もう一つのギルド   作:mshr

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第7章6話 大虐殺

戦争が始まった。

 

私の感覚では戦闘とか会戦であって戦争ではないと思うのだが…

 

先に、ルプスレギナからバルブロ王子の首を頂戴しなければいけない。

 

「モモンガさん、リ・エスティーゼ王国の別動隊指揮官の首を頂けませんか?」

 

私は伝言(メッセージ)を使いモモンガさんにお願いした。

 

『何故それがいるのですか?』

 

「カルネ村に向かっている指揮官がリ・エスティーゼ王国の第一王子のバルブロさんだからですよ。」

 

『それをどうするつもりなのですか?』

 

「私に渡す必要はないのですがリ・エスティーゼ王国に戻して欲しいのです。」

 

『蘇生魔法で蘇生できないようにしてと言う条件付きですよね。』

 

「当然です。

彼の死亡判定だけでも良いので、だめならその場面を録画しても良いですか?」

 

『その程度なら良いですよ。』

 

「もう、名目上は同盟関係ではなくなりましたけれども、リ・エスティーゼ王国軍をどのように撃破しますか?」

 

黒き豊穣への貢(イア・シュブニグラス)を使おうと思っています。

デミウルゴスもアルベドも賛成してくれましたし。』

 

やっぱりか、人間を生贄にして召喚すること自体の印象が悪すぎるので、やめて欲しかった。

 

この世界では、ジルクニフ皇帝から最大の魔法を使って欲しいとの要請はないのだけれども、どれくらい撃破できるかの確認は有ったのだ。

 

返答はナザリックだけでもリ・エスティーゼ王国軍を撃破可能と言う物だった。

 

ジルクニフも私からも可能と聞いていた後なので何とか絶句せずに稼働できたらしい。

 

黒き豊穣への貢(イア・シュブニグラス)は出来ればやめませんか?」

 

『何故ですか?ユグドラシルでは派手なので人気でしたよね?』

 

「この世界はゲームではないのです。

この世界の人間があの魔法を見たらどう思うのかを考慮してみてください。」

 

正直、あのクラスの魔法の場合、どんな魔法でも忌諱感が出ると思うが特に酷そうだ。

 

『でもデミウルゴスやアルベドに言ってしまったからな。』

 

マジで支配者ロールをやめればいいのに。

 

もうすでに収拾がつかなくなっているな。

 

「良いとか悪いとかではないですが、ナザリックのNPCの大半は人間など何とも思っていないと言う事実を考慮して欲しかったですね。

それで私に相談してきたのではありませんでしたっけ?」

 

アインズ・ウール・ゴウンを名乗り、それに引っ張られているのが本当に解る。

 

私もシルト・クレーテに引っ張られていないだろうな。

 

『どうしたらいいのでしょうか?』

 

私の意見でどうにかなる物ではないのだから、私に聞くなよ!と思いながら答えた。

 

「セバスさんには聞かないのですか?

先日も、たっち・みーさんを意識して行動していましたが、彼ならたっち・みーさんならどう思うかを答えてくれるのではありませんか?」

 

『次からは一回セバスにも聞くようにします。』

 

モモンガ、シルトではなく、悟、隆呼びの方が良かったような気もする。

 

この段階ではツアーは介入してこないが、結局、徴兵されたと言っても軍人だからだと思う。

 

結局、その日に起きたバルブロ王子の別動隊の最後はきっちり撮影しておいた。

 

後日ザナックに渡せば良いだろう。

 

ザナックはバルブロが生死不明で困っていた訳だから。

 

~~~

 

カッツェ平野に展開した戦力は事前に暗躍していたおかげで原作よりもかなり少なくなった。

 

バハルス帝国4個軍4万、つまり例年通りの数だ。

 

対するリ・エスティーゼ王国軍20万弱、原作が25万なのでそれなりに少ない。

 

例年の戦力と同じである。

 

原作では、実に戦死者18万人なので、多分原作ほどの死人は出ない。

 

まあ、既に全滅した別動隊が他にいるけれども、私の暗躍でどれだけ減少したのかが分かると思う。

 

ゲヘナの際にモモンとアンネを除いた全戦力よりも私一人の方が強いと評価され、アインズ・ウール・ゴウン魔導王はそれと同等。

 

まともな頭を持った人間なら戦う以前と言う事が分かっていないのはどうかである。

 

大規模な魔法を使うまでも無く、空中から大規模に爆撃すれば徴兵された一般人の王国軍では士気が崩壊してそれまでである。

 

そして、それを実践して見せた者が居る…誰だ?

 

何故、フールーダを始めとする魔法詠唱者(マジックキャスター)を抱えるバハルス帝国がそれをしなかったかと言うと、単純に戦いに勝って占領するだけでは後が大変だからである。

 

余程、圧倒的な戦力差か、そもそもその国が内部崩壊していて最後の一突きになる事が重要だったりするので、後者を狙ってリ・エスティーゼ王国の国力をそぎ落としていたのが今までの戦いだった為だ。

 

リ・エスティーゼ王国の全軍指揮官は、なんとボウロロープ侯である。

 

従って中央軍の指揮官がボウロロープ侯で左翼がリットン伯爵、右翼がブルムラシュー侯爵

 

ザナックの苦労がうかがえる布陣である。

 

因みに後詰でレエブン侯、ウロヴァーナ辺境伯、ペスペア侯爵、ランボッサ三世がいるが、こちらは事実上の別動隊で合計6万程いる。

 

つまり、戦闘正面には14万弱まで減少している。

 

貴族派の連中を煽って、前面に押し出したと思えば大体あっている。

 

普段は防御陣形で待ち受けているリ・エスティーゼ王国が、なぜか攻撃用の凸陣形を組んでいるのだ。

 

総司令官が突撃と後退しか知らない馬鹿なのでこうなるのも仕方がない。

 

無骨者であるガゼフよりは指揮官としての有能って…単なる皮肉ではないのかな?

 

そもそも、ガゼフは小隊長か中隊長の前線指揮官以上は出来ないだろうに。

 

大体、帝国の思惑で基本的にはまやかし戦争(ファニーウォー)だったので本当の意味での指揮官を養成できていないのだろう。

 

兵士の練度も低いからな…偽装退却とかできそうにないもの。

 

数は多いのだから、迂回襲撃で後方の補給部隊を叩くとかさ、私でもこの程度の案は出る。

 

この陣形はボウロロープ侯を人身御供にしているのだろう…あの性格なら簡単に乗ってきそうだし。

 

私なら、地形操作で大規模に地割れか壁を作ってリ・エスティーゼ王国軍を閉じ込めてしまう。

 

私は穏便にバハルス帝国とアインズ・ウール・ゴウン魔導国が提携できる道を模索したつもりなのだけどな…上手くいかない物だ。

 

何故か、ボウロロープ侯は前進命令を出して前衛は突撃を開始して、逆に、後衛は撤退を開始した…魂喰らい(ソウルイーター)を確認したレエブン侯の指示だろう。

 

それにしても連携が取れていない。

 

原作通りと言って良いのだろうか?

 

黒き豊穣への貢(イア・シュブニグラス)によってボウロロープ侯率いる前衛中央部隊5万が死滅した。

 

この光景を見ながら私はため息をついてしまった…私はこれを止める事も出来たのだ。

 

「本当にこの選択肢で良かったのだろうか?」

 

次元障壁(ワールドシールド)の効果範囲は発動しなくても調べられますので。」

 

実際に使おうとしただけで効果範囲は何となくわかるので一々使用するまでも無い。

 

例外は超位魔法で、途中で自身では発動を止められないのだ…仲間から攻撃してもらうと言うとんでもない方法で止めれるので一応は確認できる訳だが。

 

「私はこの虐殺を止められたのだぞ。」

 

「シルト様は十分に情報をお伝えになられました。

これ以上は度が過ぎませんか?」

 

支配者ロールをやめてしまえばこうして諫言もしてくれるようになると言うのに。

 

アランの言いたいことは理解できる。

 

ガンダルフィーが、ワールドガーディアンが居ることの情報は切り札としてギリギリまで隠蔽しておきたい。

 

最悪を想定しない訳にはいけないし、自国と他国であれば自国を優先するのは当然なのだから。

 

「傲慢なのだな、私は。」

 

「そんな事は無いと思いますが?」

 

 

 

結局、推定12万人が亡くなった。

 

原作よりも6万人も減少したと思うべきなのだろうか?

 

最初から引き気味に展開していた後衛の被害は1割にも満たないのだから前衛だった14万だけで考えると原作よりも被害比率は大きかった。

 

ザナックとラナーは上手くやったと見るべきなのだろうか?

 

だが、その戦死者の中には当然のようにガゼフ・ストロノーフも入っていた。

 

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