三脚で自立したビデオカメラが無感情に写ったもの記録する。
赤い光が点滅し録画している事を示してくれる。
レンズが人にピントを合わせられ、整った顔がキレイに写る。
少しだけ赤みを帯びた紫の髪は乱雑に短く切られ、つり目と三白眼も相まってボーイッシュな印象を与える。
衣服は所属校の分からない制服の上から科学者と言うレッテルが貼られた白衣を羽織っている。
彼女は鋭く、細い目を更に細めてレンズを睨むように見てから、後ろに下がりカメラにむかって話す。
『無所属、薪ホムラ。仮称キヴォトス人の耐久性実験、No.01
実験対象は薪ホムラ、使用口径は9×19mm、発砲距離は200mm』
つらつらと、まるで原稿を読むように話し、自身の腕に持っていた拳銃を突きつけた。
『発砲します』
その言葉の後に、室内に響く銃声は音が割れ、銃口から閃光が吹き出した。
『ぐっ……! ふぅ……』
整った顔は苦痛に歪み、涙が零れる。
真鍮の筒が床に転がり、映画宛らの効果音がなる。
『
慣れた手つきで弾倉を抜いて、スライドを引いてチャンバーに入った弾を取り出した。
『しかし……何処から銃が普及した……? なぜ流行ったか……まぁ、追追考えよう。実験終了、次』
そう言って録画が切れた。
「改めて自分を見てみると違和感凄いな……今更だけど本当に女の子なんなんだな、何度見ても現実感が無いや……」
ソファーに横たわりながら私は自身で録画した動画を再生しながら、そう呟いた。
女へと変わって2ヶ月程がだっただろうか。
もうかなり慣れた。最近は盾にこもり初めてから、女の子で居ることを強いられている訳でも無いので、猫をかぶらず過ごせるのはかなり楽だ。
「さてと、次はプリンター……バラしてみてみるかなっ!」
よっこらせと体を起こしてあの無機質で薄気味悪い筐体まで足を運ぶ。
真っ黒で四角くてデカい。見るからに頑丈そうな見た目の箱に液晶と物を取り出す為の大きな大きな扉。
側を叩くと鉄板で出来ている様な空洞感。
やはり中には何も無さそうだ。
「……いや、待て、此奴バラして元に戻るか……? まずは印刷限界とかを調べるべきか……」
液晶をつついて画面を起動し、印刷データを改めてサラッと見ていく。
生活用品、家具、学校関連の物から兵器類の物まで多種多様だ。
「あ、そうだ……忘れないように」
名前検索を開き『メモ帳』と入力すると1番上のメモ帳の名前に不思議な事が書いてあった。
その他にはどんなサイズのなんのメモ帳かと書いているのに、1番最初のメモ帳の名前には『先生に貰ったメモ帳』とだけ書いてあった。
「え? ……は?」
震える指先がそれを押すと少しの読み込みを経て出力されていく。
取り出し口から出てきた物は紛うことなき私の使ってきたメモ帳であった。
筆跡も1ヶ月と半分で使い古し劣化具合も全て一緒。
取り憑かれた様に1枚1枚見ていく。
殴り書いた字、描いた覚えのない可愛らしい青いクジラの絵。
……ホシノさんかな……? やれるとしたら昼寝の時か……。
そして最後に血で滲んで張り付いたページが何枚か。
私が生きた証拠が、ここに有る……アビドスの皆の状況、ミレニアムの皆の名前が記されたメモ帳が……ここにあった。
握り締め……内側がきつい胸ポケットにしまい込んだ。
「……感傷に浸ってる場合じゃない……さっさとバラして中身を知らなきゃ……なんでみんなも覚えてない存在を此奴は知っているのか……」
気になる。気になってしまう。
3メートルの脚立を出し、ボルトナットで固定されていた側を外して行く。
倒れてこない様に吊りつつ、ゆっくりと開けていった。
まず目に飛び込んできたのは黒い石。
それは宙に浮いていて、四角く綺麗に磨かれた一枚岩。
そしてそれに書かれた文様。
SFとかでは言い表せない、正しく魔術や神秘的な何かを感じさせる。
理由は分からないが、ソレは見ただけで吐き気を催すレベルに不快だった。
私はコレを知っている。
シャーレの地下にある物と変わらない。
先生が扱っていたあの不気味なモノリスと寸分違わず同じものだ。
「っ、……こんなものがなんでここに……ん? これ……カード……?」
モノリスを下から支えるように手作り感満載の機械があり、そこのスロットに入っていた。
「車のetcみたいだな……」
その赤いカードを抜き出し、触れた瞬間、何かが頭の中で一瞬にして駆け巡った。
「ぐっ、ぁ」
視界にノイズが走る。
見たことも無い光景が脳にインプットされていく。
「うっ、ぐぅ、あぁ! ……はぁ……はぁ……」
頭を抑え膝を着くと自然と溜まった唾液が溢れ落ちる。
電車の中、傷だらけの少女と大人。
先生と……誰だ?
アビドスの皆が覆面を被って……強盗……? あれなんか1人多いな……。
アリスが素っ裸で寝ている……変態?
他にも知らない生徒たち、見覚えのある生徒たちが様々な事をしていた。
まるでキヴォトスの歴史の映画を見ているみたいだった。
そして最後は誰もが幸せそうなそんな表情をしていた。
そんな彼女達の傍には先生が居た。
大人として、子供の責任を負う先生の姿が輝いて見えた。
羨ましい……妬ましい……?
私も……居たい……
何故そこに私はいないんだ……
何故こんなにも苦しいのに私には救いは無いんだ……
「かはっ、落ち着けっ……私はそこに関係ない……自分のせいに決まってる……」
過去に死に、大人だった私は今を生きる学生の彼女達と交わってはいけない。
……そんなの自分が良く分かってる。
乱れた呼吸を整え、口元を拭い、立ち上がった。
握り締めていたカードを見るとそれは灰色に変色していた。
クレジットカード、だろうか……?
確りと私の名前が書いてあった。
有効期限は2XXX年。
「意味がわからん……これ以上の情報は……出ないか」
頭が重く鈍痛が続き、酷く気持ち悪い。
「……これが……"神秘"という物なのか……?」
見聞きした覚えもない単語が口から
漏れた。
いや、知っていた……気がする。
酷くなる頭痛。
今は考えるのを辞めておこう。
タバコを巻いて咥え、ライターで火をつけた。
深く煙を吸い込む。
心地よい香りが鼻を通り抜け、少しずつだが痛みが和らいでいく。
「とりあえず……今日の所はここまでにするか……また明日やっていこう……」
バラしたものを崩れないように寝かせ、その場を離れた。
あぁ、まだ知りたい事が増えてしまった……。
先生、貴方は一体何者なんだい?
銃何使うか決めてねぇや……
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AR
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SR
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HG
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SMG!
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MG
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SG!
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GL
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MT
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RG
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RL
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FT
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お前 近接でいいんじゃない?
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何も持たなくて良いよ……
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グレネェード!