俺のグレートマンスクール   作:鳥居幾人

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だいぶ空いてまってすみません。

今回はオリ主の出番少なめですたい、まだまだクラスメイトを出さなきゃですしおすし。


8話 士傑に集った英俊

「お~っすお前ら、全員揃ってるか~?」

 

 気の抜ける挨拶と共に一人の男性が教室へと入ってきて教室が一瞬で静まり返る。入ってきた彼はその鍛えられた肉体を黒のスーツで包み込み、整えられた顎の無精ひげとオールバックの髪型がどことなく海外マフィアを連想させる。

 教卓に近づき手に持っていた名簿のようなものを脇に置いたのを見るにこの人が担任の先生だろう、その彼はクラス全体に視線を巡らせながら顎に手を当てて口を開いた。

 

「ふむ、今着席していない夜嵐を除いたとしても空席が4つか」

 

 そう呟いた後自身の腕時計と教室の掛け時計を確認し教卓に置いてあった席順の紙と空席を照らし合わせ始めた。

 

「はいはい、この4人ね」

「あの!!あなたが担任の先生っスか!?」

「お~そうだぞ夜嵐、初日から元気だな」

「やっぱりっスか!!今日からよろしくお願いしますっス!!」

「ああよろしく、まだ入学式まで時間あるからもうちょっと喋っててもいいからな~」

 

 イナサの名前を淀みなく当たり前に呼んだことやその熱血っぷりにも全く動じていないことからベテランの教師なんだろう。。

 しかし規律の厳しさなど微塵も感じない、かなりゆるいセリフにはクラスメイト全員が面食らっていた。

 

「はは、お前らがどんなイメージを持って士傑(ウチ)に来たか大体分かってるが、何も四六時中規律で雁字搦めって訳じゃないぞ?気を抜けるときは抜いていい、その代わり締めるときはキッチリ、な?」

 

 その強面に似合わない親近感の湧く笑顔を俺達に向けてそう言う先生、おかげで教室内の空気は少し弛緩した。

 

「先生がそう言うなら一安心だね、多少は気が休まりそうだ」

「同感っス!!絶対うるさいって注意されると思ったっス!!」

 

 先生の許可が出たことで俺達はまた少しづつ周囲と交流し始め教室にざわめきが広がり始めたと思いきや再び教室の扉が開かれる。

 

「お!俺らで最後みたいですよ!」

「何を笑っているんです、一体誰のせいでこんなに遅れたとお思いですか?」

 

 先頭で足取り軽く入ってきた小柄の男子は学校指定の制帽を斜めにかぶりニヤついた笑みを浮かべており、その後から入ってきたお団子ヘアの育ちのよさそうな女子から非難の目を向けられていた。

 そしてそんな二人の後ろで腕を組み、仁王立ちしながら教室内を見渡している野獣の様なガタイをした男子が口を開く。

 

「まだ1人来ていない。結局そいつを待つことになっていたならこの時間でも問題ない」

 

 同い年とは思えないほど威厳と威圧感に満ちた声にクラス内が一瞬で緊張に包まれる。

 

「さすが!大将は俺の味方だぜ」

「予定より大きく遅れたのは事実よ、反省して」

 

 そしてその3人は教卓にいた先生に近づき自身の席を確認してすぐに着席する。

 廊下側の列の一番後ろに小柄の男子、その反対側の窓際の列の前から3番目に大柄な男子、そしてその後ろにお団子ヘアの女子となっていた。

 

「あの大柄な男の子、試験でもあんな感じで堂々としてました。緊張なんて微塵も感じていない風に」

 

 そう教えてくれる兎山さん。

 確かにあの存在感なら大量の受験生で溢れていた試験でも目に付くだろう、入試の主席だったりするかもしれない。

 

「これで残るは1人だが、これまた難儀な個性だ……そろそろ式の会場へ移動しないとまずい」

 

 顎に手を当てて悩んでいる担任はそうぼやきつつ、総勢20人からなるこの1年1組の最後の1人の登校を待ちわびている。入学式の会場への引率という最初の役目を果たすためにはそろそろ動かないと間に合わないとわかっていたからだ。

 

「先生、手が足りないのでしたらお手伝いします」

 

 なのでいつの間にか教卓の脇に立ち置いていた生徒名簿を見ながらそう言ったサイボーグの様な男子と、その横でニコニコと笑顔を振りまいている女子の申し出を受けることにした。

 

「生徒名簿は今後勝手に閲覧するなよ?で、どう探す?」

「対象はこの男子生徒でしょうか?学校の敷地内に居るのならば彼女の個性で──」

 

 生徒の個人情報を含んだやり取りだからかかなり小声で話を詰めていく先生たち、蚊帳の外の俺達は黙って成り行きを見守っていた。

 そのままほんのわずかな話し合いで方針が決まったのか、笑顔の女子が窓際に立って何度か深呼吸する間にサイボーグ男子の右腕がマイクのように変形する。そのマイクに向かって笑顔を引っ込めた女子が口を開く、かと思えば何かしゃべるわけでもないという不思議な状況が数秒つづき、口を閉じると同時に耳に手を添えながらじっと何かを待ち始めた。

 

「ん~……あっちの方かな、なんか変な感じだったし。距離的にも敷地ぎりぎりの場所に居ると思うよ」

 

 笑顔に戻ってそう言った彼女に男子が一度頷くと、先生と二言三言話して席へと戻っていった。

 

「鮮やかだったなぁ」

「感心しちゃいますね」

「熱いっス!!」

 

 いやすごく冷静だったけど、なんてイナサに突っ込みを入れたところで担任が一度手を叩く。そして教卓に立って俺達に向けてこれからの動きを告げる。

 

「それじゃあ全員廊下に整列だ。入場待機位置まで連れて行くからそこで待機な、俺は迷子を1人連れてくる」

 

 そのままあっという間に入学式の会場まで連れていかれ、遅れて合流した男子生徒が宙に浮いていたことに驚かされつつも無事にイベントをこなすことが出来た。

 

 

──────────

 

 

「改めて入学おめでとう、俺が担任の針向(はりむかい)誘路(ゆうじ)だ。基本的には3年間諸君の面倒を見るのは俺になる」

 

 入学式が終わり教室に戻った俺達は担任の針向先生から自己紹介を受けていた。

 プロヒーローとして活動していた時の名は『ベクター』、強個性『ベクトル』を持ち自身に触れたあらゆる力の向きを操作することが出来るらしい。

 デビュー当時から大活躍だったのだがすぐにヒーローは引退しタルタロスの職員の道に進んだその経歴から引き抜き説などが噂されていたのを覚えている

 

「さて、それじゃあ諸君の自己紹介に移る前に……学級委員を決めてしまおう」

 

 口角を吊り上げながら針向先生がそう告げる。

 一番前の席に座る俺からはクラスメイト全員の様子を観察することはできないが、明らかに背後から感じる圧力が上がったのを感じた。

 

「伝統的には推薦入学者の男女が担うが、どうする?」

 

 試すような目で俺を見た後、そのまま俺のいる列の一番後ろへと視線を動かす針向先生。

 

「そないに煽るなんていけずどすなぁ、ウチなんかよりえらいやりたそなお方がいてはるで?」

 

 俺は当然やりたいので無言で頷いたが、もう一人の候補者は辞退するようだ。

 はんなりとした京言葉が鈴の音の様な声で紡がれる、うっすらと笑っている様でつい聞き入ってしまうほど心地の良い声だった。

 

千紬(ちちゅう)は辞退か。それで、立候補する者は?」

 

 その呼びかけに応えたのは2人、野獣の様な男子とサイボーグの様な男子だ。

 

宝獣院(ほうじゅういん)機胴(きどう)だな。他に居なければ投票に移る」

 

 いきなりクラスの代表を決める投票、まだお互いの名前も知らないのに?

 困惑したクラスメイトからのそんな質問が何度か飛ぶが針向先生は笑みを深めてこう答えるだけだった。

 

「3人がこの短時間でどれだけクラスメイトの心を掴めたか見ものだな。それと同時に他の生徒は自分達のトップをしっかりと見極めろよ?」

 

 規律の厳しい士傑で、それを率いるであろうトップを選ぶ。自ら立候補しなかった以上自分が付いていくに値する人物を見出す以外に道は無いのだと理解したクラスメイト達は俺達3人を何度も見比べ思考を始める。

 そうして若干の居心地の悪さを感じながら投票は進んでいき──

 

「3人それぞれ5票ずつで同率だ。白票が2票あったが、まぁしょうがないな」

 

 結局決まらなかった。

 白票の片方は俺の右隣に座っている安芸さんだろうな、投票が始まってから一度も投票用紙に触っていなかったし、ずっとノートに絵を描いてたし。

 もう一人は辞退した千紬さんかな。

 

「人望は互角。ならば集団を率いるに足る力を持っているか見るべきではないのか?」

 

 そんな発案をしながら席を立ち俺の方へと歩いてくる宝獣院、その身体は十分に鍛錬されているのが伺えすでに纏う覇気はまるで野生の獣のように尖っている。

 ついに俺の目の前に来た彼はそのガタイから完全に俺を見下ろしており、内心では推薦合格者の俺の実力を見下してもいるのだろう。

 完全に俺を獲物と定めているように見えるんだが?

 

「では集団模擬戦でどうですか、各々に支持者が5人でちょうどいいですしね」

 

 同意を示し、さらに現状ピッタリな案を出しながら席を立つ機胴、彼は視線を執拗に俺へと送りながら俺と宝獣院の中間になるように位置どった。

 そういえば彼はさっき先生の持っていた名簿を見たのだったか、それで俺の個性が戦闘向きではないことを知り、一対一にならないよう集団戦での決戦を提案しフェアな条件で戦えるよう気を使ってくれたのか。

 なんだ見た目は眼鏡かけてないインテリ冷徹サイボーグだけどあったけぇ奴じゃん!

 

「その場合学校側はどの程度便宜を図ってくれるんですか?」

「治療は当然問題ない、場所も適切な演習場を提供しよう。投票したクラスメイトも自分で選んだ頭の為に精一杯やるだろうさ、なぁ?」

 

 その言いくるめる先生の姿は完全にマフィアのそれだ、入学式前の優し気な笑顔はどこへやら。

 クラスメイト達は曖昧に笑って否定も肯定もしていない。

 

「でも各陣営の戦闘が得意ではない生徒が責任を感じるのも気まずいし、俺達個人でも競おうよ」

「なに?」

「ほう?」

 

 俺の発案に怪訝そうに眉をひそめた機胴、意外そうに語眉を吊り上げた宝獣院。3人の中で一番戦闘向きじゃないであろう俺からの発案だ、そりゃあ真意が気になるだろう。

 

「やっぱりさ、俺だって男なわけだし」

 

 まぁ、至極単純な理由でしかないんだけど。

 

「誰が一番強いか決めたいよね」

 

 鼓動が高鳴り、髪が鮮やかな赤になる。

 学級委員の座なんて関係なく、ただ純粋にこの2人との闘いが楽しみで仕方なかった。




はい、ライバルキャラ出しました。
それぞれプロフィール載せまする、あんまり出番のない子も一応。

まず1人目野獣男子

名前:宝獣院(ほうじゅういん) 獅雄(ししお)
性別:男
身長:201㎝
性格:プライドが高く自分にも周りにも厳しい
個性:『ライオン』
    個性を発動するとライオンになれる。
    四足でも二足でも行動できる。
    戦闘能力と本能の向上が比例する。

2人目宝獣院の取り巻き、男

名前:驚箱(きょうばこ) 桃軒(もものき)
性別:男
身長:161㎝
性格:快楽主義で他人をおちょくるのが好き
個性:『ビックリ箱』
    他人を驚かせることが出来ると発動できる。
    驚かせた相手の思考を数舜強制的に白紙にする。
    その空白の意識に最初に浮かんだ物を実現する。

3人目宝獣院の取り巻き、女

名前:薬師寺(やくしじ) (たえ)
性別:女
身長:168㎝
性格:几帳面で少し潔癖、友達作りが下手
個性:『薬創』
    自身が把握している薬を生み出せる。
    既存の薬を複数混ぜ合わせるのは時間がかかる。
    知識に無いものは創れず連続で使うと強い眠気
    に襲われる。

4人目サイボーグ男子

名前:機胴(きどう) 才羽(さいば)
性別:男
身長:179㎝
性格:熱しにくく冷めやすい、個性発現以来感情が薄れる
個性:『サイボーグ』
    取り込んだ人工物を自由に出し入れできる。
    一度に取り込めるのは自分の体重以下の物。
    銃だけ取り込んだ場合弾は撃てず鈍器となる。

5人目機胴の取り巻き、幼馴染、女

名前:響音(ひびきね) 彼方(かなた)
性別:女
身長:164㎝
性格:明るく活発、しかし悩みを隠しがち
個性:『ソナー』
    自身にしか聞きとれない音を出せる。
    音の距離減衰を受けず届けたい距離を感覚で調整
    することができる、反響した音も同様。

6人目京都弁推薦入学者、女

名前:千紬(ちちゅう) 妃十重(ひとえ)
性別:女
身長:173㎝
性格:猫かぶり、皮肉屋で粘着質。体形がコンプレックス
個性:『クモ』
    クモっぽいことは大体できる。
    腕は2本で脚は6本、骨盤より下がクモのお腹っぽ
    くなっており、スカートを履くとバッスルドレス
    みたいになる。

最後に担任の先生、男

名前:針向(はりむかい) 誘路(ゆうじ)
ヒーロー名:ベクター
性別:男
身長:196㎝
性格:冷静だが血の気も多い、
個性:『ベクトル』
    自身に触れたあらゆる力の方向を操作できる。
    意識して行う必要がある為完全な不意打ちには対
    応できなかった。しかし体に触れた瞬間に無意識
    で逸らす技術を身に付けている。
    炎や毒等の触れただけでダメージのある攻撃は無
    傷で防げない。
    ちなみに、もしオールマイトの一撃を受けた場合
    その速さに認識が追い付かず普通にやられる。

多いですねすみません!
次回は戦闘パートでず!
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