~モモンガ視点~
感情抑制が働いたほどだ。
拠点NPCが転移してきたのだから傭兵NPCも転移している可能性も考慮するべきだった。
シャルティアの件といい、今回の件といい、自分の愚かさが嫌になる。
アンネ・レンブラントは恐らくもっとも有名な傭兵NPCの内の一体だったと言って良いだろう。
第三回傭兵NPC選手権の優勝NPCだったのだ。
サーバー別ではなく、参加した全傭兵NPCの優勝NPCだったのだ。
サーバー別優勝NPCの戦いでも8勝0敗と言うとんでもない成績を残している。
この全勝は全大会で唯一の例だったのだから有名になろうと言うものだ。
ユグドラシル情報板にはシルトさんの個人板もあったのだけれども、なぜか装備品として彼女の事が書いてあった。
INしている間は常時傍に居たのもあるが、どう考えても奇襲や暗殺が成功したと思われる時ですら、身代わりスキルか入れ替えスキルまたは相転移魔法(二人の位置が入れ替わる魔法…これはシルトさんが使っていたようだが)でシルトさんを完全に守り切っていたとされる為だ。
ワールドアイテム、神々の使徒で作られたと言う説も濃厚だったが本人は否定していた。
もし本当なら、通常の傭兵NPCのAIはプレイヤーでは組めないのだから、シルトさんが直接指示を出していたのではないか?と言う説もあったのだけれども、彼の場合、指示を出すよりも魔法の方が確実に早いからきっとないのだろう。
シルトさんは範囲攻撃以外ではアンネを削り切らない限り倒せない事になるのだから装備品扱いなのも否定しきれない訳であるが。
上記が本当ならそれほどの経験を積ませたことになる。
しかも、シルトさんが範囲魔法を雨霰と撃って来るのだからワールドアイテム無しでどうしろと?
ぷにっと萌えさんもどこまでが本当なのか疑問に思っていたほどで、情報掲示板も全部が正しい訳ではないからな~。と言っていたから真偽不明だが、真実と考えて対処しておいた方が良い。
少なくとも第三回傭兵NPC選手権の優勝NPCなのは真実なのだから一般的な、プレイヤー>傭兵NPCの公式は当てはまらない存在なのだ。
と言えば、不味いと思った理由は分かって貰えると思う。
NPCにユグドラシル時代の記憶が残っているならフィールドで戦闘をしていた傭兵NPCは拠点NPCよりも余程実戦経験が豊富と言う事になるのだから。
フレンドリーファイアが起きる為、シルトさんの容赦なく範囲魔法を撃つと言う戦術が難しくなった以上、弱体化したと考えていたけれども甘かったのかもしれない。
皆の意見でパンドラズ・アクターを影武者で出したけれども、それでシルトさんが怒って戦闘になったら、地表にいる全員が倒されると考えて良い。
アンネがいると言う事はそういう事だ。
あせってルベドの起動準備をしたほどだ。
シルトさんは対抗戦のようなイベントは別として自分からPKをする事は無い人だったので、即座に謝りに行ったら、あっさり許してくれた。
しかし、本名による本人確認か、確かにプレイヤーとNPCを見分けるのは簡単にできるよな。
あれほど苦戦した
航空写真のような地図の作り方を教えて貰ったのはかなり参考になった。
地図にナザリックはなかったので上空からの隠蔽は出来ていた事は分ったが、地図と現場の不一致が偵察隊を送り込む要因になったと知って驚いてしまった。
エルグリラに市民がいるとか、自陣のPOPモンスターからスクロールが取れるとかもかなり驚いた。
デミウルゴスから第3位階のスクロールが作れる生物を見つけたと報告は会ったけれども第4位階までなら第4位階用に入手できるのはありがたい。
問題はお金か…はぁ。
シルトさんは食料で苦しんでいるようなのでお互い苦労しているようだ。
その後の戦闘報告書も驚きの連続だった。
戦闘映像まで置いていったのだから本当なのだろう。
しかし、半径10KMの攻撃半径って範囲拡大したら半径20KMになるのか?
なんであんな狂ったアイテムを作ったのだ、あのくそ運営め。
ワールドアイテム(世界の守りがある)だから
二十でないのは絶対に可笑しいだろう。
シルトさんも
ある意味、シルトさんで良かったよ。
この世界に転移した者同士、協力していかなくては。
その後、私が知り得た情報をお返しに教えたらかなり喜んでくれた。
本当に困っていたのだな。
その後雑談に入り、話が盛り上がった。
変わった服装をしていたのは、メイドが選んだ為、断れなかったとか。
私もメイドが選んだ服を断れないだろうから中々にシルトさんに親近感がわいた。
中級スクロールは、ユグドラシル時代の感覚で、軽い手土産のつもりだったのだろうな。
もう手に入らない中級スクロールのお返しを渡して、シルトさんとの会談を終えた。
~~~~
ナザリック玉座の間
「ただいま帰還いたしました。」
「アルベド、ご苦労だった。
エルグリラはどうだった。」
「担当は、男にだらしなさそうな売婦でした。」
え、何を言っているの?
「私のようにアインズ様を一途にお慕いするのが正しいサッキュバスの姿なのです。
あんな淫乱女を担当者にするなんて
確か、ステラって都市階層の守護者ステラ・ケルト・エルティアだよね。
同じサッキュバス同士で何かあったのか?
「アルベド、本来のサッキュバスとして正しい姿は向こうの方じゃないかな~」
俺もアウラの意見に賛成だ。
と言うか、俺が設定を変えなかったらアルベドもビッチだったよね。
「個人の感情で相手を下に見るのは良くないな。
そのような物は判断を誤らせる。
実際、
我々の計画って何?
「デミウルゴス、皆に分かるように丁寧に説明してやれ。」
「わかりました。
私も
最初に資料を見た時には信じがたい物がありましたが本日確信いたしました。
先ずはギルド長のシルト、今日の映像でも見た通り、あの攻撃力は無視できません。
貰った戦闘報告書が正しいなら、
「わらわもでありんすか?」
「そうだよシャルティア、シャルティアも消滅する。
幸い、ロンギヌスのような効果は無いので蘇生できるのがせめてもの救いではありますが。」
「アノリュウオウハ、イチゲキデハシナナカッタヨウダガ。」
「その事についても書いてあったよ。
と書かれていた。
シャルティアを中心に発動したなら持たないだろうね。」
「シャルティアが一発でやられる、つまり、ナザリックの誰であってもやられると言う事か。」
「そういう事ですアインズ様。
今日ほど、我が主であるウルベルト様が居られたらと思う日はございません。」
「私もそう思う。だが、ウルベルトさんは居ないのだから居ることを考えてもしょうがない。
で、どうする?私も分かっているのだが他の者にも説明してくれ。」
「はい、アインズ様。これも報告書に書いてあったのですが、
自分達もろともで使う可能性はありますが、その場合、その階層と引き換えに
シルトの言っていた、他のメンバーは居ないが正しければですが。」
「デミウルゴス、お前はシルトさんが嘘を言っていると?
あと、シルトさんを呼び捨てにするのはよせ。」
「アインズ様や至高の方々以外に敬意を示す必要を感じないのですが。
観察対象としては面白い存在ですが、しょせんは人間です。
当然、本人や
「デミウルゴス、私がシルトさんと言っているのにお前は呼び捨てにするのか?」
「申し訳ありません、これは私の失態でした。
それ以外にも、あり得ない早さで魔法を使っているのも確認できました。
移動スピードも
後であの映像を早送りしている可能性を調べてみます。」
「デミウルゴスは忙しいだろう。
ティトゥスに調べてもらえ。」
「そうさせていただきます。
同行していたアンネについての資料も信じがたい物でしたが」
「資料を集めた仲間たちを疑うのか?」
「いえ、その資料にも真偽未確認とありましたので。」
「そうだったのか、すまないデミウルゴス。」
「構いません。
最後に結論を申し上げると、我々の目的のために利用すべきです。
シルト様も、同じような存在がいる可能性を話していましたが、その意見には私も賛成です。
そのような存在やワールドエネミーが発見された場合、
「デミウルゴス、確かに被害を押し付けるのは良い手ね。」
「フム、ワタシハキョウシャトタタカッテミタイノダガ。」
利用って、協力するべきと思うのだけれどもね。
「コキュートスは戦いたいようだな。
その時は一緒に戦えばよい。」
「ワタシノキモチヲゴコウリョイタダキ、アリガトウゴザイマス。」
「他の者もだぞ。
後、頂いた報告書は皆も読んでくれ。
かなり参考になるので写しを作成する。」
「畏まりました。」
「デミウルゴス、私が写すから渡して貰えないかしら」
「これだ、よろしく頼む。」
「シルトさんから
『モモンガさん突然で申し訳ありません。』
「どうかしましたか」
『ステラから聞いたのですが、担当を変えた方が良かったでしょうか?
彼女はエルグリラの内政担当なのでこちらの担当にしたのですがどうもアルベドさんとの折り合いが悪いようで。』
「こちらも同じような感じでしたよ。
他に良いものが居ますか?」
『外交担当が居たらよかったのですが。
財務担当ならどうでしょうか』
「その方が良いかもしれません。
相談して折り返します。」
『わかりました』
「どんな内容だったのですか?」
「アルベド、お前と
「私ではお役に立てないと言うのでしょうか?」
「役に立つとかではなく、ちゃんと折衝できるのか?」
「あのような者、私の意のままに扱って見せます。」
そうじゃなくって
財務担当…パンドラに任せるのが一番良かったのか。
「アルベド、あのように感情を表に出していては出来るとは思えないな。」
デミウルゴス、よく言ってくれた。
「アルベドも忙しいだろう。
比較的余裕があるパンドラに任せようと思うがどうか?」
「パンドラでしたら。」
「アルベドも納得してもらえたようだし、ミレニアムとの交渉はパンドラズ・アクターに任せる。」
「Ich verstehe, Mylord.」
「…ドイツ語はやめような。」
「シルトさん、こちらからパンドラズ・アクターを向かわせます。」
『そうして頂けると助かります。
こちらの近江は転移が出来ないもので。
第一階層は転移できるようにしてありますので都市長城館で待機させます』
「わかりました」
「パンドラ、向かってくれ」
「今から向かいます」
敬礼して玉座の間から出て行ったけれども…やっぱり恥ずかしい。
違う意味で大丈夫なのか?
「ところでアルベド、今日の会談とその報告書を読んでどう思う?」
「嘘があるような気がしますが…デミウルゴス、貴方もそう思うの?」
どこに嘘があったのだ?
「あまりにも隠していなさすぎる。
普通、情報をある程度は隠蔽しようと思うはずだ。
なのに、あまりにも戦闘経過が詳細で分析まで矛盾なくされているのだよ。」
「あの映像も何か加工してあると?」
「早送りも可能性の内の一つなのだけれどもね。」
「デミウルゴス、私も感じていたが、お前が怪しいと思ったところを皆に分かりやすく説明してくれ。」
「一番怪しいのは、あの女天使が消滅させられたと言う所です。
シルト様はあまりにも平然としすぎていました。
シルト様とあの女天使、アンネとの関係を考えるとあまりにも不自然です。
次に、ワールドアイテムによる蘇生ですが本当なのでしょうか?
ワールドアイテムを使用したにしてはこれもあまりにも平然としていました。
アンネがワールドアイテムより大切なら、被害は最小限、などと口にできるとは思えないのです。」
「つまり、アンネは消滅していない、完全消滅から復活させるワールドアイテムは無かった、または使っていないと言う事か。」
「どちらなのかは分かりかねますが、少なくとも今回は彼女には使用していないのでしょう。」
「彼女には?」
「もう一つ考えられるのは、被害は最小限ではなかったのではないかと言う事です。
常識的に考えて、
寧ろ、シルト様とアンネ以外の戦闘要員がほぼ居なくなっていたのではないかと?」
「つまり最小限は強がりだったと。
一緒に来ていたハサン、ズワースや都市長代行のステラはどう考える。」
「ハサンについてはどうも、メンバーが居ない時はアンネ以外にハサンも傍に連れていたようなので、残っていたのでしょう。
ズワースは確かに執事らしく、さほど強く感じませんでした。
アルベド、ステラはどうだった?」
「あの淫売なら、自分で戦わず男を動かして戦うタイプですね。
さほど強いように感じませんでしたわ。」
「でしたら、残っていてもおかしくはないかと。」
戦ってもいないのにそんなことが分かるのか?
「では、アンネの評価はどうだ。」
「あまりにも難しいです。
「あの女が私より上ですって、デミウルゴス、本気で言っているの?」
「実際確認した資料でもそうなるのは分るだろうアルベド。
攻撃力は貴女の方が圧倒的に上ですよ。
それでも、シャルティアやコキュートスでも完封してしまうが。」
「わらわがあの女に手も足も出ずに負けるでありんすか。」
「ワタシガイッポウテキニマケルダト。」
「
多分、あの二回の天使たちの殆どはアンネの召喚天使だよ。
御二方はあの数の天使をどうにかできるのですか?
誠に遺憾ながら、ナザリックの守護者でアンネに勝てるのはルべドと、分が悪いですが、アルベドにも勝機はあるかと…ワールドアイテム
まあ、アインズ様なら楽勝でしょう。」
一人天使軍、最硬の傭兵NPC、アンネ・レンブラントの評価は合っているのに俺への評価はおかしくない?
戦うにはシャルティアを超える最悪の組み合わせだよ。
「つまりは、多少の守護者を失っても、アンネがいるなら多少の損害と言う事で良かったか?」
「現状、情報が足りていないので様々な可能性が考えられますが、先ほど申し上げた辺りに嘘が混じっている事と、アンネがいる以上、さほど戦力修正は無いというのは変わらないと言う結論です。」
……
~~~~~
「ただいま戻りました、アイ~ンズ様」
「ご苦労だった、パンドラ。ところで、エルグリラはどうだった?」
「案内されてエルグリラの街を廻りました。
街を歩いていた市民にも確認したのですが、3日前に転移したのは間違いなく、転移したのもナザリックと同じくユグドラシル最終日である事も確認されました。
また、市民もあの戦いを知っておりました。
ただ、どうもシルト様以外は召喚天使のみで、アンネは出撃していないようで。」
「そうなのか?」
「退避した避難場所でも映像が流されようで、我々が見たものとほぼ同じものを知っていました。
ただ、我々が見た物は出撃前のシーンがカットされていたらしく、最初の出撃の際にアンネが撤収したのを見たようで。
出撃していたとしても第二陣でしょう。」
「やはり、アンネは出撃していませんでしたか。」
「パンドラ、案内されたのですよね?向こうが仕組んだ役者では?」
「それはないかと。第一階層は何時でも来て良いとの事でしたので、今から行って確認しますか?」
ユグドラシル時代でも誰でも入れたからな。
「後、食料不足も大々的に布告が出されていました。食料不足については嘘をついているようには見えませんでした。」
何故アルベドは調べもせずに帰ってきたのだろう?
「ところでアインズ様、シルト様が謝りたいことがあると言って地表部まで来ておりますが?」
「何故それを先に言わない、今すぐ行く。」
「下等生物が、アインズ様の威光にひれ伏す気になったのかしら?」
~~~~
「こちらのステラが申し訳ありませんでした。」
「申し訳ありませんでした」
シルトさんと、恐らくサッキュバスと思われる露出の多い女性が頭を下げていた。
「シルトさん一体どうしたのですか、頭を上げてください。」
「ステラが魅惑のオーラを使っていたらしく、その為に心象が悪くなっていたようでして。
切っていなかった私どもの落ち度です。」
思わずアルベドの方を見てしまった。
「私は持っておりませんが、サッキュバスの種族スキルです。
簡単に言うと、男性系の味方にバフ、敵にデバフ乃至チャームをかけ、逆に女性系の味方にはデバフ、敵にはヘイトを買うと言うものですが。
私がそのような物に影響を受けたとでも?」
「いかにも聡明そうなアルベドさんがエルグリラの街の確認もせずに直ぐに帰りましたので可笑しいと思い、ステラに確認したところ魅惑のオーラを出していたようで、これだろうと。
もし、アルベドさんではなく、男性でしたら洗脳しようとしていたことになるので、本当に申し訳なく思いまして。」
これなら、帰ってきた時のアルベドの態度も何故エルグリラの確認もせずに戻ってきたのも辻褄が合う。
しかしLV100なのに効くとは?サッキュバスは特に効きやすいのか?
「ところで、何故出していたのですか?」
「女性は悪化するそうですが、男性限定で部下や市民の働きが良くなるらしく、その為のようです。」
「状況は分りました。
謝罪は受け入れますから、頭を下げるのを止してください。」
「ありがとうございます。
また今度お詫びの品でも持ってこさせます。」
「いえいえ本当に大丈夫ですので。」
「本当に申し訳ありませんでした。
ステラ、戻るぞ」
シルトさんとステラが転移して戻っていった。
「アルベド、本当に効いたのか?」
「そのような物が効いている筈がありません。
「そ、そうか?」
何だか素のような気もするけれども、効果が低いものは効きやすく分かりにくいからな。
「しかし、上に立つ者があのように簡単に頭を下げるなど。
しょせんは下等生物。」
「違うぞ、アルベド。
部下の為に直ぐに頭を下げに来る態度は見習うべきだな。」
シルトさんは、嘘をついていたとしても失態を隠すとは思えないのだよね。
しかしデミウルゴスが言っていた事だからな?
ワールドアイテム 神々の使徒
原作者様X(旧Twitter)より
パートナーを作るWI。NPCの作成はギルド拠点が必要だが、このWIはギルド拠点無しでNPCが作成できる。
名称不明ですので、勝手に命名しました。
私の設定集より
拠点NPCのようにステータスや魔法、スキルを自由割り振り、戦闘AIを作る事が出来る傭兵NPCを作ることできる(設定文のみ不可と言うより書く場所自体が無い)消費型ワールドアイテム(消費型にしないとNPC自体に世界の守りが付く事になるので)
所得方法が情報板で公開された為、何体も作られた。
これによってつくられた傭兵NPCでも別に世界の守りを持ってはいないが、所有して何も設定しないで自分の傭兵NPCに設定すれば自分に世界の守りはつく…神々の使徒が一回の攻撃で破壊されるのでやる人はいなかったが。
運営が仕様変更でリキャストタイムが設定された。