デスクトップに電源を入れ、高そうなオフィスチェアに深く腰掛けると、ギシッと音を鳴らしながらゆっくりと腰を沈めた。
辺りを見回すと生活感の無かった部屋がソファーや机等を並べた結果
「ふぅ……ある程度模様替えも済んだ。この作業をするのに1人は大変だ……っと、忘れないうちにログオンしておかなきゃ……えーっと……」
メカニカルキーボードをカタカタと指で叩いていき、パスワードを入力すると、デスクトップ画面が起動し、3つ程アイコンが並んだ。
壁紙に真っ赤な矢印が書かれており、先ずはコレ! と、アイコンを指していた。
「……SOS信号発信……」
ダブルクリックすると画面が真っ赤になった。
「ぁ、こわい。あ、切れない、やばい、ぁゎゎ」
焦っていた間に、発信終了という文字と共に赤い画面は消え去った。
「はっ、こわかった……ったく、驚かせやがって……ウイルスに掛かったかとおもったぁ……」
ひと安心し、一度大きく伸びをした。
さてこんな砂漠の端っこで誰がくるのやら。
少し触って見たがユーザーフォルダーの中身は空っぽで、本当に救難信号のソフトウェアしか無かった。
ユラユラと椅子で揺れていると段々と眠くなってくる。
「ぁー、眠」
ゆらゆら、ユラユラと……止まり木に捕まったまま寝ていく鳥みたいに……
「せんせ〜? 下がってねぇ? どんな罠があるかわかんないんだからさぁ?」
「私なら爆破して地中に埋めて一気に潰す」
「それは自爆って言うんじゃないの、シロコ先輩?!」
「わぁ〜広いですね〜」
ガヤガヤと目新しいものに
救難信号の発信が砂漠の方で見つかり、急いでやってきたのだが……
まるでアリスが寝ていた場所の様に近未来感漂う施設を見回した。
工業機械が建ち並び、少し油の匂いが強い。
プラスチックのカーテンを潜り、進んでいくと小綺麗に片付いた場所に付いた。ソファや机もある。女の子と言うよりは男の子の部屋の様な小物が飾ってあった。
そしてゆらゆらと揺れる椅子が目に付いた。
"待って、みんな。彼処の椅子、揺れてない?"
「あら、ほんとですね。あれ、誰か寝てます?」
「しっ……不用意に近付いちゃだめ」
盾を構えたホシノが恐る恐るその椅子を覗く。
その後、ホッと息を着いて安心した様子でホシノが振り返る。
「……せんせぇ、この子生徒みたい〜」
くるりと椅子を回して、私達の方に向けられると、恐らくSOS信号を発信していた彼女は可愛らしい寝姿を晒していた。
「寝てるの? 随分呑気みたいね」
「可愛らしいですね☆……しかし、何故こんな所で寝ているのでしょうか」
みんな興味深そうにその子を観察していた。
あまり不用意に近づくと危ないかもしれないから、警戒は怠らない。
しかし起きる気配はなく……微かな寝息を立てていた。
"もしもし……? おーい? 起きて"
その頬をぷにぷにとつっついてみると、眉間に皺を寄せて嫌そうに唸り出した。
「ぅ"……ぅー……すぅ……」
起きない。
この騒がしい状況でよく寝ていられる。
「むにゃ……ん……はっ、おわ、人いっぱい……っ」
暫く眺めていたら彼女は目を覚ました。ぱちぱちと金色の目を瞬かせ、じっと此方を見つめてくる。
「あ、おはよー」
「起きたね……」
「ぁ、そうだ、私が呼んだんだ。ささ、どうぞ、ソファーとかに掛けてくれ」
眠たげな目を擦って立ち上がり、私達にソファを指差した。
"ごめんねお邪魔するよ"
「ん……ありがとう……」
「ありがとね〜」
「ありがとうございます☆」
「失礼します……」
全員が余裕で座れるほどのソファーに座り、机を挟んで対面に彼女が座った。
「いやはや、だらしない所を見られてしまいました……初めまして、救難信号にわざわざこんなにも早く駆けつけていただけるとは思っておりませんでした。えっと……御名前を伺ってもよろしいでしょうか……?」
1番大人そうな私に目配せをしてくる。
緊急の発信なのにこんなにものんびりしていて良いのだろうかと言いかけるが、押さえて話し始めた。
"私はシャーレの先生なんだ、よろしくね"
右手を差し出すと小動物の様に跳ね上がったが、少し咳払いをしたのち丁寧に優しく握られる。
「よろしくお願いいたします。私は……名前が分からないのでひとまずは、ジェーンとお呼び下さい」
"名前が分からない?"
聞き返すと少し困った顔で頷いた。
「ここに来た時、すぐ近くのクレーターを見ましたよね? その中心で私は目覚めてしまったんです」
それからこの地下を見つけ、流されるように救難信号を発信してしまったと彼女は言う
"……運良く此処があって良かったね?"
「昔道路で倒れてたセンセイみたいだね」
彼女は愛想良く笑った。
「あぁ、暑い中わざわざ来て頂いたのでティラミスとかいかがですか? 私1人で開けるには罪悪感がありまして……」
返事を聞かず彼女は立ち上がり、冷蔵庫からティラミスを人数分取り出し、冷たい水迄用意してくれた。
「お、気が利くねぇ〜……」
「んん……んん……!」
「ん、美味しい……」
「正に天に連れて行ってくれる美味しさですね〜」
"なかなか……"
「……」
自分の分は全く用意せず、ただ私達が楽しんでいる所を見てニコニコと微笑んでいる。
"……食べないの?"
「いえ、私は見ているだけで十分満足です、おかわりは必要ですか? 幾らでも仰ってください」
「なんか先生よりも大人だね〜?」
ホシノの何気ない一言が私の心を抉る。
"……あはは"
思わず苦笑いが出てしまった。
と、そうだ。茶会する為にここに来た訳では無い。
"食べ終わったら行こうか、ジェーンも安全の為に保護するから、来てもらうよ?"
「ぁ、そうですね。……ん、少々席を外させていただきます……申し訳ない」
彼女は少し申し訳なさそうな表情を浮かべると、急ぐようにパタパタとどこかへ行ってしまった。
「何方に行くんでしょうか……」
「……少しだけ着いて行ってみる」
「えぇ?! シロコちゃん、それはダメだって!」
"何があるか分からないから危ないよ"
「ん、それはあの子も同じ」
「ぅ……うー……」
あれだけ寛いでいたらそんな事は無いのではないか。なんていう私の説得も虚しく、シロコとノノミはジェーンをこっそりと尾行してしまうのだった。
「あ、わたしも着いてく〜」
シロコとノノミの後を追うようにホシノも出ていった。
残ったのは、私とセリカ。
「……行くわよ、先生!」
"セリカ?!"
私もこっそり着いて行く事にした。
◇◇◇
「……なんか見た事ある人ばかりだったなぁ……」
俺は談笑の場から離れ、喫煙所へと向かった。
懐からプリンター製の小箱を取り出して、自作した煙草を口にくわえた。
ライターで炊き、少し吹かすと上品な香りが鼻をくすぐった。
「……」
私は此処にいる。
此処に居てしまっている。
みんな暖かかった。
幸せそうだった……
「どうして……私は……」
私は頭を振った。
灰を落とし、全部吸い切り、灰皿に押し付けた。
あ、新しいアンケート、是非是非
銃何使うか決めてねぇや……
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AR
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SR
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HG
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SMG!
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MG
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SG!
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GL
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MT
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RG
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RL
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FT
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お前 近接でいいんじゃない?
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何も持たなくて良いよ……
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グレネェード!