物間のキャラはマイルドなかっちゃんって感じで、初対面のオリ主相手にはちょっと挑戦的な態度くらいにしたつもりです。
「よいしょーー!!」
ブッコロスだとか物騒なことを言いながら路地から出てきたロボを鉄パイプで殴り倒す。それと同時に持っていた鉄パイプが折れ曲がってしまい武器として使うには微妙になってしまったので今壊したばかりのロボからよさそうな部分を抜き出した。
「もともとそんなに固くは無いみたいだけど、これだけノってれば力が湧いてしょうがないな!!」
試験開始から大体5分、折り返しに差し掛かり割といいペースでロボを破壊できている、ポイント数は26くらいか。
普段から鍛えているのもあるが、これだけ動いて疲れないのは個性のおかげだ。憧れのプレゼントマイクに認識されたかもしれないと考えると、どうにも気分が高揚して個性がいつも以上に力をくれる。
「や、やばいっ!!??」
「お?」
新しい鉄パイプの調子を確かめていると危機を知らせる声がする。
そこに目線を送ってみると隣の路地から這う這うの体で出てきた受験生の男子生徒がロボに追い詰められている真っ最中だった。
「ふんっ!!」
受験生にはそこから打開するすべが無いようで、ひたすら後ずさっていた。その姿に援護が必要だと判断して持っていた鉄パイプを力いっぱい投擲した。
貫通どころか刺さりすらしなかったものの注意をこちらに向けることに成功し、そのままこちらに標的を移したロボットが向かってくる。
「ブッコロス!」
「あっはっは!!野蛮!!」
足元に転がっていたロボのパーツ、その中から盾に出来そうなものを選び取り向かってくるロボに向かって構える。
「ぐおぉぉぉ!!」
「ヒキツブス」
「やってみろ!!おい!そこのお前!!」
さすがに減速無しに自分以上の質量がぶつかるといくら個性で増強してても反撃に移れない。
このままじゃこのロボットの言うとおりに轢き潰されてしまうのは時間の問題、だからここは俺一人での打開には拘らない。
俺が声を掛けたのは標的を変わってやった受験生、そいつと目が合いこちらを認識したのを確認してから個性を使う。
「今だ!!!」
「っ!!おお!!」
しっかり士気が上がった彼は俺が抑えているロボットに後ろから迫り、しっかり助走をつけてドロップキックをお見舞いする。
背後からの渾身の一撃、いくらロボとはいえただではすまず、しかも当たったのが人間でいう頸椎の部分だったからかそのままショートしたような機械音を漏らしながら停止した。
そしてロボを停止させた一撃はその勢いを減らすことなく踏ん張っていた俺へと衝突した。
「どわっ!?」
「止まらなっ!?うわ!?」
互いに地面へと倒れこみその勢いのまま路地からはじき出された。
勢いが止まったのは大通りのど真ん中で、周りにいた受験生もロボもこちらの様子を窺い一瞬の静寂がその場を支配した。
「いってぇー、あ、おい平気か?」
「あ、ああ」
そして俺たち二人が動き出したのを確認すると小さく息を吐いて再び試験へと戻っていった。
「手えだしといて二人とも怪我しちゃしょうがないもんな、無事でよかったよ」
「助かった、ちょうど個性の時間切れで……ってお前!説明の時に叫んでた……」
「ああ!俺プレゼントマイクのファンなんだ!
「物間寧人……意外と常識人なのか?というか何だこの個性?」
何か釈然としていない様子の受験生、改め物間は何やら呟きながらも俺の差し出した手を握った。
そして握手した後も何やら考え込む様子を見せしばらく動かなかったが、周りの受験生が獲得ポイントを口にしながら戦っているのに気が付いた途端慌てたように動き始めた。のだがそれはすぐに阻止されてしまった。
「なんにしても今は試験だ!この借りは後でかえ──」
BoooooooM!!!
「──す!?なんだぁ!!??」
「でかいな」
周りのビルよりも巨大なロボが、それらの建築物をまるで発砲スチロールのように壊しながら現れる。
当然俺と物間の周りで戦闘していた他の受験生もその動きを止めざるを得なく、巨大お邪魔ロボの登場に唖然としていた。
「こ、こっちに向かってきてないか!?」
「そうだな」
巨大ロボはその大きさゆえに最初は止まっているように見えたが、実際は相応の速度で動いており次第にこちらへと向かっているのは明白だ。
それに気が付いた受験生は一人また一人と巨大ロボから距離を取るように逃げ始め、当然物間もその流れに逆らおうとはせず完全に撤退の構えだった。
そう、
「早く逃げr……ぐえっ!!??お、おい何を──」
しかし俺はその場から動かずにそんな物間の襟をつかんで動きを止め、非難する視線を受け流しながら大きく息を吸い込んだ。
「止まれええええぇぇぇぇ!!!!」
腹の底から、目いっぱい。
吸い込んだ以上を出し尽くすつもりで会場全体に声を響かせる。
それは無機物である巨大ロボには届かず歩みを止めることはできなかったが、恐慌状態になっていた受験生の群れには効果抜群だった。
ちなみに俺の真横で俺に捕らえられていた物間はあまりの大声量に気を失ったのかぐったりとしてしまった、ごめん。
「諦めるな!!未来の英雄!!!!」
お邪魔虫の巨大ロボは俺の声なんて意にも介さず進んでくる。
いつも通りの手順、注目を集め、声を届ける。
それは俺が目指す道を違えない為に、未来の姿に追いつけるように。
「怯えるな!!その目に映るのは敵だけか!!??」
俺から遠ざかる足音はとっくに聞こえない。
聡明中学のメガネ君はすごい速さで走り出した、要救助者を探し始めたのだろう。
瓦礫の下で不安そうな顔をする者も居ない。
茶髪の丸顔女子も瓦礫に足を挟まれているがその表情に陰りは無い、個性での脱出を試しているようだ。
「この受難!!乗り越えるんだ!!君が!!!!」
今だ歩を緩めないお邪魔虫が俺に近づいているが関係ない。勢いよく振り返り、俺を射貫く数多の視線を真っ向から受け止める。
思った通り、今の俺には誰の背中も見えなかった。
その事実が俺の士気をさらに高める。
そしてそれは、俺を見る全てへと伝播する。
「君こそが!!ヒーローだ!!!!」
「「「おおおおおおおおおおおお!!!!」」」
受験生はもういない、いるのはヒーローの卵たちだ。その中でも優秀な奴はすでに行動に移している。
やはり未来のヒーロー、胸の中はアッツアツだな!
最高にノってるぜ!!
「もう大丈夫だヒーロー!!皆が居る!!
「「「
全員の方向が空気を振るわせる。そしてそれぞれが自分のすべきことを果たす為に動き出す。
お邪魔虫はもう誰の邪魔をすることもかなわなくなった。
「SMASH!!!!」
「ヒュ~!やるぅ!!」
そしてたった一人の少年が障害を排除した。
──────────
お邪魔虫が少年に殴り飛ばされ、地面へと倒れるのと同時に実技試験は終了した。その瞬間空気も大地も振るわせるほどの大歓声が会場に響き渡った。
その後も俺が煽った受験生たちの熱はそうすぐには冷めることなく、積極的に怪我人に手を貸したり救助を行っている。
当然俺もその中で動きながら周りの受験生の表情を盗み見ては胸が熱くなるのを感じていた。
「お前何がしたい訳?」
「おお物間!怪我は無いか?」
「ああ無いさ、怪我はね!」
瓦礫を端に除ける作業をしていると試験中に助けた物間が近づいてきた。しかしその表情は不機嫌そのもので、文句があるのがありありと伺える。
「お前の!せいで!ポイントが稼げなかった実害はあるけどな!!」
ああ、と得心して苦笑する。
俺の大声を至近距離で浴びた物間は当時慌てていたこともあり、不意打ち気味に食らったせいで数秒気絶してしまった。
「それについては本当に申し訳ない!」
「はっ!助けてもらったことも踏まえて謝罪は受け取らせてもらうよ!でも──」
「この後俺のポイントを俺が巻き込んだ他の受験生に譲渡できないか学校側にかけ合うから一緒に来てくれるか?」
「──は?」
まさに唖然。謝罪の他にも何かを言おうとしたはずの言葉は続かず、物間は訳が分からないという思いでいっぱいだった。
「あの巨大ロボに立ち向かいたいなら俺一人でやるべきだった、まわりを扇動し戦闘が得意ではない受験生も巻き込んでしまった」
そう、あの少年のように一人で立ち向かうべきだったのだ。
これは試験なのだから。
「それでどうだろう?救助もひと段落したし一緒に来ないか?」
「かっ!勝手にしなよ!僕はもう帰るけどね!」
「そっか。じゃあ、またな!」
俺の提案を突っぱね、試験会場の外へと去っていく物間。
その背中を見送った後、救護所に居るだろうスタッフにプレゼントマイクの場所を聞きに行った。
次は入試の様子を見ていた雄英側のお話書きます~
あ、あともしかして、デカ太文字使いすぎるとうっとおしいですかね?