人はなんでここに居るのかなぁ〜?」

「見覚えのある制服でね〜、困ってそうだから道案内って感じ〜♡」

「銃も持ってないし、無用心だからね……」

「あちゃー……助かったよぉ〜」

「クフフ〜カツアゲにもあったしね〜」

「そうなんだ、怪我はない?」

 

 ホシノさんは心配そうにそっと近づいてきて、私の顔を覗き込む。

 その声質は少し硬く感じた。

 

「えぇ、一応無事です……」

「それなら良かったぁ……」

 

 そしてまたふにゃりと顔を緩める。

 

「じゃぁ、確かに送ったね。帰るよムツキ」

「待って〜ホムラちゃん、モモトーク交換しよ〜?」

「あ、良いですよ」

 

 ホワイトガールズ達とモモトークを交換した後、彼女らを見送り私達はアビドスへ向かう。




「そのサングラス似合ってるねぇ〜」
「何となくで選んだんですけど、なんか胡散臭い雰囲気しませんか?」
「うーん……確かに〜」

銃何使うか決めてねぇや……

  • AR
  • SR
  • HG
  • SMG!
  • MG
  • SG!
  • GL
  • MT
  • RG
  • RL
  • FT
  • お前 近接でいいんじゃない?
  • 何も持たなくて良いよ……
  • グレネェード!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。