朝からお昼寝? をカマして正午前、対策委員会教室でバイトをしている1人を除いて皆が集まった。
というか集まる場所がここしかない。
皆に醜態を晒した事を謝りつつ、ホシノさんにも伝えたカバーストーリー「虚弱体質の恩返し」*1を伝えた。
このせいで興味を引いたこの子達がこっそり見て来たらヤバいかな……。
パンパンとホシノは軽く手を叩き、会話を打ち切りこちらを見るよう促した。
「という訳で、あのシェルターに行こう~」
ホワイトボードをドンと叩き、目線より低めの文字には『シェルター内物資回収作戦』と丸みを帯びた文字で書かれていた。
「作戦……!」
「ど、どういう訳ですか……?」
如何にもな文字に惹かれるシロコと訳も分からず動揺を隠せないアヤネ。
端的過ぎるあまり何も伝わっていないから流石に補足せねば……。
私は立ち上がり、咳払いをして話し始めた。
「僭越ながら私から……えー……私が見つかったあのシェルターにはかなりの資材が眠っています。あまり大きい物は運べませんが……。
それらを回収し、借金返済へ。それに常日頃から我々に心を砕いて下さっている先生に、僅かですが御礼したく、回収した何割かを先生に譲渡するという形で、ホシノさんへ提案致しました」
「……な、なるほど」
どうやら納得はしたらしい。
「先生に譲渡するものはある程度目星は付いていますのでお気になさらず。このアビドスの資金になる様なモノを探索し、探す形になります」
「ん、ある意味強盗……!」
「この場合は持ち主? が同意しているので提供ですかね〜?」
表情には出ないが狐の様な耳が何時にもなく真っ直ぐ立っていた。
シロコちゃんはこういうのが好きらしい。
「ん、ラーメン食べて早く行こう」
「ついでにセリカちゃんにも話しとこっか〜」
「そうですね」
ん? どういうついでだろうか……何の因果関係があるかはあまり分からないが……腹ごしらえには丁度いい時間だ。
カップ麺は普通だったが、この世界のラーメン屋はどんなものだろうか……女の子多いしさっぱりとか、やはりムースとか人気なイメージがあるが……。
◇◇◇
アビドスの皆に連れられ、ラーメン屋柴関にやって来た……というか探した。
柴犬の獣人がラーメン屋をやっている事には驚かない……あぁ、もちろん普通に仕事をしているのは分かる。任侠風味を醸し出す煙管を咥えた大将の柴犬にも驚きはしない……。
柴関ラーメン……すんごい二郎系だ……!
女の子ばっかなのに……!
今まで見たちゃんとラーメン食べられそうなの9割女の子なのに……!
すごいな……後で胃薬飲んどこ……。
しかしまぁ……
「セリカちゃん……こんな所でバイトしてたんだ……」
「なんでホムラ先輩連れて来ちゃたんですか!」
「まぁまぁ、そう怒んないでよ〜、遅かれ早かれ此処に来たと思うしさ〜」
「心の準備って物がぁ……」
へにゃりと垂れる黒い耳に尻尾。
……いいなぁ、可愛くて。触りたくなる。
「ん、気にしないで早く食べよう。のびる」
「そうですね~☆」
ホカホカと湯気を立てるラーメンの白濁としたスープを1口含む。
豚骨の濃厚な旨みスープ。
これぞ、というくらいのジャンキーな口当たり。醤油や豚の脂身の甘さ、ガツンとくるニンニクを感じる。
太めのちぢれ麺を啜れば、歯応えのある麺から出る小麦の風味が鼻に抜け……良くスープと絡む。
玉子は出汁醤油の染みたゆで卵。
豚は厚みがあってホロホロと崩れるほど柔らかかった。
「美味しい……」
自然と感嘆の声とが溢れた。
食べ応えのある麺を啜り、こってりと1杯の丼の中いっぱいに入ったボリュームを胃袋へと落とす。
この満足感で580円とはなかなかに攻めた金額だな……。
「ご馳走様でした……」
「ん、美味しかった」
「おう、いい食べっぷりだったじゃねぇか。また来な!」
席を立ち暖簾を捲ると、ピンクっぽい髪をした女性と目があった。
如何にも強そうな風貌だ。
出るとこは出ていて綺麗な身体付きで凄く悪役令嬢みたいだ。
ノノミさんも大概か……
というか……なんか見覚えがあるな……
「おぉ〜久しぶりだねアルちゃん」
「え、えぇ、久しぶりね、アビドス校の皆さん」
うーん……誰だったかなぁ……
「ん、アルもラーメン食べに?」
「まぁそんな所かしら、仕事が上手く行ったから、皆で打ち上げする為にね」
「にしてはみんな居ないけど……」
あっ! 思い出した! CMでよく見たえっと確か……
「便利屋69?」
「えっ、?」
拍子抜けた様な表情のアルと呼ばれた女性。
ん? 違ったかな?
「68! 便利屋68よ!」
すかさず訂正してきたアルさんに頭を下げて謝る。
……よくよく考えてみれば69は、流石に違うな……
「あはは〜ごめんねぇアルちゃん、この子す〜ぐ混乱しちゃうんだぁ〜」
ホシノさんが私を突っつき弄って来る。
ちょっくすぐったいっ、ふぐっ!
「え、えぇ……問題無いわ。便利屋の名も拡がってる証拠ね!」
ニッコリと後光の差す様な笑みを見せてくれる。
うっ、眩しっ……ぐっ、あいたっ。
「ん、早く行こう、ラーメン美味しかった」
「あいよ」
華奢そうな少女には似合わない腕力で、腕をを引っ張られズルズルと引きずられていく。
「失礼致します~……」
「またねぇ~アルちゃん」
「それでは〜」
「え、えぇ……」
凄く気まずいインプレッションだった……。
◇◇◇
腹ごしらえが済んだ私達は学校に戻り、ヘリに乗り込んだ。
荒廃し、砂で埋もれた街を見下ろし、昔はこうだったんじゃないか、なんて空想しながら、目的のハッチまで向かう。
オレが目覚めたあの大きいクレーターを目印にしていたが、もう砂嵐で埋められていた。
大人しくスマホのデジタルマップで元いた座標へ向かった。
「ふぅ……えーっと……この辺に……」
足で砂の地面を探り、金属板の様な感触のモノを見つけた。
「あ、皆さん! ありました」
「おぉ、早いねぇ」
「早速開けましょう〜☆」
「コンテナを上げるためのロープを設置しますね」
「ん、私も手伝う」
この前見つけたパネルを起動させ、手のひらで、ハッチの鍵を解錠する。
ガチャりといい音が鳴ると同時に鉄の扉は電動で開き始めた。
やはり秘密基地感があって凄いかっこいい……惚れ惚れするよ。
深い縦穴を梯子伝いに降りて行く。それに続きホシノさん達も着いてくる。
ん……上を見上げるのはよそう……
下まで降りれば、懐かしいとすら感じる機械達が待っていた。
勿論あの3Dプリンターも。
「先ずは先生の物を運び込みましょう。あちらにある沢山の箱を全て持っていきましょう」
「おっけ~」
「ホシノ先輩、ロープの準備出来ました、何時でも上げれますよ」
「ん〜じゃぁ早速積み込んじゃおっか〜」
「承知しました」
チラリと箱の中を見るとやはりピンク水晶のハニワが虚無の目でこちらを覗いた。
「何か忘れてるような?」
「あ、セリカちゃんに伝え忘れてます」
「あちゃ~モモトークで連絡入れとかないとねぇ~」
「ん、やっとく」
銃何使うか決めてねぇや……
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AR
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SR
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HG
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SMG!
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MG
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SG!
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GL
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MT
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RG
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RL
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FT
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お前 近接でいいんじゃない?
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何も持たなくて良いよ……
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グレネェード!