もう一つのギルド   作:mshr

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第4章4話 世界征服案?

私は朝からある場所を見ていた

 

そうリザードマンの住む場所だ。

 

直接(モモンガさんから)、間接(近江経由)でナザリックが戦争を行う予定である事が告げられていたからだ。

 

「アレク、お前はどう思う?」

 

「戦力から考えて、勝てるか勝てないかギリギリ当たりの戦力ですね。」

 

「勝っても負けてもどちらでも良いと言う事か?」

 

「と言うよりも、負けると予想されます。」

 

「どうしてそう思う?」

 

「負ける事で経験を積ませたいのかと。

勝ち続ければ慢心を生みます。

制御され、さほど損害を負わずに負けてよいのであれば良い経験になりますから。」

 

「羨ましいことだ。

私もフェンデルに負けを経験させてあげたいな。」

 

現在、竜王国遠征部隊の編制中であるがかなり苦戦しているようだった。

 

私のオーダーである、「確実に勝利して、侮られず、恐れられず。」と言う微妙な戦力を用意するためだ。

 

如何せんこちらは負けると言う選択肢を取れないのだ。

 

最終的に、元々の竜王国勢力圏の奪還迄はお付き合いする(戦線を押し上げる)事になっている。

 

ここまでなら防衛戦争だろうと言う判断からだ。

 

法国も竜王国も出来るのか?と言う返事が返ってきたけれども、市民軍である自警団でも勝てない事は無いと言う結論にどう言って良いのか分からなくなった。

 

そんなことをしたら被害が馬鹿にならないからナザリックの軍勢がほぼPOPモンスターなのと同様に無人軍にすると思うけれども。

 

さて、スケルトン達が突撃を開始した。

 

その後は本篇と同じく、リザードマン達の奮闘で勝利した。

 

「予想通り負けたね、次は勝ちに行くのかな?」

 

「そうでしょうね。

恐らくは今回、戦闘を指揮した守護者一人で戦う事になるのかと。」

 

「まあ、負けようがないからね。」

 

ユグドラシル時代のリザードマンの強さを知っている身としては色々と思う所はある。

 

「参考になったか?」

 

「皐月の報告ではリザードマンよりも強いようですが、POPモンスターと同程度なので勝つだけならばどうとでもなります。

寧ろ、シルト様の御命令の方が難しいので、その意味では参考になりました。」

 

半分嫌味が入っているのだろう。

 

損害を受けずに恐れられずと言うラインの見極めが難しすぎるのは自分でも承知している。

 

私に軽い嫌味を言えるようになった事に少し喜びを感じていた。

 

「アレク、シルト様の御命令に不服でも」

 

「アラン止せ、私も難しいことは重々承知しているのだ。

本当は全てをフェンデルに任せてしまいたいのだよ。

アレクなら難しくても可能なのは分かっているからね。

経験を積ませるのは出来るか出来ないかギリギリの者の方が良いのだ。」

 

「シルト様、私を買っていただきありがとうございます。

フェンデルは何故、シルト様がどうしてそのようなご命令を出したのかを理解しているのかが心配です。」

 

「そうだよな~。」

 

因みに、フェンデルが出した初期案は、〈一人でビーストマン軍を蹴散らす。〉と言うものだった。

 

確かに損害は出ないし出兵も最小限だけれどもさ。

 

モモンガさんのやらかしでは無いけれども、脅威とは思われたくないのだよね。

 

圧倒的な軍事力で周辺国を叩き潰すなら兎も角。

 

リ・エスティーゼ王国は大虐殺の戦いの後で直ぐにアインズ・ウール・ゴウン魔導国の属国になるのが正解だったよ。

 

でも、なかなかそんな事は出来ないのが国家だ。

 

バハルス帝国は偶然と言う名の主人公補正と皇帝ジルクニフに権力が集中していたからできた奇跡と言って良い。

 

帝国民は属国になった事実すら認識していないのではないかな?

 

そして通常なら国民感情は中々受け入れないので結果として一回どこかを更地にした方が手っ取り早い、という結論になるのは歴史も証明していたりする。

 

アインズ・ウール・ゴウン魔導国がやっている事はモンゴル帝国に近いと思って良い。

 

モンゴル帝国を引き合いに出さなくても、民族殲滅戦など歴史上はよくある事だったりする。

 

ふと、人属至上主義の隣国の事を思い出した。

 

上層部はその考えの愚かさを知っていても国民の意識を変えるには数世代かかるよな。

 

そして私もスレイン法国戦はモモンガさんを止めることが難しい。

 

この妥協点をどうするかを考えないと不味いな。

 

シャルティア事件は不幸な接触とは思うけれども、スレイン法国の全滅を止める為には我々がスレイン法国に付くしか手を思いつかない。

 

エリュエンティウと言うよりも私の目標とナザリックの板挟みとなっているのにどうすれば良いのか悩んでしまう。

 

 

~~~~~~~~~

 

 

転移門(ゲート)が現れてナザリック・オールドガーダーと共にモモンガさん御一行がやってきた。

 

あの時は超位魔法の天地改変(ザ・クリエイション)を使用した時に監視が無いと言っていたが、今回は千年王国(ミレニアム)以外が無いに変更されたのだろうな。

 

当然、事前に観戦すると連絡入っている訳で気にしないだろう。

 

こちらも、効果範囲が分かって嬉しいし。

 

茶番、もとい、リザードマン達への威圧が終わり、しばらく時間が出来たので、その間に食事をとった。

 

リザードマンのイチャイチャは見たくは無いのですよ。

 

その後もアレクの予想通り、そして私の前世の記憶通りコキュートスが出てきて終わった。

 

「この後はどうなる?」

 

「恐らくは湖周辺の亜人の平定でしょうね。

寛大な占領政策をすればさほど難しくは有りません。」

 

この辺りは前世のオーバーロードの記憶が無くてもわかる。

 

やっている事は古代ローマと同じだ。

 

味方に付いた者の生活を改善して敵対者は叩き潰して力の差を分からせる。

 

なんて分かりやすいのだ。

 

しかもコキュートスの提案で偶然このようになっていくのだから主人公補正は恐ろしい。

 

デミウルゴスなら計算した上でこうやるのだろうが、コキュートスが考えて行った事に価値が有る。

 

レベルでは測れない経験を積んだ訳だ。

 

「そうだよな。

今後の統治方法はレイラが参考にできると思うからレイラに資料を送って欲しい。」

 

「承知いたしました。」

 

レイラは上手くやってくれるのかな?

 

統治は比較的うまくいっているようだ。

 

まあ、あのデケムがまともな統治をしていた筈もなく、あの時点で登場していなかったから王様ランキングには乗らなかったけれども…鈴木悟を超えて最下位でもびっくりしないのだよ。

 

力技でどうにかなるツアーとアインズ様は外されていたけれども、デケムはその類だからね。

 

私?シルトだから何とかなっているだけで、亀井隆は鈴木悟さんと同程度だよ。

 

前世の知識を含めても、頑張ってバルブロと同程度かな。

 

私もモモンガさんもバルブロと違って奸臣や佞臣を気にしなくていいから何とかなるだけと言う。

 

少し休憩でお茶を用意させていたらアランが私に話しかけてきた。

 

「少し落ち着いてきたようですので、細君を決められては?

昨日もご自身で処理されていたようですが。」

 

飲み始めていたら確実にお茶をふいていた。

 

私にプライバシーは無いのだろうか?

 

アンネが24時間つききりで護衛についているので、目の届かない自室の風呂かお手洗いで何とかリビドーを処理していると言うのに。

 

そもそも、この拠点の住民にそんなものは無いと言えば無いのだけれども。

 

誰だよ、設定文でアランは拠点で起こる事は殆どなんでも把握しているって書いた奴は。

 

現在のエルグリラで刑事事件はほとんど存在しない(意図的なものは発生していないが不幸な事故までは排除できない)のだけれども、民事訴訟でも絶対に証拠が国から出てくるのだ。

 

精神操作系の魔法無しでも冤罪が無い国と言う恐ろしさ。

 

不倫なんてしたら不味い国で娼館がちゃんと機能する事に驚いてしまう。

 

「いきなり何という事を言うのだ。

そう言うと言う事は誰かおすすめでもあるのか?」

 

アランは私の後ろからの圧は恐ろしくないのだろうか?

 

「ドラウディロン・オーリウクルス竜女王、カルカ・ベサーレス聖王女、ラナー・ティエール・シャルドロン・ライル・ヴァイセルフ王女、アンティリーネ・ヘラン・フーシェと言った辺りはどうかと。バハルス帝国からは直接ジルクニフ・ルーン・ファーロード・エル=ニクス皇帝に問い合わせた方が宜しいですが。」

 

思いっきり政略結婚だらけである。

 

因みにアンティリーネの情報はエルフの国とデケムから入手したものである。

 

この中でラナーはクライム君とセットで私のリビドーの処理…ではなく私の子供は出来なさそうだけれども良いのか?

 

「そのうちだれがお勧めなのだ。」

 

私はこの中ならカルカ・ベサーレス聖女王を選ぶ。

 

彼女の優しそうな性格とデミウルゴスの謀略から聖王国を守れるからだ。

 

と言っても、ある意味、国民は守られるから正直そこまでのこだわりは無い。

 

ラナーは確かにリ・エスティーゼ王国への虐殺を止める為の切り札にできるけれども…嫌だよ、あれは。

 

他は、一々妃にする理由すらないのではないだろうか?

 

他の候補としては、未だにグダグダなエナ多種同盟国に対抗するためにイビルアイもあるが流石に情報を掴んでいないようである。

 

「全員セットですよ。」

 

何を言っているのですか?

 

「エナ多種同盟国は複雑すぎて誰が良いのかすらわかりませんが、この際は構成するすべての種族に打診するのも。」

 

ハプスブルク家方式の世界征服案を出しているのではなかろうか?

 

アランの案を採用した場合、嫁さんの数がとんでもないことになるかもしれない。

 

このままいくと、ビーストマンもミノタウロスもトロールも何なら竜王も嫁さんに加わる事は必然と言って良い。

 

後ろからの圧が消えたところを見ると、アンネもあまりの提案のあっけにとられているようだ。

 

要するに、正妻を決めると言う話ではないからだ。

 

寧ろ人質か貢物である。

 

とりあえず、一旦考えるのを放棄してこう答えた。

 

「今のシャンドラド千年王国に嫁に出すことは無いよね。

相手が我々の事を知らなすぎる。」

 

下手な事を言うと、シルト様に嫁に来るのを断るなんて信じられない。と言うのが見えているのでこう答えた。

 

「その為にも竜王国への援軍は重要ですな。」

 

アレクがそう答えてきた。

 

「先ほどの嫁の話はアランとアレクで考えたのか?」

 

「そうですが如何なさいましたか?」

 

「どうしてそう考えたのかなと思って?」

 

「一つは、前にシルト様が結婚相手を政略的に考える可能性をおっしゃっていました。

二つ目に、エリュエンティウから言われた事を達成する場合、人間領域全てから嫁を貰う事で、他種族と自衛戦闘として交戦する理由を作れますので。

ですので、あくまでもエリュエンティウからの要望を受け入れる場合の一案としてお考え下さい。」

 

アレクは交戦相手が大王国からビーストマンの国に変わったものの、スレイン法国からの要求をそこまで外した訳ではない。

 

と言うより、あの少ない情報ではむしろ当然の考え方と言って良い。

 

何せ、当時は竜王国の存在自体を把握していなかったのだから。

 

個人的に八欲王に言いたいとすれば、アベリオン丘陵は片付けておくべきだったのではないかな?

 

私に話していない部分に何か理由があるのかもしれないけれども。

 

「ところで話を戻しますが、自己処理されるのでしたら誰か伽の者を。

相手の事を気にされるのでしたら娼館から人を呼んでも。」

 

設定文を考える時はみんなでワイワイやって決めたけれども…あの時の自分を殴ってやりたい。

 




何時も誤字報告ありがとうございます。

人属の件

人間種人属、人間種エルフ属、と言った感じで生物学的な表現ですのでご承知おき下さい。
(本来の生物学では人間属エルフ種が正しいので逆ですが。)
原作では人間族となっていますが、民族は存在しないのだろうか?と言う疑念を持ってしまった為このようにしました。(原作では部族とか氏族と言った分け方ですが。)
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