竜王国、人間種領域としては飛び地にしか見えないこの国は、どうも一体の竜王の縄張りだった場所らしい。
だったら
現に別の
原作でもアインズ・ウール・ゴウン魔導国の支援で切り抜けたらしいこの国だけれども、何故ビーストマン国の脅威にさらされたのかと言うのは全くの別の要因だったりする。
一応、勢力圏の奪還を約束したけれども、その後に支援しないとすると元の木阿弥になると言う結論だったりする。
本篇では無かったけれども、多分デスナイトの借り入れによってどうにかしたのだろう。
結局半属国にするしかないのだろうか?
さて、成人したビーストマンは難度30で、人類の精鋭と同レベルで兵士はそれよりも強いだから、感覚的にはミスリル級冒険者位になるのか。
兵士として攻めてきているのは難度45位らしい。
逆説的に言えば、LV15に過ぎないからデスナイトで十分に追い払える、
恐るべき事実としてエルグリラ一般市民でもlv15、エルグリラの自警団はどうもLV30位あるらしい。
デスナイト(LV35、防御能力ならLV40相当)に2名で普通に勝利できるのだ。
この自警団のレベルはアダマンタイト級冒険者である…マジか。
皐月やアランが周辺国に軍事力が見つからないと思ったのも無理もない。
だが、それでも援軍はどうしたらいいのか悩んでいた。
「ビーストマン達はまとまってくれないかな?
そうすれば一気に撃破して終わりなのだけれど。」
「実行するとして、どうやってビーストマン達を集めるのかと言うのが問題になりますが。」
ビーストマン、つまり獣人なわけだけれども、種族別にばらばらに進撃してきているのだ。
ビーストマン国を近隣の国家で近いものを上げるとするとエナ多種同盟国である。
要するに、絶対的な権力を持つトップがいないのだ。
現状、竜王国は2つの都市を落とされていたが現在ビーストマン国主力は進軍停止中である。
要するにお食事タイムである。
主力と言っても規模が多い種族と言うだけで、2つの都市を落としたのは別の種族である。
「理屈の上では首都に全国民を避難すれば勝手に集まるのだけれども。」
「その後で奪還したとして、スレイン法国が限界まで支援物資を送っても深刻な食糧不足になりますが。」
「大体、戦線が広すぎるだろう。
援軍の兵力を配置するとしてどこに配置するのだ。」
「防衛戦をすると最低でも、10か所近くになりますが。」
「その戦力が不足しているだろうに。
ゴーレム不足なのだろう?」
ゴーレムで防衛線を張る予定にしていたのだけれども、現在ゴーレム不足なのだ。
250KM半径に及ぶ領地開発をしているのだから足りなくなるに決まっている。
当初、他国と交易する交通網を建設して終わらせる予定だったのが、廃墟の町や村の周辺の開墾もすることにしたので、徘徊しているゾンビやスケルトンを使役しても数が追いつかなくなっている。
提案はとにかく、その命令を最終的に下したのが私だったりするので困ったものである。
「その分はビーストマンの死体を使ったデスシリーズや
「まあ、そうなのだけれども、ゴーレムの方が性能が良いからね。」
何せ、現在制作しているゴーレムはヒト型ではなく、重機や耕運機の資料を基に製作しただけあって、デスシリーズや
デスシリーズや
せいぜい、召喚魔法で短期間かつ少数と言う限定付きで何とからしい。
じゃあ、逆ならいいかと言うと天使は違う意味で問題と考えられてしまった。
中位アンデッド創造と同じく中位天使創造で中位としては弱い
天使を神聖なものと考えている対スレイン法国対策とゾンビの駆除には使えるので一応作ることになっているのだけれども、土木作業には全く使えない。
農耕作業なら寧ろゴブリン将軍の角笛で出したゴブリンの方がましである…食べさせる食料が無いけど。
要するに、ゴーレムの派遣は消去法の結果である。
「結局のところ、占領された都市奪還が一番効率が良い訳だ。」
8メートル級のケンタウロス型アイアンゴーレムなるものを何体か製作し現在も追加を制作中で、これを投入する計画になっている。
何故これを選んだかと言うと、この世界で実戦投入されているのでオーバーテクノロジーでは無いと判断されたためだ。
なのだが、機動力があるので手古摺るだけで、やっぱり自警団
問題は野戦ならともかく、大きすぎて攻城戦でそこまで役に立つのか?と言う事である。
「ですので、占領した都市に
「食糧…捕虜ごと死ぬよね。」
「竜王国も理解はしてくれる筈ですが。」
「今頃、フェンデルが作戦案を竜女王に持って行っている筈です。」
「まあ、実際に本来なら二度と取り戻すことができない国民だからね。
作戦は〈儀式召喚魔法を使ってビーストマンを都市から追い出し、野戦で蹴散らして追い返す。〉だったか。
「アンデットは印象が悪いですからね。」
「山越えとは言え北が
この世界での
十三英雄のリクと言い、エルグリラ市民と言い、転移した来たものはこの世界の者とは違う種なのだろう。
私達はこの世界の異物なのだと言う事をわきまえるのを辞めたら私も終わるな。
「で、追い返した後は、国家ごとの移動を提案するのだったか?」
「そうですね、実際に竜王国は立地的に厳しいですし、ビーストマン達も竜王国への侵攻は止めないでしょうから」
ビーストマン、つまり獣人なので、ハサンをはじめとした獣人の密偵を送り込んだのでビーストマンの国がなぜ竜王国を攻めているのかは分かっている。
彼らは彼らでミノタウロスの国から攻撃を受けているのだ。
フン族に追われたゲルマン民族が南下してローマを倒したように、ミノタウロスの国に追われて竜王国を攻撃している。
ここからは推測だけれども、ミノタウロスの国とビーストマン連邦との戦いの余波の可能性が高い。
そもそも、竜王国を攻めているビーストマンの国は元々はビーストマン連邦の一部だったのではないのかね?
ミノタウロスの国を挟む形であるビーストマンの二つの国を見ていての予想だけれども。
過去は兎も角、ビーストマン達を追い払っても元の木阿弥になると推定されている理由はこうした事情で、竜王国を攻める理由が彼らも追い詰められているからだ。
でなければ、人間種の牧場(ビーストマン視点)を潰す必要は無いのだから。
事実上、半径250KMもの領地を手に入れながら、人口が全然ない国があるので大規模に移民を受け入れようと言う話である。
「その為に、ゴーレムによる大規模開拓を行っていて、結果としてゴーレム不足と言うのがなんとも。」
国力以上の事は出来ない。
その現実はどうしようもないのだ。
エルグリラの食糧問題はどうにか出来ても、100万単位の移民の食料を確保なんてすぐには出来ないのだ。
結局、食糧問題に頭を悩ませることになっている。
「竜王国全国民の移民は、最低ラインで二年はかかりますから、それまでは、ビーストマンを撃退し続けるしかないのです。
この点は竜王国に頑張ってもらうしかありません。」
二年という数字に、原作通りなら、その頃にはリ・エスティーゼ王国の難民も発生するよなと思い心の中でため息をついた。
「国土を明け渡す提案か…竜王女は飲んでくれるのかな?」
国の移動と言うより、シャンドラド千年王国の国民になれと言っているようなものである。
あの女王の本性から言えば十分に飲んでくれるとは思うけれども。
占領した一都市に行う予定で、実に、
「フェンデルから竜女王から許可が出たとメッセージが参りました。」
「では、ゴーレムを転送しろ。」
どこかのペタンコ吸血鬼は
都市から見えない物陰にゴーレム三体を転移魔法で配置した。
「配置完了いたしました。」
「監視元は三か所か?」
「その通りです。」
事前通知していた(竜女王への奏上はあくまで様式で事前に話は通してある)スレイン法国、ナザリック、竜王国から見られているので、それ以上は無いと言う事だ。
「では
その後は恐怖のオーラⅤを展開して走らせて、ビーストマン達を都市から追い出せ。」
宴が行われている真っただ中に
一瞬にして半径150mほどの命が失われた。
ビーストマンも食糧となって今まさに食べられようとしていた人も。
私は心がほとんど動かない事実にぞっとした。
自分の命令で起きた事なのにテレビで見ている戦争被害地域レベルの感じ方で他人事のような感じなのである。
人属だからだろう、起きた感情もビーストマン達に多少の憐れみを感じたものの当然の報いみたいな感じなのだ。
この世界はゲームではない。
当たり前だ。
だが確実に心がゲームのような感覚に引っ張られているのを感じてしまったのだ。
これがそういう訓練を受けた軍人ならまだわかる。
それでも、初陣など酷いものだと聞いている。
事前にある程度の覚悟を決めていた私ですらこうなのだから、先任者達やモモンガさんは…亀井隆としての心とシルト・クレーテとしての心の矛盾…だからスルシャーナさんも八欲王も争い死んでいったのか?
明日の朝のモーニングコールでモモンガさんにもこの辺りの事は聞いてみよう。
160M…安全性を考えると250mはそれなりの距離だから、あのレベル帯では遠距離攻撃でまともに狙えないだろう。
レベルが20違えば勝負にならない上に
ビーストマン達は街から出てきたが、そのうち三個の門に向かってゴーレムが突撃を開始した。
ビーストマンの国の方向は敢えて攻撃していないから自動的に国に逃げる筈だ。
「確かに効果は絶大だったな。
ビーストマンが一万人はいたと思うけれども。」
「低く見積もって半数は死んだでしょうね。」
今回は占領された都市の内でビーストマンの数が少ない側の都市で行った。
「この情報で他の種族も帰国してくれると良いのだけれども。」
「まずありえませんね。」
冷酷なアレクの声が聞こえた。
後、もう一回行うのか。
殺したのは攻めてきている兵士だ。
そう思う事で心をごまかすことにした。