もう一つのギルド   作:mshr

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当初は閑話の予定では無かったけれども…章の題名と合っていない事に気が付き閑話になりました


閑話 訓練

~~~モモンガ視点~~~

 

三人がかりでも全く勝てると思えない。

 

強すぎる、隙が無さすぎる。

 

彼女の攻撃が私に当たり私は死んだ…事になった。

 

武器はスライムのようなクッションで覆った練習用の魔法の武器なのでダメージは殆どないのだけれども。

 

後はシルトさんだけになってしまったが、シルトさんは意外と粘っていたが結局やられてしまった。

 

「信じられないのですけれども、本当にLV30相当のステータスなのですよね。」

 

「HPとMPは元のままなのですけれども、そういうアイテムを付けていますから。」

 

「今、本気で戦えば簡単に倒せるのですか?」

 

呪い(カースド)のアイテムでは無いので任意で切れますから無理ですね。

アンネ、評価をお願いする。」

 

「戦士のモモンさんとして活動されておられるのでしたね。

とすると仕方がないと思いますが魔法詠唱者は本来攻撃するのではなく身を守り距離を離して魔法を使う隙を作るべきですね。

戦士としてみた場合、余りにも攻撃的で力任せすぎますね。

力を籠める必要自体が無いのです。

そうですね、別の武器で。」

 

そう言うとアンネは両手持ちの剣に持ち替えた。

 

「モモンガ様、打ち込んでみてください。」

 

アンネに打ち込むとあっさり軌道をそらされ首に剣が当たっていた。

 

「二剣持ちでも、結局このようになってしまうのですよ。

二刀流と言った使い方はかなりの技量が無いとこのように両手持ちの武器に負けますね。」

 

今度はショートソード二剣持ちに切り替えた。

 

「ナーベラルさん、一対一でやってみますので打ち込んでみてください。」

 

ナーベラルが切り込んでいったのだが、なすすべもなかったが彼女が何を言いたいのかを少しは分かった。

 

彼女は両手の剣の片方を防御に使うともう片方を攻撃で使うと言った戦い方なのだけれども、どちらの剣が防御とかではなくどちらも防御であり攻撃なのだ。

 

「こんなところですかね。

私もあまり上手くは有りませんが、モモンさんは両手に持っていても実際には片手ずつしか使えていないのですよ。」

 

「それで上手くないのですか?」

 

「実際、両手で剣を持って戦ったら、先ほどのように三人がかりでは五分五分位ですね。」

 

何というか次元が違う。

 

「アンネは同じレベル位のステータスとは全然思えないのですが?」

 

「モモンガさん、スポーツで体重別とかで揃えても世界チャンピオンと一回戦負けでは全然強さが違うのですよ。

年を取った老人が若者に勝ったりもします。

技術の差とはそう言う物なのですよ。」

 

「シルトさんは最後まで結構粘りましたよね?」

 

「私の普段の訓練相手ですよ。

慣れの面も大きいです。

モモンガさんが誰か自身の守護者に訓練を付けて貰っているとしたら、その守護者相手なら私はあっという間に負けますがモモンガさんならそれなりにもつはずですよ。」

 

単に技術だけで戦ったとして、たっち・みーさんより強くてもびっくりしない強さだった…どちらも大会のチャンピオンだった訳で。

 

ふと、シルトさんの評価を聞いてみた。

 

「スキル使用無しとして考えて、ワールドチャンピオンになった人とアンネのどちらが強いのでしょうね?」

 

「ユグドラシル時代なら多分アンネでしょうね。

この世界に来てからは分かりませんが。」

 

「何故ですか?」

 

「ワールドチャンピオンと言う事は大会の戦闘時の動画情報がある訳です。

その上ワールドチャンピオンは人間ですから長期戦になった時に疲労してしまうので。

むしろ、情報無しで強い人の方が勝機はありますね。」

 

合理的かつ理論整然とした回答だった。

 

「つまり互角ならばアンネが勝つわけですか。」

 

「ワールドチャンピオンに人間種でない者はおりますが?

現にたっち・みー様は蟲系ですが。」

 

ナーベラルの言葉を聞いてシルトさんを見たら肩をすくめていた。

 

守護者達(NPC)が至高の方々と呼ぶギルドメンバーが実際には全て人間だったと教えるのは困難だなと。

 

「ナーベ、人間と言うのはシルトさんとの間の隠語だよ。

気にするな。

千年王国(ミレニアム)にもワールド職の人が居ましたよね、どうなりましたか?」

 

「死にましたよ。

あんな世界ですからね、12年も経つと珍しくもない。」

 

「死んだのですか?」

 

「実際に確認したのはワールドガーディアンだったガンダルフさんだけですが、ほぼ確実なメンバーも何人かいますよ。」

 

「確認されたのですか?」

 

「ガンダルフさんは伯父だったので亡くなったのは確実です。

私の恩人で私をユグドラシルに誘った人でもあります。

千年王国(ミレニアム)メンバーになる基準がユグドラシルで稼いでいる人だったのはご存じですか?」

 

「いえ、知りませんでした。」

 

「なので、ギルドとして稼いだ分は分割して送金していたのですが、送金不能になった人は恐らく亡くなっていると判断していました。

そもそも、二人が体調的にこれ以上はユグドラシルが出来ないと宣言されて引退されましたのでこの二人はほぼ確実です。

アーコロジー外の人間なんてこんなものではないですかね。」

 

メンバーが既に亡くなっているという事は考えた事は無かった。

 

アーコロジーの中でも死獣天朱雀さんあたりだと既に物理的に出来ない状態でも可笑しくはないのか。

 

「それにしても多いですね。」

 

千年王国(ミレニアム)メンバーでは断トツで若かったですから。

それでもアラサーですよ。

他のメンバーの年齢を考えて見て下さい。」

 

「考えた事が有りませんでした。

少しだけですが救われた気がします。」

 

最終日にメールを送ったりもしたのに、二人しか来てくれなかったけれども、物理的に来られない人や連絡が取れてない人もいたかもしれないのか。

 

「シルトさんはあの日(最終日)になんでいたのですか?」

 

「第一階層に拠点を構えていたクランや仮ギルド(※正式な拠点がないギルドの事)がありましたからね。

他のメンバーが居なくなっても彼らへの責任があると思って拠点を維持していました。

なので、彼らと最後に会う為ですよ。

そういうモモンガさんは?」

 

「二つありまして、かつてのメンバーが最終日位は来ないかと思いまして。

もう一つは最終日にナザリックに挑む者が居るかと思いまして。」

 

「一週間前からモンスターはノンアクティブでしたからね、挑むなら既に挑んでいませんでしたかね?

それよりは、仲間と会っているか町にいた人の方が多そうです。」

 

「エルグリラ第一階層には他のプレイヤーは居たのですか?」

 

「居ましたよ。

0時になると同時に消えましたが。」

 

「転移するのはメンバーだけなのですかね?」

 

「六大神とか八欲王の話は知っていますか?」

 

「聞いた事は有ります。」

 

「彼らの話から考えると一緒に転移するのは拠点のギルドに属する者だけなのでしょう。」

 

「拠点に居なかった者はどうなっているのでしょう?」

 

「私にもわかりませんね。

現に拠点の外にいた傭兵NPCとは連絡が取れなくなっていますから。

拠点のコンソールでは存在していることになっているのですが。」

 

「そうなのですか?」

 

「出稼ぎで契約期間終了したのに帰れなくなっているリストに名前が出ていますので。」

 

「ナザリックのコンソールにはメンバーのリストが残っているのですよ。」

 

「同じ様な状態なのですね。

湿った話はここまでにしましょう。

ナーベラル、いや、ナーベさん、私と一対一でやってみますか?」

 

「ダンゴムシが…近接戦闘職無しで私と一対一ですか?

身の程を弁えてもらいます。」

 

俺が睨みつけたら若干訂正したけれども…シルトさんは平然としているけれどもアンネが怖い。

 

「ダンゴムシですか言い得て妙ですね。

魔法詠唱者は本来攻撃するのではなく身を守り距離を離して魔法を使う隙を作るものですから身を守るように行動するのが筋ですので。」

 

シルトさんとナーベラルとの模擬戦はシルトさんが勝ってしまった。

 

「アインズ様の前でダンゴムシごときに私が負けた。」

 

アンネがどや顔をしてナーベラルが落ち込んでしまった。

 

シルトさんはアンネが何か言おうとしたのを止めて

 

「ダンゴムシからの忠告です。

先ほどの最後に私がアンネと一対一で戦っていたのを見ていた筈なのに私の力量を甘く見ていたのが敗因ですよ。」

 

少しはナーベラルの意識が変わると良いのだけれども。

 

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