もう一つのギルド   作:mshr

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第6章7話 世界征服を知る

~~~モモンガSIDE~~~

 

「…アインズ様の主たる目的のための世界征服の足がかりが得られる。

分からなかった愚か者は居ないだろうね。」

 

…世界征服、なんなんそれ?

もしほかの仲間たちがこの世界に来ているとしたら…このギルドの名前が全世界に広がれば…誰かの耳に届くかもしれない…そんな可愛らしい願いだったはずだ。

 

それが世界征服だと⁉

 

本気か、あのシルトさんがいるのだぞ。

 

「お、覚えていたのか?」

 

「もちろんでございます。

このデミウルゴス、アインズ様のお言葉であれば一言一句たりとも忘れたりしません。」

 

「そうか、私は嬉しいぞ、デミウルゴス、だが、あの時は千年王国(ミレニアム)の存在を確認できていなかった訳だがどうするつもりだ?」

 

「前にも言いましたが、彼らは利用すべきと考えております。

ワールドエネミー乃至それと同等の存在が発見された場合、千年王国(ミレニアム)に戦わせるのです。

恐らく、彼らとの戦いが世界征服の最終決戦になるのではないかと考えております。」

 

「戦力が余りにも違いすぎないか?」

 

「このナザリックは1500人の侵攻も退けました。

最悪はですがこのナザリックに引きずり込んでシルト様を仕留める事を検討しています。」

 

本当に最悪だな。

 

素直に第8階層に来ない可能性だってあると思うのだけれども。

 

「シャルティア、アンネと戦ってみてどうだったかね?」

 

「ものすごい強さでありんした。

ですが、欠点もみつかりんした。」

 

「どういうものだね?」

 

「シルト様を狙おうとするとどんなに体勢が不利になっても必ずシルト様を守ろうとするのでありんす。

アンネ一人よりもシルト様と一緒にいる方がかえって相手しやすいのではないでありんすかね?」

 

もう一人、ワールドガーディアンのガンダルフさんが居ないから確実では無いけれども、そんなに単純に勝てるのか?

 

いくらフレンドリーファイアが無かったと言っても、ガンダルフさんが引退した後も他のメンバーが傭兵NPCだったにもかかわらず、パーティー戦での戦いでは、完全に不敗だった筈。

 

「そうだね、シルト様さえ倒してしまえば他の戦力がどれほど多くても同じだ。

いずれにせよ最終決戦になる筈だからそれまでにより多くの情報を集めるべきだね。」

 

いや、そもそも戦わないという選択肢は無いのか?

 

簡単に言っているけれども他の存在を無視してもシルトさんを倒すだけでもかなりの損害が出るぞ。

 

先日も、最初の攻撃は街への被害を最小限にした精密攻撃だったから、多分もっと速い連射速度で魔法を撃って来るぞ。

 

その後も魔将を一瞬で撃破した結果、シルトさんはフリーハンドで上空から魔法を使い放題になっていたから、戦域全体に魔法を使いまくっていたし。

 

間違いなく、あれで実力を隠しているのだ。

実際、高位階の魔法は現断(リアリティ・スラッシュ)しか確認できていない。

 

 

何故、デミウルゴスを含めてNPC達がシルトさんを甘く見ているのかが分からないのだが?

 

一旦シルトさんと戦う事になった場合は未来の自分に託して考えない事にして俺はデミウルゴスに尋ねた。

 

「それで、今後どうするべきだと思う?」

 

「ナザリックを表に出すべきだと思います。

現状シャルティアを支配した者達が暗躍している以上、こちらも裏に潜っていては厄介な事になりかねません。」

 

「…そうだな。」

 

そうなのか?

 

「組織として表に出ていれば今のように裏でひそかに探る必要は無いと思うのです。

現に千年王国(ミレニアム)は各国と接触して堂々と情報を集めています。」

 

確かにそうだ。

 

「シルト様にも我々ナザリックが表に出る場合の協力を既に取り付けてあります。」

 

何時の間に?

 

「……アインズ様、私はナザリック地下大墳墓と言う国を作り上げることを提案いたします。」

 

確かにデミウルゴスの提案はナザリックの力を示しアインズ・ウール・ゴウンの名前を名を世に知らしめることにおいて非常に分かりやすく効率的なものだ。

 

代案がない以上計画を拒否する理由もないし、シルトさんも協力すると言っているようだ。

 

だが、仲間たち(かつてのギルドメンバー)はどう思うのだろう?

 

冷静になれ、頭を冷やすんだ。

 

しかしシルトさんは何故、ナザリックが表に出る事を協力しようと考えたのだ。

 

~~~~~

 

「シルトさんおはようございます。」

 

『モモンガさんおはようございます。』

 

「デミウルゴスから聞いたのですけれども、ナザリックが表に出ることを知っていたのですか?」

 

『先日のデミウルゴスと戦いの打ち合わせの際に聞かれたので、モモンガさんが表に出たいのなら協力すると答えましたよ。

あのヤルダバオトもその為の物と聞いています。』

 

「疑問に思われなかったのですか?」

 

『カルネ村やトブの大森林で行っている事はその為の物では無かったのですか?』

 

「えっ、そう思っていたのですか?」

 

『トブの大森林を領地として亜人を中心とした多種族国家を主張すると思っていました。

周辺国家に承認されていないだけで実質的にそうなっていますから。』

 

そう思われていたのか…

 

「いや、実はそうなのですよ。

でも、周辺国家は人間種の国家ばかりですよね。

承認されるのでしょうか?」

 

『リ・エスティーゼ王国の北にあるアーグランド評議国は亜人国家ですよね。

やり方次第では認められるのではないですか?

シャンドラド千年王国の承認は直ぐに出しますし、バハルス帝国とリ・エスティーゼ王国には紹介しますよ。』

 

「協力ってそういう事ですか。」

 

『どのように思われていたのですか?』

 

「ではヤルダバオトの件は?」

 

『魔皇ヤルダバオトに対処するために周辺国と手を取る、みたいなことを言われました。

共通する脅威が無いとアンデッドが治める国と言うのは中々に認められないと言われましたが。』

 

「そうなのですか。

しかし、八本指の誅殺を命じたら、なぜかあんな事に。」

 

『私もエルフ国の領域確認を命じたら、なぜかとんでもない範囲を制圧してアベリオン丘陵迄たどり着いていましたよ。』

 

「そう言えばそうでしたね。

NPC達には誤解がないくらいしっかりとした命令を出さないととんでもないことになりそうですね。」

 

『例えば勝手に世界征服を始めていたとか?』

 

「えっ、なんでそれを。」

 

『やっぱりそうなのですか?

うちのNPCがナザリックは世界征服をしようとしているように見えるって言っていましたので。』

 

「一体なんでこんな事になっているのかさっぱりなのです?」

 

『それを言い出したらナザリックから見たら千年王国(ミレニアム)が世界征服しようとしているように見えないか?と言っておいたのですけれどもね。

これは相談なのですが適当なところで軽い敵対状態になりませんか?』

 

「どういうことなのですか?」

 

『たがいに相手の脅威を理由にして世界征服を止めるのですよ。』

 

「要するに私とシルトさんで裏で手をまわしてNPCの動きを抑制しようと言う事ですか?」

 

『そういう事です。』

 

「上手くいくのですかね?」

 

『正直、私も自信が無いのですよ。

NPCの方が賢いので。』

 

「同じくです。」

 

『世界征服なんてしたいですか?

私は今の領土ですら持て余しそうで。

NPC達には明確に世界征服なんてしないと言っているのですが。』

 

「私も表に出るところまでは良いと思うのですが、世界征服してどうするって思いますよ。」

 

『そうですよね。

凡人には手が余ると言う事です。

表に出る時にはまた相談してくださいね。』

 

「よろしくお願いいたします。」

 

気が付いていなかったのは俺だけだったのか~~。

 

今の話って、ひょっとして千年王国(ミレニアム)のNPCも世界征服をしようとしているって事ではないのか?

 

シルトさんみたいにきっちり世界征服しないと言っていてもそうやって動くんだ。

 

俺も言っておくのだったか?

 

『私からも相談があるのですが良いですか?』

 

「どうしましたか?」

 

『成果を上げた者達に報酬を与えようとしたら困ってしまって?』

 

「何を要求されたのですか?

私は生きた人間と洋服でしたが。」

 

『生きた人間ですか?

それって犯罪者ですよね?』

 

「無垢な人間を要求されたのですが流石にそれは断りました。」

 

『そうですよね。

私はお情けが欲しいと言われまして

取り合えず、ギルドの指輪で誤魔化したのですが。

どのように逃げるかで悩んでいるのです。』

 

「私も、お金を渡すとして何が欲しい?と聞いたら添い寝券、お空でデート券、食事あーん券、一緒にお風呂券と言うのが出てきましたよ。」

 

『添い寝は兎も角、他はやってあげたらいいのでは?

実際、私は一緒に街に行ったり、お風呂に入ったり、食事をしたりはしていますし。

流石にお風呂は同性限定ですが。』

 

「そうなのですか?

それにしてもお情けって、ナザリックにも言いそうなのが居ますが。」

 

『問題は…男なのです。

同性愛者では無いので断ったのですがどうしたものかと。』

 

「何と言うか。」

 

『設定で同性愛者にした記憶は無いのですが?』

 

「子供が作れるのですか?」

 

『一応作れるのが問題なので』

 

「どうやって作るのですか?」

 

『おふざけ魔法で有ったのですよ。

多分LGBTQ対策魔法で、転移前は何の意味も無かったのですよ。』

 

(※一応、教会の守護者や都市階層守護者辺りが異種族交配魔法や同性生殖魔法は習得すると町の人口増加率が増えた…シルトは知らなかったのだが、教会に異種族交配魔法が使えるようになる杖があるおかげでエルグリラは同じ効果を発揮していた…プレイヤーが習得しても意味は無かったのだが。)

 

「よくそんな魔法を習得しようと思いましたね?

たしか異種族交配魔法が使えるようになる杖があるとも聞いていますが。」

 

『相手がアンデッドでなければ、どの組み合わせでも子供をつくれるはずです。

流石に全く変化のないアンデッドはどのようにしたら良いのかは悩んでいるのですが…話を戻すと、やっぱり異性愛者だからで断って大丈夫でしたよね。』

 

「まあ、そうなるでしょうね。」

 

『一緒にお風呂も二人きりだけは遠慮しておくことにします。』

 

「ナザリックで同じような事を言われないか気を付けておきます。」

 

 




因みに言ったのはアレク。
本人も別に同性愛者ではなく、誰かと子供をつくって欲しいという歪曲表現に過ぎない。
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