もう一つのギルド   作:mshr

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第4章6話 お悩み相談

~~~モモンガSIDE~~~

 

『モモンガさん見ていましたよ。』

 

「どうでしたか?」

 

『負けられて羨ましいです。』

 

「シルトさんも負けると予想していたのですか?」

 

『モモンガさんって、最初はわざと負けて情報を集めて最後に勝つタイプだったじゃないですか。

簡単に予想できますよ。

もってことは他にも誰かそのように予想していたのですか?』

 

「うちのデミウルゴスです。

コキュートスの成長を促す為と言う理由まで分かっていましたよ。」

 

『そうなのですね。

そう言えば、近々こちらも戦争をすることになりそうです。

と言っても援軍ですけれども。』

 

「どこで戦争するのですか?」

 

『竜王国で相手はビーストマンの国です。

スレイン法国に国として認めて貰って食糧を購入しようとしたら交換条件で提示されたので。』

 

「シルトさんの所なら楽勝ですよね。」

 

千年王国(ミレニアム)の援軍の方針はご存じですか?』

 

「勝つところまでは付き合わないでしたっけ?」

 

『そうですよ、なので占領した都市の奪還で、最小限の戦力で行う事を計画していますので楽勝かどうかは分からないですよ?』

 

「そうなのですか?」

 

『はっきり言えば追い返すけれども後は知らないよ、です。

余裕があると思われたくないので最小限の戦力で行うのですよ。』

 

「何と言って良いやら。」

 

『実際、戦力に余裕はあっても国力に余裕が無いのですよ。

後、お願いがあるのですけども』

 

「何ですか?」

 

『アダマンタイト級冒険者モモンが集めた食料ですけれども、本当に竜王国に送って良いですか?』

 

「良いのですか?

私の名ばかり上がる事になりますが?」

 

『こちらも、モモンさんの名前を使わせてもらいますので。』

 

「どういうことですか?」

 

『冒険者のモモンさんとシャンドラド千年王国に繋がりがあると思ってもらうのですよ。

アダマンタイト級冒険者の名声をお借りする事になって悪いのですが。』

 

「そういう意図があるのですね。

ところで食糧は大丈夫なのですか?」

 

千年王国(ミレニアム)が竜王国に援軍を出す理由は?』

 

「そう言えば食糧でしたね。理解出来ました。

しかし資金は大丈夫なのですか」

 

『ユグドラシル金貨を潰した贋金です。』(※本当は違う)

 

「その手がありましたか。

資金難で困っていたのでありがとうございます。」

 

『こちらこそありがとうございます、また明日』

 

「また明日」

 

良いことを聞いたぞ。

 

確かに贋金と言っても金の含有量や重さが同じなら問題は無いよな。

 

~~~~~

 

千年王国(ミレニアム)が攻撃を仕掛けるようですね。」

 

「転移で戦力を送り込むと聞いているがどの程度だ?

最小限と言っていたけれども」

 

「ゴーレムが三体?確かに大きいですが少なすぎませんか?

あの形では攻城戦は厳しいのでは?」

 

「あの程度で大丈夫と考えたのだろう、それにしても少ない。

アルベドはどう思う」

 

「勝ったとしてもかなりの取りこぼしが出るのではないですか?」

 

「そもそも勝つ気がないのかもしれないぞ。

リザードマンの件で負けれて羨ましいとか言っていたし。」

 

「確か食糧目当ての援軍でしたか、それならば、援軍を出してある程度は間引きました、と言う事なのでしょう。」

 

「そう言う事か、ゴーレムを隠しているところを見ると出てくるまで待って間引いて侵攻を止めれば役目を果たしたと言う事か。

時間がかかるかもしれないな。」

 

「都市内で動きがあったようです。」

 

「何か混乱しているな?

視点を動かして様子を見るか。」

 

魂喰らい(ソウルイーター)ですね、ビーストマンが完全に混乱しています。

恐らくはビーストマンの指揮官をいきなり倒したのではないですか?」

 

魂喰らい(ソウルイーター)に手も足も出ないのか。

初めての戦いでも騎士がデスナイトに手も足も出なかったが、それにしてもこんなにも恐怖のオーラⅤが効くのか?」

 

後で冒険者組合で聞いてみるか。

 

「本命は魂喰らい(ソウルイーター)のようですね。

それにしても一体だけとは。」

 

「しかし十分に成果が出ているぞ。

ビーストマン達が都市から追い出されているようだ。」

 

しかし人間以外も弱すぎるだろう。

 

「シルト様もこの世界の住人などあの程度で十分と考えているようですね。」

 

そんなに単純なのか?

 

「先ほどのゴーレムが突撃を開始したな。」

 

「戦う前から逃げ始めていますね。」

 

「なんで逃げ始めているのだ?」

 

「既に士気が崩壊しているのではないでしょうか。

それにしても効果がありすぎますね。」

 

「そうだよな。」

 

終わってみたら一方的だったな。

 

しかし、王国戦士長のガゼフやリザードマン達のように気概があると言うか感動する者が全くいないな。

 

「あの程度の者に苦戦するとは竜王国も大したことが無い様で。

しょせんは下等生物同士。」

 

「都市をもう一か所奪還するそうだがこれは作業だな。」

 

「アインズ様のおっしゃる通りで、これは戦闘ではなく作業です。」

 

「これでは千年王国(ミレニアム)の戦力もまるで分からない…これが理由か。」

 

「アインズ様、如何なさいましたか?」

 

「いやなに、相手に情報を与えないと言うのは一つの手なのか。

本命の戦い迄、本気を出さずに相手になめて貰って次の戦いで勝ちやすくするのはPVPで有効な手段だからな。」

 

「シルト様はアインズ様が御認めになるだけあって下等生物としては見るべきところがあると言う事ですね。」

 

「戦闘としては見るべきものは無かったがシルトさんが戦力の隠蔽を図っていることが分かった事だけが収穫と言う事か。」

 

~~~~~~

 

「おはようございます。シルトさん。」

 

『おはようございます。モモンガさん。』

 

「昨日の戦いを見ていましたが、楽勝だったじゃないですか。」

 

『効果的な事は分かっていたのですが、それにしてもですよね。』

 

「効果的、ですか?」

 

『多分、冒険者仲間か冒険者組合にビーストマンについて聞いてみたらわかりますよ。』

 

「どのような内容で?」

 

『なんでも、ビーストマンの10万人の都市で三体の魂喰らい(ソウルイーター)が現れて、住民の95%を殺して町は廃墟になったそうですよ。』

 

「たった三体でですか?」

 

『他にも、あのゴーレムはビーストマン達がミノタウロスの国に対して使用した物を模しているので、あのゴーレムにも馴染みがあった筈です。』

 

要するに、恐怖公と同じで精神的ダメージを狙っていたのか。

 

「そうなのですか?

ビーストマン達が簡単に戦う事を諦めたように見えたのですがそういう事情があったのですか?」

 

『実際に殺すのではなくビーストマン達の心を折る事を狙ったのですが、想像以上に殺してしまいました。』

 

「戦闘と言うよりも作業のようでしたからね。」

 

『モモンガさんは何も感じませんでしたか?』

 

「何をですか?」

 

『中央の広場で踊り食いにされる人間、そして一方的に殺されていくビーストマンを見て。』

 

「気分の良いものではありませんがそれだけです。

私もこの世界の拠点の外で初めて見たのが夜空で次に見たのが虐殺の現場でした。

虐殺の現場を見た時に感じたのが、関係ないでした。

シルトさんが言われるのはそう言う事でしょうか?」

 

『こう言う言い方もなんですが、亀井隆ならあんな光景を見ていられなかった筈なのです。』

 

「私もその時に、心までアンデットになってしまったと思いましたよ。

その後で、NPCを見てかつてのメンバーを思い出して助けに行ったのですけれども。」

 

『その時はどうでしたか?

ビーストマンの虐殺は自身が命令したと言う意味で私が引き起こしたものです。

ですが何の自責の念も感じないのです。』

 

「私もその時に虐殺をしていた騎士を殺しましたが感じた事は、弱い、ただそれだけです。

何も感じませんでしたよ。」

 

『先ほど、心までアンデッドになったと言っていましたが、多分違っています。

私は殆ど同じ見た目をした人間なのですから。』

 

「それは。」

 

『NPC達が心を持ったように、シルト・クレーテと言うアバターも人格を持って、シルト・クレーテと亀井隆が混じったような状態なのだと思います。』

 

「私もモモンガと鈴木悟が混じったような人格と言う事ですか?」

 

『私が恐れている事は、シルト・クレーテになり果てないかと言う事です。

この世界はゲームではない筈だ。

なのにゲームのように感じる自分がいるのです。

モモンガさんに心当たりはないですか?』

 

「確かにありますね。

シルトさんと話が出来てよかったです。

モモンガに、アインズ・ウール・ゴウンになり果てるですか。」

 

『そうと決まった訳ではありませんですけれどもね。』

 

「その可能性があると知っておくだけでも違うと言う事ですか。」

 

『そういう事です。』

 

「お互いに気を付けていきましょう。」

『本当に。

今日は私の悩みを聞いてもらってありがとうございます。』

 

「こちらこそありがとうございます。」

 

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