英雄たちの墓参り   作:アズマオウ

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アズマオウです。
大晦日ですね。今年最後になりますね。来年もよろしくお願い致します。早いですが、明けましておめでとうございます。早すぎるか……。
実はこの作品、短編のランキングに入りました。応援してくださった皆様、誠にありがとうございます。まあ、嬉しいですが浮かれずに自分のスタイルを保ち続けながらこの作品を書いていきたいと思います。因みにタイトルは結構大袈裟です。
では、どうぞ。支離滅裂な理論を掲げますが目をつぶってください……。


八人目:闇に葬られた若者

 墓場のカウンターにて、秋山はスマホをいじっていた。ゲームをするわけでもなく、某掲示板サイトを見るわけでもない。秋山が見ているのは、新作ギャルゲーの情報である。

 

「フムフム……これは浮気も可能なのか……面白そうだな。夢の3Pも実現可能って……恐ろしいギャルゲーだな。初回限定版も意外と安いし買うしかねえか」

 

 ぶつぶつと小言を呟きながら脳内家計簿を開く。初回限定版も通常版も両方買えそうだ。

 早速予約しようと、スマホの画面を切り替えて電話しようとした。しかし、それは叶わなかった。

 

「あの……すみません」

 

 客だ。俺のユートピアへの道を閉ざした罪は大きいぞ。心の中で呪いながらも応対する。セーラー服を着ている。女子高生でしかも、顔はかわいい。閃光とまではいかないが、リスのようなかわいさだ。けれど顔にはわずかに悲痛の色があった。

 秋山は女性を呪うことを止めて声をかける。美人には優しいのさ。

 

「はい、何でしょうか?」

 

「あの、こちらでお墓参りをさせていただけないでしょうか?」

 

「とは言ってもハイそうですかとは言えないわけよ。あなたはサバイバーか?」

 

 秋山はとりあえず問う。これは言わなくてはならない質問だ。客は首を横に振る。

 

「いえ、私は違います。ですが、私は彼の恋人です」

 

 一瞬だが、NTRという言葉を想像してしまった。俺ってくそだなと感じながらも。

 秋山はそんなゲス思考を振り払ってもうひとつの質問をぶつける。

 

「その彼氏さんのアバターネームは?」

 

「……すみません。本名しか知らないです」

 

「そっか。じゃあ本名を頼む」

 

「はい。木原 大地です。きはら、だいち」

 

「へえ……。確かにSAOプレイヤーで、しかも亡くなっている」

 

 それを聞いた女性客は一瞬息を詰まらせる。しかしすでに知っていたようで、これ以上のリアクションは見せなかった。泣かれても困る。

 

 ふと思ったが、ここのカウンターで死亡告知を秋山は何度もしている。だが、泣いた人は誰もいない。ここに来る人たちというのは、それなりの覚悟を持っているのだろうか。それなりの強さを持っているのだろうか。

 いや、もしかしたらその死に慣れてしまったのかもしれない。だとしたらこれほど残酷なものは、ない。その人が居ない生活に慣れるということ。すなわちその人の居場所が消え去っていくということだ。もし俺の回りで誰かが死んだとしたらーー俺はその死を忘れ、再びいつも通りの生活を送るのだろうかーーーーーー。

 

「あ、あの……」

 

「あっ!? す、すまん! ボーッとしてたわ……。で、どんな話だったか?」

 

 いけない。物思いに耽っていて気がつかなかった。客は若干不機嫌そうに答える。

 

「墓参りにいきますので、お金を払おうとしたんです。100円ですよね?」

 

「ああそうだが、それだけではいかせることはできない。これを持っていってくれ」

 

 俺は100円を受け取り、同時に携帯端末を渡した。操作方法などを教えて地図を表示させる。女性客はおおっと歓声をあげていた。

 

「ま、これでいってください。では、10分間なんでお願いします」

 

「はい。それでは」

 

 そろそろこの制限やめようかなとも考え始めたが、変えるのがだるい。俺は彼女を送り出した。

 秋山は、死亡者リストを覗く。木原 大地が死んだのは、あのデスゲームが始まってから3日後だ。だが一体どうして? 気になったので、スマホでアプリを開いて本名検索をし、死亡時期などの情報を確認した。

 その瞬間、秋山は言葉を失った。

 

 

***

 

 

「だいち。墓参り来たよ。ごめんね、こんなに遅くなっちゃって」

 

 来客、水原 さやかは墓石に語りかけた。正直独り言をいっているようで恥ずかしい。けれど、そんな恥ずかしさも、彼を示すオブジェクトを前にすればすぐに消える。

 

「私さ、だいちの本当のお墓にいったけど、やっぱり辛かった。そこにだいちの骨が埋まっていると思うと、さ」

 

 だいちのお墓はこれで二つ目だ。一つはさやかの家の近くにある、遺骨が埋まっている本物のお墓だ。けれどさやかはそこで号泣してしまった。だからもう行かないことにしていた。だからこのお墓ができたのはありがたかった。

 

「ねえだいち。私たちが出会ったときのこと、おぼえてる?」

 

 無論答えはない。でも頷いてくれた気がした。

 

 さやかとだいちの出会いは1年前の高校2年生の頃だった。

 だいちはスポーツも勉強もできる優秀な生徒だった。何一つ取り柄のないさやかには縁のない人間だったはずだ。だが、そんな彼がさやかに告白してきたのだ。さやかは二つ返事で承諾した。

 初めは彼の持つ能力に惹かれていたが、やがて彼が見せるさりげない優しさと暖かさに気づくようになり、より愛するようになった。彼が私さやかを好きになった理由はいまだにわからない。でも、そんなの関係ないかもしれない。本当に愛し合っていたから。

 

「あのときさ、だいち舌噛んでたよね? スッゴク面白かったけど、私はそんなだいちも好きだよ」

 

 さやかは墓石に一歩近づく。そして手でそっと触る。暖かくないはずなのに、何故か暖かく感じる。さやかは不思議にも当たり前のように感じていた。

 

「だいちさ。私、あなたが生きてたら何してたと思う? あなたのお嫁さんだよ。私結構バイトしてたから、二人で暮らせるくらいのお金はあるんだよ。高校生でもね」

 

 墓石はなにも言わない。しかしさやかはそれをこらえる。仕方がないことなのだ。

 

「搬送さえ、間に合えば……こんなことには……。いえ、もっといえばあんなゲームがあったから……!」

 

 さやかは涙をこぼした。もう、泣かないと誓ったのに。無力な自分が情けなかった。あのときに、なんにもできなかった自分が情けなかった。今でもその思いは消えていない。無力感と絶望感をあれほどまでに味わった瞬間は、ない。

 

 

 だいちは、SAOにログインした。その後すぐに茅場晶彦による壮絶な事件に巻き込まれた。

 茅場晶彦が出した致死条件は、いくつかあった。ゲーム内でHPが0になったら死亡することはテレビで最初に言われたことだが、他にもいくつかあった。ナーヴギアとの接続が10分以上途切れた場合、停電が2時間以上続いた場合、そして現実の体が死んでしまった場合などだ。

 国が出した対抗措置として、プレイヤー全員の病院への緊急搬送だった。だいちも搬送されることになり、すぐに最寄りの病院へと向かった。さやかたちが住んでいる町には大きな病院はないため、東京までいく必要があった。無論救急車にも電源コードはあるのでナーヴギアの通信は切れないのだが、もって1、2時間程度だった。だが、東京の病院でも1時間あればつく距離だった。だが。

 病院から受け入れ拒否された。もう、ベッドが空いていないのだという。先程の人が最後だったらしい。

 だいちをのせた救急車はパニックに陥った。救急隊員は必死に電話を掛けて受け入れ先を探し、さやかはだいちの手を握り続けていた。

 

 だが、そんな努力の末に待っていたのは、だいちの死亡という結果だった。脳細胞が高速振動して、脳が焼けてしまったのだそうだ。

 

 さやかはわんわん泣いた。この世が震えるくらいに。彼の体にすがり付いて、何度も顔を埋めて泣いた。さやかが好きだったあの暖かさは、消えていた。

 

 

「だいち……あなたのことは今でも好きよ。誰とも結婚はしないよ」

 

 さやかは、墓石をなで続けた。

 

「そっちでも、元気にしてね。私もさ、いつかはわかんないけどそっちいくから……待っててね」

 

 こぼれる涙を拭いながら、さやかは言った。

 

「じゃあ、また来るね」

 

 さやかは立ち上がり、背を向けた。そろそろいかないと、学校に間に合わなくなる。少し名残惜しい気もしたが、私は一歩を踏み出した。

 

***

 

 秋山はスマホをいじっていた。エロゲーの公式サイトでも、薄い本のインターネット版を見るわけでもなく。秋山が見ていたのは、総務省が公開する予定の公開資料だった。内容は、SAOでの死亡者の原因のグラフだ。99パーセントがゲーム内での死亡だった。が、残りの1パーセントは、その他としか記されていない。この資料を作ったのは秋山の部下だ。しかも検閲したのは総務副大臣だ。秋山はこの資料の出来に怒りを覚えている。こんなのは、周知の事実だ。ゲーム内での死亡がほとんどだと誰だってわかる。言い換えれば、国はなにも悪くないといっている。悪いのはすべて、茅場晶彦だと。

 秋山も、国は悪くないと考えていた。さっきまでは。先程の女子高生が訪れるまでは。

 女子高生の目当ての人物、木原大地こと《Daithi》の死亡時期はデスゲームが始まってから1週間後だ。その頃はプレイヤーの病院への搬送が行われていたという。全てのプレイヤーは搬送に成功していたと国は発表している。

 だがそれは嘘だった。

 先程秋山が見た死亡者リストには、個人情報はもちろん、死亡時期や搬送された病院の名前などが書かれている。死亡時期は先程あげた通り1週間後。搬送先の病院は不明と書かれていた。則ち、彼の体は病院へと運ばれていないということになる。この死亡者リストは国の検閲がままならない状態で作られたものなのですべてが真実だ。この死亡者リストが、国の隠蔽を証明しているのだ。

 

 この資料は、政府の保身を助長する最低な資料だ。秋山は怒りを総務副大臣にぶつけようとスマホを手に取った。

 だが、それは叶わなかった。

 

「すみません、終わりました」

 

 再び女子高生が現れた。秋山はスマホをテーブルにおき、カウンターへと向き直る。

 

「終わったか」

 

「はい」

 

 少女は透き通った瞳で秋山を見る。ああ、この子は何にも知らないんだな。大地くんの死を隠蔽しようとしている政府のことなんて。

 秋山は葛藤した。裏での卑劣な動きを伝えるか、知らないまま放置させるか。

 

「あの……あなたは総務省のお役人さんですよね?」

 

 秋山が考えていると、突然質問が降りかかってきた。秋山は一瞬ビクッとなったがすぐに答える。

 

「ああ。いかにもだ。きっとそうは見えねえだろうけど」

 

 一応総務省の紋章は飾ってある。知っている人にはすぐにばれるだろう。

 少女はフフと小さく笑い、口を開いた。

 

「あの、こんなこと聞くのは変かもしれないんですが……」

 

「ああ、何でも聞けよ。滅多にない機会だからな、官僚に質問できるなんてな」

 

 少女は少しためらいがちだった。だが、意を決したのか真剣な表情へと変わり、質問した。

 

「人の死って慣れるものなんでしょうか……?」

 

 少女の質問を聞いたとき、秋山は目を大きく見開いた。まさに先程自分が考えていたことだ。

 

「どうしてそれを俺に……?」

 

「あ、いやこのお墓を運営されているので、その、おこがましいですがご意見をいただきたくて……」

 

 普段の秋山ならこう思うだろう。試しているなと。だが、不思議と今回はそう思わない。この人は、俺と同じように解を見いだせていないんだなと、察した。

 

「あんたは、慣れたんかい?」

 

「……分からないんです。いつの間にか、だいちの死に関して何も感じなくなったんです。なんていうんでしょうか……だいちがもとからいないものだと思ってしまうんじゃないかって……。当たり前のように感じていったのかもしれないです。それって普通なんでしょうかって、分からなくなってきたんです……」

 

「…………」

 

 俺は、この事業についてから死について、墓参りについて考え続けている。だが、ここに新たな疑問が追加された。まだまだ結論がついていない議題がたくさんあるというのに。

 秋山は黙ることしかできなかった。女子高生も同じく黙り込んでしまう。

 

ーー人の死はきっと、他の物事と同じなんだろう。時期がたてばすぐに忘れ、元の生活に戻そうと必死になる。まるで物理学だ。力を加えられたものは必死に元に戻ろうとする働きをする。人間も結局は物理の世界に縛られている、ということか。

 

 早い。早く結論が出てしまった。秋山はそれを口にしようと喉に力をいれる。だが……。声がでなかった。

 いや、自身がそれを拒否しているのだろう。そんなの、おかしいと。

 

ーーいや、可笑しくなんかないだろ。だって、それが真実だ。10年くらい前の大震災の時なんか考えても見ろよ。すぐにみんな忘れちまっているんだぜ。はっきりいうが、SAO事件のことなんてもう闇に葬られようとしている。その証拠に、他のVRゲームがたくさん量産されてるじゃねえか。だから人ってのは死なんてたった一つの事象にすぎないんだよ。忘れて、また同じ日常を送ろうと努力する、バカな生き物なんだよ。

 

 冷ややかな反論が頭に浮かぶ。声を出せ、さあと煽ってくる。例えるなら天使と悪魔の、悪魔の意見だろう。だが、いや、だから秋山は声を出せない。必死に拒んでいるのだ。そう結論付けてしまうと、秋山の中の全ての価値観が、崩壊してしまいそうだからだ。

 

ーーなああんた。思い出せよ松本さんの言葉を。過去を振り替えることに何か意味があるって。そんな感じのことをいってたよな。ってことはさ、忘れていないんじゃねえのか? そりゃあ人はバカだからすぐに慣れようとするさ。でも、それだからといって、その人の居場所が消える訳じゃねえよ。その人のことを覚えているだけでも、違うと思うぜ? 墓参りも、居場所を作る一つの行為だと思う。だってその人がいなければそんなことしねえんだから。

 

 不意にもう一つの意見が浮かんだ。例えるなら天使と悪魔の、天使の意見だろう。不思議とそれは秋山の脳にすんなり入り込む内容だった。喉の緊張が解けた。秋山は声を出そうと、力をいれた。すると、声がちゃんと出てくれた。

 

「俺は、普通だと、思う」

 

「……そう、ですか……」

 

 女子高生は、落胆した表情を浮かべた。そして、素早く口を動かして自分の質問に曖昧な答えを返すことしかできなかった俺にたいしてフォローする。

 

「まあ、こんなバカな質問しちゃった私も悪いです。ですので忘れてーー」

 

「でもな、だからといって大地くんがあんたから消えていくってのは大きな間違いだ」

 

「えっ?」

 

 突然声を遮られた少女はビックリした顔で秋山を見る。

 

「これは俺の憶測でしかないが……ちゃんとその人の居場所はある。こうして墓参りしているんだ、ちゃんと大地くんはいるよ。あんたのどこかに」

 

「…………」

 

 少女は黙る。秋山は続けた。

 

「確かに人間は愚かだから、それも自分がばかだと気づけないくらい愚かだから、人の死に関して希薄なんだ。自分の作り上げた日常に戻すために必死に努力し、その事象を無かったことにしようとする。今国がやっていることなんだよ」

 

「そ、そんな……」

 

 秋山はスマホを取り出して、例の資料を見せた。すると、女性は怒りを現した。

 

「どうだ、これが国の姿だ。大地くんの、いや、全てのSAOプレイヤーの死を無かったことにしようとしているんだ。俺は、この資料を公開するつもりはないがな。必ず修正させる。けれど覚えておけ」

 

「何で……こんなことを……!」

 

 女性は今にも俺の胸ぐらにつかみかかってきそうな勢いだ。無理もない。だが、秋山につかみかからなかったのは、秋山をつかんでもどうしようもないということを知っているからだろう。

 秋山は物怖じせずに答えた。

 

「さっきも言ったろう? 政府も人間の集まりなんだ。SAO事件を無かったことにすれば、日常が来る。ついでに国の失態を隠せるんだ。だからだ」

 

「そんな…………」

 

 彼女はうなだれた。秋山は息を吐き、脱線した話を戻す。今は国に関してのことは置いておくべきだ。

 

「だけどな、その日常の中に、いるんだよ。人の死ってやつが。一見忘れたように見えて実は忘れてない。まあそれは他のことでも言えんだろうけど。死は確かに1つの事象にすぎない。それも、今日テストで100点とったとかそういったレベルさ。だけど、人の存在や尊厳が関わってくると違う。消し去れないものなんだよ。俺が言いたいのはこういうことだ。人の死には慣れても、人は絶対に消えないんだ」

 

 何で俺こんなに語っているんだろう。いつもとは違う自分に苦笑した。多分、めちゃくちゃなこといっているだろうなと、感じた。

 

「……分かりました。でも、私にできることって……」

 

 秋山は少し考えた。しかし、考える必要などないということがわかった。そう、もう答えは、知っているのだから。

 

「簡単さ。また、ここに来ればいい。だから、またおいで」

 

 秋山は優しい笑みを浮かべていった。そうだ、まずはここに来ればいい。ここに来れば、いろんなことが、見えてくるから。

 

「はいっ!」

 

 女子高生は明るい声で叫んだ。さっきの、あの怒りはどうしたのだと思いたくなるくらい。やっぱり、人間なんだなと感じた。

 でも、それは少女にとっては、平民にとっては、どうでもいいことなんだろう。自分の日常を守り、大切な人の居場所を作る方が、大事なのだろうから。

 

 そう、汚れた部分を消すのは、俺たちの仕事なんだ。彼らは考えるべきじゃない。

 

 秋山は、ふっと自分らしくない思考に苦笑し、女子高生を見送った。この墓の存在意義を見いだせた気がしながら。

 

 

 

 やがて姿が消えると秋山は早速電話を掛け、あの資料の訂正を命じた。そして秋山は家へと帰る前に秋山は松本さんにメールを送ろうと文章を打ち始めた。今日わかったことを伝えようと思ったからだ。まあ、こういうのは口で伝えたいから細かく伝えるつもりはないが。

 

『松本さん分かりました。あなたが前に言った言葉の意味が。意味は、存在はあったんです。まあ、まだもう一つの疑問は解決できてませんがね。悲しむことでどうして前に進めるのか、俺にはわからないです。次あったとき、教えてください』

 

 送信しようと、親指に軽く力を入れる。が、その直前、メールの着信が入った。

 秋山はメール送信を中断して確認する。差出人はアルゴからだった。件名は、無題。よっぽど急いでいるということだろう。俺は本文に目を通す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 数秒後、秋山は携帯を床に落とした。口をわなわなと震わせ、視界がぐらついてきた。鈍器で頭を殴られたような、そんなショックを味わっていた。

 

 

 

 

 

「うそ……だろ……?」

 

 秋山は携帯を拾い上げるとすぐにドアを乱暴に開けて駆け出した。鍵をかけることも忘れ、ただ走った。メールの内容が嘘であるかもしれないという、一縷の望みを持ちながら、最寄り駅まで全力で駆けた。

 

ーーそうだ、こんなのうそなんだ、アルゴのいつもの冗談なんだ。そうであってくれ!!

 

 秋山が受け取ったメールには、こう短くかかれていた。

 

 

 

 

『松本っちが、倒レタ。しかもかなり、ヤバイ。とーるんも早く来てクレ』

 

 

 

 

 




次回はまあ、察してください。
そこでまとめて強引に問いをすべて回収したんですが。まあ、問いというのは永遠に続くものでありまして。またこの問いを投げ掛けることがあると思います。だって死を理解するには、「死を理解したと認識する自分」がいないといけないので。感想欄に自分なりの「死」に関する考えを書いていただいても良いです。無論この作品で提示した理論を全否定するものでも構いません。正直正しいとは考えていないので論破してくださっても構いません。

では、感想やお気に入りお待ちしております。
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