もう一つのギルド   作:mshr

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第4章3話 使節団の報告

はあ、どうしよう。

 

二か国ほどの人類を抹殺しそうな勢力を知っているので。

 

あの話は、私に人間種保護を促す為の物でまだ他に隠している事は有るようだけれども、それ以上は私が決定して行動したら教えて貰えるらしい。

 

天空城の中も同じだった。

 

「東方を確認してもらえれば私どもの言っている意味が分かります。

人間種の領域は大変狭いのです。」

 

とのお言葉を頂きエルグリラに帰還した。

 

知っているのですよ。

 

しかしアランの作った地図を見ていた時に、スレイン法国はあまりに都合の良い場所にないか?と思ったけれども、人工的だったとは。

 

半島の付け根(と言っても100Km以上あるけど)を閉じれば良いローブル聖王国よりも守りやすいと来ている。

 

もう一つの外敵(この場合人間種以外)が少ない国はリ・エスティーゼ王国だけれども、だからあんなに腐敗しているのだろうか?

 

そう言えば、外敵のいないローブル聖王国の南側も危機感が乏しかったな。

 

取り合えず、リ・エスティーゼ王国の第一王子(バルブロ)モチャラス家の三男(フィリップ)の首を狩ろうか?とか物騒な事を考え始めてしまった。

 

何も考えたくなくなった私は書類仕事に没頭し物騒な思考から逃げた。

 

次に反応があったのはスレイン法国だった。

 

大王国を除くと周辺諸国は混乱状態だったようだが、その混乱の元凶と目される使節団だった為か、すんなり行政機関長なる人物に会えたそうだ。

 

あそこは、過去の歴史が残っていそうだからな、照らし合わせた結果だろう。

 

確か、国の偉い人達は六大神が本当は神でない事も知っているのだったか。

 

スルシャーナと八欲王の約束も知っている可能性だってある。

 

滅んでいない時点でね。

 

「エレア、スレイン法国はどうだった?」

 

「意外と交渉は楽でした。

キュアイーリムの鱗を見せたら滅んでいなかったのか!と驚かれましたが。」

 

「他には?」

 

「シルト様とキュアイーリムとの戦闘の余波で受けた損害ですが、デケム・ホウガンを引き渡せば相殺してくれるそうです。

何でも、戦争の理由はスレイン法国の要人を監禁して強姦した為らしく、他のエルフに対してはどうでも良いとかでエルフの王国に対しては停戦するそうです。」

 

「うちのレイラにした事と彼の発言を考えると本当なのだろうな。」

 

「食糧の購入に関してなどいくつか条件は付きました。

法国に入るのは人属に限定して欲しそうです。

エルフとの戦争が長引きすぎて、国民の他の人間種への差別意識も凄いそうで。」

 

「理解はできるけれども、それは何とかして欲しいよ。

後、相殺って事はまだ何か要求があるのか?」

 

「必要量の食料を相場で購入するのは問題なく、商売も先の条件を呑むなら問題ないそうです。

ただ、人間種側の存在である事を証明して欲しいそうで。」

 

「先日、別の場所で似たような事を言われたよ。

限度があるがどのようなものだ?」

 

「竜王国と言う国に援軍を出してビーストマンと戦ってもらえる事が条件になるそうです。」

 

原作を知っていたら、やっぱりとしか言いようがない。

 

「大王国では無かったが似たようなものか。

スレイン法国に竜王国への紹介状をお願いしてもらって欲しい。

実際に竜王国に話を聞かないと答えにくい。

後、そのビーストマンについての情報もなるべく詳しく。

皐月もビーストマンの調査をして欲しい。」

 

「「承知いたしました。」」

 

「後はそうだ、エルフの国がシャンドラド千年王国の属国か領地になってしまったので、講和条件についての話し合いをしたい。

例えば捕虜はいるのかとか、領地の線引きをどうするのかとか。

エルフの国からも使者が出ている筈だけれども、宗主国としての権利と思うので。」

 

「畏まりました。」

 

資金は本当にどうとでもなるからな。

 

資源はあるのでお金は作ればいい。

 

やりすぎるとハイパーインフレが発生するので適当なところで納めるけれども。

 

この後、デケムをボコボコで多分15レベル低い状態で引き渡したら、食料の購入許可が出て、流石にお酒を造るほどでは無いけれども、収穫までに飢餓が発生する可能性はほぼなくなった。

 

逆に言うと、最低量の購入許可とも言うけれども。

 

レベルダウンの魔法はその人が受け入れる気になるかどうかで使えるかどうかが決まる事が分かったのでそれは収穫だったけれども。

 

多分は訓練でレベルが上がった可能性も有ると言う意味。

 

 

 

次に大王国は

 

「オックス、大王国はどうだった?」

 

「大王の返事はどうでも良いそうです。」

 

「どうでも良い?」

 

「食べるところが無いとかで。」

 

オーバーロードだからね、って何かが違わないか?

 

「オックス、それはお前への感想ではないのか?」

 

大王国への使節団をアンデッドで固めた私が言うのもなんだけれどもさ。

 

「他の種族がいる事も言ったのか?」

 

「砂漠を通過するときに仲間に引き渡せば通してやるとかで。」

 

他の種族は貢物じゃねーよ。

 

「つまり、餌を渡せばよいのだな。

ところで領地は?」

 

「そもそも、住む所が違うのだから問題が?

と言われました。

砂漠の外には関心が無いようです。」

 

「アレクが言ったみたいに、揉めたら緑化してしまえば良いと言う事か。

色々な意味でお疲れ様。」

 

 

 

スルターン小国

 

「イオランセ、スルターン小国はどうだった?」

 

「シルト様の戦闘の際に被害が出たそうですが、あのエリアのアンデッドの原因が分かったとかで、敵を討ってくれてありがとうございます。との事でした。」

 

「敵?」

 

「スルターン小国は殆どが風の魔精人(ジニー)と呼ばれる種族らしく、元はスルターン国と言う国の一部だったそうなのですが、250年ほど前にかなりの人数がいきなりゾンビになって、国が殆ど崩壊したらしく、残ったオアシス都市を小国として存命させた歴史があるようです。」

 

「元の領地を戻せとかの要求は?」

 

「とくには有りませんでした。

現状では貰っても持て余すそうで。」

 

「なるほどね。」

 

「交易は構わないそうですが、いくつかのオアシスの国ですので肝心の食料は期待できません。」

 

「商館を置かせてもらって交易を行う程度で良い訳ね。」

 

「そういう感じです。

どちらかと言うと、エリュエンティウに向かうキャラバンの補給拠点の性格が近い国ですので。」

 

「では、蠍人(パ・ピグ・サグ)の事はどう思っているのだ?」

 

「自己責任だろうとの事でした。

キャラバンはキャラバンで、小国は小国でと言う感じです。

どうも、蠍人(パ・ピグ・サグ)とも多少の協力関係にあるらしくて」

 

「オックスの話では交渉以前だったけれども?」

 

「彼らにとって要らない物と食料の交換をしているようです。」

 

「何と言うかたくましい。

この先は商人を送ろう、お疲れ様。」

 

 

 

エナ多種同盟国

 

牙行(がこう)、エナ多種同盟国はどうだった?」

 

「何も決まっていません。」

 

「どういう事。」

 

「一応トップがいるのですが合議制で、町ごと種族ごとに主張がてんでばらばらで、何も決まらないのです。」

 

「何時くらいに決まるのか?」

 

「見当もつきません。」

 

「どれくらいの幅があるのだ?」

 

「なんでもキュアイーリムに滅ぼされた国も末裔もいるので、領土を主張しろと言う者や、逆に、キュアイーリムを倒すくらいの戦力があるのなら、素直に庇護下において貰えまで様々でして。」

 

「なんでそんなに差が出るのか?

政治的な話はおいておくとして、商売はどうだ?」

 

「友好的な街なら商館くらいはおけるのでは?」

 

「交渉は可能か?」

 

「可能ですがある程度の軍事力も期待しているようで。」

 

「対スレイン法国か?」

 

「どちらかと言うと東の方ですね、どうも人間領域の端らしくて亜人の脅威に対抗しているようです。

最も、仲の良い亜人もいるようでただ戦うだけではなく、複雑な外交戦もしているようですので一筋縄ではいかないかと。」

 

「近い方が非友好的なのか?」

 

「先の戦いの余波で被害が出ている事と、キュアイーリムに滅ぼされた国も末裔も西側に多いらしく、過去の町の返却を求めているのもこちらの方の町が多くて。」

 

「滅んだのは250年前だよね?」

 

「多分、領地を主張する事で、何だかの譲歩を引き出したいと推測しています。」

 

「町の代表や種族の代表はどうやって決まっているの?」

 

「どうも世襲のようで、爵位を名乗っていました。

ですが、国王は貴族の選挙制のようでしかも任期制で同じ町や種族からは連続してなれないようです。」

 

「選挙なのか?」

 

「事実上は持ち回りのようですが。」

 

「それは強力なリーダーシップは無理だよね。」

 

「そう考えますので、各町の大使などと個別交渉をしようかと。」

 

「お願いするよ。

冒険者ギルドはギルド長無しでも回っているけど、ステラがオーバーワークになるから、早めに切りをつけて欲しい。」

 

「畏まりました。」

 

 

こんな感じだった。

 

難航するかもしれないと思ったスレイン法国はあっさり交渉出来て食料調達できるようになったのに、それなりに期待していたエナ多種同盟国は交渉が全く進まず、偽装商人から傭兵団からほそぼそと食料調達できるだけだった。

 

そして、竜王女は真にして偽りの竜王と言う情報から(第二階層は領域守護者だけで何とかなるのもあって)ドラゴニュート(竜人)のフェンデルが使者として竜王国に赴くことになった。

 

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