そして、この話は少し改竄させてもらったよ。
イメージと合わないせいでスランプが起きている気がしてまして……申し訳無い……。
顔がキュッと萎みそうな程深く濃く抽出されたエスプレッソを1口2口と飲みきり、一息着いた。
苦味はもちろん、香りやコクもコーヒーの倍以上の濃さで、好きな人も居そうな味ではあるが……こんなの常飲してたら体を壊しそうだ。
前世は良くコーヒーでお腹壊してたから少し心配だ……
「初めて飲みましたが、ここまで濃いとは……なかなか貴重な体験が出来ました」
「これがあるとカフェインも取れて仕事も捗るからね」
そう語るチヒロさんの顔には疲れが見える。
ヴェリタス……大変なんだろうなぁ……。
「お節介かもしれませんが、短時間に摂りすぎると中毒になります。気をつけてくださいね?」
お節介かもしれないが、私は彼女に注意喚起する。少し考えた後笑って返された。
「まぁ……でもここの皆は大抵カフェイン中毒じゃないかな……飲料の消費量もエナジードリンクドリンクやコーヒーが1番らしいし」
そんな……デスクワークの多い社会人じゃあるまいし……え?飲まないと普通に仕事進まないの? えぇ……。
そんな事を話しながら校内散策をしていると前から黒く床につきそうなほど長い髪、空気に花が咲いて見えるほどニッコニコで女の子が此方に来る。
前髪が少し邪魔そうに見えてしまう……俺もさすがに切るか……って前も思った気がするな。
「おはようございます、チヒロ先輩」
「うん、おはよう、アリス」
青い瞳に綺麗な長い髪、年齢相応にも見える小さめな体。彼女の名前はアリスというらしい。
「チヒロ先輩はいまクエスト中ですか? そちらの方はチヒロ先輩の新しいパーティーでしょうか?」
「そうかな? ……そうかも。紹介するね、この人はホムラ。ホムラ、この子はアリス」
チヒロさんに紹介され、私たちは互いにきちんと挨拶した。
「初めまして。アリスさんホムラです」
「初めまして! 天童アリスです! ホムラ先輩? ですね!」
第一印象はなんとも可愛らしく無垢な少女だろうか……。
「あはは……先輩って言われる程長くは居ないけどね……」
「?」
身長や素直な雰囲気も相まってついつい頭を撫でてしまう。
チヒロさんも犬を撫で回すように手を伸ばす。
「ワシャワシャ……」
「ワシャワシャ……」
「? 、??」
「……アリスちゃんはヴェリタスなのかな?」
「いいえ、アリスはあぁぅ、ゲームぅ開発ぅぶですぅ!」
こやつめ……うりうり……ゲーム開発部か……意外とアナログというか……この学校見たらもっと凄いことしてそうだけど。
「やめてくださぃぃ〜……」
さすがに辞めるか、初対面だし……。
「それでアリスはなんでここに? 他のゲーム開発部員は?」
「はい、アリス達は次のゲーム開発に向けて新しいアイデアを探しに来ました! モモイやミドリも色んな所に行き、アイデアを探しています!」
チヒロさんが問いかけると自信満々な顔でアリスは答えた。
「そっか……次のアイデアね……」
2人が話している合間にこっそりとメモを出し、人の名前や大切そうな言葉を書いていく。モモイにミドリ……ゲーム開発部は意外と構成人数少ないのか……ん?
「……何を書いているんですか? はっ、まさか魔法の呪文が使える魔法使いなのですか?」
メモをとる私を見て不思議に思ったのか聞いてくるアリス。
なんとも電波というか不思議ちゃんみたいにゲームに例えているのはゲーム開発部だからだろうか。
どんな返しをしたものか……彼女の電波系の思いを汲みつつ事実を伝えるには……
「んん……そうだね、君達を忘れない為の魔法かな?」
「おお! やはり魔術師であったか……!」
テンションが上がってロープレまで始まってしまったか……。
というか……見た事あるな、この子。なんかどこか漫画で……
そんな所で、私の携帯が鳴る。
「失礼。はい、ホムラです」
『"お待たせホムラ、近くにチヒロは居る?"』
「はい」
『"じゃぁ、エンジニア部の所に案内してもらって? 私ももう少ししたらそっちに行くから"』
「エンジニア部ですね? 承知しました。連絡ありがとうございます。失礼します」
電話越しでもお辞儀をしながら電話を切った。
「……先生から?」
「はい。エンジニア部という所に案内して頂けますか……?」
「新たなミッションですか? 私も着いていってもいいですか?!」
「えぇ、是非」
わちゃわちゃと元気な少女を加え、エンジニア部に行くことに。
エンジニア部……何が作られているのだろうか……。
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移動中アリスから色んなことが聞けた。
彼女曰く、宇宙船をぶち抜いたとか。曰く最強でチビなネルと言う子が居るとか。
チヒロさんの反応を見ても嘘では無いことは確かなようだ。
宇宙船ぶち抜くみたいな芸当をどうやってしたのかは分からないが、なかなかロマンのある言葉や話は聞けた。先生を詰めて吐いてもらおう。
「ここだよ」
「おっきい倉庫だ……」
ビルほどの高さはないが面積がとても広そうだ。
「お邪魔します……おわぁ?!」
ヒュン風を切る音と共に私の頭上から何かが飛んでいく。
「な、何が……」
「大丈夫……? 当たって無い?」
犬耳の着いた女の子がこちらに来て心配してくれる。
……網タイツ……履きづらそう……露出も多いし……。
ってそうじゃなくて、当たっては無いけどさぁ……。
「気を付けてよ、何か飛んできたんだけど」
チヒロさんが聞くとその子は説明し始めた。
「あぁ、それは……」
「はい! それはポテト砲です! 高価な金属を使わず安く大量に生産できる植物を使用し銃弾に出来ないかと考案された物です! また火薬ではなく気体燃料です! 点火するため火種は電気スパークで十分な為、軽量化及び小型が容易なんですよ! さらに……」
「もういいってコトリ、アイドルのやつで貰った実験用だし……それよりも君、先生と一緒に来た子でしょ? 待ってたよ」
独特なメガネっ娘のコトリと呼ばれる少女と私と似た髪色の女子まで来た。
なんだなんだとわらわら色んな子達が私たちを出迎えてくれる。
メガネをした子がとても多い。
「ようこそエンジニア部へ、私はウタハ。この部の部長でありマイスターだ。そっちはコトリとヒビキ、あと可愛い後輩達だ」
「よろしく……」
「よろしくです!」
1人は手をひらひらさせ、もう1人はニッカリと笑っていた。そのほかで纏められた部員達もみんな挨拶してきた。挨拶はきちんと返さなければな……。
「よろしくお願い致します」
……なんか周りに人が増えてきた……。
「来て貰って早々に悪いんだけど……いっぱいつけて貰うから……こっち来て」
手を引かれ更衣室に入れられると下着まで全部脱いで掛かっているスーツを着ろと言われた。
「よっ……」
おお……伸びる。まるでタイツみたいだ。
うん……幾ら何でもピッタリというか……ボディーライン見えすぎないか?
更衣室を出ると皆から注目を浴びた。
「アリス知ってます! これプラ○スーツです!」
「あぁ……エヴァ○ゲリオンだっけ……?」
…………はっっっっっっっず!!!
ヤバい……ぁまりにも恥ずかしい。
人に見られた途端、羞恥心が湧いてきた……さすがに裸とほぼ同じだろ……?
「あんまり見ないでくれ……あの、外から何か着ても……?」
「あぁ、良いよ。通信も良好そう……心拍数高いね?」
当たりめぇだろ!
コソコソと更衣室に逃げ込んで、エヴァン○リオン風スーツの上から制服を着た。
……はぁ……恥ずかしかった……
「おまたせ、もう大丈夫です」
更衣室から出るとコトリさんがキラキラと瞳を輝かせながら近寄ってきた。
「そのスーツはですね……!」
ああクソ……これは確実に長いな……
◇◇◇
ヒマリと別れ、エンジニア部の方へと向かうと、外にまるで叩き付けられ爆散したポテトが。
"…………"
遊ぶのは良いけれど……片付けないのかな……?
というか食べ物で遊ぶのは流石に窘めよう。
そう決意し、私は中に入る。
"ホムラ? チヒロ?"
中に居るであろう彼女に呼びかけると、なにやら奥の方で人が集まっているみたい。
「あ、先生」
"あれ? チヒロ、それにアリスも……ホムラは?"
「あそこに居ます!」
アリスが指を指す先にはランニングマシンで走る汗だくのホムラが居た。
かなりの速度だが大丈夫なのかな……。
「はっ、はっ、はっ、はっ、あ"あ"!! もうむりぃ!!」
かなり辛そうだ……。
「あと3分、足が止まると爆発するよ……」
「はっ、いっ、いっそっ、ころしてくれっ……!」
"……シャトルランよりも酷そうな……"
耳裏から一定間隔で電子音が聞こえてきそうだ……
"ホムラ、頑張って……!"
「ぁぁぁぁぁぁああああ!!体力測定はカス!!」
銃何使うか決めてねぇや……
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AR
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SR
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HG
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SMG!
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MG
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SG!
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GL
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MT
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RG
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RL
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FT
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お前 近接でいいんじゃない?
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何も持たなくて良いよ……
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グレネェード!