もう一つのギルド   作:mshr

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最終回のうちの一つです。

シルトの思い通りに行った場合のケース。


最終回 CASE1

『シルトさんに聞きたいのですが、嘘はつかないでください。』

 

本日のメッセージは鈴木悟ボイスではなくアインズ様ボイスだった。

 

こんな事は初めてだ。

 

「何かあったのですか?」

 

『デミウルゴスに何かしましたか?』

 

「作戦の打ち合わせ以外では、クラン、ナインズ・オウン・ゴールやウルベルト・アレイン・オードルさんの話をしただけですよ。

あくまでも私から見た感想なのでモモンガさんに聞くように言いましたが?」

 

『本当にそれだけですか?』

 

なんなのだ?

 

牧場の残虐行為が減少した報告は貰っているけれども、かえって良い事では?

 

「なにかデミウルゴスに有ったのですか?」

 

『行方不明になって、コンソールで確認したらブラックアウトしていました。』

 

?????どういう事?

 

「ブラックアウトしているとは、消滅したと言う事でしょうか?」

 

『金貨で復活できるのですが、死んだ時の事を覚えていないのですよ。』

 

「では蘇生したのですか?」

 

『蘇生はしましたが、なぜ死んだかの心当たりがないと言っているのです。』

 

「で、私を疑ったと。」

 

『そうです。』

 

偵察はしていても他の事はしていないぞ?

 

「私なら単純に殺しませんね。」

 

普通に殺しても蘇生されるからな。

 

態と死者蘇生(レイズデッド)で蘇生して殺してを繰り返して完全消滅させるとか。

 

コンソールを使った金貨蘇生はどうもバックアップ復活と思われるから、それでも蘇生可能かもしれないが。

 

正直、これは試したことが無いどころか試すのも躊躇われるので何とも言えない。

 

…もしかして、私はデミウルゴスをテストケースに使ったとか疑っていないよな?

 

『シルトさんならどうすると言うのですか?』

 

本当にNPCに手を出したものに対して沸点が低いな。

 

「モモンガさんと敵対するなら、デミウルゴスだけを殺さないのですよ。」

 

『では、誰がデミウルゴスを殺したのですか?』

 

「それを私に言われても困るのですが…側近の傭兵モンスターは巻き込まれているのですか?」

 

『デミウルゴスだけです。』

 

「守護者が一人だけで動くのですか?」

 

拠点内ですら最低でもPOPモンスターは連れているだろうに…下手すると寝室ですら一人では無いぞ。

 

『POPモンスターは傍いたようですが、POPモンスターごと行方不明になりまして。』

 

アラン辺りなら何があったか知っていそうな気はするけれども…知っていること自体で疑われるよね。

 

「一応、配下の者に確認を取りますが、少なくとも私が命令を出していない事は保証します。」

 

デミウルゴスの悪魔形態は知らないから、悪魔形態の彼に会って殺してしまったとかならあり得るのか?

 

一旦、モモンガさんとのメッセージを終えて、玉座の間にいるアランに聞いてみることにした。

 

「…と言う話が有ったのだけれども?」

 

「今日、報告を上げる予定でしたが、昨日、アインズ・ウール・ゴウン魔導国のデミウルゴスが自殺いたしました。」

 

自殺したら蘇生魔法は聞かないのでは…コンソール復活はバックアップデーター復活だから無意味なのか。

 

「ナザリックで蘇生したのだから、コンソールからの金貨蘇生は自殺でも蘇生可能なのか…しかし、何故自殺した?

原因を解明しないと再度自殺しかねないな。」

 

と言っても、何故、自殺したことを知っているんだ(# ゚Д゚)、となるよね。

 

「どうされますか?」

 

「濡れ衣をかぶせられるのはな…。」

 

結局、死因が分かっても理由は分からずじまいだったし指摘も出来なかった。

 

次の日

 

『シルトさん、昨日は大変申し訳ありませんでした。』

 

「誰が殺したのか分かったのですか?」

 

『デミウルゴスと二人きりで心当たりを問い詰めたら、多分、自殺ではないかと言いまして。』

 

「また何で。」

 

『自分の設定文と実際のウルベルトさんや私の考え方との違いに板挟みになったようで。』

 

多分、設定文が悪を極めたような感じで書いてあっても、書いた本人は厨二病で偽悪趣味なだけだからな…

 

〈この世界は生まれた段階で二極化されすぎている。なんだよ、この不公平な世界は。努力すれば上に行ける?そんなデマを信じる奴なんかいないさ〉

 

だったか。

 

私自身も本当にそう思う。

 

伯父さん(元メンバーのガンダルフ)が手を尽くしてくれたおかげで中学まで通って、成績だってトップクラスだったけれども、高校に進学してアーコロジー内に住むことは結局叶わなかった。

 

(建前上は高校まで進めればアーコロジー内に住めることになっている…建前に過ぎないことは思い知った。)

 

伯父さんのおかげでアーコロジーの外としては恵まれた仕事についていた。

 

逆説的に言えば、アーコロジー内の人である伯父さんが居なければ中学に通う事もそれなりの仕事に付く事も出来なかった訳だ。

 

しかも、結果、伯父さんを失ってしまった。

 

時期と年齢的にウルベルトさんの親の可能性は絶対に有り得ないが自分の管理する工場のラインで死人が出たのを確認しているのだから言いたい事が分からないでもない。

 

(断っておくが私の管理しているラインでは事故死を出していない。

それでも自分のラインで死人が出た事はショックだった。

病気だろうが何だろうが無理してでも働かなければ食べていけない構造上の問題。)

 

だから、当然、ウルベルトさんは弱者を搾取する事を許さない気持ちがある事だけは確実だと思ってあの話をした。

 

「設定文と創造主の意志との折り合いですか?

モモンガさんの命令ですむのでは?」

 

私は現実的な提案をした。

 

『そうします。』

 

 

結局、デミウルゴスどころかナザリックの全守護者にリアルの事を教えることになったそうだ。

 

そうすると困ったのが殆どのナザリック守護者だ。

 

なにせ、本当はギルドメンバーが下等生命と思っていた人間だったのだから…

 

殆ど、と言ったのは、セバスやペストーニャ、ユリ辺りは然程問題が無かった為である。

 

こうして、アインズ様と言う支配者ロールは消えてモモンガさんになってしまった。

 

当然、世界征服もなくなった。

 

スレイン法国のとあるエリアに奇襲を仕掛けて傾城傾国とロンギヌス、三人目の神人を強奪したが、それで話は終わった。

 

拠点の運営を守護者達に任せて、時々は帰還して守護者達に顔を見せながら私とモモンガさんは世界中を旅した…次のプレイヤーが転移してくるまでの間。

 

 

 




断っておきますが完結ではありません…最終回の案の一つでした…重要な伏線を回収してないし。
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